【バスケ】強い思いが結実。100点ゲームで相手を圧倒! vs日体大

 

得意の3ポイントを武器に29得点を記録。チームを牽引した伊藤

得意の3ポイントを武器に29得点を記録。チームを牽引した伊藤

 

リーグ戦12日目。前日の戦いで浮かび上がった課題への対応が求められる慶大。試合の前半は失点が目立ち接戦となるが、3ポイントや速攻など着実に得点を重ね、積極的なディフェンスが見られた後半に流れを掴み、開幕12連勝を快勝で飾った。ベンチメンバーの活躍も光り、層の厚さが感じられる一戦となった。

2013/10/06(日) @日本体育大学世田谷キャンパス
第89回関東大学バスケットボールリーグ戦2部 12日目   vs日本体育大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 20 28 34 26 108
日体大 23 22 19 21 85
慶大スターティングメンバー
PG #21 西戸良(総1・洛南高)
SG #16 伊藤良太(環3・洛南高)
SF #14 大元孝文(環2・洛南高)
PF #4 蛯名涼(法4・洛南高)
C #23 黒木亮(環2・延岡学園高)
主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)
#16 伊藤良太:29得点

#4 蛯名涼:17得点

チームの大黒柱として、抜群の安定感とキャプテンシーを披露する蛯名

チームの大黒柱として、抜群の安定感とキャプテンシーを披露する蛯名

接戦で苦しい展開となった前日の江戸川戦。「昨日、1Qの入りが良くない感じだったので、今日はそこを頑張ろうということだった」(佐々木HC)、「昨日チーム的にもあまりよくなかったので1Qをみんなで集中」(吉川)というように、1Qから流れに乗りたい慶大だったが、試合開始直後は両チームともに得点を奪うことができない。しかし中盤に差し掛かると、大元、西戸がディフェンスで集中力を発揮し、ボールを奪った慶大は伊藤を中心とした攻撃で得点を重ねる。その後も一進一退の攻防が続く中、慶大は「前半抜け出せそうなところで、小さなミスであったりリバウンドを取られた」と蛯名が課題として挙げたように、パスやファウルなどの小さなミスにより終盤に連続失点を許し、3点ビハインドで1Qを終了した。2Qが始まるも、慶大は相手の速いパス回しによる攻撃の勢いを止めることができず、差を最大7点に広げられてしまう展開に。 「前半を通して失点が多過ぎました」という佐々木HCの言葉の通り、失点が目立ち序盤になかなかリズムを作れない慶大だったが、その後エース伊藤が2連続で3ポイントを決め、各選手がリバウンドを取り、流れを引き寄せた。慶大のスタイルであるディフェンスからの速攻という攻撃が機能し始め、3点リードした状態で試合を折り返した。

ディフェンスのワンポイントとして、指揮官も期待する大木。この日はリーグ戦初得点もマークした

ディフェンスのワンポイントとして、指揮官も期待する大木。この日はリーグ戦初得点もマークした

後半に入ると慶大は勢いを増し、蛯名のバスケットカウント、大元の厳しいディフェンスで相手に思うように攻撃をさせない。黒木が相手からファウルを誘いフリースローを決め、その後も連続ゴール下で得点を重ねる。その後日体大がタイムアウトを取ったあとも大元が3ポイント、リバウンドと高い集中力を発揮すると、権田隆人(政3・慶應高)はオフェンス、ディフェンスの両面で活躍した。中盤からは、「後半から出て自分で少しは流れを変えられた」(吉川)と本人が語るように途中出場の吉川治瑛(環3・世田谷学園高)や本橋祐典(環4・佼成学園高)が気迫あふれるプレーでベンチを沸かせる。流れを引き寄せた慶大はさらにリードを広げ、18点差の82-64で3Qを終えた。権田の好アシストから蛯名のシュートで幕を開けた最終Q。「後半はみんな出た人出た人がしっかりハッスルして」(本橋)、3Qからの勢いそのままにベンチメンバーが各々の役割を果たす。大木崚介(経4・慶應志木高)が厳しいディフェンスを見せ、吉川がバスケットカウントを勝ち取るなど、試合の終盤になっても集中力を切らさない。最後は平石健斗(環4・慶應高)がブザービーターを決め、大歓声の中、今季初の100点ゲームとなる106-85で見事に勝利を収めた。

この勝利でリーグ戦無傷の12連勝。前半の失点や小さなミスなど細かい反省点は挙げられるが、前日の江戸川戦で課題となったディフェンス面をしっかりと修正し、サブメンバーの得点シーンも印象に残る、秋季リーグ戦初の100点ゲームとなった。来週は駒澤大、法政大との試合だが、「法政がまたひとつヤマになる」(佐々木HC)というように、春に2敗を喫している法政大との直接対決を迎えるため、気の抜けない厳しい戦いとなることが予想される。「駒沢大との戦いでいい流れに乗ってどうやって法政大を倒すか」(本橋)がカギとなるだろう。蛯名主将が語る「全勝優勝」という目標に向けて、今後の試合も快進撃を続けることを期待したい。

(記事:近藤侑未)

◆試合後コメント◆

佐々木三男HC

昨日、1Qの入りが良くない感じだったので、今日はそこを頑張ろうということだったんですが、1Qは悪くなかったんだけど、前半を通して失点が多過ぎました。ただ、後半はディフェンスを頑張れたので、それは良かったですね。(4年生が多く出場していたが)蛯名が落ち着いてやれるようになったのが大きいし、ずっと試合に出られる状況を自分で作っていければ、こういう試合になると思います。それから大木とか平石は練習でも調子がいいので、当然の出来ですね。もう少し長く出てもいいんだけど、ちょっと不安定になってしまうので。でも練習で非常に頑張ってるので、彼らが出ることをみんな納得してると思いますよ。(最近の練習について)さっき言ったように、大木とか平石、それからベンチには入ってないんだけど、長命とかも、あんまりミスをしないでやれているので、練習はいい感じでやれてますね。(今年は繋ぎで出る選手がミスなくやれている印象があるが)少し話がズレますけど、去年までは、私自身の中でインカレを取った時の様な理想の形というのを振り払えなかったので、あんな変な試合をやらせましたけど、今年はそれを取っ払ったので、ほとんどフォーメーションはないんですよ。でも本来、バスケットというのはそういう競技ではなくて、戦略的なものがキチッと通用する形を私は追求したいんです。ディフェンスだけ行かせる人、オフェンスだけ行かせる人がいるというのは、周りから見れば変に見えるかもしれないですけど、例えば平石なんて、ディフェンスであれだけ頑張れれば、ディフェンスだけでも僕は行かせるし、バスケットは本来的にはそういう戦略的なスポーツなんですね。(そうした本来的な形ではないですが、結果が出ているが)ただ、本来的という話で言うと、もう一つあって、対峙している人とキチッと攻防が出来ないと、チームプレーにはならないんですね。去年悪かったのは、1対1が出来ないで、形ばかり追い掛けてたということなんです。なので、今年は自分の目の前にいる相手との1対1をしっかりやって、そこから合わせのプレーをやる。アイソレーションをやって、それに対して逆サイドの3人が合わせる、というプレーを分解して練習をしています。原則に戻って、1対1で崩すということが出来ているのが、今落ち着いてやれている要因かなと思います。あとは、ディフェンスで、僕の理想としているパスレーンの守り方が出来るようになってきています。最近、後半に離せるようになってきているのも、それが要因だと思います。(次週に向けて)法政がまたひとつヤマになるので、それを乗り越えれば、入れ替え戦も見えてきますね。

[G] 蛯名涼(法4・洛南高)

全体的に見ると厳しいディフェンスをすることで、後半相手が疲れてきたところで点差を広げることが出来たかなと思います。厳しいディフェンスを継続できたのが収穫です。(課題は)前半抜け出せそうなところで、小さなミスであったりリバウンドを取られたところです。(日体大について)チームとしては、昨日インサイドで30点近くとった日体大#88を抑えることを意識しました。また、個人的には#19の選手を意識しましたが、交代で出てきてやられてしまいました。(自身のプレーを振り返って)今日は得点もとっていませんが、伊藤がダメな時にボールを繋げたり周りを生かせるように動きました。(4年生が多く試合に出場したが)嬉しいですね。一人一人役割があってそれが徐々に上手くいっている気がします。それがもっと上手くいけば先生も使ってくれるので、これからも頑張ってほしいです。(次週に向けて)全勝優勝が目標で、1周目に日体大戦で勝って勢いに乗ったので、今日も絶対に勝とうと試合前に話しました。来週も普段通り練習して勝ちにいきます。

[F]大木崚介(経4・慶應志木高)

日体大はおととし入れ替え戦で負けた相手であり、1戦目から何が何でも勝ちたいという思いが4年生たちにあって、今回で2勝できたということはうれしく思っております。(チーム内での自分の役割)やはり自分の役割はディフェンスで流れを変えるようなプレーをするっていうようなことが自分の役割なので、今日は1つルーズボールからディフェンスをとったりして流れを変えることができたので、だんだん確立できてきたのかなと思っています。(4年生としてどんなことを心がけているか)僕は試合に出る時間が少ないので、ベンチ内でチームメイトに声をかけたりプレー以外でもチームに声をかけてチーム全体の士気が上がるようなことをやるように心がけています。(現在の慶大の練習は)みんなやっぱり自分たちがやらなくちゃいけないディフェンスやリバウンドなどそういった泥臭いプレーを頑張るってことを意識して練習できているので去年、おととしとは違った自分たちの役割、自分たちのやらなきゃいけないプレーを全員が分かって、それに沿った練習ができていると思います。(今後に向けて)今日は4年生全員が得点を取ることができて個人的にすごいうれしかったので、来週も絶対勝ってさらに4年生も全員出場してチーム一丸となって、チームを引っ張っていきたいと思います。

[G]田中貴啓(環4・福大大濠高)

日体大には入れ替え戦で負けていますし、今日みたいに点差をしっかり離せて、慶應には敵わないという試合にしたかったので、そういう試合ができたのではないかなと思います。(コートに出たときの自分の役割)チームルールで外からのシュートを打たないで、ペネトレートから崩すというのがあるんですけど、その中で自分の持ち味であるシュートを生かすのは難しい部分でもあるんですけど、まずはディフェンスやルーズボールでチームに貢献できればと思っています。(100点ゲームだったことについて)後半はイージーバスケットで得点がとれているのでよかったと思います。ただ2周目に入って気になっていることとしては、失点が多くなってきているので、点がとれているのはいいことだと思うんですけど、そこを頑張らなければいけないなと思います。(次週に向けての抱負)どことあたっても、自分達のプレーをすれば勝てるということを前半戦の結果で証明しているので、自分達のバスケをやりつつ、相手の特徴を押さえて、2連勝したいと思います。

[G] 平石健斗(4・慶應高)

日体大は2年前の入れ替え戦の時に負けた相手で、絶対に負けたくない相手でそれなりに朝から気合いを入れてきました。個人的にもこの1週間は気合を入れていました。(ブザービーターに関して)あのシュートは後輩がお膳立てしてくれたものですけど、やっぱり出たからにはそういうところはしっかり4年生らしく決めるところは決めて締めた試合をしないと、この先ズルズル個人的にもチーム的にも引きずってしまうところがあると思うので、最後の一本はかなり引き締めて決めました。(この1週間の心意気)先週先々週と徐々にプレータイムをもらったので試合に出る準備はしっかりとしてきました。特に自分の役割である前からのディフェンスとか、オフェンスリバウンド、ディフェンスリバウンドだけでなくそれに加えて得点を取るっていうのを目標にしていたので、それに取り組んできました。(ベンチで意識していること)自分がつく選手っていうのを前々から先生から教えられているので、それなりに把握はしてきているんですけど、やっぱり試合になってみないとやるプレーやらないプレーというのが多々あるのでそういった部分は見ながら、自分がつくときを想像して対処できるように考えています。あと自分が交代で出る蛯名、大元、伊藤が試合に出ているときにその人たちができなかったところっていうのを自分が埋めようって考えていて、また前から当たるっていうのはその人たちにも僕が体現して伝えられると思うので、そういうところを意識しています。(次週にむけて)来週は駒沢と法政なんですが、法政の方を意識しがちですが、駒澤も絶対に倒さないといけない相手で、また自分も多く出場機会を得られると思うので、そこでしっかりと自分の役割を全うして結果残すことでその後の法政戦や日大戦に繋げて頑張りたいと思います。

[C] 本橋祐典(4・佼成学園高)

昨日と比べて、ベースから速攻とかしっかり守るところを守ってリバウンドとかいろいろ問題はありましたけれど、ベースからリズムを作るっていう意味では昨日よりは良い内容だったかなとと思います。(3Qでの自身のプレーの印象)やはりリバウンドをとった後の処理とか、ゴール下ブロックされたりとかそういうところをもっとしていかないと今後につながっていかないのかなっていうのが正直な感想です。(点差を引き離すために3Qで意識したことは)チームとしては昨日よりは1Qはそんなに悪い内容ではなかったと思うんですが、やはり2Qは前半としてはたぶん自分たちの悪いコンディションだったり、オフェンスとしてうまくいかないところが重なって劣勢の展開になったと思うんですが、後半はみんな出た人出た人がしっかりハッスルして、ディフェンスだったらしっかりディフェンスを頑張る、オフェンスだったらパスが出たりと仕事をしっかりやっていたと思うので、そういうことを一人一人出てる人が実践できればやはりいい展開になるのかなと思いました。(最後のリーグ戦にかける意気込み)春けがしてしまったので、それを挽回できるプレーができればいいのですがまずはチームを下からしっかり支えていくということですね。出場時間がないっていうのはもう自分で何とかしていくしかないので、そういうところを変えるという意識を持ちつつもチームにどうやったら力になれるかということを考えて、1分1秒をしっかりプレーしたいなと思います。(次週以降のリーグ戦に向けて)来週駒沢と法政っていうところで、駒沢大との戦いでいい流れに乗ってどうやって法政大を倒すかっていうところがカギになってくると思います。法政大は前回3Qで引き離したっていうところがあると思うんですけど、それまでは全然同点のまま競っていて、やはりそういうところで自分たちが崩れないでどうやって流れをもってこれるかっていうところが一番重要になってくると思うので、今後一週間の練習で自分たちのチームカラーをどうやって出すかというところだと思います。

[F] 権田隆人(政3・慶應高)

後半戦のターニングポイントの試合だったと思います。昨日は勝てたのですがいい内容で戦えなかった中で、今日ああいう風に快勝出来たのはチームとしてもすごく上向きになるいい材料であり、いい試合だったと思います。(相手の印象は)2メートル近い中国人のセンターがいてそこを中心に攻めてくるというのはスカウティングでもやっていた通りで、その後のキックアウトとかがいいチームだと思っていたので、そのインサイドであったり外のシュートであったりをしっかりうまく抑えるようにやっていました。(試合の運び方にどのような印象を受けたか)慶大としても大崩れはしてなかったので、前半はああいう風に競っていたとは思うのですが、しっかりディフェンス頑張って走ってというのを40分間続けられればちゃんとリードは広げられるというのは、今までの試合の運び方の中で僕たちもわかっていたと思うので、焦らず我慢して、3Qでうまくあのように突き放せたのは良かったと思っています。(チームの雰囲気は)やはり12連勝出来ているのでいい雰囲気だとは思っています。12連勝しているからといって油断している選手もいないですし、いい雰囲気で今週も試合に臨めているのかと思います。(次戦に向けて)勝つことが一番大事だと思うので、勝つためには自分たちがやりたいことというのを徹底的にやることが一番大事だと思うので、自分たちのやりたいバスケというものを今後も続けていきたいと思います。

[G] 吉川治瑛(3・世田谷学園高)

昨日チーム的にもあまりよくなかったので1Qをみんなで集中しようと言っていて、1Qはよかったんですけど、前半47点取られてしまってあまりよくなかったので、後半頑張ろうということで、僕も後半から出て自分で少しは流れを変えられたかなと思います。(日体大への対策は)向こうはシュートが上手い選手だったり、ドライブが上手い選手だったり特徴がはっきりしているチームなので、その特徴をとらえてシュートが上手い選手だったらチェックして、打たせないようにして、ドライブが上手い選手だった引いて守ったりとか、特徴に合わせて守ろうという話はしました。(後半から展開が大きく変わったが)前半から僕らはディフェンス頑張っていて、後半には相手の足が止まっちゃっていたので、それでうちのディフェンスが機能したと思います。(バックコート陣に対するディフェンスで心掛けたこと)1人でもってくる形が日体大は多かったので、それに対するヘルプはしっかり出て、そのあとのローテーションでカバーしようという話はしていました。(次週への意気込み)来週は法政戦があるのでそっちをメインに考えようという風になっていて、練習から法政のゾーンだったり対戦相手を想像して、自分も頑張っていきたいと思います。

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