【バスケ】怒涛の快進撃!全勝で後半戦へ折り返す vs神奈川大

 

攻守で躍動する権田はチームに不可欠な存在となった

攻守で躍動する権田はチームに不可欠な存在となった

 

リーグ戦9日目。ここまで苦手な相手からも物怖じすることなく、白星を奪い取り続けた慶大。この日の一戦は長いリーグ戦の折り返し地点であり、前半を締めくくるためにも勝利を掴むことが期待された。拮抗した場面も時にはみられたが、一貫して慶大が主導権を握る展開で見事に9連勝を果たした。一巡目を悲願の全勝という結果で終え、指針を見出した選手たちは後半戦も素晴らしい試合を見せてくれるに違いない。

2013/09/28(日) @東洋大学総合スポーツセンター
第89回関東大学バスケットボールリーグ戦2部 9日目   vs神奈川大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 22 30 22 23 97
神奈川大 23 16 18 29 86
慶大スターティングメンバー
PG #21 西戸良(総1・洛南高)
SG #16 伊藤良太(環3・洛南高)
SF #14 大元孝文(環2・洛南高)
PF #4 蛯名涼(法4・洛南高)
C #23 黒木亮(環2・延岡学園高)
主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)
#16 伊藤良太:23得点

#10 矢嶋瞭:20得点

#11 権田隆人:17得点、7リバウンド

持ち味のミドルシュートで矢嶋はチームにチャンスをもたらした

持ち味のミドルシュートで矢嶋はチームにチャンスをもたらした

1Qは西戸のミドルで幕を開け、両チーム互いに譲らない展開となった。序盤、相手がアウトサイドからの得点やスピードを生かしたドライブで得点を取る一方で、慶大はシュートを決めきれずになかなか勢いに乗ることが出来ない。立ち上がりに苦しむ中、流れを引き寄せたのが途中投入された矢嶋瞭(総4・福大大濠高)、権田隆人(政3・慶應高)である。権田が相手からファールを誘うと、矢嶋は3ポイントを連続で沈めて持ち味を発揮。容赦ないディフェンスに手を焼きつつも、これらに呼応するように伊藤がタフショットを決め、チームを沸かせた。慶大がリズムを掴み始め、黒木のゴール下が決まったところで1Q終了。 続く2Qが始まるやいなや、点を取ることを意識している」と語る権田がスティール、零度からのミドルを披露し得点の基軸として役割を遂行。一進一退の攻防が繰り広げられる中、プレーの随所に慶大の十八番であるトランジションバスケットが機能し始める。スコアラーの伊藤がスリーを着実に決めると、吉川治瑛(環3・世田谷学園高)のスティールを西戸が得点に結びつけ、地道に神大とスコアを引き離していく。更にローポストの黒木に矢嶋がすかさずアシストを出すなど観客を魅了するようなプレーも飛び出した。負けじと外からのシュートで応戦されてもひるまず、慶大は相手のわずかなミスからチャンスを生み出して立て続けに6得点を奪取。「慶應のスタイルであるディフェンスから速攻という攻撃ができた」(矢嶋)と言うように、「堅守速攻」のプレーで相手を圧倒し、13点の差を付けて前半戦を締めた。

果敢なプレーで吉川は慶大に大きく貢献した

果敢なプレーで吉川は勝利に大きく貢献

後半に折り返しても慶大の勢いは止まらない。体格で差がある相手に囲まれながらもインサイドで体を張った矢嶋がバスカンを勝ち取ると、それに続き2年生が慶大サイドを盛り上げる。大元が高精度の3ポイントを沈め得点を量産したほか、黒木や福元直人(環2・福大大濠高)も役割を果たして神大にフラストレーションを与え続けた。中盤に差し掛かると本橋祐典(環4・佼成学園高)、平石健斗(環4・慶應高)らが投入され、更に吉川が肉弾戦の末にバスカンを奪うと会場の盛り上がりは最高潮に。「イージーなミスをなくして勝とう」(蛯名)というスタンスで、終始余裕のある展開が繰り広げられ、慶大は主力メンバーを温存しつつも74-55というスコアで最終ピリオドへと突入する。 更に点差を引き離して試合を締めくくりたい慶大であったが、相手も黙ってはいない。慶大の些細なファンブルやファールが神大を勢い付かせる原因となり、雲行きが若干怪しくなり始める。得点の導火線となったトランジションも鳴りを潜めて痛い失点を被る中、慶大を再び鼓舞したのは伊藤だった。「外のシュートを意識した」の言葉通りアウトサイドでは厳しいディフェンスの隙を突いて3ポイントを放ち、インサイドでは果敢にフェイクを駆使し強気に得点を量産。伊藤のプレーに並行して権田がオフェンス・ディフェンスの両面で躍動し、集中力が切れつつあるチームを支えた。その後は選手たち一人ひとりが堅実なプレーに従事し、最終的に97-86というスコアで見事に神大を封じ込めた。

9連勝の喜びに満ちた選手たち

9連勝の喜びに満ちた選手たち

「一回も負けなかったというのが大変良かった」と佐々木HCが語るように、去年のリーグ戦とは一変して目を見張るような結果を残している慶大。選手たち一人ひとりは喜びを噛み締めながらも100点満点ではなくてまだまだリーグ戦が始まってから継続できていない部分もある」と矢嶋が語るように各々の課題を見出している。反省点を発見しながらも、選手一人ひとりの持ち味が光ったこの一戦での勝利は、リーグ戦の重大なターニングポイントとなったはずだ。「インカレにもつながっていく」(蛯名)という言葉通り、慶大は更なる高みを見据えている。前半戦全勝という経験を糧に、後半戦でも芳しいプレーが見られることを願ってやまない。

(記事: 埜村 亮太)

  ◆試合後コメント◆

佐々木三男HC

1回も負けなかったというのが大変良かったです。あと一つ言うならば、スターターが本当は変わって欲しいです。1週間1週間練習をしているのだけれども、9週間スターターが1回も変わらなかったんです。(反省点は)今学生には言ってきたんですけど、蛯名のファウルトラブル。それからバックアップがまだ全体的にしっかりしていないこと。それぐらいですかね。(昨年のリーグ戦との違いは)僕が求めているバスケットのレベルを相当落としました。それで学生が少し分かりやすくなったんじゃないかな。例えば本当に素人のような考え方なんですけど、相手のドリブルを利き手でさせない、それからボールを持ったら目の前の相手と一対一をする、といったようにやるべきことを少し単純化しました。オフェンスもディフェンスもです。あと一つは、昨年は修正点を随分要求したんですが、言ってはいけないと思いながらも言ってしまっていたので、今年はあまり修正点を指摘しないで、良い所だけを見て、それからペーパーで皆が共有できるようにしています。自分にはどういうことが要求されていて、この人にはどういうことが要求されているかが分かってきていると思います。それが去年との違いですね。

[G] 蛯名涼(法4・洛南高)

神大というと2部の中でしっかりしたチームで、能力があるわけじゃなくて5人で守って走って攻めるみたいなチームだったので、そういう正面から当たってくるチームに対してうちは失敗することなくディフェンスとかリバウンドとかイージーなミスをなくして勝とうということでそういうふうな目標を持って勝ち切れたので、その点ではしっかり土台はできたのかな、というような試合でした。(前半の連続ファウル後に意識したことは)やっぱりディフェンスでボール取るのとファウルになるのは紙一重だと思っていて、ファウルになってしまうことで流れが悪くなるっていうのが9試合続いているのでそれをどうにかしなくちゃいけないと思っている中で全然解決できていないというのがあって、2巡目ではそれが1つチームとして個人としての課題なんですが、チームとしての流れを悪くしないっていうのが課題なのでいろいろ研究してビデオ見たり考えたりして改善して行きたいなと思います。(前半全勝で折り返したが、チームの雰囲気は)やっぱりあとづけ的なものですが勝つと雰囲気もいいですし、勝つまでどれだけいい状態を保てるかということだったと思うので、ようやくそのみんなの中で急激に技術が上がったというのでなくて、意識的にディフェンスをやれば勝てるんだとか自分の役割はこれだからしっかりやろうとか一人ひとつずつそういうパーツというか、5人だけじゃなくチーム全体の力がかみ合ってこういう流れが来ていると思うので、2試合目はそう簡単にはいかないと思っているのでさらにそれ以上のものを求めていかないといけないなと思っています。(前半戦のMVP選手を選ぶとすれば)安定して力を発揮しているという点では伊藤だと思うんですけど、伊藤が5人いれば勝てるというわけではないし、西戸も1年生ながら頑張ってくれていますし、大元も外決めてくれますし、黒木も体張ってくれるし、矢嶋もシュート決めるし、やっぱり一人ひとりの力のおかげでみんな動くから点が取れるわけで。確かに伊藤の力はすごいですし、2部の中でも圧倒的でMVPとして挙げるなら伊藤なんですけど、やっぱりバスケなのでチームというところでうちは総合力で勝たないと勝てないんで。(後半戦に向けての意気込み)一番最初に全勝で入れ替え戦に臨むということを目標に掲げたので、1周目は半分でこれだけ勝ち星重ねられたということは後半徹底してマークされるし、今日の神大もそうだったんですけど、僕がシュート入らないのをいいことに下がって守ってきたので、それに対応できるようなチーム力っていうのを培って行けば入れ替え戦でもたぶん勝てるし、インカレにもつながっていくと思うので2部でのリーグ戦後半しっかり見ながらそれでも先を見て練習も試合も取り組んでいきたいなと思っています。

[F] 矢嶋瞭(総4・福大大濠高)

リーグ戦前半戦最後の試合だったので勝てて全勝できたのがとても嬉しかったですし、よかったです。(得点シーンが印象的でしたが)得点は僕の役割なので、全然100点満点ではなくてまだまだリーグ戦が始まってから継続できていない部分もあるのですが、これをきっかけに明日から後半戦に向けて得点を取るという役割をできたらと思います。(相手チームについて)これまで戦ってきたチームと違って身長がないということで慶應と同じようなスタイルだと思います。走り合いの中でどういうゲームになるかなと思ってましたが、慶應がディフェンスから速攻という形ができたと思います。(前半戦の感想、後半戦への意気込みについて)前半戦は僕ら慶應のスタイルであるディフェンスから速攻という攻撃ができたと思うのでそれを継続させることと、目の前の1試合1試合をこれまで通りにディフェンスから速攻を徹底して、驕ることなく全力で戦っていきたいです。

[G] 伊藤良太(環3・洛南高)

今日勝って前半戦全勝で終えたことは良かったと思いますが、今日の試合は2Qの終わりと3Qの初めは凄い良い形で出来ましたが40分間自分たちのバスケットは出来ませんでした。でもそれが出来てないと上では戦えないのでまた練習していきます。(神大について)蛯名さんが相手の7番についていましたが、みんなで守ることを心掛けました。しかし結局30点近く取られてしまいまだまだでした。(自身のプレーを振り返って)今日は外のシュートを意識しましたが、まだ精度が低かったです。また、4Qの初めに相手にペースを合わせてしまったのが反省点です。(前半戦全勝で終えたが、今後に向けて)昨年、一昨年勝てない時期が続いたなかで全勝で折り返せたことは大きいです。なのでこの勢いを継続して、全勝で入れ替え戦に臨みたいです。

[F] 権田隆人(政3・慶應高)

勝てたのは良かったのですが、全体的に集中力に欠けた試合だったのかなと思います。ずっとリードして、色んな選手が出てきたと思うのですが、それに対していつもの練習通りのプレーが出来なかったです。勝てたのは良かったのですが、ちょっとすっきりしない試合だったのかなと思います。(インサイド・アウトサイド多彩なオフェンスについて意識していることは)最近ベンチスタートで出ているので、失うものは何もないというか、スタメンの人たちよりもプレッシャーは少ないし、となるともっと自分がやらないと常々感じています。今日は特に練習からやってやろうという気持ちが強くて、今日の試合は自分としては力を入れていたところがあったので。最近は練習中にオフェンスで点を取ることを意識しているのですが、そういうのが試合中でも出すことが出来たのは良かったと思います。(相手のディフェンスの印象)今日の相手は僕たちと同じようなチームで、身長も同じくらいでした。体の使い方がすごく上手だなと思っていて、しっかり基礎的な部分でヘルプのディフェンスがうまく出てきたりとか、ボックスアウトを徹底してきたりとかしていて、見習わなきゃ行けない部分だったのかなと思いました。(前半戦を通して成長した点と今後への課題)春はずっとスタメンで出ていましたが、リーグ戦が始まって最初はスタメンで出ることが出来ず、今までと違う感じで出場していたので、個人的にはうまくいかない部分というものもあったのですが、最近はベンチから出ても割とアジャスト出来るようになっていますし、そこは成長した部分かと思います。前は外からのシュートだけと自分でも思っていたのですが、ドライブとかでもうまく抜けるようになってきたので、このような新しく出来るようになったことをこれからも大事にしてやっていきたいと思います。(後半戦に向けて) 全勝出来たというのは一つ大事な経験として、素晴らしいことだと思います。自分たちの自信にしていかないといけないと思うのですが、後半戦になるにしたがって、相手も僕たちのことを研究してきますし、相手がやってくることに対して僕たちもうまくアジャストしていかないといけない部分もあると思います。けれど、相手も有無よりも、僕たちのやりたいバスケットというものをうまく徹底していけば。前半戦やりたいことが出来たからこそ、こうして全勝することが出来たと思うので、後半戦も相手どうこうよりも、自分たちのバスケットをしっかりと成功出来るようにしていければ勝てると思います。

[C] 黒木亮(環2・延岡学園高)

1クール目最後の試合ということで気合も入ってたと思いますし、勝ちで今日は締めくくれたので、チームとしても成長できたと思いますし、次の2巡目につながるいい試合だったと思います。内容は少しまだ詰めれる部分はあったと思うんですけど、とにかく1巡目を全勝で終えたということが、大きいのでそれが良かったと思います。(神大に対する対策は)春は伊藤さんと権田さんが抜けていて、接戦の末負けたんですけど、神大はでてくる人全員がオールラウンドにプレーしてくるというか、プレーが上手いんで、ひとりひとりディフェンスをしっかりやっていこうということを、ミーティングで話し合ってやってきたんですけど、2Qの最後にいいディフェンスの流れから速攻にもっていけたのがポイントだと思います。(オフェンスリバウンドへの参加が目立ったが)神大は他の大学より小さいほうなので、僕の中ではリバウンドへもっと絡んでいこうと思ったので、取れたところは取れてよかったと思いますし、逆にディフェンスリバウンドを取り切れるところもあったと思うので、しっかりと次の2巡目のところからもっとリバウンドに絡んでいけるようにしていきたいなと思います。(試合の流れを掴めたきっかけは)やっぱりディフェンスですね。相手がドライブしてきたのに対しても詰めてヘルプできて、それが相手のミスにつながって速攻にというパターンが何回もあって、あとリバウンドが取れたのもよかったと思います。それがあの流れにつながったかなと。(自身のブロックもあったが)神大の上3人が速い分、自分のマークマンと上3人をずっと見てて、ああいう形でブロックしてもっていけたのは大きかったと思います。(前半戦を振り返って)とにかく、去年以上に勝ちを求めている前半戦だったので、去年にない体験ができていることが、チームにとって成長する大きな材料だと思うし、やっぱり全勝できたということが次の2巡目にいい流れでもっていけるので良かったと思います。あとはディフェンスがすごい機能したというのが、大きな収穫だと思うんで、それを2巡目に活かしていきたと思います。(次戦への意気込み)明日は東洋大で、多分この会場でやるのも、東洋大とやるのも今シーズン最後だと思うし、やっぱり向こうも相当気合入れてくると思うんで、そこはしっかり相手の速い展開だとか個人の1対1にやられて、とかそういう悪い流れにもっていかせないようにディフェンスからまたいい流れを作って、シュートを決めて勝ちで今週を終えていきたいと思います。

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