【野球】投打に精彩欠き勝ち点落とす 立大②

9月28日(日) 立大2回戦

立大の勢いを止め切れなかった

立大の勢いを止め切れなかった

初戦、立大エース澤田圭に打線を抑え込まれ、先勝を許した慶大。勝ち点1を得るためには絶対に負けられない第二戦、先発としてマウンドを任せられたのは三宮(商3)だった。勝ち点奪取には絶対に負けられない試合であったが、序盤から失点を重ね、打撃陣も横尾(総3)が放った本塁打による3得点のみ。投打に精彩を欠き2連敗。立大に二季連続で勝ち点を奪われる結果となった。

   
立大
慶大
 立大:○藤田、川端、小林昌―鈴木

 慶大:●三宮、瀧本、石崎、佐伯、明、加藤拓―小笠原

◆慶大出場選手

ポジション 選手名(学部学年・出身高校)
[7] 佐藤旭(商4・慶應)
[6] 山本泰寛(環3・慶應)
[9] 谷田成吾(商3・慶應)
[5] 横尾俊建(総3・日大三)
[8] 藤本知輝(環4・慶應)
[4] 竹内惇(商4・慶應)
  梅野魁土(環3・福岡大大濠)
[3] 齋藤大輝(商2・慶應)
[2] 小笠原知弘(環3・智弁和歌山)
[1] 三宮舜(商3・慶應)
  川崎晃佑(環2・智弁和歌山)
  瀧本健太朗(商4・慶應)
  石崎佑磨(総4・平塚江南)
  佐伯瞭太(商4・慶應)
  北村祐樹(商3・丸亀)
  明大貴(政4・慶應)
  山口翔大(環2・桐光学園)
  加藤拓也(政2・慶應)
 

攻守にリズムを作れず。竹内惇の調子も心配

攻守にリズムを作れず。竹内惇の調子も心配

前回登板では東大相手に6回3失点と不本意な成績に終わった三宮と、前回初登板初先発にして勝利を挙げた1年生藤田。前回登板で対照的な成績を残した両左腕の投げ合いで、慶立2回戦はプレイボールした。

 

前回のリベンジとしてマウンドに上がった三宮は、初回いきなり1番大城、2番酒井田と二者連続で三振を奪う。良い立ち上がりを期待させたが、その後佐藤拓に粘られるとコントロールが乱れピンチをつくり、結局この回34球を費やしてしまう。2回にはヒットとエラーで無死一,三塁のピンチを招くと、投前の高く跳ねる内野安打で1点を先制される。その後も制球が乱れもう1点を追加されてこの回を終える。

追いつきたい打線はその裏、前のイニングでエラーした横尾がセンター前に痛烈に抜けるチームヒットを放つもその後続かず。ルーキーの前に、なかなか得点することができない。すると、髙多助監督が序盤で動く。先発三宮を3回で見切りをつけ、代打を送る。三宮の今日の投球成績は3回打者18人に対し、79球被安打4奪三振2四死球4自責1失点2。エラーや、打ち取った当たりが内野安打になるなどの不運もあったが79球中35球がボール、ストライク率56%と「コントロールが悪くて自滅してしま」ったことが、助監督に序盤での交替を意識させた理由の一つだろう。

 

失策を帳消しにし反撃の狼煙を上げた横尾

失策を帳消しにし反撃の狼煙を上げた横尾

4回、三宮から交代した瀧本(商4)にセントポールの打線が襲いかかる。一番大城が初球をライト前に運ぶと、すかさず盗塁。3番佐藤拓のタイムリーであっさり追加点。落ち着かせる間もなく機動力でたたみかける。さらに交代した石崎(総4)も鈴木にこの日3本目の安打を浴びるなど流れを止めることができず。結局打者一巡の猛攻で一挙4点を追加されてしまう。

4回表を終えて0-6。昨日敗戦し、勝ち点奪取に向けてもう後の無い慶大にとって、この回の4失点はあまりにも重い失点だった。だが、重苦しいムードが一塁側応援席を包む中、選手たちは諦めていなかった。その裏、2番山本泰(環3)、3番谷田(商3)が共に四球を選びルーキーにプレッシャーを与えると、打席には4番横尾。今日最速144km/時の速球が甘く入ってきたのを、横尾は見逃さない。「フルスイング」した打球はそのまま左中間スタンドへと飛び込んで行った。3-6。スリーランホームランで試合の流れは一気に分からなくなる。

すると5回、一死から8番小笠原(環3)が右中間深くへの二塁打を放ちチャンスメーク。1番佐藤旭(商4)もショートへの内野安打でつなぎ、一,三塁。この場面、1回戦でランニングホームランを放つなど最近調子の上がっている山本泰が打席に立つも、初球レフトフライ。ルーキーに凌がれ無得点に終わる。

 

これ以上点を取られる訳にはいかない慶大は、5回以降、佐伯(商4)、明(政4)の4年生投手を次々に投入する全員野球で、ピンチをつくりながらも抑えて、味方の援護を待ち続ける。その奮闘に応えたい打線であったが、立大二番手川端が、得点どころか出塁することすら困難な好リリーフ。立大ベンチの巧みな継投策により、慶大の反撃の芽はどんどん萎んでいってしまった。

8回には、昨日5回95球を投げたエース加藤拓(政2)を流れを引き戻すためにマウンドに送りだすも、反撃できず。序盤での失点が最後まで響き3-6。二連敗で勝ち点1を失った。

 

力投が光った明

力投が光った明

二戦連続で相手に完敗してしまった慶大野球部。敗因は一体何なのだろうか。「投手の起用の順番を誤った」(髙多助監督)、「守備のミス、ピッチャーの四死球となかなかリズム良く攻撃に移行できなかったということ」、(佐藤旭主将)「守備のミスが多くて、バッテリーを中心にフォアボールも多くて、中々いい感じでバッティングに入れなかったのが、敗因」、(小笠原)、「攻撃がつながらなかったので、それが敗因」(山本泰)。助監督、選手たち、それぞれの立場によって敗因は異なるが、各々が本来の実力を出し切れないままズルズルとイニングを消化してしまったのは、残念でならない。来週の相手は、慶大キラー石田を擁する法大。ここまで0勝4敗と低迷してはいるものの、手強い相手であることは間違いない。

幸いにもまだまだ優勝の可能性は残されている。まだ第三週目が終わったばかりだ。この苦境をチーム一団となって乗り越えることができるか。慶大の真価が今試されている。

 

【Keispo pick up】奮投続ける変則左腕 佐伯瞭太

ここまで無失点を続けている佐伯

ここまで無失点を続けている佐伯

慶大の誇る4年生中継ぎ投手たち。そのなかに、この秋また一人新戦力が台頭した。佐伯瞭太(商4)。左のサイドハンドから投げる独特の球筋は、球速こそないものの六大学の各打者をきりきり舞いにさせる。「調子も良い」と語る今季は、左腕の少ないブルペン陣のなかでは、とりたて貴重な存在だ。最後のシーズン、この男が有終の美を飾る。

 

(記事 赤尾大)

 

 

  ◆打撃成績

[7] 佐藤旭 遊ゴ 遊ゴ 遊安 中飛
[6] 山本泰 三ゴ 四球 左飛   中飛
[9] 谷田 三ゴ   四球 一ゴ 空三振
[5] 横尾 中安 左中本③ 中安 空三振
[8] 藤本知 中飛 三安 中飛 三ゴ
[4] 竹内惇 二併打 投併打 一ゴ 四球
R 梅野
[3] 齋藤 見三振 空三振 空三振 一飛
[2] 小笠原 三ゴ 右中2 見三振
[1] 三宮
H 川崎晃 空三振
1 瀧本
1 石崎
1 佐伯
H 北村 遊飛
1
H 山口 空三振
1 加藤拓
◆投手成績
投球回数 打者数 球数 安打 三振 四死球 失点 自責
三宮 18 79
瀧本 1/3 14
石崎 2/3 12
佐伯 13
30
加藤拓 27
◆監督、選手コメント

髙多倫正助監督

(今日の試合を振り返って)ゲーム展開からして相手に大量点を先行されて、その分だけみんなの動きが重くなっちゃいましたね。監督のミスです。(敗因は)投手の起用の順番を誤ったことなど、判断するのは全部監督なので、それぞれが持ち味を出してくれたんですけど相手が上回りましたね。(先発の三宮投手)ちょっと不運なヒットとかもありまして気の毒だったんですけれど、もうちょっと投げさせておけば良かったですね。打順がきてしまったので代打を送ってしまったんですけれど、良く投げていたので、もうちょっと辛抱して投げさせるべきだったと思います。(試合中に選手に声かけなどは)立大だけに試合をさせるのではなくて、こちらのほうが主導権を握って試合をやろうと。展開が悪くなりましたので、それでも最後まで諦めずにやろうと。でも、諦めず良く頑張ってくれたと思います。(来週以降はどのようにたたかっていくか)もう後がなくなったので、立大が勝ち続けてしまうと、我々はノーチャンスですけど、リーグ戦がどうなるかは分からないので、最後の最後まで望みを持ってやりたいです。特に、来週はまだ三つ目のカードですので来週勝たなきゃ後がない。一生懸命やります。

 

佐藤旭主将(商4)

(今の率直なお気持ちは)負けてしまったので、特にはないです。ここで気持ちが沈んでも仕方がないので、法政戦に向けてしっかりやっていくだけだと思います。(敗因は)守備のミス、ピッチャーの四死球となかなかリズム良く攻撃に移行できなかったということもありますし、打者陣もチャンスを作れなかったということもあります。もう一度チームを引き締め直す必要があると思います。(少しバタバタしてしまったが試合の入りとしては)やっぱり今日のように入りがもたついた、入りが良くなかったということは全員が感じていることだと思います。ああいう入りをすればこっちにリズムを作り切れない中で戦わざるを得ないので、序盤から相手を圧倒する、ということを全員が強く持って臨むことが重要になってくると思います。(自身は1安打、いい当たりも多かった)自分の中で感じは悪くないです。ただ、いい当たりでも取られてしまってはアウトで泥臭い当たりでも何でもいいです。そういう意味では今日は1度しか出塁できていないのでそこはチームに申し訳ないなと思います。自分の調子は悪くないので、ここからは結果が出るようにやっていくだけですね。(次の法大戦に向けていかに立て直していくか)今までやってきたことを変えるつもりはないです。ただもう一度、勝ちたい、勝つんだという強い気持ちがなければ勝ち切れないと思います。ここから勝ち点4を取れば十分に優勝の可能性がありますし次の法政戦は立教とは違った意味で山場 になるので、チーム全体で勝ちにいきたいです。

 

佐伯瞭太(商4)

 (今日の試合を振り返って)ピッチャー陣がもうちょっと頑張らなきゃいけないのかな、という感じはしました。横尾が折角打ってくれたのに、なかなか良いピッチングができなかったのが負けた原因かなと思います。(ご自身の内容は良かった)横尾が打ってくれたので、その良い流れで抑えようと思っていたので、フォアボールが余計でしたけどけど、まあまあそれなりには投げれたかなと思います。(ご自身の調子が良いということか)結構調子も良いので、自信を持ってマウンドに立っている感じはしますね。(次に向けて)今日負けたのは負けたのでしょうがないので、まだ始まったばかりなので、しっかり法政戦勝ちたいと思います。

 

藤本知輝(環4)

(本日を振り返って)春も負けているので悔しいです。4回の内野安打について)特に何もないです。(法大戦に向けて)勝つことを意識してチームに貢献できるように頑張ります。

 

明大貴(政4)

(勝ち点を落としてしまったが率直な気持ちは)2連敗だったので悔しい気持ちが大きいですが、「これで優勝がなくなったわけではない」と監督もベンチ裏で言っていたので。このあと法政、明治、早稲田を倒して勝ち点を取って優勝につなげていければいいと思います。(3点ビハインドでの登板だったがどんな気持ちだったか)1点もやれないという強い気持ちを持ってマウンドに上がりました。田中の打席で足をつってしまって、そのあとはけっこうピリピリしながら投げていました。(その状態でも2回を投げきって無失点)自分の後ろで投げる人が加藤しかいなくて、加藤に負担をかけたくなかったので、自分の足が取られてもいこうと思いました。(今季はいまだ無失点。調子は)夏のキャンプからいい状態が維持できているので、今後も調子を維持していつかチームの勝ちに貢献できるピッチングをしたいなと思います。(法政戦にむけて)法政に負けたら優勝がなくなってしまうと思うのでまずは勝つこと、自分がその中で勝ちに貢献できるピッチングをしていきたいと思います。

 

小笠原知弘(環3)

(今日を振り返って)守備のミスが多くて、バッテリーを中心にフォアボールも多くて、中々いい感じでバッティングに入れなかったのが、敗因かなと思います。(第2打席の二塁打)感触は良かったには良かったんですけど、きっちりバッテリーをまとめなきゃという思いが強くて、点にも絡まなかったな、という思いの方が強いです。(捕手として今後どのように投手をリードしていきたいか)法政戦が始まるので、まずは加藤で勝てるという軸が出来れば、後に投げるピッチャーも気楽に投げられると思います。まずは、そこが課題ですね。(法政戦に向けて)まだ終わったわけではないので、相手がこけてくれることもあるので、諦めずに戦って勝って、4年生にいい思いをして欲しいと思います。

 

三宮舜(商3)

 (今日の試合を振り返って)先発の僕が試合を作れなかったのが敗因だし、自分の責任だなと思います。(立教打線への対策はしていたか)僕 はいつも相手というより自分のピッチングをするように心がけているので、それさえできれば抑えられると思っているんですけど、今のところ なかなかうまくはいかないですね。(3イニングの登板で四球を4つ出してしまったことについて)ヒット自体はそんなに打たれてはいないとは自分 で感じていましたが、四球に関してはコントロールが悪くて自滅してしまいました。(来週の法政戦に向けて)法政戦では2連勝で勝ちたいです。

 

谷田成吾(商3)

(今日の試合を振り反って)勝てなかったことが悔しいです。(立教の先発藤田投手の印象について)打つのが難しいとは思わなかったですが、流れが良くなかったです。(春に続いて立教戦の勝ち点を得ることができなかったが、チームの状態については)負けているので良いとは言えないですが、これから全部勝つつもりなので、チームとしても個人としても調子を上げていきたいです。(次の法政戦に向けて)優勝するために負けられない試合になると思うので、一戦一戦しっかり勝ちを積み重ねていけば最後にチャンスは巡ってくると思うので、それまで粘って勝ち続けたいと思います。

 

山本泰寛(環3)

(今日の試合を振り返って)立教打線が今日は一枚上手だったのかなというのと、つないで打ったスリーランホームランのあとの攻撃がつながらなかったので、それが敗因かなと思います。(立大先発の藤田投手はどうだったか)テンポよく投げてくるピッチャーなんで、それにはまってしまったなっていうのがあります。(今季4試合を終えて自身の調子はどうか)最高の状態ではないんですけど、それなりに自分の役割が果たせているなと感じます。(次の法大戦に向けて)立教に連敗してしまい、法政戦では負けられない戦いが続くと思うので、しっかり自分の全力を尽くしてやっていきたいなと思います。

 

横尾俊建(総3)

 (今日の試合を振り返って)負けてしまって悔しいです。(第2打席のスリーランは素晴らしかった)振ったら当たってくれたので、スタンドに入ってくれてよかったです。(あの打席は一発を狙っていたのか)狙うというよりは全球フルスイングをしているので、当たったらすべてスタンドに入るというぐらいのスイングをしているわけで、狙っているということではないですね。(今日はセンター方向への打球が多かったが、これもフルスイングの結果たまたまということか)そうですね、球のコースが外角だったらセンター方向へいきますし、内角であればレフト方向へいくという感じで、特に意識しているわけではないです。(猛打賞で打撃の調子も上向きですね)いやいや、そんなことないです、調子は普通です。(チームとして今は何が足りないと思うか)うーん、難しいですね、わからないです。(来週以降の戦いに向けて)もう勝ち点は落とせないので、全部勝つつもりで、優勝に望みを持って頑張っていきたいと思います。

 

加藤拓也(政2)

(試合を振り返って)先に点を取られる展開になって、こちらが点を取れなかったのが敗因かなと思います。(今日のピッチング)昨日ああいう形で降板したので、ビデオを見て研究して修正できました。(相手の印象)すごく触れているしストレートにも食らいついてきたので、そこはやりにくかったです。(春に続いて立大相手に勝ち点を落としたが)苦手というわけではありませんが、楽な試合がここからはないので、立大云々ではなく自分たちの力が足りませんでした。(次の試合に向けて)あとはもう負けられない試合しかないので、自分ができることをしっかりやりたいと思います。

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