【野球】陸の王者ここにあり!大熱戦制し6季ぶり34度目V達成! 早大②

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6月1日(日)早大2回戦

歓喜の胴上げ!

歓喜の胴上げ!

優勝に王手をかけて臨んだ早大2回戦。初回いきなり4点を失い苦しい展開となるも、2回裏に藤本知(環4)の2点本塁打を皮切りに一挙6得点。逆転に成功する。その後同点に追いつかれるが6回裏、谷田(商3)の本塁打で勝ち越し。最後は昨日完投の加藤拓(政2)が7回表から登板し、迫力満点の投球で試合を締めた。「勝ち点を取った方が優勝」という早慶優勝決定戦で、早大を2連勝で下した慶大が見事春季リーグ戦の頂点に輝いた。  

   
早大
慶大 ×
 早大:竹内、吉野和、大竹、髙梨、●内田、有原―土屋

 慶大:三宮、瀧本、石崎、○明、加藤拓―小笠原、須藤

◆慶大出場選手

ポジション 選手名(学部学年・出身高校)
[7] 佐藤旭(商4・慶應)
[6] 山本泰寛(環3・慶應)
[9] 谷田成吾(商3・慶應)
[5] 横尾俊建(総3・日大三)
[8] 藤本知輝(環4・慶應)
[4] 竹内惇(商4・慶應)
[3] 山本瑛大(商2・South   Torrance
  齋藤大輝(商2・慶應)
  近藤俊(環4・國學院久我山)
[2] 小笠原知弘(環3・智弁和歌山)
  須藤隆成(環2・創志学園)
[1] 三宮舜(商3・慶應)
  北村祐樹(商3・丸亀)
  瀧本健太朗(商4・慶應)
  石崎佑磨(総4・平塚江南)
  川崎晃佑(環2・智弁和歌山)
  明大貴(政4・慶應)
  加藤拓也(政2・慶應)
 

塁上でガッツポーズを見せる佐藤旭

塁上でガッツポーズを見せる佐藤旭

6月とは思えないほどの暑さの中、34000人もの観客が詰めかけた早慶2回戦。勝てば優勝という中で、慶大は今季ここまで全試合救援登板の三宮(商3)を先発マウンドに送る。

 

試合は初回から大きく動く。三宮は1死後3連打を浴び先制を許すと2死一,二塁となって迎えた小野田に対し、初球の甘く入った直球を左翼席に運ばれてしまう。早くも4点を追いかける苦しい展開に。反対に慶大打線は竹内に9球で初回の攻撃を片付けられ、4点の重みをより一層強く感じさせる。

しかし2回裏、この男の一撃が神宮の雰囲気を一変させた。先頭の横尾(総3)が安打で出ると、次打者・藤本知が目の覚めるような打球を左中間に叩き込み反撃開始。その本塁打で勢いに乗った慶大は1死一,二塁としたところで、江藤助監督が動く。三宮に代わり代打・北村(商3)を起用し早くも勝負に出る。その北村は粘って四球を選び好機拡大。佐藤旭主将(商4)につなげると、フルカウントからの7球目、高く跳ね上がった打球は早大三塁手・茂木のグラブの上を行く左前2点適時打に。ここまで打率1割台と不振に苦しんできた主将は何度もベンチにガッツポーズを作って見せた。さらに好機は続き、谷田の一塁強襲適時打、横尾の中犠飛で2点を勝ち越し。この回一挙6得点で逆転に成功する。

 

この2日間攻守に冴えていた藤本知

この2日間攻守に冴えていた藤本知

このままリードを保ちたい慶大だが、リーグトップのチーム打率を誇る早大がそうはさせてくれない。3回表から毎回得点圏に走者を進め、慶大投手陣に襲いかかる。4回表には瀧本(商4)が、5回表には石崎(総4)がそれぞれ失点し試合を振り出しに戻されるも、何とか最少失点で切り抜ける。

6回表からは明(政4)が久々の登板。150㌔に迫る直球で簡単に2死を奪ったが、安打などで一,三塁としてしまう。ここで迎えた茂木に対する3球目、中堅方向へ大きな打球を放たれてしまう。越えてしまうのか―。そう思われたが、藤本知が見事な背走キャッチ。2日連続でビッグプレーが飛び出し、流れを慶大へと傾けさせる。

 

直後の攻撃、その流れを見事に活かしてみせた。2死となって迎えるは谷田、相手マウンドには内田。谷田が2球大きく空振りし、投じられた5球目。外角球をコンパクトに振り抜いた逆方向のライナー性の当たりは、そのまま慶大ファンの待つ左翼席へ。谷田の勝ち越し本塁打で再びリードを奪い取る。

7回表、慶大マウンドには昨日140球完投の加藤拓。これでベンチ入り最後の投手を起用し、優勝へ最後9つのアウトを任された。その加藤拓は140㌔後半の直球を連発し疲れを感じさせず、7回表をこの日はじめて3者凡退で終らせる。

ベストナインを獲得した竹内惇

ベストナインを獲得した竹内惇

力投に応えたい打線。無死一塁で今季絶好調の竹内惇が9球粘った後、三塁線を破る長打を放つ。エンドランをかけていた走者の藤本知が激走を見せ、一塁から長躯ホームイン。貴重な貴重な1点をもぎ取る。

 

そして、大拍手に迎えられながら加藤拓が最終回のマウンドへ。2つの空振り三振で2死とするが、早大も意地を見せ2安打などで二,三塁と一打同点の場面に。しかし、加藤拓は動じなかった。磨きをかけてきた直球で代打・石井を追い込むと、2ボール2ストライクから、2日間で投じた186球目、149㌔直球にバットが空を切ったその瞬間、慶大の6季ぶり34度目の優勝が決まった。マウンド上で喜びを爆発させる選手たち。歓喜の胴上げ。佐藤旭らの目には光るものがあった。

 

慶大には早大・有原、明大・山﨑、法大・石田といった絶対的な選手が不在と、下馬評は高くなかった。それでも投打にニューヒーローが誕生し、これらの投手に勝利してきた。

打は竹内惇。早大1回戦の有原からの逆転弾に象徴されるように、勝負強さが光った。今季定位置をつかんだ男がチームトップの打率を残すなど、押すに押されぬ中心選手に。さらに谷田、横尾、藤本知の成長も勝因には欠かせない。下級生時から江藤助監督の期待を一身に背負うも満足のいく結果を出せなかったが、その潜在能力がついに花開き、キャリアハイをマーク。「今年は点が取れる」という江藤助監督の思惑通りになった。投手陣では三宮。絶対的リリーフエースとして君臨し、最多8試合に登板。終盤やや失速したが、三宮の躍動なしに優勝はあり得なかっただろう。さらに、加嶋(商3)、加藤拓が先発として一本立ちしたことも大きい。特に加藤拓はドラフト候補選手を抑えて最優秀防御率に輝くなど、慶大を担う存在にまでなった。このように、成長を見せた投打がしっかりと噛み合った戦いを続けられたことが要因の一つだろう。

歓喜の優勝に、多くの選手が涙した

歓喜の優勝に、多くの選手が涙した

そんな中で、〝勝ちにこだわる姿勢〟を貫き通せた、ということを優勝の一番の要因に挙げたい。新チーム始動時に竹内監督が掲げた〝How to play, How to win〟のスローガン。いかに勝つかを考えながらプレーし、勝利にこだわる。竹内監督不在という逆境にあっても、常にそれを意識しもがき続けた。その姿勢が早慶2回戦でも現れている。2回裏、二塁走者の竹内惇が早大捕手・土屋がわずかにボールを弾いたのを見逃さず、思い切って三塁を陥れた。追い上げムードの中、一歩間違えれば暴走となりかねないが、こうした失敗を恐れず果敢に塁を狙う姿勢、相手のミスを逃さず付け入る姿勢が、今季の慶大には見えていた。打線は水物。絶好調な投手相手に点を奪うことは、この慶大強力打線を以てしても容易ではない。それでも守備、走塁面において〝勝ちにこだわる姿勢〟で突破口を切り開くことはできるのだ。

 

次は全国を舞台にして戦う。6月10日から始まる全日本大学野球選手権大会。「このチームが始まった時にリーグ優勝、日本一という目標を掲げていた」(佐藤旭主将)と、すでに〝日本一〟というさらなる高みを見据えている。今年の春はまだまだ終わらない。慶大野球部の新たなる戦いが始まった。

 

【Keispo pick up】値千金の勝ち越し弾! 谷田成吾

谷田も初のベストナイン獲得

谷田も初のベストナイン獲得

本人も「入るとは思わなかった」と振り返った逆方向への本塁打。意外にも今季初の勝利打点となり、それは自らの打撃センスとパワーを証明してみせた打席でもあった。今季は自身初となるベストナインも獲得。陸の王者が誇る左のスラッガー・谷田の進化はまだ終わらないだろう。  

 

 

 

 

 

磨き抜かれた直球で締めた! 加藤拓也

雄叫びを上げる加藤拓

雄叫びを上げる加藤拓

剛腕がマウンド上で吠えた。1点リードの緊迫した状況からマウンドに上がると、疲れを感じさせない投球を披露。結果3イニングを0で抑え、胴上げ投手に。加藤拓はこの早慶戦で12イニングを投げ自責0という素晴らしい内容。文句なしで優勝の立役者となった。全日本でも自慢の直球で打者をねじ伏せる投球に期待したい。

 

 

(記事 山内貴矢)

 

◆打撃成績

[7] 佐藤旭 二ゴ 左安② 四球 三ゴ 二ゴ
[6] 山本泰 二直 右安 二飛 中飛 二ゴ
[9] 谷田 空三振 一安① 中飛   左本① 空三振
[5] 横尾 右安 中犠飛① 中飛 中飛   三失
[8] 藤本知   左中本② 三ゴ   投ゴ 右安 三ゴ
[4] 竹内惇 三安 左中2 投失   左線2①  
[3] 山本瑛 空三振
3 齋藤 二ゴ 空三振
3 近藤 空三振
[2] 小笠原 左安 四球 四球
2 須藤   四球
[1] 三宮 見三振
H 北村 四球
1 瀧本 投併打
1 石崎
H 川崎晃 空三振
1
1 加藤拓 空三振
◆投手成績
投球回数 打者数 球数 安打 三振 四死球 失点 自責
三宮 11 35
瀧本 24
石崎 25
21
加藤拓 11 46
◆監督、選手コメント

江藤省三助監督

(今のお気持ちは)よかったね。勝ってよかったです。(次は全日本選手権だが)優勝しかない。

 

佐藤旭主将(商4)

(今の率直な心境は)本当に最高という一言しか言えないですね。選手ひとりひとりが粘り強く戦ってくれたと思いますし、竹内監督に優勝の報告をしたいという一心でリーグ戦に臨んでいたので、それが達成できたことがとてもうれしく思います。(全日本選手権に向けて)6大学の代表として全日本に出場するのでそれに見合う結果を残していかなければならないと思います。このチームが始まった時にリーグ優勝、日本一という目標を掲げていたので、その日本一を取れるようやっていきたいです。このリーグ戦で出たミスをしっかりと克服して全日本に臨みたいです。

 

藤井健友副将(環4)

(今の感想を)今までやってきたことが最高の結果で返ってきてくれたので、とてもうれしいです。(優勝杯を手にして)本当に優勝したんだなという実感もありますし、これだけ大勢の皆さんの前で優勝杯を取り消すことができてよかったです。僕たちは1年生の春にも優勝しているのですが、その時はまだ全員下っ端でしたけど、僕たちの代でもう1回優勝できてうれしいです。(2日とも満員の早慶戦でした)本当に幸せでした。あんなところで試合ができて勝てるというのは、本当に本当に幸せで・・・という言葉しかないです。(全日本選手権への意気込み)やっぱり六大学優勝したからには全日本も取らなきゃいけないと思うので今日は喜びま すけど、またしっかり切り替えて日本一を取りにいきます!

 

大野光祐学生スタッフ(商4)  

(おめでとうございます)ありがとうございます。(優勝した今の気持ちは)嬉しいです。まだあんまり実感はないんですけど、本当に嬉しいです。(チーム一丸での勝利だと思いますが)はい、本当にその通りだと思います。(全日本選手権に向けて)積極性っていうのがこの優勝に繋がったと思うので、そういうこのチームらしさを全面に出して全日本優勝します。

 

杉山由泰学生スタッフ(商4)

(おめでとうございます)ありがとうございます。(優勝した今の気持ちは)みんなが頑張った結果優勝出来たので本当に嬉しいです。(全日本選手権に向けて)目標は日本一なので今日は喜んで、もう一回次の練習から引き締めていきます。

 

近藤俊(環4)

(優勝した気分は)もう最高の一言です。(全日本に向けて)やはり東京六大学の代表として出るので、その名に恥じないように、もう一回引き締めて戦っていこうと思います。

 

竹内惇(商4)

(今の率直な心境は)最高に嬉しいです。(ベストナインを受賞されたが)とにかく優勝できたので、ベストナインはおまけという感じです。(全日本選手権に向けて)もう一回練習しなおしてレベルアップして、全日本も優勝したいと思います。

 

藤本知輝(環4)

(今の気分は)「最高」の一言です。(加藤拓投手に一言)よく粘って、昨日からずっと投げてくれたんで、本当にお疲れさんと言いたいです。(全日本選手権に向けて一言)やってきたことをそのまま出すだけなんで、日本一を狙って頑張りたいと思います。

 

明大貴(政4)

(優勝おめでとうございます)ありがとうございます。(勝ち投手になった)そうですね。僕なんかがなっていいのかと思いますけれど。(久々の登板になったが気持ちは)もう、無茶苦茶緊張していました。(優勝が決まった瞬間のお気持ちは)早慶戦という111年の歴史の中で勝ちをあげられる舞台を作ってくれたチームに感謝していますし、送り出してくれた江藤助監督や病床にいる竹内監督にも本当に感謝しています。(全日本に向けて)六大学の代表として、優勝しないといけないという宿命だと思うので、春は最後日本一を取って締めたいと思います。

 

小笠原知弘(環3)

(今の気持ち)勝ててよかったという気持ちと、もっと練習して秋にも優勝したいなという気持ちです。(次は全日本選手権があるが)とりあえず全日本に向けて、このリーグ戦で残された課題を各々やって、全日本でも勝てるように。六大学の代表として出るので、恥ずかしくない試合をするために頑張りたいです。

 

三宮舜(商3)

(優勝おめでとうございます。今の気持ちを)ありがとうございます、嬉しいです。(優勝がかかった試合の先発マウンドだったが)試合が始まる前に江藤助監督や旭さんからいろいろ言葉があって、今日で優勝しようということだったので、僕も気合いを入れて試合に入ったんですけど、まぁちょっと、4失点ということであまり良くなかったですね。(リリーフとして大活躍した今春を振り返って)前半戦は結構良くて、それがあったのでチームに貢献できたなと思えて良かったです。来シーズンは1シーズン通して調子を持続できるように頑張りたいです。(全日本に向けて)神宮大会では先発するかもしれないですし、どこで投げるか分からないですけど、今日のリベンジをします。

 

谷田成吾(商3)

(優勝を決めた今のお気持ちは)もう、すごく嬉しいです。それしかないです。(優勝までの道のりは)そんなに簡単なものではなかったですけど、4年生中心に引っ張ってもらって、それにうまく乗れたかなという感じです。(個人としてはベストナインに選ばれましたが)初タイトルなのですごい嬉しいです。(本日の決勝ホームランをふりかえって)打った瞬間は入ると思わなかったんですけど、応援してくれるスタンドのみなさんに吸い寄せられたというか。入ると思わなかったので嬉しかったです。(大学選手権への意気込み)六大学野球の代表として恥じないように、しっかりとしたプレーをして優勝してきたいと思います。

 

山本泰寛(環3)  

(優勝おめでとうございます)いやあ、ありがとうございます。(優勝の瞬間の思いは)優勝目指してやってきたのですが、信じられなかったです。勝った、みたいな感じで優勝の実感ははあまりなかったです。(終盤の守備中は何を考えていたか)1人でも塁に出たら相手に流れが行くんで、しっかり1個ずつアウトにしていこうという気持ちで頑張りました。(全日本へ向けて)六大学で勝ったからには全日本選手権でも優勝しなくてはいけないと思うので、優勝してきたいと思います。

 

横尾俊建(総3)

(今の気分は)最高です。(全日本に向けて)タイトルを取れなかったので狙っていきたいです。

 

加藤拓也(政2)

(今の気持ちは)優勝できて本当によかったです。(全日本に向けて)全日本についてはあんまり考えていなかったんですけど、日本一が最終的な目標だと思いますが、目の前の試合に集中してやっていきたいと思います。

 

齋藤大輝(商2)

(優勝おめでとうございます)ありがとうございます。(今のお気持ちは)素直に、本当に嬉しいです。(今季を振り返って)スタメンで出てたんですけど、なかなか思うような成績が残せなくて悔しい思いがありますね。(全日本選手権へ向けて)全日本では僕が打ってチームを勝利に導きたいと思います!

 

須藤隆成(環2)  

(優勝した気分は)実際にはまだ実感が沸いていないんですけど、加藤が良く投げてくれて、谷田さんと惇さんがいい活躍をしてくれて。今日は総力戦で勝ったと思うので、全員で勝てて良かったです。 (全日本に向けて)自信があるというか、優勝できるチームだと思うので、一試合一試合全力で戦っていこうと思います。

 

山本瑛大(商2)

(今の気持ちは)人生初の優勝なので、とにかく嬉しいという気持ちしかないです。(全日本に向けて)いい流れできているので、全日本でも優勝したいです。

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