慶應スポーツ新聞会

【弓道男子】 強敵にあと一歩及ばず、団体3位入賞 全関東学生弓道選手権

準決勝の壁は高かった。春シーズンの重要な試合である第44回全関東学生弓道選手権大会が、2日間にわたり日本武道館で開催された。本大会は学生弓道界トップレベルの大学が集まり、例年白熱したトーナメントが展開される。各大学による迫力のある応援も魅力の一つだ。慶大男子団体は3年前に優勝して以降、2年連続で準決勝敗退中。今年こそ優勝を目指したが、結果は準決勝で法政大に敗れ3位に。競射にもつれこんだ接戦を勝ちきれず、決勝に進むことはかなわなかった。

 

第44回全関東学生弓道選手権大会

 

6月21日(土)、22日(日)@日本武道館 

 

ポジション
選手名
予選
二回戦
三回戦
準決勝
競射
3位決定戦
大前(おおまえ)


菅谷脩

(法2・韮山高)

〇×

2番


小野和也

(法3・慶應高)

×〇

3番


稲熊渉(

総2・城北高)

×〇

4番


林康弘

(政4・慶應志木高)

〇×

(おち)(まえ)


渡邊幸四郎

(商4・慶應湘南藤沢高)

〇×

(おち)


村田賢祐

(法3・慶應高)

〇〇

合計
 

21

19

19

19

18

対戦校
 

 

首都大

明星大

法政大

大東文化大

合計
 

 

14

17

19

10

17

※ 1回の試合で各選手4本の矢を放つ。トーナメントは2チームが同時に矢を放ち始める。男子団体は1チーム6人で構成され、計24本のうち的に(あた)った本数の多いチームが勝ち進む。的中数が並んだ場合は、各自2本の計12本で競射を行って勝敗を決定する。

 

あいにくの梅雨空でも日本武道館は熱かった。関東各地から80近くの大学が集まり、関東一の称号をかけて戦うこの大会。厳粛なイメージの強い弓道だが、全関では学生が闘志をむき出しにする。スタンドには大学の校旗が掲げられ、矢声と歓声が飛び交うその様相は祭りの雰囲気を醸し出す。そんな熱狂のなかで、慶大弓術部が自信にあふれる基本に忠実な射で会場を圧倒した。

試合前に気合の円陣を組んだ

試合前に気合の円陣を組んだ 

21日の予選では、6人で3本しか外さない盤石の射をみせ、計21中で1位通過。順当にシード権を獲得し、関東一へ向けて好スタートを切った。

 

そして迎えた決勝トーナメント。初戦の相手は昨季2部リーグで2位だった首都大。日本武道館の独特の雰囲気に飲まれることなく、安定した試合運びができた。チームの中で最初に矢を射るポジション、大前の菅谷(法2)が全ての矢を的に中る皆中をして流れを作ると主将の渡邊(商4)も皆中で続く。ほかの選手も勢いに乗って順調に的中を伸ばし、計19中で首都大に勝利。3回戦進出を決めた。

 

続く3回戦では明星大と激突した。この試合で輝きを放ったのはまたしても菅谷。2回戦に続き皆中を出し、これで8本連続的中となった。菅谷に続いたのが同学年の稲熊(総2)。菅谷に触発されたかのように調子を取り戻し、こちらも皆中で続く。下級生に負けじと上級生も踏ん張ってこの立ちも計19中。粘りを見せた明星大を振り切って準決勝進出を果たした。

終始テンポよく引き続けた慶大

終始テンポよく引き続けた慶大 

 

法大との準決勝 雄叫びをあげる稲熊

法大との準決勝 雄叫びをあげる稲熊 

準決勝の相手は慶應と同じく1部リーグに所属する強豪の法政大。この日の2回戦では21中を出しており、1本のミスも許されない相手だった。1手目、慶大は6人全員が中てて幸先のよいスタートを切る。稲熊・渡邊は残り3本も中てて皆中を達成したが、連続的中を出していた菅谷が今大会初めて外すなどして後半に若干失速し、結果はまたも19中。対する法政大は後半に粘りを見せて19中と慶大に並び、勝負は競射に持ち越される。12本での勝負になり、より一層1本の重みが増す展開。だがこの緊張感が慶大の射を狂わせた。「手先に力が入ってしまって、勝負の時にだんだん力んでしまっていた」と本間監督が分析したように、射が乱れて計7中と中りが伸びなかった。一方の法政大は緊張感を逆に力に変えたのか、10中と圧巻の射を披露した。「緊張してしまった時の対処も甘くて、技術的にも精神的にも一枚下だったかなと思う」と言った村田(法3)の言葉がすべてを物語っていた。2年連続で準決勝敗退という悔しい結果となった。

 

続く3位決定戦でも大東文化大と接戦になる。だが最後は力の差を見せつけ、1本差で勝利。計18中とやや的中を落としてしまったが、きちんと相手に勝ちきり入賞を果たせたことは評価できることだ。

 

関東一を目指した今大会はまたしても準決勝で敗れてしまった。「また乗り越えられない壁にぶつかったな、ということ」と本間監督が言うように、あと一歩という印象が強かった。だが慶大の最終目標は日本一。今大会で見つかった課題を解決して日本一への糧とできればいい。全国選抜、インカレ、リーグ戦とまだまだ日本一への道は長い。一歩一歩着実に進めば、伊勢神宮で歓喜の瞬間を迎えられるはずだ。今後の慶大弓術部の活躍から目が離せない。

 

渡邊主将(左)と落の大役を担った村田(右)さらなる活躍に期待

渡邊主将(左)と落の大役を担った村田(右)さらなる活躍に期待 

 

個人戦は入賞者なしに終わる

男子個人結果…入賞者なし
選手名
射詰(尺二)
菅谷脩(法2・韮山高)
〇×
山中貴弘(経3・慶應志木高)
〇〇×


渡邊幸四郎

(商4・慶應湘南藤沢高)

×
※射詰…サドンデス形式で各選手順番に矢を放っていく試合形式。

3本目までは尺二(36cm)の的、4本目以降は八寸(24cm)の的を使用する。

 

 団体戦終了後、会場では個人戦が行われた。慶大男子は6月15日に行われた個人予選の結果、菅谷、山中(経3)、渡邊の3選手が出場した。個人戦は射詰形式で行われ、慶大選手はいずれも尺二寸的の段階で外してしまい敗退。菅谷、渡邊の2選手は団体戦の疲れもあったと思われるが、残念ながら入賞者なしに終わった。

 

                

                                 (記事 松下聖、砂川昌輝)

       

 

 

監督、選手のコメント

 

本間 勤監督

(団体3位という結果をどう評価するか)非常に悔しいです。おととしが3位、去年がベスト4、今年が3位。良くやったという評価もあるかもしれないですが、また乗り越えられない壁にぶつかったな、ということです。その壁が何なんだろうな、ということをこれからしっかり探して頑張りたいと思います。(今日までどのような練習を積んできたか)やはり従来通り基本に忠実に、息を下ろして、勝負が掛かった場面でも自分を見失わないように弓が引けることを目指してきました。その出来が何%だったのか、そこに残念さがあります。(法政大との試合はどのようなものだったか)やはり相手がどうのというよりは、最後に決め切れなかったです。そこが精神力なのか技術なのか、おそらくその両方だと思いますが、そこが「越えられない壁、だけれどももう少しで超えそうな壁」だと思います。もうちょっと柔らかく体でしっかり弓を引く、というイメージにしていく必要があるかなと思います。手先に力が入ってしまって、勝負の時にだんだん力んでしまっています。若干自滅じゃないんだけども、練習で出ている矢とかなり差があって、その差を埋めるためにどうすればよいのか、監督・コーチ・選手一丸となって考えて練習していきたいです。(今後に向けて)今日の悔しい思いを二度と繰り返さないように、厳しい練習をして乗り越えたいと思います。

 

渡邊 幸四郎主将(商4)

(団体戦3位という結果について)個人的には非常に悔しいです。選手の実力・まとまりは良くて、相手やアリーナという環境に雰囲気では負けていなかったです。しっかり実力を出した結果、負けました。非常に悔しいです。(春シーズンの中でも重要な試合だったが、試合前の雰囲気について)悪くはなかったです。むしろ結構良かったです。みんなでまとまっていこうとは思っていました。特に狙いをつけて、伸びあって、中るところまで粘るという「攻めの姿勢」はみんなで持てていました。(収穫はあったか)収穫は多かったです。例えば、法政大学の後半の粘り。うちは前半勝っていましたが、後半に中らず追いつかれました。悪い雰囲気のまま、競射で負けてしまいました。そこには、逆境でも「絶対勝つ」と思えるかという、気持ちの差が表れたと思います。「何が何でも中てる」という意識が足りなかったです。「相手より一本多く中てればいい」と思って引いていたかな、と今は思います。(今後の意気込みについて)今後は、一本も抜かない(外さない)チームをみんなで作っていくしかないと思います。応援と選手という連動は良かったから、それを高めていけば日本一になれると感じられる試合でした。これからのインカレや選抜など少人数で引く試合でも、今日と同じようにみんなで頑張っていきたいです。

 

村田 賢祐(法3)

(今日の結果を振り返って)チーム全体的に調子が良い人があまりいなかったので、練習でやってきたことを試合でちゃんとやろうというようにみんなで臨みました。この試合だけじゃなくて次につながるような試合にしようということだったので、正直結果を気にしていなかった訳ではないけれども、3位という結果は素直に今の実力を示したものと考えればよく頑張った方だと思います。(練習は何を意識していたか)試合で緊張してしまった時に自分の射が変わってしまう人が多いので、普段の練習から自分を追い込む、外せないような空気を作ることを意識しました。また全関の雰囲気に慣れるために、音声を流して(応援の声を再現して)練習してきました。(法政大との試合はどのような試合だったか)地力の差が出たと思いますし、こっちが緊張してしまった時の対処も甘くて、技術的にも精神的にも一枚下だったかなと思います。ただ勝てない相手ではなかったかなと思うので、来週の全国大会以降につなげていければ良いかなと思います。(落としては何を考えていたか)落はチーム全体の雰囲気だったり空気だったりが、一番後ろから見ているとみんながどう思って引いているのかがなんとなく伝わってきます。それらを試合や練習からしっかり感じとって、みんなにフィードバックしてあげるというのと、勝負が掛かった時はしっかり中てないといけないと思います。ただ的中も大事なんですけど、雰囲気をつくるためにも重要なところ(ポジジョン)かな、と思います。

 

稲熊渉(総2)

(今日の4試合を振り返って)僕は去年も出場させていただいたんですけど、去年は途中で交代になってしまったので、今年は初めて最後まで出来て1試合1試合誰が相手というよりは、トーナメントがほかのブロックと比べて強い学校が散ったのでそこを油断しないように心がけました。誰が来ても同じように引くことをずっと意識してやっていました。(3位という結果についてはどう捉えるか)本来だったら優勝だったり、決勝の舞台で引くということを自分の中でもイメージしていたので悔しいですが、1年後とか、また試合を振り返った時に「あの時3位でよかったな」と思えるように今後練習を積み重ねます。(武道館に立ってみて、去年と違いは感じたか)格好悪いことをしないようにとか、結構メンタル的な部分では去年よりは余裕を持てたかなというのはありましたけど、とにかく1本1本大事に引こうということだけを心掛けて臨みました。(法大戦で同中になった時の心境は)もっているのは自分の一手だけだったので、それをしっかりと詰めていこうと。周りを意識しすぎないようにやるべきだったんですけど、ちょっと自分のやるべきことが飛んでしまったかなと思います。緊張ですかね。(優勝した法大との差は)法大は基礎の部分がしっかりしているなと思います。目立って誰がうまいっていうのは法大にはあまり見られないとは思うんですけど、さっき決勝戦を見ていて射位とかの善し悪しというよりは、しっかり基礎が練習通り作ってものを守られていて、試合でも変わらずに引いているなと感じました。試合を重ねていてもそういうところをできるというのはとても強みだと思います。(今後に向けて)今日感じたように1本1本の重みもそうですけど、その重さに飲まれないようにしっかり練習の1本に集中して引くということをこれまで以上にやっていきたいなと思います。

 

 

菅谷 脩(法2)

(団体3位という結果について)3位というのは悔しい結果ではありますが、今後の全国選抜、インカレにつながる課題も発見でき、収穫は多かったと思います。(初めての全関を大前として臨むこととなったが、どのような気持ちで臨んだか)プレッシャーはあまりありませんでした。自分のやることだけをしっかり最後までやり切ろうと思っていました。ただ選手として選ばれた以上、果たすべき責任を果たさなくてはいけないとも思っていました。(今後の意気込み)部としての目標は日本一ですので、インカレとリーグ戦で優勝し、伊勢神宮で日本一をとります。

 

 

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