【バスケ】総合力を見せつけ勝利。遂に2桁10連勝! vs東洋大

 

指揮官も絶対の信頼をよせる蛯名のキャプテンシーが、この日の勝利を引き寄せた

指揮官も絶対の信頼をよせる蛯名のキャプテンシーが、この日の勝利を引き寄せた

リーグ戦10日目。リーグ前半戦を全勝で終え、その勢いのまま後半戦の初戦を白星で飾りたい慶大。試合の序盤は激しい一進一退の展開が繰り広げられたが、この日も爆発的なオフェンスで相手を圧倒し、前代未聞の開幕10連勝を成し遂げた。リバウンドなど課題もまだ見られたが、サブメンバーが大いに活躍し、チームとしての成長も感じさせられる一戦であった。

2013/09/29(日) @東洋大学総合スポーツセンター
第89回関東大学バスケットボールリーグ戦2部 10日目   vs東洋大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 17 25 34 17 93
東洋大 21 19 8 17 65
◆慶大スターティングメンバー◆
PG #21 西戸良(総1・洛南高)
SG #16 伊藤良太(環3・洛南高)
SF #14 大元孝文(環2・洛南高)
PF #4 蛯名涼(法4・洛南高)
C #23 黒木亮(環2・延岡学園高)
◆主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)◆
#11 権田隆人:22得点

#14 大元孝文:18得点

#4 蛯名涼:12得点、3スティール

ベンチから登場して10得点をマークした吉川。このリーグ戦で成長を見せている

ベンチから登場して10得点をマークした吉川。このリーグ戦で成長を見せている

1Qは大元の速攻で慶大が先制し、幕を開けた。序盤はお互いディフェンスが硬く思うように点を取ることができなかったが、慶大は伊藤を中心にパスを回し得点を徐々に重ねる。しかし、中盤から慶大は相手の厳しいマークに合い、またリバウンドも思うように取れず、立て続けに3本速攻を決められ逆転を許してしまう。この悪い流れを断ち切るかのように今リーグ調子の良い権田隆人(政3・慶應高)が3ポイントシュートを沈めなんとか食らいつく。ここからお互い一歩も譲らない激しいシーソーゲームが始まる。相手にディフェンスを崩され得点を許しても、権田のアウトサイド、蛯名のドライブですぐさま点を返し一進一退の展開が続く。しかし相手の積極的な攻めを完全に止めることができず、4点ビハインドで1Qを終えた。2Qに入り慶大は持ち味を活かし、徐々にペースを掴みはじめる。序盤では1Q同様リバウンドがなかなか取れず思うように試合展開をすることができずにいたが、矢嶋のアウトサイドからのシュートや大元の3ポイントなどにより、ついに慶大は逆転を果たす。逆転した後も伊藤が速攻で着実に点を重ね、また各選手フリースローもしっかりと決め相手の猛追をしのぎ、2点リードの状態で試合を折り返した。

5分間の出場ながら2得点2アシストと、存在感を見せた平石

5分間の出場ながら2得点2アシストと、存在感を見せた平石

3Qは「相手に好きにプレーさせないディフェンスを実行することができた」(西戸)というように慶大は前半では苦戦したディフェンスリバウンドなどから良い流れを生み出し、爆発的な攻撃力で一気に相手を突き放す。3Q開始早々大元、黒木、蛯名が間髪入れずにシュートを決め、またフリースローも確実に沈めて相手を圧倒。東洋大は必死な攻撃をしかけるも、慶大の機能したディフェンスの前に抑えられ、ミスを連発してしまう。また途中から投入された吉川治瑛(環3・世田谷学園高)がこの慶大チームをさらに高揚させる。「自分の持ち味はドライブ」と本人が言うように、吉川は積極的にドライブをしかけ、厳しいファールにあいながらも立て続けに3本バスケットカウントを沈め、会場のボルテージは最高潮に。その後も流れを崩さず、素晴らしいパスワークから権田が連続でシュートを決め、気づけば76-48と28点差をつけて3Qを終えた。4Qに入っても慶大は主導権を握り続ける。平石健斗(環4・慶應高)や山崎哲(環2・秋田高)などのサブメンバーが投入されリバウンドを中心にディフェンスを強化した。メンバーが代わっても攻撃力は衰えることなく西戸が積極的にオフェンスをしかけ得点を重ね、相手に終始隙を見せず結果93-65と見事大勝した。

遂に復帰後初得点を記録した本橋。いち早い完全復活が待ち望まれる

遂に復帰後初得点を記録した本橋。いち早い完全復活が待ち望まれる

 

この日の試合では、控えメンバーも絡ませつつ主導権を失わずに戦いきった慶大。控えの層の暑さを見せ付けることが出来たのは、残り半分を切ったリーグ戦における好材料であると言えるだろう。1週目では苦戦した相手に対しての快勝という結果は、チームとしての力がこのリーグ戦を経て向上している証だ。また、「練習でやったことをしっかり出せている」と福元直人(環2・福大大濠高)が語るように、慶大は着実に進歩を遂げている。選手一人一人が普段の練習においてでも志高く取り組んでいる結果が、今の躍進につながっているのだ。10連勝と他のチームに注目されることになるが、「おごりを持たず、チャレンジャーの気持ちで試合に臨んでもっと上のレベルを目指して頑張っていきたい」(大元)という言葉が示す通り、慶大は更なる高みを目指している。厳しい戦いが続く残りの後半戦の彼らの活躍に期待したい。

(記事: 清水隆太郎)

 

◆試合後コメント◆

佐々木三男HC

2周目に入って、それぞれに目標を出しました。蛯名には、ファウルトラブルはやめてくれと言いましたが、今日はそれを見事に出来たので。ああいう風に全試合やってくれれば、ある意味実力通りの差が出るんじゃないかと思うので、今日は蛯名が自分をよくコントロール出来たなと思います。(前半東洋大のリバウンドに苦しめられていたが)試合の途中で4番と5番を両方置く普通の形に戻して、チームにリバウンドへの意識付けをしたので。ただメンバーチェンジをしてるだけじゃなく、中が弱い部分を補うために交代しているので、今日はリバウンドで負けてるよというメッセージとして、早めに権田と黒木の4番5番体制にしました。それを選手も少し感じ取ったのではないかと思います。(後半は改善が見られたが)いつも言いますが、見てたら取れないんですよ。空いてる隙間に走り込んでリバウンドを取らないと。特に前半は、相手にオフェンスリバウンドを10本も取られていて、ウチにとってそれはありえないことなので。その後、数字とやり方の確認をしたということで、今日は修正出来たんじゃないかと思います。これも、負けがこんでるとその修正がぼやけちゃうんですよね。でも勝ってると、言われたことに集中出来ているといういい作用もあるので、勝つことが一番ですね。修正もよく出来ています。(後半は速攻が多かったが)ディフェンスを頑張って、というのはウチの基盤ですし、ハーフタイムに蛯名が、ディフェンスを頑張ってリバウンドを取るぞ、という話をしていたので。そういう言葉が選手から出てくるということは、今一番やらなければならないことが皆見えているということなんで、今日は私が色々言わなくても済みました。(勝利の影響でチームが纏まっているということか)去年なんかも相当手を入れたんですが、結果がついて来ないものだから上手く行かない、という状態でした。今上手くいっているのは、拾った得点がかなり多いんですよ。拾うボールが多分15点くらいあると思うんですが、去年はそれがまるでなかったので。上手く行き始めると、そういうところまでいい影響が出るんじゃないですかね。(チームを纏める4年生の出来は)春もそうでしたが、蛯名が体を張ってリバウンドだったりルーズだったり、リング下でねじ込んで来たりすることが、チームの立派な見本になっています。あれが一番手っ取り早いチーム改善法で、私がいくら言っても、実際にそれをひょうげしてくれるやつがいないと修正に拍車はかからないです。蛯名はどの試合もああやって体を張ってくれるので、それが一番今チームがいい方向に行ってる要因ですし、4年生として、キャプテンとしての存在が、大黒柱になりつつあると思います。今までずっと4年生を頼って行くよということがあんまりできていませんでしたが、やっと出来るようになりました。それは実践者蛯名がいるからだと思います。(3Q以降メンバーを落としたが、昨日との違いは)今日は理念を持って、上の2人か3人を代えて、試合に慣れてる選手を残してということで、ユニットを作って動かしたので、それがあまり悪い調子に落ちなかった理由ですかね。ただ、やっぱり途中でおかしくなっちゃったので、移動を入れて、その伊藤が2つぼーを取ってきました。ああいうことを繋ぎで行く連中がもうちょっと意識してくれるといいんですがね(次週に向けて)星の潰し合いが始まっているので、われわもいい面と悪い面とを相手にスカウティングされているさずなので、先週からちょっと取り入れてるアイソレーションともうちょっと早いヘルプディフェンスを、1週間しっかり連中して、少しレベルを上げようかな、と思ってます。なので、対戦相手はあまり関係ないです。自分でいかにやれるかですね。

[C] 本橋祐典(環4・佼成学園高)

前半はチームとして、全然リバウンドが取れませんでした。後半は少し楽な展開になりましたが、チームとして前半にもっと取れていれば、もう少し楽な試合だったのかなと思います。あれだけオフェンスリバウンドを取られれば苦しくなりますし、後半みたいにディフェンスから相手にプレッシャーをかけて、自分らもディフェンスリバウンドを取ってオフェンスリバウンドに飛び込むことが出来れば、それだけで良い流れができると思います。試合に出てる人が徹底できないのが、苦しくなる原因じゃないかなと思います。(ケガをしている間に取り組んだこと)筋トレと体を大きくすることに取り組みました。チーム的にそれが活きているかと言われればなんとも言えないですけど、体を強くする、誰にも当たり負けない体を作るというところで、ひたすらトレーニングをしてきました。(自身の役割について)今日だったら前半のリバウンドが取れていない場面で、試合に絡めたらなと思います。ああいう場面で使ってもらえたらすごく仕事しやすいです。やることがはっきりしてそれがチームの流れにもつながるとも思うので、ああいう場面で使ってもらいたいです。(次週に向けて)全勝というのが目標なので、勝つことにこだわって自分の役割をしっかりやっていければなと思います。

[G] 平石健斗(環4・慶應高)

最近ずっと先生から出場チャンスをもらっていて、自分の役割はディフェンスとリバウンドだと思うのでまずそれをやろうっていうのは考えていました。先生は毎日少しずつレベルアップしなければいけないっておっしゃっていたので、とりあえず自分の役割プラス走ることをしようと思っていました。いい結果に繋がったので、良かったです。(ここまでの東洋大の戦いを見た印象)今までの試合を振りかえって、強いチームにも勝利していたので、怖い存在ではあったんですけど、いつも通りやれば勝てるかなと思っていました。あと自分にもチャンスは来ると思っていましたし、しっかりアップを行って、準備していました。(4年生としてチームにおいて意識していること)試合に出ている以上、自分の役割は徹底するのはもちろんなんですが、チームに貢献することを1番に考えて、蛯名のようにルーズボールとか泥臭い部分で貢献したいと考えています。(チームの雰囲気について)練習も志高くやっていて、いいと思います。ただ先生もおっしゃっているんですけど、皆がターゲットにしてくるのは僕たちなので、いつも通りのプレーだと研究されて思い通りにいかなくなるので、いつも通りにやるのにプラスで一人一人が頑張るということをしないといけないのかなと思います。(来週に向けての抱負)連勝が続いているので、もちろん連勝を目指します。去年の春のトーナメントの筑波戦で、大きな失敗をしてしまったので、その借りを少しずつでも返せるように、次の試合も準備して頑張っていきたいと思います。

[G] 福元直人(環2・福大大濠高)

1周目を全勝で終われたので、それはそれとして、後半戦、チームとして1勝目を勝ち取ろうということが目標だったので、それが達成できて良かったと思います。(アシストが多かったが)ずっと僕はプレーとして手応えを感じていなかったので、出たときはしっかり、オフェンスはゴールを狙っていこうと意識していて、今日はゴールを狙った結果としてディフェンスがきたので、周りもそこに合わせてくれて、そこにうまく合わせられたかなと思います。(ベンチからの出場で心がけていること)試合で流れを見ることだったり、どこが上手く行っていてどこが上手く行っていないかを観察して、それを体現するということを意識しているのですが、できていない試合も多いのでそこをしっかりと毎試合できるようにしていきたいです。(10連勝の要因)練習でやったことをしっかり出せているというのもあるし、試合でできなかったことを試合中に潰すことが試合を重ねるごとにできてきているので、今までだったら試合で修正できなくて次の日の練習まで持ち越したりとかしていたのですが、その場で解決して修正できているのが要因かなと思います。(次の試合に向けて)次の相手もしっかり自分たちのことをやれば負けることはないと思うので、自分たちが何をして、何をされちゃいけないのか、もう一度1週間で確認して、来週も2つの白星で終われるように頑張りたいと思います。

[G] 大元孝文(環2・洛南高)

2週目の初戦ということで、気持ちをゼロにして初戦という気持ちで臨もうと話してて、試合に臨んだんですけど、結果的に前半戦の戦いもああいう風に後半3Qで離して、大差で勝つことができたというのは2週目の良いスタートが切れたと思います。(今日で10連勝だが)バスケ人生で10連勝はしたことがなくて、ここまで連勝を重ねていくということはチームとしての完成度も高くなってくると思うんですけど、その分負けられないプレッシャーというのはあると思うので、そこは気にせずに自分たちのできるプレーで連勝を重ねていけたらなと思います。(1戦目とは違い大差での勝利となったが)力の差的にはあのくらい離れていい試合だと思うんですけど、どうしてもなかなか噛み合わない部分ということで第1戦は競ったんですけど、今回は蛯名さんが踏んばってくれて、途中からディフェンスから速攻という流れが結構出たので、トランジションゲームの差がそのまま点差に表れたと思います。(後半から流れが良くなったが)まず前半に40点取られてしまうというのは慶應の目指しているディフェンスではないという話をされて、そこで何が悪いかというと、オフェンスリバウンドを東洋に取られてしまったことということで、まずはディフェンスリバウンドを頑張ろうということで、後半はそれが実践できたので、ディフェンスリバウンドを取ってそのまま速攻という形につなげられたのが後半離した大きな理由だと思います。(来週に向けて)来週以降は落とせない試合がどんどん続いていくと思うんですけど、今日の後半みたいな試合をしっかり前半の最初からできれば2部の中ではそんなに苦労しないバスケットができると思っているので、10連勝したということにおごりを持たず、またチャレンジャーの気持ちで試合に臨んでもっと上のレベルを目指して頑張っていきたいと思います。

[G] 吉川治瑛(環3・世田谷学園高)

前半はみんな硬さがあって、向こうの勢いに合わせちゃったんですけど、中盤あたりからディフェンスから速攻といううちの形が出せたので、それで流れはもってこれたかなと思います。(3Qの入りがよかったが何か指示は)相手に合わせるなと言われていて、最初相手のペースだったので、うちの速攻だったりとか、向こうは外のシュートが多かったので、そのリバウンドを取って走ろうということを意識していこう、という指示がありました。(バスケットカウントなど積極的な攻めが目立ったが)やっぱり自分の持ち味はドライブだったり、先生にもバスケットカウントは取ってこいと言われているので、それを今日は本当に決めようという強い気持ちは持っていました。(ベンチスタートの際に心掛けていることは)最近結構出してくれるようになったので、自分が誰と替わるのかを考えて、替わったときに自分は何をしようかということを、意識しています。(10連勝と好調な要因は)ディフェンスだと思います。うちのチームはオフェンス力はあまりないので、ディフェンスから走って、簡単なバスケットをやろうというのが、うちのチームカラーなので、みんなディフェンスを頑張ってやれば勝てるというのが、意識できてきたのが勝ってる原因かなと思います。(次戦にむけての意気込み)江戸川も1巡目では勝ってる相手なんですけど、向こうもうちについて研究してくると思いますし、研究してきた上のプレーをしないとやっぱり勝てないと思うので、そういう風な意識をもってみんなでやっていきたいと思います。

[C] 山崎哲(環2・秋田高)

今日は後半の途中から出場だったんですけど先生から言われてる通り、自分のやることはジャンピングリバウンドを飛んでチームの流れを変えることだったんですけど、最初の出場機会のときにちょっとそれができなくて、これからもっと修正する必要があるなと感じています。(HCも最近伸びてきているとおっしゃっていましたが、練習で意識していることはあるか)自分のプレーが今まで止まっている状態からの動きが多かったので、動きながら走りながらとったりしてプレーできるようにしようと意識しています。(今日の試合で自分の持ち味は出せたか)はい、4Qの最後のところでは出せたかなというふうに思っています。(今後の課題は何かあるか)リバウンドだけじゃなくてディフェンスとかでも期待されるようになっていかなければいけないかなと思っています。(次の試合に向けて)提示された課題をしっかりこなしていきたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました