【端艇】第41回全日本大学選手権大会

力漕を見せる男子エイト

力漕を見せる男子エイト

8月21日(木)から24日(日)にかけて、戸田ボートコースにて第41回全日本大学選手権大会が行われた。慶大端艇部からは男子舵手なしペア、男子シングルスカル、男子ダブルスカル、男子舵手なしフォア、男子舵手なしクォドルプル、男子舵手付きフォア、女子舵手付きクォドルプル、男子エイトの計8クルーが出漕した。

 

 

大会1日目は各種目の予選が行われた。1着でないと準決勝に進むことができない厳しい戦い。まずレースに挑んだのは男子舵手なしペアであったが、5クルー中2着でフィニッシュ。準決勝進出一番乗りとはならなかった。男子シングルスカルでは阿部悠平(経3)が出漕。4クルー中3着と、首位との差をつけての苦しいフィニッシュとなった。続いて男子ダブルスカルでも、首位と差を縮めることができず、惜しくも5クルー中2着でフィニッシュ。

 

予選2着の男子舵手付きフォア

予選2着の男子舵手付きフォア

結果を出せずに苦しむ慶大であったが、男子舵手なしフォアではレース序盤からリードし、そのまま1位でフィニッシュ。ついに慶大クルーが準決勝進出を果たした。続いて男子舵手なしクォドルプルでも相手に決してリードを許さず、首位を守り切る。1着でフィニッシュし、見事準決勝進出を決めた。しかし、男子舵手付きフォアは2着でフィニッシュ。女子舵手付きクォドルプルでは首位争いに食い込むことができず、5クルー中3着。翌日の敗者復活にかけることになった。初日を締めくくる男子エイトは、白熱したレースに。2着の仙台大学との差はわずか2秒。レース序盤に一歩出た慶大が、最後まで粘りを見せ1着でフィニッシュした。「勝っている風景を見ながら落ち着いてレースができた」(山本主将)ことが、レースの勝因だろう。

 

結果、男子舵手なしフォア、男子舵手なしクォドルプル、男子エイトの3クルーが見事準決勝に進出、他5クルーが敗者復活戦に臨むこととなった。「最終日優勝しか見ていない」と強く語る山本主将。年々着実に力をつけ勢いに乗る慶大が、頂上を目指して最高のレースをしてくれるに違いない。                 

(記事 須佐奈月)

 

1日目コメント

山本尚典主将(政4)

(今日のレースを振り返って)自分たちが練習でやってきたことをある程度は表現していこうという気持ちがすごく見られて、表現は出来たんですけど、少し自分たちの想像の範囲内だった気がして、もっともっとできるなという感じがしました。(今日の収穫は)スタート出られてから追いついて戦っていくっていうレースを今まではしていたんですけど、今日は最初に出てしまってあとは落ち着いて相手を見ながら出来たので、勝っている風景を見ながら、落ち着いてレースできたのが良かったと思います。(今日の課題点は)船のスピードをもう少し上げられるかなと思っていて、特に後半船のスピードが落ちてしまうので、ラストスパートにいたらなかったので、後半にかけてスピードを上げていくことですね。(これまでどのようなトレーニングをされてきましたか)練習量を多く確保することはどこの大学でもやっていて、練習量をまず確保した中で、高い強度のある練習を去年より増やしてやってきました。(それを踏まえて、今大会へはどのような意気込みで臨まれましたか)最終日優勝以外は見ていなくて、去年おととしよりはスピード出てきているので、3位2位の表彰台ではなく、優勝できる力のあるクルーだと思っているので、優勝しか見ていないです。(部の雰囲気は)結構予選でもうちのクルーが上がっていて、慶應全体でも今年は何か違うなと、勢いがある感じがします。(次に向けて)準決勝は一番大切な、決勝Aに行けるかBに行くか、分かれ道になると思うので、今日のレースよりも全員の意識を一つにして、今までやってきたことを出せるようにして、表現の仕方の精度を上げて、スピードを上げたレースをしたいと思います。

 

 

 

女子舵手付きクォドルプルは準決勝進出を逃した

女子舵手付きクォドルプルは準決勝進出を逃した

2日目は敗者復活戦、3日目は準決勝が行われた。敗者復活戦に出漕した5クルーのうち、男子シングルスカル、女子舵手付きクォドルプルはそれぞれ2着、3着で準決勝進出を逃した。その他3クルーは見事1着で準決勝に進出。しかし、男子ダブルスカル、男子舵手付きフォアは準決勝の舞台で力を発揮することができず、ともに3着で敗退となった。一方、男子舵手なしペアは2着に入り、翌日の順位決定戦に進んだ。また、初日に準決勝進出を決めた男子舵手なしフォアは2着までが決勝に進めるレースで惜しくも3着となり順位決定戦へ。男子舵手なしクォドルプルでは接戦の中、2着に0.25秒差の1着で決勝進出を決めた。男子エイトは終盤まで3位につける展開となったが、最後に追い上げを見せ2着での決勝進出となった。

 

最終日、慶大からは男子舵手なしペア、男子舵手なしフォアが順位決定戦に、男子舵手なしクォドルプル、男子エイトが決勝に出漕した。まずは順位決定戦が行われ、男子舵手なしペアは2着でフィニッシュ。全体の6位となった。男子舵手なしフォアは終盤まで首位でレースを進めるものの、最後に日大に抜かれ2着。こちらも全体の6位で今大会を終えた。

悔しそうな表情を見せる男子エイト

悔しそうな表情を見せる男子エイト

 

続いて行われた決勝。前日の準決勝で接戦を勝ち抜いた男子舵手なしクォドルプルであったがここでは思うようなレースができず、終始他校にリードされたまま4着でのフィニッシュとなった。最後に登場したのは男子エイト。悲願の優勝をめざしレースに臨んだが、日大、一橋大、早大と名門校ぞろいのなか苦しい展開が続く。「勝負どころで自分たちの力を出すということができなかった」(大河原副将)と、見せ場をつくれず4着でフィニッシュ。悔いの残る結果となった。

 

表彰台に上るクルーを出すことはできなかったが、「慶應全体としては勢いが例年に比べて出てきた」(山本主将)というように手応えも感じる大会となった。今回見えた課題を克服し、9月11~14日の全日本選手権ではより良いレースを見せてもらいたい。

 

最終日コメント

山本尚典主将(政4)  

(今日のレースを振り返って)今日は自分たちのやってきたことを出そうと思っていたんですけど、それが出しきれなかったっていうのは一番大きいなと思っていて、そこが自分の中でも後悔している部分です。ところどころで、船のスピードは他大学とも変わらないのですが、勝負どころで自分たちのやってきたことをやれるかどうかで、相手の落ちてきたところで自分たちはスピードを上げるっていうことができずにズルズル行ってしまったかなと思います。(決勝の舞台はいかがでしたか)自分は1年の時にエイトでA決勝に出たんですけど、そのときとは違って、落ち着いていたと思うんですけど、やはり後輩も乗っていて全日本級のエイトの決勝の雰囲気に若干飲まれてしまったかと。(主将として今大会を振り返って)エイトだけでなくてほかのクルーの選手たちも良いスピードを出していて、慶應全体としては勢いが例年に比べて出てきたなと思うのですが、各クルー共通して言えるのは、練習で動きと声、ブレイクスルーするっていうところができなかったかなと。それが各クルー共通の課題として、全日本までの期間、あと3週間ほどなんですが、課題を練習からつぶしていく必要があるなと思います。(全日本選手権も控えていますが、今後に向けて)今回の結果は部員全員が納得したものを残せてはいないので、その悔しさを残り3週間の間忘れずに、このレースで学んだことをいかして、課題に感じたことをつぶすことで、今大会の結果より良いものを、また今回の船のスピードより早いものを追求して、迎えられるようにしたいと思います。

 

大河原敦史副将(政4)

(今日のレースを振り返って)今日は決勝だったので、レースの前の心境としては、昨日までのレースは負けたらおしまいで、やっぱり日本一になるという目標があるので、そのためには決勝に行かなきゃいけないんですけど、その決勝に行くか行かないかというところでのレースだったので、緊張というか、恐怖感とかプレッシャーとかもすごく大きかったんですけど、このレースは自分たちの最大限の可能性をあとは出すだけという感じなので、とにかく楽しもうと思ってやっていました。終わってみて4位という結果ですごく悔しいというのはありますけど、次全日本選手権があるので、それに向けて今回勝負どころで自分たちの力を出すというか、スピードを出したいときに出すということができなかったので、それを克服して全日本では優勝目指していきたいなと思っています。(収穫は)厳しい練習を積んできたので、体力とか、あとはトップスピードは他の大学と比べても劣らないので、さっきも言いましたけど、自分たちの出したい勝負どころでまとまって船を動かすというところが足りなかったと思うので、それ以外のところっていうのは練習の成果が出ていたと思います。(全日本選手権に向けて)あと3週間なんですけど、自分にとっても引退試合になるので、高校から7年間ボートやってるんですけど、その試合が終わったら自分はもうボートを漕ぐことがないということなので、普段の練習の一瞬一瞬を大事にして、今回よりもさらにレベルの高いところで優勝しなければいけないので、本当に覚悟決めて練習していきます。

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