ついに春シーズンの大一番である第63回関東大学バスケットボール選手権大会が開幕した。5月頭の京王電鉄杯から間が空き、約3週間ぶりの対外試合となる。慶大が掲げる目標は「ベスト4」。先の大会で見つかった反省点を生かし、試合で発揮することが出来るかに注目が集まった。今日の相手は3部リーグの玉川大。83-57で勝利を収め、負けたら終わりのトーナメントで無難に駒を進めた。内容としては対外試合で初となる一年生の起用など実験的なシーンも見られ、新生・慶大バスケ部へと懸命に取り組む様子がうかがえる一戦となった。
2014/05/26(月) @大田区総合体育館 | |||||
第63回 関東大学バスケットボール選手権大会 | |||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
慶大 | 26 | 18 | 20 | 19 | 83 |
玉川大 | 18 | 17 | 11 | 21 | 57 |
◆慶大スターティングメンバー | |||||
選手名(♯背番号・学部・学年・出身校) | |||||
PG | #13 福元直人(環3・福大大濠高) | ||||
SG | #4 伊藤良太(環4・洛南高) | ||||
SF | #10 大元孝文(環3・洛南高) | ||||
PF | #6 権田隆人(政4・慶應高) | ||||
C | #7 黒木亮(環3・延岡学園高) |
試合の主導権を握ったのは慶大。序盤から伊藤と大元が立て続けに3ポイントを沈めると、怪我から復帰した福元も黒木のアシストで余裕のあるシュートを放つ。ディフェンスの脆さを突かれ玉川大に点を許すものの、権田と福元がしっかりとリバウンドを取り、玉川大の攻撃を上回る勢いで得点を重ねた。終盤には一年生のサワ(環1・国学院久我山高)が初めて起用され、インサイドでのシュートでデビューを飾ると、まだ粗削りながら192cmの体躯によるパワフルなプレーで存在感を示した。二年生の後藤(環2・藤枝明誠高)も交代するなり鋭いドライブで切り込むと、バスケットカウントを獲得。最終的には玉川大に10点差をつけ、1Qを終えた。 差を広げたい2Qでは玉川大のゾーンディフェンスに抑えられ、シュートの精度の低さも相俟って得点が伸びない時間帯が続く。中盤、状況を打開しようと主将である伊藤が自ら切り込むと、慶大得意の堅守速攻が機能し始め、徐々に流れを掴むことに成功。部内の3チームをローテーションするシステムに加え、1Qからの下級生の積極的な起用も続き、コート上のメンバーが目まぐるしく変わりながらも、余裕のある試合運びを見せる。その結果、44-25と大きく点差を広げることに成功した。
3Qではディフェンスの粗が目立つ中で集中力を切らしたのか、オフェンス面でもパスミスなどのターンオーバーが散見される。打ち合いになるも互いになかなかシュートが決まらず、冗長な試合展開に。しかし後半、頻繁な交代が続く中で、広い視野と状況判断能力に定評のある西戸(総2・洛南高)が落ち着いたプレーで空気を変えると、サワや同じく初出場の堂本(商1・慶応高)ら若い選手の活躍により悪い流れを断ち切ることに成功。64-40と点差を維持したまま3Qを終えた。 最終Qでは清家(経3・慶応高)を中心に果敢にゴールを狙うも精度は上がらず、落ち着きのない試合展開が続く。終盤サワがフィジカルを活かしたシュートを見せるも、チームは最後まで調子を取り戻すことはできず。83-57で勝利を収めたものの、課題を残す一戦となった。
シュートの精度が上がらない一方で、ディフェンスも「一対一で守るという意識が薄く」(西戸)、攻守両面で歯がゆい場面が続いた慶大。レギュラー陣の動きにも精彩が見られず、格下の玉大相手に多くの失点を許してしまった。その一方で、新人戦を控えた下級生の顔見世の場としては意義深い一戦となった。「OBや監督、先輩方の期待に応えられるように頑張っていきたいと思います」と今後の意気込みを語るサワを始め、後藤や堂本、木村(環1・東山高)などの下級生がチームに新しい風を吹き込んだ。次の対戦相手は同じ一部リーグの白鴎大。カギを握るのはディフェンスだ。「その中でもスクリーンアウトは常に意識して40分間やり通さないと、たぶん苦しいゲームか負け試合になってしまう」(福元)。不調から立ち直り、「堅守速攻」の慶大らしいバスケをすることが求められるだろう。
(記事・藤井祐未)
[PG]福元直人(環3・福大大濠高)
あまりいい出来ではなかったのですが、その中でも収穫はあったかなと思っていて。明日からはそういう悠長なことは言っていられないと思うので。いかに初めから自分たちのストロングポイントを出すか、ということは考えました。(けが明けでしたが)もうほぼ完璧に動けていると思います。(チームとしての動き、目標は)電鉄杯の時にはなかった、オフェンスやディフェンスの流れっていうのがはっきりしてきたので、後はいかにそれを意識しすぎずに出来るか、っていうところだと思っています。考えながらやるとどうしてもプレーは上手くいかないと思うので、どれだけ自然な形でそこに持ち込んで、その中で得点やディフェンスの狙い目を徹底できるか、というところだと思います。(今年からPGでスタメンだが)それぞれに強みがあると思うので、それを僕がいかに引き出せるか、というのは常に考えていることです。それと同時に、試合の流れの中で自分も行くべきところや周りに取らせるところというのを、常に判断してプレーしています。(明日の試合に向けて)とにかくディフェンスだと思うので。その中でもスクリーンアウトは常に意識して40分間やり通さないと、たぶん苦しいゲームか負け試合になってしまうと思うので。スクリーンアウトを意識することや、ディフェンスの細かい部分を詰めていってオフェンスに繋げていけば、オフェンスは自然といい流れになると思います。
[SG]西戸亮(総2・洛南高)
相手は全員で攻めてくるタイプで、自分たちは普段練習しているセットプレーを使わないで攻めるという指示が出ていたのですが、それが隅々までいきわたらなくて、次の試合につながるゲームにはあまりならなかったです。(全体としてディフェンスの粗が目立ったが)去年とはディフェンスのシステムが違うのですが、一対一で守るという意識が薄く、抜かれてからヘルプで守ってもらうという去年の意識がまだちょっと残ってしまっていて、完全に一対一で守る意識がもっと強くなれば、改善できるかなと思います。(練習について) 今日の試合では出していませんが、セットプレーや速攻での攻め方などシステマティックな練習をしました。まだ完成はしていないのですが、実戦で試す良い機会なので、明日の白鷗戦でできればなと思います。(今後同級生や下級生と共にプレーする機会が増えると思うが)去年自分が一年生として出ていた時に、自由にプレーするように声をかけてもらっていたので、自分もそれを心掛けることと、やはり去年の4年生と共に良い舞台に立って経験をしてきているので、それを基に改善すべきところなどを伝えられればなと思っています。(明日の試合に向けて)相手は一部ということで、今日のような試合にはならないと思うので、明日は練習通りにディフェンスのシステムのところや、プレッシャーを出して、出だしからしっかりできればなと思います。
[C]トカチョフ サワ(環1・國學院久我山高)
一年生らしくプレーできればいいかなと思っていて、まずはリバウンドをがんばれと言われていたので、リバウンドだけは全部取ってやろうと思っていました。(高校と大学の違いについて)大学生は身体が強いと聞いていたので、現在トレーニングをがんばっています。また今日の試合に関してはとりあえず落ち着いていこうと思っていました。(課題について)ディフェンスリバウンドを飛び込まれて取られていた部分があるので、明日はスクリーンアウトを徹底したいと思います。またガード陣の運びの部分のミスもあったので、できるだけターンオーバーを少なくして安定したゲームを展開したいと思います。(ご自身のプレーについて)リバウンドについてはそれなりに通じたと思うのですが、明日は2メートルの外国人選手が相手なので、いかにリバウンドを取れるかという所と、外角のシュートがまだ入っていないので、それが入らないとハイポストからのドライブといったプレーができなくなるので、シュートを決めたいと思います。(大学での4年間について)OBや監督、先輩方の期待に応えられるように頑張っていきたいと思います。(明日の試合に向けて)チームの勝利に貢献できればいいなと思います。
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