【野球】TEAM2014ラストインタビュー① 助監督・4年生編

11月4日の早大3回戦をもって秋季リーグ戦が終了。慶大は4位という結果に終わった。それでも、春優勝、秋は最後まで優勝争いに加わるなど、チーム力を日に日につけていったTEAM2014。その早大3回戦後の取材でそれぞれの思いを語っていただいた。ここでは、助監督、引退していく4年生のインタビューをお届けする。

 

想いを受け継ぎ指揮した知将

髙多倫正助監督 #40

慶大の同期・竹内秀夫監督の代行としてチームを率いた髙多助監督。準備期間の短い中でもチームを理解し選手に勝つためのプレーを伝えた

慶大の同期・竹内秀夫監督の代行としてチームを率いた髙多助監督。準備期間の短い中でもチームを理解し選手に勝つためのプレーを伝えた

(今季ラストゲームを終えて)最後大敗で終ってしまって申し訳ないという気持ちでいます。私たちが目標にしていた優勝というものをもう少しのところまで行きながらも達成できなかったということで、最後勝たせてあげられなかったという意味では悔いがありますね。(先発には復帰登板の加嶋を起用しました)投げられる状態になったということで、経験を買って少しだけでもと思って先発で投げてもらいました。打たれながらも良く凌いでくれたと思います。(加嶋の早いイニングでの交代は想定内だったのですか)そうですね、打席が来たら代打ということは決めていました。よく2回を1失点でまとめてくれたと思います。(その後は4年生を積極的に使いましたが)彼ら4年生の思いというのは伝わってきたので、活躍できると思って出場機会を与えました。(今季4位という結果をどのように捉えていますか)実力からいえば4位という結果はあり得ないので、そういう意味で一生懸命頑張ってきてくれた学生たちに気の毒な思いをさせてしまったなと。(約3ヶ月慶大野球部の監督を務めていかがでしたか)学生は日ごろから本当に一生懸命野球に取り組んでいて、その結果として春は優勝できました。このチームを秋このような結果に終わらせてしまったことに責任を感じています。(髙多助監督の今後のご予定は)11月末まで監督としての任期が残っているのでこちらで一緒に練習をやって、その後はまた金沢に帰って隠居生活ということになります。(引退となる4年生に一言)一生懸命やってきたことは一生の糧になるので、慶應野球部でやってきたという誇りを持ってこれから社会に巣立って行ってほしいと思います。(来年も戦いが続く3年生以下の選手に向けて一言)これから常勝軍団となるために、みんなポテンシャルはありますので厳しい練習、どこにも負けない練習を積んで、優勝を目指して頑張ってほしいと思います。

 

徹頭徹尾のTHE・キャプテン

佐藤旭主将(商4・慶應) #10

TEAM2014の象徴と言える存在。思うような成績を残せない中でも、主将として人一倍熱い闘争心でチームを牽引した

TEAM2014の象徴と言える存在。思うような成績を残せない中でも、主将として人一倍熱い闘争心でチームを牽引した

(ラストゲームを終えて一言)最終試合がこういう試合になってしまったのは少し悔いが残るかなとは思うんですけど、1年間戦い続けてきてこのメンバーでやる最終試合をとにかく思い切ってやろうと思っていたので、そういう面では最後の最後まで勝ちへの執念をもって試合をすることができました。(慶應での最終打席ではきれいな右前安打)悔いのないスイングをしようということだけを心掛けていたので、特に結果を気にせずに自分のスイングをしてこの4年間の思いをすべてぶつけてこようと思って打席に入りました。自分らしい最終打席になったかなと思います。(今季を総括して)やっぱりあと一つ勝ち切ることの難しさを今シーズンも痛感させられました。いかにあと一つ勝つのが難しいのか、改めて実感したシーズンでしたし、この悔しさというかあと一つというのを来年のチームが突き詰めてさらに強いチームを作ってほしいです。(後輩に向けて一言)1年間キャプテンとしてやってきて文句ひとつ言わずに、自分のやりたいようにと言ったらおかしいですけど、チームをこうしていきたいという思いを理解してくれて、3年生たちがよく付いて来てくれたと思いますし、後輩たちには本当に感謝しています。今年のチームよりももっともっと強いチームを作れると思うので、来年以降の3年生たちに期待して、任せて引退していきたいと思います。(この早慶戦は学生野球の集大成と仰っていたが、それを示すことはできたか)チームとしては最後このような結果に終わってしまいましたけど、個人的には7年間慶應のユニフォームを着て慶應の野球を全うした7年間だったので、本当に悔いなく引退できると思います。(これからの野球人生に向けて抱負を)慶應での7年間で培ったものは、すごくこの先に自分にとって大きなものになりますし自分のプラスになると思います。この慶應での7年間というものを土台として、この先の野球人生にしっかりと活かしていきたいです。  

 

チームに尽力した学ランの貴公子

田中謙将主務(商4・慶應)

ベンチ内で異彩を放っていた田中主務。クールな表情とは裏腹に熱い気持ちでチームに尽くした

ベンチ内で異彩を放っていた田中主務。クールな表情とは裏腹に熱い気持ちでチームに尽くした

(主務として働いた今年1年を振り返って)監督とかも代わって、大変な面もあったんですけど、旭とか杉山が上手くチームをまとめてくれて、僕は運営の方に専念できたので、結局上手くいった1年だったかなと思います。(4年間を振り返って)つらいことの方が多かったですけど、でも他の人にはできない経験だと思うので、それを今後に活かせていけたらいいなと思います。

 

 

 

 

 

 

子に徹した頼れる副将

藤井健友副将(環4・郡山) #9

出場機会こそ少なかったが、全試合ベンチ入りの副将。助監督、選手からの信頼も厚く、ブルペンとベンチの懸け橋に。陰でチームを盛り上げた

出場機会こそ少なかったが、全試合ベンチ入りの副将。助監督、選手からの信頼も厚く、ブルペンとベンチの懸け橋に。陰でチームを盛り上げた

(早慶戦を終えて)あまりにも大差がついてしまったので、悔しい気持ちが大きいのでまだ終わった感じがしていないですね。(代打出場もありましたが、どんな気持ちで打席に入りましたか)人生最後の打席になるだろうなと思っていたんですけど、それよりも2点負けていたので、塁に出てチャンスをつくれればなと思って打席に入りました。そこでしっかり自分のスイングをしようということを考えました。(4年間の慶応野球部生活が終わってしまった)終わったんですけど、まだ実感は沸いてないですね。(後輩に期待することは)今年のチームでも2、3年生の活躍が目立ったので、来年のチームっていうのは今年よりも強いチームになる力を持っていると思います。なので今年の春に優勝して、秋に優勝を逃して、いい経験も悔しい経験もしているのでこの1年を糧にして、来年のチームは春秋連覇、そして日本一というのを夢ではなく実現して欲しいと思いますし、僕も実現できるチームだと思うので応援していきたいと思います。

 

積極走塁の立役者

大野光祐スタッフ(商4・防府) #51

三塁コーチャーとして幾多の好走塁を演出。試合前のシートノックではきれいなキャッチャーフライを打ち上げ、ノックからリズムを作った

三塁コーチャーとして幾多の好走塁を演出。試合前のシートノックではきれいなキャッチャーフライを打ち上げ、ノックからリズムを作った

(今季を振り返って)ミスが多くて自分達が原因で負けたかなと言う印象です。(今季も昨季と同じく積極走塁が目立ったが)昨日が象徴だと思うんですが基本的には攻めるって姿勢は昨季と変わらなかったですね。(その昨日の走塁については)(竹内惇の)犠牲フライは外野の様子や風向きをみて、裏付けるものはないのですが直感で行けると思ったので行けと指示を出しました。(4年間を振り返って)僕のなかで学生コーチになったときは選手への未練がなかったわけではなかったのですが、実際にやっていくなかでやりがいと言うか辛いことも楽しいこともありましたが、良い思いさせてもらったので学生コーチになってからの2年間は濃いものでした。(後輩に伝えたいこと)今日も一昨日も勝てなかったので結果にこだわって欲しいです。あそこで結果を出していればもっといい景色が見えていたはずなので常に結果を求めて、勝ちにこだわってプレーして欲しいってのが正直な感想です。(最後に一言お願いします)今年は慶應スポーツさんに色々取り上げてもらって嬉しかったです。ありがとうございました。来年もまたこういう立場の人間がいると思うのでたまにはそういう人たちにも光を当てて取り上げていただけると良いのかなと思います。

 

チームまとめるパイプ役

杉山由泰スタッフ(商4・慶應) #50

1年間で3人の監督が指揮した中で、杉山の学生スタッフとして献身は大きな力に。監督、選手との橋渡し役として活躍した

1年間で3人の監督が指揮した中で、杉山の学生スタッフとして献身は大きな力に。監督、選手との橋渡し役として活躍した

(学生スタッフとして働いた今年1年を振り返って)基本的にはつらいことばっかりで、監督が代わったり、問題というか、課題が多くありました。その中でやっぱり優勝という結果を秋も出したいなという思いでやってきたんですけど、4位という結果になって悔しい気持ちが強いです。もう少し僕がしっかりやっていれば、優勝に導くことができたのかなと思っています。(4年間を振り返って)3年までは選手として野球をして、試合に出ることはできたんですけど、そこで活躍できなかったということに、悔いが残っていますし、学生スタッフとしても、秋に優勝することができなかったので悔しい気持ちはあります。でも学生スタッフになったことの後悔はないです。

 

 

 

堅守で魅せるスーパーサブ

近藤俊(環4・國學院久我山) #6

今年はすべて途中出場も、持ち前の堅い守備はチームに必要不可欠だった。きたる出場機会に向けアップを欠かさない姿勢は下級生の手本だ

今年はすべて途中出場も、持ち前の堅い守備はチームに必要不可欠だった。きたる出場機会に向けアップを欠かさない姿勢は下級生の手本だ

(今日の試合を振り返って)最後すごい点差ついちゃったんですけど、最後の最後まで慶應らしさでやれたので良かったです。(今季初のヒットを放った)いやー、もうそれで悔いなく終われるな、という感じです。本当に1本最後に打てて、後輩にも良い形を示せたのではないかなと思います。(近藤選手にとっての4年間は)1年の時に優勝して、それ以来優勝から遠ざかっていたのですが、最後の最後で自分たちの代で春に優勝できたことは本当に嬉しかったし、この4年間で得たことはすごく大きな財産になったので、今後生かしていきたいなと思います。

 

 

 

 

変則左腕が切り開いた活路

佐伯瞭太(商4・慶應) #13

昨季まで1試合の登板にとどまった男がブルペンを支える存在に。変則的なフォームからのボールは打者を幻惑した

昨季まで1試合の登板にとどまった男がブルペンを支える存在に。変則的なフォームからのボールは打者を幻惑した

(今季を振り返って)こんなに投げられると思ってなかったので、本当に良かったです。(今日は比較的早い回からの登板となったが)加嶋がけが明けだったので、早くからいくと言われていてそのつもりで準備してたんですけど、今日はああいう形になってしまって残念でした。(大学4年間の野球生活を振り返って)つらいこともあったんですけども、ああいう結果にはなってしまったんですけど最後に早慶戦という舞台で投げることができて、自分の目標をかなえることが出来たので本当に良かったと思います。(後輩の選手たちに伝えたいことは)今シーズンは結構3年生とか2年生、1年生も亀井とか出て、やっぱり勝った喜びとか接戦で負けた悔しさとかもみんなわかっていると思うので、それらを糧にして来年は春秋優勝して日本一になってもらいたいです。

 

 

見せつけた異次元の実力

竹内惇(商4・慶應) #2

4年生にして不動のスタメンをつかんだ。竹内秀夫監督と親子鷹として注目されるも、話題性だけではない活躍を見せ春優勝のMVPに。攻守にハイレベルな実力を見せた

4年生にして不動のスタメンをつかんだ。竹内秀夫監督と親子鷹として注目されるも、話題性だけではない活躍を見せ春優勝のMVPに。攻守にハイレベルな実力を見せた

(今日の試合を振り返って)とにかく早稲田に打ち込まれたという感じで、最後の試合になりましたけれど、逆に清々しい気持ちで、最後勝ちたかったですけど、まあしょうがないという感じですね。(竹内選手にとっての4年間は)本当に充実していて、この4年間本当にあっという間だったなという感じですね。本当に同期にも恵まれて、先輩後輩にも恵まれて、本当に充実した野球生活を送れましたし、かけがえのないものになりました。(今後の目標)僕自身はまだ野球やるので、慶應卒としてエネオスで活躍できたらなと思います。

 

 

 

 

 

 

幾度の苦難乗り越えた努力家

羽入田雄大(環4・長野) #5

今年からベンチに定着した苦労人。ベンチから声を掛けチームを盛り立てた。兄貴分としての存在感は下級生にとって心強かっただろう

今年からベンチに定着した苦労人。ベンチから声を掛けチームを盛り立てた。兄貴分としての存在感は下級生にとって心強かっただろう

(今日の試合を振り返って)最後まで慶應の見せ場を作れなかったのが残念ではあるんですけど、最後4年生も全員出て、しっかりやったというのは良かったです。(4年間を振り返って)2年、3年と入院とかしたりして、けがとかもあったんですけど、そうしたなかでも続けてこられたのは、同期が支えてきてくれたからだ、と自分自身思っていて、そういう人の支えを実感した4年間だったので、最後の最後、優勝はしたかったんですけど、自分なりに全力でやってこられたので、後悔はないです。(そのなかで、もっとも印象に残った場面は)春に優勝したときですね。あのときはベンチにいたんですけど、観客も満員ですし、 自分が優勝する瞬間を思い描いた場面だったので、自分たちの代で決められたので、あれは嬉しかったですね。

 

 

 

力強く輝き放つ大砲

藤本知輝(環4・慶應) #1

今年その潜在能力が花開いた長距離砲。勝負を決める鋭い一打を飛ばし、チームを鼓舞した。次なる舞台でも輝きを放ち続けることだろう

今年その潜在能力が花開いた長距離砲。勝負を決める鋭い一打を飛ばし、チームを鼓舞した。次なる舞台でも輝きを放ち続けることだろう

今季を振り返って)本当に後輩たちがよくやってくれて、僕たちもいい思いができたので、後輩たちに感謝したいということと、この4年間一緒に戦ってきた仲間に、ありがとうと言いたいです。(4年間を振り返って)苦しいことがほとんどだったんですけど、神宮でヒットを打ったときは嬉しかったですし、その一瞬のために頑張ることが大切なんだなということを学べました。

 

 

 

 

 

 

 

紆余曲折の末に登ったマウンド

明大貴(政4・慶應) #18

けがにより退部を経験した速球派。3年春に中継ぎとしてブレイクも、その後は制球難に苦しんだ。それでも今季は改善し、見事投手陣を支えた。

けがにより退部を経験した速球派。3年春に中継ぎとしてブレイクも、その後は制球難に苦しんだ。それでも今季は改善し、見事投手陣を支えた。

(リーグ戦最後の試合を終えた今の気持ちは)最後の試合ということで勝って終わりたいと思っていて、あの場面で監督に起用していただいて絶対に抑えてやろうと思っていました。でもあのように敵を勢いに乗せるようなピッチングになってしまって本当に不甲斐ないなという思いが強いです。引退の実感がわかないというのが本音です。(大学生最後の試合ということで特別な感情はあったか)そうですね、僕は(登板した後は)腕が張りやすくて今日も結構張っていたんですけど、腕がちぎれてもいいから投げようと思っていました。昨日は最終回ちょっと不安定なピッチングになってしまったので、とにかくストライク先行で腕を振っていこうと思っていました。(4年間で一番の思い出は)一番の思い出ですか…、僕は一度野球部を辞めているんですけど、その時期があったので今こうして野球をやっていることがすごく不思議で、やめなくてよかったなという気持ちが大きいです。早慶戦でたくさんの人に応援されて野球をやれていることに感謝しています。野球を辞めなくて本当によかったなと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました