【バスケ】前戦の敗北を払拭する快勝!16勝目をマーク vs関東学院大

 

ここぞという場面で躍動した矢嶋。四年生としての期待がかかる。

ここぞという場面で躍動した矢嶋。四年生としての期待がかかる。

9月から始まったリーグ戦もいよいよ最終週。迎え撃つ相手は、リーグ前半戦、76対75とシーソーゲームを展開した関東学院大学。高さを誇るセンターや、3Pシュートに苦戦したものの、慶大は個々を生かしたチームプレーで魅せ、最終的に107対85で快勝を収めた。先週の敗北を引きずることが懸念されたが、四年生を中心としたゲーム展開で悪い流れを断絶。前戦の黒星を帳消しにし、リーグ戦以降の試合に向けて弾みをつけた。     

2013/10/26(日)@日本体育大学世田谷キャンパス

第89回関東大学バスケットボールリーグ戦2部 17日目 vs関東学院大

 

1Q

2Q

3Q

4Q

合計

慶大

24

30

24

29

107

関学大

23

19

16

27

85

◆慶大スターティングメンバー◆

PG

#16 伊藤良太(環3・洛南高)

SG

#21 西戸良(総1・洛南高)

SF

#14 大元孝文(環2・洛南高)

PF

#4 蛯名涼主将(法4・洛南高)

C

#23 黒木亮(環2・延岡学園高)

◆主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)◆

#10矢嶋瞭:21得点 #16 伊藤良太:21得点 #23 黒木亮:19得点・12リバウンド

   

 

この日黒木は12リバウンドを記録。センターとして役割を全うした。

この日黒木は12リバウンドを記録。センターとして役割を全うした。

第1Q序盤、慶大が試合を支配する展開に。ディフェンス面では、高さあるセンターに対し2.3人がかりで徹底的に対応。さらにボールマンへの素早いプレッシャーが、相手にネットを揺らすことを許さない。オフェンス面では、伊藤や大元がドライブインから得点を重ねる。随所で光ったのが黒木のリバウンド力。ディフェンスの要になるとともに、オフェンスの起点となり多くの得点シーンに絡んだ。しかし、開始4分、相手のタイムアウト後に試合が傾く。3Pを皮切りに、勢いづいた相手が怒涛の反撃をみせる。徐々に機能してきたディフェンスに攻めあぐねる慶大。開始6分、またもや3Pを決められ、ついには同点に追いつかれるも、伊藤が3Pで応戦。その後も拮抗した試合が続く。残り数秒の場面、蛯名がアウトサイドからしっかりシュートを沈め、24対23で1Qを終える。

両者一歩も引かぬ、接戦となった第2Q。高さを生かしたゴール下と、ロングシュートという二段構えの攻撃に苦戦を強いられる。流れを手繰り寄せたい慶大。リズムを作り出したのは「シュートやディフェンスといった自分の持ち味を徹底した」と語る矢嶋。ディフェンスを引きつけながらのサイドチェンジや、ゴール下に切り込みパスを呼ぶなど、スペースを広く活用。隙をつくプレーで相手のディフェンスを翻弄し、得点を量産した。後半、リングに嫌われこそしたものの、黒木に加え、権田や蛯名がリバウンドで大奮闘。セカンドチャンスをものにすると、54対42の8点差で試合を折り返した。  

チーム一丸となって戦うことが入れ替え戦以後の鍵である。

チーム一丸となって戦うことが入れ替え戦以後の鍵である。

第3Qは個人技光る、1対1の強さを見せつける展開に。相手の粘り強いマンツーマンディフェンスでパスが出しにくい状況を逆手に、1対1の勝負に出た。矢嶋のドライブインや大元のフェイントで得点を重ねる。個人技があってこそチームプレーは生きてくるもの。開始5分、伊藤のパスカットから、福元が一気に相手のゴール下まで攻め込み、パスを受けた大元がしっかりとゴールを沈める。このプレーで慶大のリズムに持ち込むと、約3分間相手に得点を許さない。一方の慶大はゴールラッシュが到来。福元が速さあるドライブインでディフェンスを引きつけると、フリーの味方にすかさずパスを出し、多くのシュートシーンを演出した。また、黒木のリバウンド力は第3Qも健在であり、オフェンスリバウンドが慶大の攻撃にさらなる勢いを与えた。ゴールに弾かれたボールをそのまま押し込んだ本橋のブザービートで第3Q終了。78対58と得点差を20点に広げ、最終Qを迎える。

安定感のある試合運びを見せた第4Q。インサイドで体を張り続ける本橋の存在が、慶大の大胆なプレーを可能にする。本橋はオフェンスリバウンドをしっかりと掴むと、ファウルを誘発。フリースローを着実に2本決める。その後も黒木や本橋のリバウンドを起点に積極的なオフェンスをみせた慶大。「ディフェンスとリバウンドでリズムを作って、点差を開いた」(黒木)。さらに、「アシストという部分を増やしていかないといけない」と語る伊藤の好アシストが得点に大きく貢献した。相手の3Pにひやひやとさせられる場面もあったものの、それ以上に慶大の攻撃力が上回っていた。「プレッシャーディフェンスで勝ち切る」と大元が語るように、最後までディフェンス・オフェンス共に手を緩めることのなかった慶大。残り2分間、権田、黒木、福元、矢嶋、蛯名がそれぞれネットを揺らし試合を畳み掛ける。勝負所の強さをみせた慶大が、試合を通して主導権を渡すことなく見事勝利を収めた。

  長丁場のリーグ戦も残すところあと一戦。慶大はここまで、苦手なプレースタイルの相手や圧倒的な身体能力を誇る相手にも臆することなく着実に白星を積み重ねてきた。更なる高みへの先行きは明るいが、決して油断することは出来ない。「四年生の頑張りがどうしても欠かせない」(佐々木HC)の言葉が如実に示すように、去年からの課題である上級生主体のチームプレーが今後の鍵となるだろう。大目標を達成する為にも、「チームとして一番最後の集大成」(伊藤)である最終戦を白星で締めくくり、入れ替え戦・インカレへの弾みとなることを願ってやまない。  

(記事・佐藤 優)

  ◆試合後コメント◆

   佐々木三男HC  

入れ替え戦に向けては四年生の頑張りがどうしても欠かせないので、その点では蛯名と矢嶋、特に矢嶋が少し戦力になったのが良かったかなと思います。(相手センターへの対処について)あそこは守ったんだけど、他の7番とかアウトサイドがあれでは駄目です。入れ替え戦にしても、インカレにしても重要なことなので、インサイドが小さいチームはああいうディフェンスをやらないといけませんね。まあ良かったんですが。7番の対策に関しては、蛯名に守らせてなおかつ蛯名がファールをしないで守るということが一つです。でも相手としては思い切って入るか入らないかの賭けみたいな感じで打ちに来るから、うちと戦うときは他のチームはそういうプレーをすることが多いです。でもそれをあまり許してしまうのもいけないので、権田とかの大きめの選手がマークしなければいけませんね。(リバウンドの成果について)やっぱりディフェンスを頑張るということは、結果的にはリバウンドを取らないとディフェンスが良くならないし、頑張って相手のボールコントロールを失わせているにも関わらず拾われているっていう部分があったので、ニュートラルボールを取る努力と練習が入れ替え戦やインカレで絶対必要なので、今日みたいに跳んでいかないと駄目です。(明日の最終戦に向けて)残念ながら一番負けたくない国士舘に負けてしまったんだけれども、去年のことを鑑みればよく頑張ったと思います。でも神大には春にやられてしまって、ああいう悔しい負け方をしたことをここで返しておかないと、これからあのようなチームはリクルートをどんどんして強くなってくるでしょうから。明日はきちっとした形で四年生が頑張ってくれると良いです。

  [F]矢嶋瞭(総4・福大大濠高)

  先週、全勝した中で、負けてしまったというのがあったんですけど、流れを断ちきれて勝てたということは、よかったんじゃないかなっていう風には思います。(国士舘戦から修正した点)前回、負けた時は、ディフェンスでピッチパスということをすごいやられて、1週間の中でもう1回ディフェンスを取り戻そうと頑張りました。やられた部分も結構あったんですけど、多くは抑えることができたんじゃないかなと思います。(裏をつかれるプレーが多かったが)今、慶應がパスラインに張って、ディナイを徹底しようという風にやっていて、それを意識しすぎてやられちゃうことは結構あるので、それは次に繋げて改善しないといけないなと思います。(2ピリでの活躍について)先週、ターンオーバーからはいってしまい、試合にあまり出ることができなかったという反省が自分の中にあって、シュートやディフェンスといった自分の持ち味を徹底したら、今日はああいう風にいい方向に向かったのかなと思います。(明日に向けての抱負)4年間の中で最後のリーグ戦ということで、しっかり勝って、入れ替え戦に繋がるような試合ができたらいいなと思います。

  [G]伊藤良太(環3・洛南高)

  (前回初黒星となったがどのような意識で練習したか)国士戦でやられたことは、ディフェンスを前に中央突破されて裁かれて点を決められたこともありましたし、オフェンスも1対1で孤立してしまって5人で動けなくて結局そのまま崩せなくて負けてしまった試合だったので、この1週間はそういうことを意識してやったんですけど、練習としてはあまりよくなくて、僕自身もあまりよくなくてチームに迷惑をかけてしまっていたので、この試合は練習もあまりよくなかったんですけどある意味切り換えて臨んだ試合ではありました。(相手は関東学院大だが)外国人がセンターにいてリバウンドがすごく強いチームなんですけど、でもその分結構荒いチームっていうのが印象で、オフェンスリバウンドもスクリーンアウトだったり、ディフェンスの詰めが甘かったりしてるチームだったので、しっかり自分たちがディフェンスを頑張って速攻を出していつも通りの展開をすれば絶対勝てる相手だと思っていたので、その当たり前のことなんですけど、本当にディフェンスをしっかり頑張ってリバウンドを取って走るということを意識してきました。(4Qでは得点に加え好アシストも印象的だったが)本当に今日は前半を通して僕自身全然タッチがよくなくてシュートが入らなかったんですけど、ポイントガードとしてシュートを決めることだけでなくてアシストをしていくことも大事だと思っていますし、チームが勝つためにポイントガードとして何ができるかといったらアシストという部分も増やしていかないといけないと思っているので、今日はその部分でアウトナンバーの部分にしっかりパスを出せたということはすごく1つ成長した部分かなと思います。(リーグ最終戦となる明日に向けて)明日は神大戦ということで本当に5人が上手いチームだと思うんですけど、これから入替戦、インカレに向けて明日は最後の締めくくりということもあって、チームとして1番最後の集大成なので、いい形で終わるために本当に1つ1つのプレーを全力でプレーして絶対勝って、入替戦、インカレに繋げていきたいと思います。

  [G]大元孝文(環2・洛南高)

  (今日の試合を振り返って)相手の長身長に対するプレッシャーディフェンスとディフェンスっていう部分が機能して、点数はとられはしたんですけどある程度速攻がが出て慶應の流れになった結果、このようなトランジッションゲームで勝ち切れたという結果になったと思います。(関東学院大は前半戦で一点差まで詰められた相手だったと思うがどのような対策をとったか)関学に対するディフェンスというよりは、慶應のめざしていたディフェンスを出すということで、オールコートディフェンスで当たって、プッシャーディフェンスで勝ち切ろうっていうところが今日実践できた結果が点差を広げることができた要因だと思います。(1Qと3Qの序盤の得点シーンが印象的だったが、自身の印象はどうか)僕の課題として、入りが悪いということをずっと言われ続けてきて、今日の試合もやっぱり入りが悪いということで、得点をしたっていうことよりもそれまでの過程があまり良くないという風に言われたのでそこを真摯に受け止めて、いつでも自分のパフォーマンスが最大限に発揮できるようにすることがやはり課題だと思います。(明日のリーグ戦最終日に向けての意気込み)先週の日曜日負けているので、やっぱこの2戦というものがとても大切なものになってくるという話をした中で今日勝ち切ることができたので、この勢いを春のトーナメントで敗れた相手に対してどれだけ発揮できるかということが重要だと思うので、最後の集大成なのでいい形で終えたいと思います。

  [C]黒木亮(環2・延岡学園高)

  前回対戦した時は接戦で、1点を争うような試合だったんですけど、今日はこういう形になりました。国士舘に負けてから、負ける前もそうだったんですけど、練習がみんな納得がいかないような練習になっていたので、やってきた練習の中で得たものをどういう風にこの試合で表現するかをみんな考えてました。とにかくディフェンスとリバウンドでリズム作って、点差も開けたので良かったです。(先週の敗戦から)国士舘大戦の敗戦によって、見えなかった課題だったり、意識の問題であったり、変わってきたと思います。残りの神大戦や入れ替え戦に対する意識というのは変わってきたと思います。その面ではよかったと思います。(エリマン選手とのマッチアップについて)高校時代のチームメイトというのもありますし、意識する部分もありましたが、逆に考えすぎもよくないかなと思って、自由にはやらせたくないというのはあったんで、そこは意識していました。ファールも抑えつつマッチアップしていこうと思いました。(最終戦に向けて)入れ替え戦の対戦相手が今日中央大に決まったんで、中大も神大も似てて、5人が5人早い展開でみんな上手かったりするので、仮想中央という感じで全員が意識してやっていければいいなと思います。しっかりと勝利という形で、このリーグ戦を締めくくれればいいなと思います。

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