まさに慶大が「女王の意地」を見せつけた試合だった。序盤こそ相手のリードを許し流れに乗りきれなかったが、その後はスピードを活かした攻撃で慶大が圧倒。後半には相手に得点をまったく許さず、10点差以上をつけて大勝し決勝戦への切符を勝ち取った。
2013/11/23(土)14:00ドロー@江戸川臨界球技場
チーム |
前半 |
後半 |
計 |
慶大 |
8 |
8 |
16 |
北大 |
3 |
0 |
3 |
昨年日本一に輝き、連覇を目標に掲げていた慶大。悲願達成へ、準決勝の相手北大を迎えうった。試合の序盤はまさに点の取り合いとなった。慶大のDF岸本(商4)が幸先良く先制すれば、負けじと北大も得点を決め、試合は拮抗した状態が続くかに見えた。試合が動いたのは前半10分。MF小川(商4)、AT廣野(政3)の連続得点で逆転すると、ここから慶大攻撃陣に火がついた。素早いパス回しからAT川村(文3)、MF細田(経3)が次々にシュートを決め、5点差をつけて前半を終え、試合を折り返す。
続く後半では、慶大が完全に流れをつかんだ。川村、細田、廣野が鮮やかなシュートを続々と決め、この試合川村、細田が4得点、廣野が3得点を奪う活躍を見せれば、守備陣も相手に得点をまったく決めさせない。まさに昨季女王に輝いた慶大の姿がそこにあった。試合終盤には前半に同点シュートを放った小川が駄目押し点を叩き込み、慶大が勝利をものにした。終わってみれば序盤の失速を巻き返す13連続得点。スピードを活かした攻撃陣と鉄壁の守備陣がうまくかみ合い、北大をねじ伏せた。
慶大は無事に決勝まで駒を進め結果としては大勝を収めたものの、試合展開としてはやや「スロースタート」である点が課題だ。前半10分以降から後半にかけては相手を圧倒する素晴らしい試合を見せたが、序盤に連続して相手に点を奪われリードされる場面が目立った。決勝戦、その先の社会人相手の試合でも勝利を収めるためには、序盤から試合のペースをつかまなければならない。しかしひとたび流れを引き寄せれば、慶大にかなうチームなどないはずだ。まずは「学生日本一」の称号を手にするために、慶大は進化を続けていく。
(記事・河合美紀)
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