【ソッカー男子】早慶サッカー定期戦 インタビュー 長井主務×安成マネージャー対談

仲良く対談してくださった、長井主務と安成マネージャー

仲良く対談してくださった、長井主務と安成マネージャー

 

早慶戦を陰で支える長井俊興(経4)主務と安成眞衣子マネージャー(商4)。二人にとって早慶戦とはー。  

 

―主な仕事内容を教えてください。  

長井 主務だからやるという仕事は特にないです。早慶戦の準備として、東京都は東京都サッカー協会の方と1対1でどんどん進めていたんですけど、神奈川の場合は窓口が5つも6つもあって、いろいろな方といろいろな打ち合わせをしなければいけません。たとえば、ゴミの人、警備の人、運営の人…たくさんあるので、それが今とてもつらいです。  

安成 マネージャーの全体的な仕事としては、OBの方との連絡だったり、試合に出るにあたっての準備だったり、早慶で運営している試合の運営などです。あとは、一貫校なのでサッカースクールもやっているのでそれの手伝いなど、いろいろやっています。今は早慶戦に重きがあって、ちょうど今はOBの皆さんにチケットの購入をお願いしています。一人ひとりのOBの方にお送りしていて、約1000人のOBの方にご連絡しています。そういう地道な作業をしています。

  ―役職に就かれた経緯を教えてください。

長井 3年生のころは副務に就くんですけど、それに就くには2年生のときに一年間ぐらいかけて同期でミーティングをするんです。その同期全員から「やってくれ」と言われたというのが、超簡単な流れです。

―どうして同期の方々から「やってくれ」とお願いされたのですか。

長井 それは…ちょっと就活っぽくて嫌だなあ(笑)。自分の何がというわけじゃないけど、みんなと仲良かったり、リーダーシップを持っていたりしたというのが、多少みんなよりあったと思います。「長井だったら学年のリーダーを任せられる」と全員が判断したので、「僕がやります」と。  

―安成さんはいかがですか。

安成 私は長井と違って誰かに「やって」と言われたのではなく、大学に入るにあたって自分の意思でマネージャーになりたいと思いました。それは大きく理由が2つあります。1つは、高校までは自分がスポーツをする側だったんですけど、高校のときのいろいろな経験をもとに組織運営に興味を持ちました。ふつうマネージャーって水出しだとかと思っていたんですけど、そういうのには一切興味がありませんでした。ソッカー部の一部員として組織を運営するというのに魅力を感じました。2つ目は、兄がずっとサッカーをやっていた影響で好きだったということです。その2つがマッチしたので、ソッカー部のマネージャーになりました。

―仕事で大変なことは何ですか。

長井 副務だったとき、早慶戦のパンフレットを作るんですけど、ちゃんとしたプログラムを作るというのが初めてでした。早稲田の副務とほぼ二人で作っていくので、それがもう…構成とか、デザイナーの方とあったりして、すごく大変でした。

安成 私は性格的な問題で、大変とかあまり思ったりしないです。特にこれが大変だったというのはないんですけど、やっぱり早慶戦の準備というのは一番忙しいと思います。やっぱり早慶戦の仕事が一番大きいです。

―反対に、仕事をしていて楽しいことやうれしいことは。

長井 やっぱり試合に勝てばうれしいです。一番は、前期リーグ4位、6勝3分2敗という今までで一番いい成績で折り返すというのが非常にうれしいことです。

安成 私もやっぱり一番うれしいのは試合に勝ったときです。1年生のときの初めての早慶戦で、いっぱい「こんな仕事があるんだ」って感じて、しかも勝って。それを間近で見たときのうれしさだったり。そういうときって仕事をしていても楽しいし、その後もすごく楽しくて、あれがあったからいろいろな大変なことも楽しくできていたと思います。だから、早慶戦に勝ったときが一番楽しいです。

―今季のソッカー部のプレーについて、どう思われますか。

長井 今季はもう、全員がよく守っているなと思います。昨年は22試合で56失点とか57失点とかしていたので、それを直そうということから始めて、今季はトップは11試合で7失点。BチームもCチームも、点を入れさせてはいけないというところが去年よりも変わったと思います。全員がそう感じています。  

安成 プレーに関しては長井のほうが詳しいと思うんですけど、応援とかも含めて、みんなも勝ちたいという思いが強いと思います。今までに比べて勝ちにこだわるのがトップチームだけじゃなく、下のBとかCチームの公式戦や練習試合でも強いんじゃないかなと思います。  

―今季のソッカー部のピッチ外での印象はいかがですか。

長井主務の言葉一つ一つから、ソッカー部への熱い思いが伝わってきた

長井主務の言葉一つ一つから、ソッカー部への熱い思いが伝わってきた

長井 いい意味で非常に仲がいいと思います。主将の増田も、1年生からもいじられていて、威厳とかはなくなっちゃっているんですけど、その仲の良さがプレーにも表れているのかなと感じます。

安成 みんなのびのびしているんじゃないかな、と思います。人数もすごく他の部とか大学に比べて多いと思うんですけど、本当にみんな個性があって、その個性を無理やりにするのではなく、生かしながら楽しくできているんじゃないかなと思います。  

―オフの日はどのように過ごしていますか。

長井 オフの日は本当にやることがないので、暇つぶしの方法を逆に教えてほしいです(笑)。俺と同じような境遇の塾高のコーチをやっている大久保という奴がいるんですけど、「暇だね」と言って、この前はヒカリエで1時間ぐらい話して(笑)。  

安成 毎週なんですよ(笑)。

長井 それで、「ちょっと散歩行くか」とか言って六本木まで歩いて帰る、というくだらない一日を過ごしています(笑)。

安成 私は、授業にちゃんと行っていますよ(笑)。あとは友達と遊んだり、結構母とお出かけするのも好きなので、ゆっくり過ごしています。  

―オフの日もソッカー部のことばかり考えている…ということはないですか。

井 そんなことはないですね(笑)。早慶戦の前は、すごく月曜日とかも働くので考えていたりするんですけど、基本的に月曜日はオフなので月曜日は何も考えないです。

安成 ソッカー部について深ーく考えるとかはないんですけど、生活をしていて常に一緒にいるのがソッカー部の人が多いので、必然的にソッカー部の話とかを別のところでもします。ソッカー部以外の人に会っても、「マネージャーって何してるの?」「早慶戦大変そうだね」とか言われることが多いので、割とソッカー部だらけな気がします。

―お互いの印象を教えてください。

長井 眞衣子は、いっつも笑っていて癒してくれます。何も怒るという感情がないので、いつも笑顔で、支えてくれています。

素敵な笑顔が印象的な安成さん

素敵な笑顔が印象的な安成さん

安成 うれしい(笑)。長井は、リーダーシップがあってしっかりして部を引っ張ってくれて、でも実はちょっとかわいらしいなという面も意外と持っています。あと、筋トレ大好きです。  

長井 それはいいよ(笑)。

安成 サッカーが本当に好きなんだなと思います。

―ワールドカップは観ていますか。  

長井 生では観ていないですけど、ハイライトをすかさずチェック(笑)。

安成 結構観ています、生でも。

―観た後にソッカー部の皆さんと感想を言い合ったりされますか。

長井 監督がその話題を振ってくるので(笑)。6月15日のコートジボワール戦のときも、「日本戦観たか?」と。日本戦の失点のとき、右サイドからクロス2本やられて。うちのアミノバイタルカップでの流経との試合でも、左サイドからクロス2本やられたので、「一緒だぞ」と。部員同士でもしますよ、「つえーな」とか「あいつうまいよな」とか。

安成 予想しているよね。私は、日本戦はソッカー部のすごく観るのが大好きな人たちと観ていました。自分が負けたかのようにショックを受けている人もいて、解説付きで観れたので面白かったです。  

―お二人にとって、ソッカー部とは。

長井 難しいですね(笑)。ありきたりことを言ってもつまらないので…言っていいよ、先に。

安成 大学生活のすべて、と言っても過言ではないものかなと思います。ソッカー部じゃなかったら何をしていたんだろう、とか考えると本当に何も考えられないです。私、今までこんなに一つのことに没頭するのって人生の中で初めてです。選手たちは小さいころからサッカーを続けてきて今があると思うんですけど、私は大学1年生からサッカーというのがこんなに身近になりました。楽しいことばかりじゃないのに、こんなに没頭して、嫌になったこととかも一度もなくて、すごく好きなんだと思います。チームみんな好きだけど同期が大好きだから、こんなにハマってしまって、「大学何してるの?」と聞かれても本当に「ソッカー部しかしていない」という感じです。

長井 言うのが恥ずかしいですけど、家族みたいなものです。主務あるあるだと思うんですけど、4年生になると、1、2年生も同期もかわいく思えてくるんですよね。  

安成 パパみたいな(笑)。  

長井 「こいつらかわいいな」と。結構ガキみたいな奴が多くて、悪ふざけとかもしているので、そういう意味では一緒に過ごしていている時間がすごく長いので、本当に家族って感じです。  

―過去3年間の早慶定期戦を振り返って、いかがですか。

長井 1年生のころとか2年生のころは、こんなにマネージャーが頑張って早慶戦を作り上げていることなんて知らずに、一試合としかとらえていませんでした。勝ったら喜ぶし負けたら悲しむんですけど、定期戦だろうが関東リーグだろうが変わらないと思っていました。だけど、去年副務としてかかわった早慶戦は本当に強い思いが入っていました。去年、早稲田の主務の方から、得点が入るごとに隣で超喜ばれて、3回も喜ばれて、試合終了のホイッスルが鳴ったときも喜ばれて、さらに早稲田に取材のカメラが集まってきて…。運営している側がこれだけ大変だということを知れたいい機会でした。日本代表の試合とか観ていても、「これを運営するためにどれだけの人が頑張っているんだろうか」と考えるようにもなりました。とにかく、早稲田の人がすぐ近くで喜ぶ姿はあまり見たくないので、今年は勝ちます。

安成 さっきも言ったように、1年生のころに勝った定期戦というのは本当に印象に残っています。運営については、1年生のころは何も分からないままやっていたんですけど、こんなに勝つのがうれしいんだと、と思ってすごく衝撃を受けました。あれを見せてもらったから、今にもつながっていると思うし、あれをもう一回見たいと思います。後輩たちは勝った早慶戦を知らないので、みんなであれを味わいたいと思っています。それに、去年の早慶戦は、初めて私たちの代の長井が副務として出て一緒に作る早慶戦だったから、思い入れも強かったです。最後の国立だったし、絶対に負けたくないという思いも強くて、集客目標も2万人と掲げていたけれど、負けちゃったし2万人入らなかったというショックは本当に大きかったです。人生最大のショックでした。でも、早稲田の子と毎年一緒にやっていくと、尊敬する部分も出てくるし、一緒にいいものを作りたいという思いは毎年強くなるけど、その分でも負けたくない、という思いは強くなっています。  

―最後に、早慶定期戦に向けて一言お願いします。

長井 早稲田には今年3月には鹿児島で勝ったので、今年は早稲田に勝てるんじゃないかと思っていたけど、前期リーグで負け、この前のアミノバイタルの順位決定戦でも負けてしまいました。今年も同じような流れになってしまうのでは、と思っているので、定期戦では勝って、僕は運営をめっちゃ頑張ってきたので、慶応側としては等々力はホームですし、絶対に負けられないし、どんなに泥臭くてもいいので早稲田よりも1点多く取って、出場する選手は死ぬ気でゴールを守って、最後は“家族”と喜べたらな、と思います。

安成 勝ちたいにつきます。等々力開催で未知数の中で、でも伝統は守らなきゃいけないし、そういった意味では新たな挑戦でもあります。そこは運営する立場である私たちが中心となって、守っていきたいです。試合に出る人には、勝ってくださいとしか言うことはできないし、試合に出られないは応援や仕事で、隣の早稲田の人よりも一歩先を行って、そういうところでも負けたくないです。みんなで戦って勝って、笑って終わりたいです。  

長井さん、安成さん、ありがとうございました!  

(取材 窪山裕美子)

       

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