第88回関東大学サッカーリーグ戦 第7節
2014/5/6(火・祝)13:50KO@味の素フィールド西が丘
慶應義塾大学0-2早稲田大学
【得点者(アシスト者)】
〔早〕上形洋介(65分=近藤貴司)、上形洋介(87分=堀田稜)
◇慶大出場選手
GK峯達也(政4・桐光学園高) |
DF溝渕雄志(環2・流通経済大学付属柏高) |
DF望月大知(環2・静岡学園高) |
DF並木凌介(総4・國學院久我山高) |
DF保田隆介(法4・横浜Fマリノスユース) |
MF山内浩道(政4・國學院久我山高)→67分小坂慎太郎(総2・浦和レッズユース) |
MF浅間翔大(理4・暁星校)→73分平戸奨眞(法4・暁星高) |
MF山浦新(総4・東京ヴェルディユース)→84分小林剛(環4・鎌倉高) |
MF増田湧介(環4・清水東高) |
FW加瀬澤力(総2・清水東高) |
FW山本哲平(政2・國學院久我山高) |
慶大は東国大戦から先発メンバーを2人入れ替えてこの試合に臨んだ。ボランチには山内(法4・國學院久我山高)が入り今季初スタメン。2トップの一角には宮地(総2・東京ヴェルディユース)に代わり山本(政2・國學院久我山高)が入った。特に山内には前節課題となった“運動量を増やしてセカンドボールを拾う”ことが求められた。しかし試合が始まると早大の安定したポゼッションが慶大を苦しめる。今季からボランチとして出場を続ける近藤洋が長短のパスを織り交ぜ、慶大は自陣にくぎ付けとなってしまう。相手のビルドアップにプレッシャーをかけれずにいると8分、自陣からフリーでボールを運んだCBの奥山から上形へピンポイントでパスが通る。GKと1対1となったが、これはFC東京U-15深川時代のチームメイト峯(政4・桐光学園高)が左足1本で防ぎ、ゴールを許さない。28分には、右サイドでスローインを受けた近藤貴に寄せることができず、簡単に中央へ突破を許してしまう。左足で放たれたシュートはわずかにゴール左へとはずれた。慶大は相手のパス回しに翻弄され、チャンスすら作ることができない。
後半に入っても流れは変わらず、早大が攻め、慶大が守るという構図で試合は進んだ。CBの望月(環2・静岡学園高)や並木(総4・國學院久我山高)を中心に早大の攻撃を跳ね返すが、早大・近藤洋が豊富な運動量でセカンドボールを回収。また、慶大の2トップにボールが収まったとしても、中盤との距離が遠く、カウンターにつなげることができずにボールを失ってしまう。そんな展開が続いていたが、65分、ついに早大が試合の均衡を破る。バイタルエリアやや左でフリーでボールを受けた近藤洋がPA右を駆け上がった近藤貴へ正確なロングボールを供給。近藤貴はヘディングで中央に折り返すと、待っていた上形に左足で押し込まれ先制点をあげた。ビハインドを負い、須田監督は67分に、小坂をピッチに送り出し、攻撃の活性化を図る。71分に加瀬澤(総2・清水東高)のミドルシュートで反撃を開始すると82分、慶大はこの日最大の決定機をむかえる。DFラインからのロングボールを裏のスペースに放り込むと、早大はボールの処理を誤り、山本が抜け出す。右足で強烈なシュートを放ったが、GK松澤は阻まれ同点に追いつくことはできなかった。すると87分、近藤洋のCKから上形に押し込まれ万事休す。リーグ戦4年ぶりの早大戦勝利とはならなかった。
「競った後のセカンドボールが拾えない」(須田監督)。早大のキーマン近藤洋に自由にプレーさせてしまったことが慶大を苦しめた。セカンドボールをいかに拾い、カウンターにつなげられるかがカギとなるだろう。次節は中3日でむかえる順大戦だ。前節、王者専大を相手にATの2ゴールで逆転勝ちし、首位に立っている。開幕直後の良い流れを取り戻すためにも、そして3連敗を阻止するためにも、総力戦で勝ち点3を取りにいかなければならない。
(記事 青山直樹)
◆慶大の試合後のコメント◆
須田芳正監督
(今日の試合を振り返って)
連敗はリーグ戦ではしてはいけないというのが鉄則ですけど、今日はリーグ戦の1戦というよりかは早稲田との試合という意味で我々は臨んできたので、リーグ戦で負けたというより早稲田に負けたということが悔しいです。
(立ち上がりから押し込まれたが)
この前の試合からそうなんですけど、ちょっとズルズル下がってしまう部分もあるし、競った後のセカンドボールが拾えないというのもあって、全体的にボランチの運動量が少ないと。相手との比較をするとボランチの2対2でセカンドが拾えなかったし、そこの差が全体的に相手のペースだったのかなと思います。
(2人の交代もそういった意図か)
山内が久しぶりに先発で出て、彼なりに頑張ってたんだけど、やはり相手と比較するとセカンドが拾えなかったかな。相手もそういうサッカーをしてくるし、うちもセカンドを拾えるように準備はしてきたんだけど、拾えなくなってくると相手が優位になってしまうかま。
(カウンターにいけなかったのも引きすぎていたからか)
トップに入ってもサポートの距離が遠くて、なかなか良い攻撃につなげられなかったと思います。
(上位に食い込むためには)
スタートダッシュはできたんだけど、うちらは1戦1戦ということなので。ただ今日負けたんだけど、ベースの部分は戦えていたので、最低限これをやっとけば負けても総崩れはしないかなと。去年は大量失点が多かったけれど、それは球際だったり気持ちの部分が途中で切れたりしてたんで。今日負けたのももちろん原因はあるんだけど、ベースの部分は90分しっかり集中してやれたので、また修正してそこを改善していきたいですね。
増田湧介主将(環4・清水東高)
(今日の試合を振り返って)
試合を見ている人たちにとっても、圧倒的に早稲田のほうが強かったと思うような試合だったと思います。
(前半はある程度守備が機能していたが)
しっかり前半は最後の危ないところも守れていたので、ゼロで折り返せたことは良かったと思います。
(近藤洋選手をフリーにしてしまう場面が多かったが)
彼にセカンドボールをほとんど拾われてしまっていたので、なかなか攻撃に転じることもできなかったですし、そこで相手のほうが優位に立っていたのかなと思います。
(宮地選手が不在だったが)
奪ったらサイドの裏にということでやっていたんですけど、山本も加瀬澤もそこは徹底してやってくれて、タメも作れていたし、そこから攻撃にもつなげられたので良かったと思います。
(次節に向けて)
次負けると3連敗になってしまうので、本当にその負けは許されないので、絶対に勝ちたいと思います。
保田隆介副将(法4・横浜F・マリノスユース)
(今日の試合を振り返って)
チームとしても完敗ですし、僕のサイドでも起点を作られてしまい個人的にも情けないですし、チームに対して申し訳ないなと思います。(自身のプレーの反省点とは)
近藤貴選手がキーマンであることはわかっていましたが、サイドバックの上りが早くて、そこを増田と抑えることができなくてクロスをたくさん上げられてしまい、遅らせることすらできませんでした。
(早大の印象)
セカンドボールへの寄りが早くて、前半かなりとられて後半はボランチだけでなく全選手が恐れずにボールに行こうとしたのですが、そこができませんでした。
(次節への意気込み)
すべてが悪いわけではないということで、自分たちのやりたいことや足りないことがはっきりしました。次は中3日ですが、セカンドボールへの反応とかは修正できると思うので、そこを4年が中心となって引き締めていきたいです。次は首位の順大ということで失うものはなにもないのでチャレンジャーの気持ちをもってやっていきたいです。
並木凌介(総4・國學院久我山高)
(今日の試合を振り返って)
一言完敗です。
(早慶戦だったが特別な思いはありましたか)
自分が入って早慶戦で勝ったことがほとんどなかったので、なんとしても7連敗は避けたいと思って気持ちを入れて準備してきたんですけど、実際やってみてチーム戦術、個人の能力が足りないと感じ、またやり直さなければならないという気持ちでいっぱいです。
(失点シーンを振り返って)
試合を通してサイドで相手に数的有利を作られることが多かったです。前半から相手に危ないクロスやシュートをあげられることが多かったと思います。最後の最後に自分たちのほころびが出てしまった感じです。保田選手が2人のマークについている状態で自分もそのカバーにまわったんですけど、間に合わず相手にうまく反転されて押し込まれたのは改善すべき点だと思います。
(次節は首位順天堂大学戦にむけて)
相手は首位であり強いが、3連敗はなんとしても避けなければならないので、技術というよりも11人の気持ち、そしてチーム全員で戦いたいです。
浅間翔大(理4・暁星高)
(初の早慶戦の舞台の感想は)
初めてということで、本当に勝ちたかったんですけど、勝てなくて残念という気持ちが大きいです。
(今日の試合を振り返って)
前半を相手にチャンスがあったなかで無失点に抑えることができて後半1点とればいい展開になると考えていたんですけど、逆に相手に先制されてしまって流れが悪くなってしまいました。
(普段は守備のイメージが強いですが今日は何度もFWを追い越していたが)
自分のなかで守備中心なんですけど、チャンスがあれば前にあがって点に絡めるようにというイメージがあるのでチャンスのときは攻撃に絡めたらと思います。
(山内選手と今シーズン初めて組んだが)
元々去年Bチームで毎日一緒に練習して試合などもこなしていたので今日問題なくプレーできました。ただまだできるところはあるので今後もっと頑張っていきたいと思います。
(次節、首位順大戦に向けて)
2連敗していて次は負けられないので勝ちたいです。
平戸奨眞(法4・暁星高)
(途中出場だったが、監督の指示は)
いつもと同じですね。流れを変えて、点を取るということです。(ご自身のプレーの狙いは)前のFW2人とも背が低かったので、自分がヘディングで競り勝ってしっかりボールを収めて、リズムを変えていこうと思っていました。
(早稲田のやりづらかったところ)
1人1人のセカンド(ボール)に対する意識の高さとか、前への推進力とか、慶大より一段レベルが高かったです。
(早慶戦への特別な意識はあったか)
今日に関してはリーグ戦という位置付けで試合をするのではなく、本当にプライドをかけた戦いということで強い気持ちをもって臨んでいました。
(今後へ向けて)
リーグ戦に関しては最終節が終ってから順位が決まるので、まだまだこれから1人1人、特に自分が高い意識を持って練習に臨んで、チームに貢献したいです。
山浦新(総4・東京ヴェルディユース)
(今日の試合を振り返って)
今日は早慶戦ということで、絶対に負けられない戦いだったんですけど、たくさんの応援の方、応援指導部、チア、OBの方、部員のみんなが応援してくれた中で負けてしまったということは、本当に申し訳ないし、悔しいです。
(チームとして2試合続けて無得点という点について)
得点、攻撃という面では、ウチらは守備から入るチームなので、いい守備からいい攻撃を生み出さなければいけないんです。前半に関してはゼロゼロで行こうという話しをしていて、ゼロのままでいいから、しっかり守って、後半勝負をかけようと思っていました。けど、今日に関しては、チャンスを決めなかったというよりも、なかなかいい攻撃の形を作れなかったというか、決める決めない以前の問題となってしまいました。本当に練習からまだまだ足りないところがあるので、次の試合まで短いですけど、できることをまだまだやって、ゼロに抑えるだけじゃなくて、攻撃のほうも、しっかり形を作らなきゃなって思います。
(次節に向けての意気込みを)
次節は順天堂大学ということで、非常に調子のいいチームですし、たぶんチームとしてもまとまったすごくいいチームだと思います。たぶんこのままでは勝てないので、残り短い時間ですけど、次の試合までに自分たちのできることを全てやって、いい状態で臨みます。三連敗ということは絶対に許されないので、ここでまた、いい状態に持って行けるように、チームとしても、個人としても、死ぬ気でやって行きたいと思います。
峯達也(政4・桐光学園高)
(今日の試合を振り返って)
宿敵早稲田に負けたっていうのがただ悔しいそれだけです。
(今回の早慶戦への意気込みは)
勝つということももちろんなんですけど、自分が無失点に抑えてチームの勝利に貢献出来たらと思ったのですが、結果的に失点してしまい、チームとしても負けてしまったので非常に残念です。
(早稲田の印象は)
球際の部分やセカンドボールの部分で、相手に負けないっていう気持ちで試合に臨んだにもかかわらず、負けてしまったということは、やはり相手の気迫でしたり運動量の部分で、うちが負けてしまったからだと思うので、この試合にかける思いが非常に強いチームだなと思いました。
(前半特に好セーブも見られましたが)
前半確かに自分のシュートストップで失点を防いだ場面もあったと思うんですが、実際チームが勝たないと意味がないですし、今後ただシュートを止めるだけではなくて、勝利に貢献できるようにプレーしていきたいと思います。
(次節に向けて)
今後慶應がリーグ戦の上位に勝ち進むためにはなんとしても連敗をここで止めないといけないので、しっかり自分が失点を最小限に抑えていきたいと思います。
望月大知(環2・静岡学園高)
(今日の試合を振り返って)
自分たちのサッカーができずに、完全に力負けしたので完敗です。
(前節に今季初敗戦を喫してから、心境の変化はあったか)
前節負けてしまって確かに悔しかったんですが、今回早慶戦ということで気持ちを切り替えて臨むつもりだったんですけど、やっぱり球際の部分で相手に負けてしまう部分もあり、力が足りなかったと感じました。
(早大のオフェンスの印象は)
ロングボールを放り込んでくるというのはある程度想像できたんですけど、前線の選手はフィジカルで長けている選手が多かったので、難しかったです。
(前半は粘って無失点で抑えることができたが)
前半は無失点だったんですけど、自分たちが守れているという感覚がなくて相手にちょっと助けられた部分もあったので、少し難しいなと思っていました。やっぱり後半は失点してしまったので、前半のうちに改善できるようにしないといけないな、という印象です。
(早慶戦定期戦で今日の悔しさを晴らしたいか)
早慶定期戦で去年も悔しい思いをしていて、今日もやっぱり絶対に負けてしまってはいけない相手に完敗ということなので、もう一度自分たちのサッカーを見つめ直し、自分自身もレベルを向上し、早慶定期戦で借りを返したいです。
(次節に向けて意気込みを)
順天には個人的にも知り合いの選手が多いし、今首位に立っていますし、簡単には負けられないという気持ちが強いです。中3日空くので気持ちを切り替えて頑張りたいです。
加瀬澤力(総2・清水東高)
(早大に対して0-2という結果に対して)
とにかく悔しいです。
(開幕前に霧島で早大に3-0で勝利した時との違いは)
気持ちの部分で早大に圧倒されて出足も早大の方が速かったし、どこかで自分たちが勝てるのではないかとかチャレンジャーの気持ちを忘れていたのではないかなと思います。
(技術や戦術以前にメンタル面で問題があったか)
この負け方は気持ちの部分の問題だと思います。
(連敗したこの2試合で無得点という結果について、FWとして思うことは)
自分がもっと怖いエリアでボールを持つとかシュートを打ちにいくだとか、怖いエリアでボールを持てていないので結果も出てないしふがいないですね。点を獲っていかないといけないですし生み出していかないといけないですけど、結果が出てないのでふがいないの一言ですね。
(無敗だった開幕5試合と比べて相手に研究されているように思うか)
対応が1枚2枚きているというのは感じている部分ではあって、そこで自分に何ができるかというところだと思うので、これから上を目指していくためにももっと突き詰めて、研究されても自分の成長の度合いが研究よりも上回っていれば良い話なので、日々成長していってそのための努力をもっとしないとなと思っています。
(次節は好調の順大との一戦だが)
2連敗してチームの雰囲気も不安な部分があると思いますが、そこで自分が前からどんどん引っ張ってチームを勝たせるために何ができるかというところを考えてこの3日間必死に過ごして、できることをすべてやって順大戦は気持ちで上回って勝てるように頑張ります。
溝渕雄志(環2・流通経済大付属柏高)
(今日の試合を振り返って)
完敗ですね。
(早稲田相手に意識してやったことは)
自分たちがこれまでやってきたことをやるっていう堅守速攻の形を出すことだけで、あとはもう技術云々ではなくて、絶対負けちゃいけない相手だったので、とにかく相手より強い気持ちを持って戦いに臨むということを全員で統一して意識してやりました。
(相手の印象は)
例年サッカーが変わらないチームで、一人ひとりがハードワークをして、勝つということに対して全員で向かっていくという印象があったので、個々の能力も非常に高いですし、フィジカル的にもとても強いチームなので、そういう印象がありました。
(今後の課題は)
攻撃のところで少しボールを持つ時間が短いのかなというのがあります。前半は特にずっと守りっぱなしの試合だったので、もう少し攻撃のパターンを増やさないと点が入らないんじゃないかなと思います。ここ2試合無得点ですし、攻撃の形をもう少し守備から上手く繋げられるようなシーンを作らなければいけないというように感じます。
(次節に向けて)
今2連敗しているので、これで負けて3連敗となると開幕5試合無敗という記録が全く意味のないものになるので、相手(順天堂大)は首位ですけど、正直まだ分からないので、臆することなく全員で戦っていきたいと思います。
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