慶應スポーツ新聞会

【野球】投打がかみ合い逆大手!勝負の行方は50年ぶりの早慶優勝決定戦へ

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完封勝利をあげた福谷

11月1日(月) 慶大―早大 二回戦

 @神宮球場

  

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早大 010000000 1

慶大 103200100 7

 慶大:○福谷-長崎

絶対に負けられない戦いで再び慶大が春の覇者の実力を発揮した。打線は2本塁打を含む9安打で7得点。投げては福谷が1失点完投と投打がしっかりかみ合った会心の勝利で、春秋連覇へ逆大手をかけた。早慶での優勝決定戦は50年ぶり。前回は早大が勝利した。半世紀の時を越え、慶大がリベンジへ挑む。

慶大出場選手

1 [6] 渕上(法4・慶應)

2 [4] 湯本(商4・野沢北)

3 [5] 山崎錬(商2・慶應)

4 [9] 伊藤(環3・中京大中京)

5 [3] 松尾(環4・鳥栖)

[7] 宮本真(政3・慶應) 

6 [7] 山口(商4・慶應)

[3] 正木(商4・慶應)

[H] 奥橋(環4・岡山城東)

[R] 新谷(政4・慶應)

[3] 高尾康(商4・慶應)

7 [8] 青山(環4・関西学院)

[H] 伊場(政3・慶應)

[8] 辰巳(文2・郡山)

8 [2] 長崎(商4・高志)

9 [1] 福谷(理2・横須賀)

春秋連覇へ向けて、残された道は3連勝。絶体絶命の状況で迎えた早慶戦。早大・斎藤佑樹を攻略し、まず1つ目を取って迎えた2回戦。防御率リーグ2位の慶大・福谷(理2)、広島東洋カープ1位指名の早大・福井優の先発で迎えたこの試合は、昨日に引き続き、白熱した投手戦が予想された。

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リーグトップの打点11を誇る伊藤

しかし大方の予想とは裏腹に、昨日と同様、試合は初回から動きを見せる。初回を0点に抑えた慶大は、立ち上がり制球が定まらない福井を逃さない。先頭の渕上(法4)、続く湯本(商4)が連続で四球を選び、今日3番起用の山崎錬(商2)が堅実に送り、1死2、3塁のチャンスを作る。このチャンスで本塁打、打点部門でリーグ2冠を走る頼れる4番伊藤(環3)。伊藤は、つまりながらもライト前に落とす執念のタイムリーを放ち、昨日に続き慶大が先制。ドラフト1位右腕相手に貴重な先制点をあげた。

先制直後の2回。初回に続きピリッとしない福谷が早大打線につかまる。先頭の宇高にヒットを許すと、続く杉山が三塁線を襲う強烈な打球を放つ。この抜ければ一気に長打コースの当たりを、サード山崎がダイビングキャッチ。今日も「守り勝つ野球」を目指す慶大が、守備でピッチャーを盛り立てる。しかし福谷はいまいち乗り切れない。続く松本にヒットを許し1死1,3塁とピンチを招くと、8番市丸にはサードへ技ありのセーフティースクイズを決められ、早々と同点に追いつかれてしまう。更にピンチは続くが、後続を抑えてこの回を最小失点で切り抜けた。

試合が大きく動いたのは3回。2回は三者凡退に抑え、調子を取り戻したかに見えた福井に対し、慶大打線が再び牙を剥く。この回先頭の福谷が10球粘った末に四球で出塁すると、渕上が三塁線への絶妙なセーフティーバントで続く。湯本が犠打を決め1死2、3塁のチャンスを作る。ここで打席には先ほど守備で魅せた山崎。2ボールからの3球目、福井の甘く入った球を迷わず振りぬくと、打球は綺麗な放物線を描きライトスタンドへ。山崎の、打った瞬間それとわかるホームランで、大きな大きな3点を追加し、この回で福井をマウンドから引きずり降ろした。

塾高以来の3番に抜擢された山崎錬

 すると4回。これ以上追加点を与えることができない早大は、早くも守護神、大石をマウンドへ送る。大石のキレのある直球の前に、この試合スタメン復帰の早慶戦男、山口(商4)が三振、青山(環4)は内野ゴロに倒れ、簡単に2死を献上してしまう。しかし、今季も若手投手陣を懸命にリードする長崎(商4)がヒットで出塁すると、続く福谷は大石の甘く入った球をフルスイング。力強い打球がレフトスタンドへ突き刺さり、福谷のホームランで、早大の絶対的守護神からダメ押しとなる追加点をあげた。

これで試合は完全に慶大ペースに。3回以降本来のピッチングを取り戻した福谷が、4、5回を難なく抑える。しかし6回、好投を続ける福谷が突如乱れる。3番土生にヒットを許すと、山田は打ち取ったものの、宇高には内野と外野の間に落ちる不運なヒットを打たれ、更に杉山をストレートの四球で歩かせて1死満塁に。この日最大のピンチを迎える。ここで慶大、江藤監督がゆっくりとマウンドへ向かう。投手交代かと思われたが、江藤監督は福谷にマウンドを託す。すると福谷は7番松本を渾身のストレートで見逃し三振、市丸を外野フライに打ち取り、見事無失点で切り抜ける。

最大のピンチを脱した慶大は7回、この回からマウンドに上がった大野健からチャンスを作り、山崎のこの日4打点目となるタイムリーで更に追加点をあげる。8回には、シーズン終盤で彗星のごとく現れた奥橋(環4)が代打でヒットを放ち、代走の切り札、新谷(政4)が積極的にスタートを切り盗塁成功。得点には結びつかなかったものの、4年生の伏兵が最後の早慶戦できっちりとその役割を果たす。

打線の大量援護に守られ、福谷は7回以降、安打を許すもバックの堅い守備にも助けられ、終わってみれば9回を被安打9、128球の熱投で1失点完投。絶対に負けられない崖っぷちの試合で、若き右腕が最高のピッチングを披露した。これで慶大は勝ち点を獲得し、リーグ戦全日程が終了。慶大、早大が勝ち点、勝率共に並び、同率首位で終えたため、優勝の行方は3日に行われる早慶の優勝決定戦に持ち越されることとなった。

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この日投打に大活躍した福谷

勝因を挙げるなら、ここでは敢えて福谷でも山崎でもなく、「ベンチ外の4年生」を挙げる。ここまでの慶大の快進撃を支えるのは、積極的にバッティングピッチャーを嘗て出たり、休日に神宮で他大学の偵察を行うなど、チームのために1つになる今年の4年生だ。彼らの思いが結実し、絶体絶命の状態から優勝決定戦まで持ち込んだといっても過言ではないだろう。最後の早慶戦にかける4年生の思い、躍動する若き力、すべてがかみ合う現在の慶大はまさに最強の「陸の王者」である。

伝説の「早慶6回戦」から50年。最高の舞台が整った。ドラフト1位トリオを擁する「黄金世代」早大。相手に不足はない。半世紀の時を越えて、今後も伝説として長く語り継がれるであろう、陸の王者慶大と黄金世代早大の最後の戦いが始まる。

                         By Shunsuke Yanami 

選手のコメント

江藤監督

(今日の試合は)(見ていて)楽しかった?楽しかったでしょ。最高でしょ?(山﨑錬選手の3番は)調子いいから3番。その時に調子のいい人を組み合わせると短期決戦は勝つんだよ。それは長年自分がやってきた中でね。いつも日本シリーズなんかではそうやってやっていかないと。(6回、マウンドの福谷選手のもとに行ったが)打たせてやれって。抑えようと思うとダメだから。打たせてあげなさいと。(継投する気は)あった。でも福谷ヤダって言った。やっぱり完投はひとつの目標でもあるから。(今日もドラフト1位の福井、大石から打ったが)福井から打ったから山﨑は五千万くらいかな。それは本人にも言った。福谷は投げるのとホームランでお前も五千万って本人に(言った)。それぐらいの値打ちあるよな。まぁなんて言っても決勝戦までいった盛り上がり、六大学が盛り上がるのはいいんじゃない。そういうことを願ってる。ただ早稲田ファンには憎まれるようになったなぁ(笑)。この二日間で。おれはいいおじいちゃんなんだけどね。(笑)空気が読めないなんていうことも言われて・・・(笑)でも頑張ります。

湯本主将

(今日の試合を振り返って)今日はホームランも大きかったが初回に点を取れたのがよかった。(春には敗れた福井優が先発だったが何か対策はあったか)球速が速いので遅れないということと、低めのボール球のスライダーに手を出さないということですね。(シーズン中盤に比べてチームに勢いがあるが)そうですね。でも水曜日は一戦必勝なので先に点をとって勢いにのりたい。(優勝決定戦の意気込みを)各バッターは最初の打席の初球から、各守備は投手が投げた一球目から大切にいく。

青山

(昨日とは違い、中盤から慶大ペースの試合だったが)そこは紙一重だと思う。今日も点をとられたが、結果としてその1点で抑えることでこれだけ差がついて、守備からいい流れをつくることができたのがこの大差につながった。(早大自慢の投手を打ち崩したが)チームとしての雰囲気も非常にいい。(自身にとって、大学生最後の試合が優勝決定戦だが)楽しみな気持ちや、あと1試合で終わってしまうという寂しい気持ちといった、色々な気持ちがあるが、本当に泣いても笑っても最後の試合なので、なんとしても連覇して終わりたい。

奥橋

(自身は代打でヒットを放ったが、今日の試合を振り返って)楽な場面だったので、気楽に打てた。福谷も抑えてくれてよかったと思う。(練習でバックスクリーンにホームランを打っていたが、調子は)あんまりよくないが、練習なので、ホームランを狙おうと思って打っていた。(出場して改めて早慶戦の雰囲気は)前の試合もでていたが、今日は足がガクガクして、初級甘い球を見逃してしまった。この雰囲気に慣れて、次の決定戦では初球から振れるように頑張ろうと思う。(チームの雰囲気は)負ける雰囲気は全くない(優勝決定戦に向けて一言を)あと一個なので、勝つだけ

長崎

(今日の試合を振り返って)ピッチャーが抑えて、バッターが打つ。自分たちの野球ができた。(昨日の死球の具合は)多少は痛むが、そこは我慢。自分がやるしかない。(福谷投手の調子は)良かった。(特に良かった点は)しんどかったけど、しんどい中でもフォアボールを出さずに粘り強く投げられていた。それで結果的に最小失点で抑えられた。(早大打線の印象は)昨日も今日も一緒。怖くないと言えばおかしいがやりやすくやっている。(警戒する打者と印象は)やはりクリーンナップは怖い。調子づかせないようにやっていく。(リードする上での注意点は)とにかくどう裏をかいていくか。(プレーオフに向けて)来るところまで来たという感じ。どうせなら勝って終わりたい。

渕上

(投打で圧倒という素晴らしい勝利だが、振り返って)春季には抑えられていた福井優を打ち崩せたのは本当に大きかったと思う。(7回には守備で魅せたが、あの程度はやっぱり余裕か)一杯一杯のプレーです(笑)(21安打で本リーグ戦最多安打だが)そういう結果にはなったが、欲を言えば昨年の小野寺さんの記録を抜きたかった。(リーグ戦は終了という形になったが、全体を振り返って)後が無いという状況の中で、一戦一戦際どい試合を勝ち抜いてきて、チームが良く成長したなと感じた。(優勝決定戦への意気込みを)最後はドラフト1位投手3人が全員投げてくると思う。それらを打てたら本当に楽しいと思うので頑張りたい。

松尾

(今日の勝利で優勝決定戦に持ち込んだが)チームの状態が良く、乗っている。どうしたのかというぐらいとても良い雰囲気でやっている。(久々の出場になりましたが)けがとかがあって練習ができなかったりした時があった。今日やってみて状態は自分の中では悪いなと感じた。でも他のみんな調子は良いので大丈夫かなとは思う。(守備では好プレーも)守備は処理して当たり前ぐらいのプレーだった。(福井優、大石投手と対戦して)2人なりには投げていたがあまり良くはなかったんじゃないか。(優勝決定戦に向けて)みんなで絶対優勝するという気持ちを全面に出して、向かっていきたい。

山口

(久しぶりのスタメンだったが)無心で一生懸命頑張ろうと思って今日は臨んだ。(3打席の内容は)もうちょっと出来たかなというのはあるが、自分の今持ってる最大限の力が出せたので悔いはない。(憧れの早慶戦に出場して)初戦はベンチから見ていたが、試合に出れて喜びをかみしめながらプレー出来た。(優勝決定戦への意気込みは)次も総力戦になると思うので出番があれば自分も頑張りたいが、チームが勝てるようにみんな一丸となって頑張りたい。

伊藤

(今日の試合を振り返って)最高。(先制打含む2安打)飛んだところが良かった。(早大の完全優勝を阻止し、2季続けて優勝決定戦になったが)すごく楽しみ。(チームの雰囲気は)非常に良い。早大がガチガチなのに対して自分たちはのびのびやれているので。(明後日への意気込みを)優勝します。

福谷

(今日の試合を振り返って)ヒットは出てしまうものと言われていることもあり、ヒットよりも四球を出さないようにしていて、四球も今日は二つ出てしまったがそれなりに良かったと思う。(初回ピンチの場面での気持ちは)監督から試合前に「初回の入りは(ピッチャーが)お互いで苦しむから」と言われたこともあってランナーが出しても焦ることはなかった。それもあっていつも通り行けた。(6回満塁の時は)正直まずいと思った。ミスも重なっていたので、点が入ると思っていたがあの場面で三振を取れたことが大きかった。自分の中であの一球が今日のベストだったと思う。(監督がマウンドに行ったが)自分や長崎さんは交代だと思っていたが、「真ん中放って外野フライで一点だったら全然痛くないし、ゴロだったらどこかで正面付くし」と言われ、点差もあったので思いきってストライクを取りに行こうと思った。(今日は不運なヒットが多かった印象があったが)普段守って下さっているのでミスを責めることはできない。逆に自分も守りたかったので2回の一点を取られたことに対する悔いはある。なので6回満塁の場面ではきちんと守れることができて良かった。(打撃も好調だったが)とんでもないです。(ホームランは)当たれば飛ぶみたいですね。(狙っていたか)ホームランは狙っていない。でも2アウトランナー一塁で、アウトだったら次の回が一番から始まることもあり、狙っていこうという気持ちはあった。(前の打席も粘った末の四球だったが)今日は打てる気がした。今季初ヒットが最後の日に出てそれがホームランで最高だった。(優勝決定戦まで中一日あるが)明日は調整しながら授業を受けて体を休めようと思う。(明後日への意気込みを)全員で勝っても負けても楽しかったと言えるように出し切りたい。そして勝ちたい。

山崎錬

(大きな3ランホームランだったが)嬉しい。最高です。(打った球は)真っ直ぐ。あとから言われたが130キロだったみたい。(昨日と違って三番出場だったが意識の変化は)特に意識の変化は無いが、高校時代ずっと三番だったので、高校時代のチームメートには定位置だなと言われた。自分としては特に気持ちの変化は無く、いい場面で回ってきたらランナーを返すだけだし、先頭で回ってきたらチャンスメークするだけなのでそれを意識した。(7回にはダメ押しとなるタイムリーヒットを放ったが)あれは(一塁ベースに当たったので)運が良かった。今日の自分の運の良さを物語っているようなヒットだった。(4打点の大活躍だったが)今日は負けられない戦いだったし、そういう戦いがずっと続いている中で、チームに貢献できたのは本当に嬉しい。(ついに優勝決定戦まで持ち込んだが意気込みは)前回の早稲田との優勝決定戦から50年ぶりということで、伝統を感じつつ、前回は負けているので今回はリベンジの意味も込めて、自分達がやれることをやって、絶対に勝ちたいと思う。

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