【バスケ】無傷の王者、ここに誕生!! vs日大

24得点を記録した大元は、5つを記録したスティールについて、「狙っていました」

24得点を記録した大元は、5つを記録したスティールについて、「狙っていました」

 

14連勝と破竹の勢いで快進撃を続ける慶大は昨日、リーグ3位の日大と対戦。残すところ昨日の試合を含めて4試合。2位国士舘大との勝敗差が4勝差だったため、日大戦に慶大が勝利を収めれば、残り3試合の結果を待つまでもなく慶大の2部優勝が決まる。慶大にとっては「何としても勝ちたい」(権田隆人)試合であった。前半こそ拮抗した試合展開になるも、後半に入ると持ち前のディフェンスで日大を突き放す。そして試合終了のブザーとともに見事慶大の2部優勝が確定した。

2013/10/19(土)@日本体育大学世田谷キャンパス
第89回関東大学バスケットボールリーグ戦2部 15日目 vs日大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 25 20 26 33 104
法大 19 20 22 24 85
◆慶大スターティングメンバー◆
PG #16 伊藤良太(環3・洛南高)
SG #21 西戸良(総1・洛南高)
SF #14 大元孝文(環2・洛南高)
PF #4 蛯名涼主将(法4・洛南高)
C #23 黒木亮(環2・延岡学園高)
◆主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)◆
#16 伊藤良太:27得点4スティール

#14大元孝文:24得点5スティール

#23 黒木亮:13得点、8リバウンド

高さのある日大相手に、インサイドで攻守に奮闘した黒木。

高さのある日大相手に、インサイドで攻守に奮闘した黒木。

1Q、日大の外国人留学生に先制を許すも、伊藤がタフショットをすぐ決め返し、その後も両チームテンポよく得点を重ねる。だが、「試合開始からガンガン行け」と佐々木HCに指示された大元を筆頭に慶大はスティールを連発。前線から激しく当たり、インターセプトから速攻に繋げ、23‐14と早速ゲームの流れを掴む。高さで劣るインサイドにおいても、全員で守るバスケットを展開。1Qの終わりに日大にブザービーターとなる3ポイントを沈められるも、25‐19で1Qを終える。2Qは入りから挫かれる。慶大ボールから始まったが、伊藤がパスカットされ、奪い返そうとファールを犯す。これがアンスポーツマンライクファールとの判定。苦しいスタートとなった。だが、西戸が暗雲を吹き飛ばすようなハツラツとしたプレーで連続得点。その後しばらく停滞しそうな気配もあったが、矢嶋瞭(総4・福大大濠高)がチームを鼓舞。持ち前のミドルシュートや相手のチャンスを潰すテイクチャージ、リバウンドからのゴール下シュートと大車輪の活躍を見せる。慶大が苦しい時間帯の中でもなんとか得点をつなぎ、45‐39と1Qと変わらず6点のアドバンテージを背負って、試合は勝負の後半へ。

前半は相手の徹底マークに苦しんだ伊藤も、後半に爆発し27得点を記録

前半は相手の徹底マークに苦しんだ伊藤も、後半に爆発し27得点を記録

3Q、日大のスーパールーキー#14高橋耕陽に3ポイントを沈められるも、大元も3ポイントを決め返し、意地のぶつかり合いの幕開けとなった。その後も矢嶋の3ポイントや伊藤のタフショットで得点を重ねるも、日大の高さに苦戦。そして外角もフリーで打たせる場面が増え、55‐54と1点差まで詰められる。試合の流れが日大に傾きかける中で、再び流れを引き寄せたのは大元であった。3ポイントを沈めると、前線からプレッシャーを掛け、黒木のスティールから大元が速攻。一気に6点差まで点差を広げ、日大はたまらずタイムアウトを要求。タイムアウトが明けても、流れに乗った慶大の攻撃は衰えない。特に前半得点の少なかった伊藤が躍動。3ポイントや速攻、そしてドライブからバスケットカウントを奪い、一気に引き離す。終了間際に日大に3ポイントを決められるも、71‐61とリードを2桁として、勝負の決する最終Qに突入する。4Qは権田隆人(政3・慶應高)、伊藤それぞれの連続得点により開始2分で80‐61と大きく慶大がリードを広げる。しかし、ここから慶大がディフェンスのスイッチミスからの失点やトラベリングといったミスで日大に付け入る隙を与えてしまう。そこできっちり日大にゴールを決められ、80-68となった所で今度は慶大がタイムアウトを要求。立て直しを図った。そして再び前線からボールを奪いにいき、「ディフェンスでがんばって、走る」(矢嶋)という慶大のバスケットを体現。大元、伊藤、福元直人(環2・福大大濠高)のスティールで一気に12得点を荒稼ぎした。98‐76と20点以上まで点差を広げ、圧倒的な爆発力を見せつけた。その後、黒木のシュートで100点目。ブザービーターとなる3ポイントを日大に決められるも、結局104‐85と20点近くもの点差をつけて試合を終えた。無敗記録を15に伸ばすとともに、100点ゲームで慶大の2部優勝に花を添えた形となった。

喜ぶベンチ

喜ぶベンチ

「純粋に嬉しい」(大元)――。2部の王者となった彼らのこれまでの道のりは決して易しくはなかった。なかなか勝ち切れず、8位と沈んだ昨シーズンを経験した彼らにとって今回の優勝という結果がどれほど嬉しいか、計り知れないだろう。だがここからが本当の勝負なのかもしれない。これまでの戦いで、「今までやってきたことが間違ってなかった」(権田)ことを証明できた。あとはさらなる高みを目指すのみ。1部昇格、そしてインカレ優勝を達成するために、残り1試合たりとも無駄にはできない。特に入れ替え戦に勝たなければ今回の2部リーグ優勝は水の泡となってしまう。勝つことに対する喜びを胸に秘め、これまで以上に貪欲になって、勝ちにこだわってほしい。

(記事: 水島涼太)

◆試合後コメント◆

佐々木三男HC

伊藤が前半、ボールタッチが良くなくて少し危ない感じでしたね。(その分他のガード陣が活躍を見せたが、前半の出来は)日大が頑張っていたので、失点が少し多いかなと思いますが、あんなものですかね。大元の入りが悪いので、試合開始からガンガン行けと言っていて、それを実行してくれたんですが、後半で失速してしまってましたね。西戸は良かったです。彼がチームを救ってますね。(立ち上がりからオールコートディフェンスをしかけたが)日大にポイントガード的な子がいないですし、ガード的な子を出した時には慶應の流れになっていました。ただ、ああいった仕掛けが1部に通用するかどうかは、1部の試合を見ていないので分からないですが…。多分通用するんじゃないかと思っています。(インサイド陣が踏ん張ったが)結局、相手がフルコートディフェンスへの意識と、中に入れた時のダブルチームの意識が強すぎて、それが日大が上手く行かなかった理由です。というよりも、こっちが仕掛けることによって、相手が自分達のよい所を自ら削いでしまってしたので。(最近は相手の強みを消すディフェンスがよく見られるが)練習でパスコースをしっかりディナイしようということで、相手のパスが攻撃的なものになっていないんですよね。外に出されてたまたま3ポイントを決められたりしますが、それは受け入れられる失点なので。課題としては、前半特にですが、相手が偶然スリップしてるのに対してマッチアップ出来ていないことですね。練習では盛んにやっているのに、あれをやられたら中でフリーにしてしまうので。(今日はそのプレーに対するインサイド陣のヘルプが見られたが)権田も速くヘルプに来ていたし、黒木もそうでしたね。結局ディレクションを左側にやっておけば、その次のパスは多くの大学が意図的に練習していないはずなので。ベースライン側が寄っちゃうとやられますが、今は上が寄ることにしているので、それが少し機能してるように感じます。(最近100点ゲームが増えているが)ボールをインターセプトしていることが大きいですね。スローインで相手のボールを取ったりしてますし、多分あれで20点くらい稼げてると思います。現実では80点くらいですよ。(優勝が決まったが)6試合残っている時から、「トーナメントだよ」ということを言ってずっとやって来ているので、優勝とかそういうことではなくて、1試合1試合を戦うことです。僕が頭に描いているのは、入替戦は2戦先勝ですが、やはり1戦なんですよね。1つ勝って次も勝たないと意味がないので、ノックアウト方式で1試合ずつやるよ、ということを練習しているつもりなんですが。それが少し、学生が自覚出来てやれているのかなと。ここのところ後半で頑張れるようになったのは、いい傾向だと思います。(明日へ向けて)1周目も言ったんですが、2部慣れしてしまった典型のチームなので、相手に付き合わないように、今日みたいにずっと競りながら最後は20点離す。これが相手にダメージになるので、そういう戦いをしないといけません。中央大なんかも、国士館大の#22や#14、#20や#4みたいな特徴ある選手がいるはずなので、中央や早稲田を想定したゲームを実践出来るので、明日は是非、いい試合をやって欲しいなと思っています。

[G] 蛯名涼(法4・洛南高)

勝てば優勝ということが決まっていたらしいんですけど、それ以上に入れ替えとかインカレに向けて自分たちの課題を克服しようということで臨んだ試合で、前半こそディフェンスとリバウンドが取れなかったんですけど後半は取れたので、そこは評価できる点かなという感じの試合でした。(相手は日大だが意識した点は)背が高いとか能力が高いということは意識というか確認しましたが、それ以外は割とルーズなチームなのでうちがしっかりすれば大丈夫だからそういうところを定着させようという意識がありました。(開幕15連勝で2部優勝を決めたが)優勝したとはいえ2部で、目標は高いところにあるのでそこまでは突っ走りたいなというのと、逆にそのために必要なことは多分形になってきていると思うので、1試合1試合僕たちはやってきたのであとは発揮するだけかなと思います。(全勝優勝に向けて)勝つことはもちろんなんですけど、次につながるように自分たちの課題を克服してしっかり全勝優勝したいと思います。

[F] 矢嶋瞭(総4・福大大濠高)

今日は大一番で、優勝がかかってたということで、勝ち切れて優勝決められたというのはまずすごく良かったと思います。しかしまだ通過点にすぎないので、僕たちは一部復帰とインカレ優勝を目標にやっているので、まだそんなにです。(試合内容について)僕の役割は途中から出て、リバウンドやシュートで流れを変えるというのが役割だと思っているので、途中で流れが変わったというのは自分の役割を果たせたのかなと思います。(インサイドへの対応)僕らは身長が小さい中で守らないといけないというのがあるので、練習では動いて守るというのをやっています。(日大への対策について)そんなに指示は無かったのですが、相手の身長が大きいという所でリバウンドが課題だったんですけど、その中でオフェンスリバウンドやディフェンスリバウンドを取れたのが良かったと思います。(2周目に入ってからの好調について)自分たちの形である、ディフェンスで頑張って、走るということをできていることが点差を離していることにつながっているんじゃないかと思います。(明日へ向けて)明日は2位の国士舘大ということで、そこを倒さない限りには優勝しても意味が無いと思っているので、目の前の一戦一戦しっかりたたかっていきたいです。それを戦っていくうちに全勝優勝に繋がると思うので、まず明日の試合を大事に戦っていきたいです。

[G] 伊藤良太(環3・洛南高)

一試合を通して苦しんだ部分もあったんですけど、チームがしっかり皆でリバウンドっていう意識を持って、勝って優勝できたことはすごく良かったと思います。(スコアラーとして意識していることは)先生からも僕の得点をチームのカラーの1つとして見ていただいて、得点っていう面をすごく意識しているんですけど、今日の前半みたいに自分がボールをもらえないときに、やっぱり得点を取るほかにポイントガードとして、周りの選手を動かす部分ではまだまだできていなかったので、プレーの得点だけじゃなくて、自分がポイントガードとしてプレーの幅をもっと広げていかないといけないので、今日の前半はそういうところが反省点でした。(3ポイントをあまり打たなかったことに関して)今日はやっぱり自分より大きい相手がマークだったので3ポイントが打ちづらかったんですけど、その時にいかにドライブをして周りを引き立てて行くということをしていかないといけないと思っています。今日の3ポイントに関しては、まぁでも、狙える時は狙いたいんですけど簡単に打ったらいけないと思っています。(2部リーグ優勝に関して)本当に去年は2部の8位という結果で終わって、今年1年、この日に優勝するために頑張ってきたので、本当にそれが実ったことはすごく嬉しく思っています。まだまだ残り3試合も続きますし、本当に一戦一戦を大切にすることが大事だと思っているので、入替戦、インカレと続くためにも明日もしっかり勝つことを意識したいです。

[F] 権田隆人(政3・慶應高)

今日勝てば優勝だったので、何としても勝ちたいなと思っていていました。1周目は結構競った相手に19点差をつけることができたので僕たちが成長していることも感じられましたし、優勝も決められたということでいい試合だったと思います。(どのような対策をとっていたか)全員ミスマッチということは先生から言われていたので、ボックスアウトだったりあとはポストプレイに対するダブルチームであったりを対策としてやっていこうということでやっていまいした。(開幕15連勝で優勝を決めた感想)去年全然勝てなかったんですけどこういう風に勝てているのは、やはり今までやってきたことが間違ってなかったという証明にもなっていると思いますし、これからも入替戦だったりインカレだったりもあると思うんですけど、今やっていることをしっかり継続して自分たちがやりたいことをしっかりやれば、まあ必ず勝てるというわけではないとは思いますが、いいプレイが継続できると思うので、やはり今までやってきたことが間違ってなかったとわかる連勝だったと思います。(全勝優勝に向けての意気込み)これから僕たちとしては何か特別かえることはありませんから、今までやってきたことがやはり勝つために一番大切なことだと思いますし、相手に合わせなければ1周目勝ってる相手なので負けないと思いますので、相手どうこうというよりも自分たちがやらなければならないことを全勝優勝に向けてしっかりやって行きたいと思います。まず明日対戦相手の国士舘は今2位で乗りに乗っていると思うのでやっつけたいと思います。

[G] 大元孝文(環2・洛南高)

今日勝てば優勝ということで、チームのみんなもモチベーション高く取り組んだ結果、慶應のディフェンスや相手の高さに対するリバウンドという点を克服でき、このような勝ちに繋がったかなと思います。(優勝の感想)純粋に嬉しいですね。15連勝っていうのが今までの慶應のバスケットが証明されたように感じられて、凄く嬉しいです。(スティールが多かったが)狙ってました。いいところで伊藤さんに取られちゃうんですけど(笑)スティールは練習中でも自分の中で意識している長所の1つでもありますし、そういったプレーで貢献して行きたいとも思っています。(1周目よりも点差が離れたが)最後にシュートを決められて80点取られたんですけど、ディフェンスで大崩れしないので、プレーしていて、負けるんじゃないかという危機感をあまり感じていないです。ディフェンスで相手を圧倒出来ているんで、大崩れしないバスケットが出来ているということは、今年の慶應の強みだと思います。(オフェンス面について)アウトサイドシュートの調子があまり上がらないんで、もう少し楽に点を取れる場面っていうのがあるんですけど。その分ランニングプレーで今日は貢献出来たんで、ああいうプレーを試合の最初からやっていければ、試合の展開も楽になるんじゃないかと思います。(明日へ向けて)国士館大はラフプレーというのも見られますし、そういった所で飲まれてしまうとこれまで積み上げてきた勝ちの意味がなくなっちゃうので、まずは明日勝って、全勝優勝して1部に昇格出来るように頑張りたいと思います。

[C] 黒木亮(環2・延岡学園)

この試合で優勝が決定するということを皆意識していて、僕自身3Q途中くらいまでは1周目の時のようなゲーム展開になると思っていたのですが、自分たちのディフェンスとリバウンドでリズムを作ることができ、最後は19点差つけることができたので良かったです。(高さのある日大に対して)相手を押し出すようにディフェンスしましたし、リバウンドをさせないよう意識していました。高さで押された時にはすぐに切り替えて、自分たちのペースに持っていこうと考えてプレイしました。(1点差になったときは)焦りはあまりなかったです。あのようなゲーム展開になったら、すぐに切り替えてディフェンスとリバウンドを頑張るしかないというのはチーム全員が分かっていたと思うので、僕自身はあまり焦ることなくプレイしました。(今日はショートコーナーからのシュートもよく決まっていたが)今週、試合に出ていないメンバーに僕のシューティング練習を手伝ってもらっていたので、今日はああいう形で期待に応えられることができて良かったです。(明日の試合に向けて)国士舘は今凄く勢いのあるチームで、ここに勝てば大きいと思うので、明日とにかく勝って全勝優勝を目指していきたいです。今日勝ったからといって驕らず、しっかりと切り替えて、明日に臨みたいと思います。

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