【男子ラクロス】全日本選手権カウントダウン特集第5弾~“慶大支える静かな闘志”高橋純選手~

 悲願である「日本一」まであと2勝と迫った男子ラクロス部。圧倒的な“個”の強さを誇った2012年と同じように夢の舞台へ帰ってきたが、今年のチームにはあの頃とは違う強さがある。強烈な戦力はなくとも、チームが一丸となり10人で攻め点を奪うラクロスだ。その大きな原動力となったのは、「学生日本一」の栄光もリーグ予選敗退も味わった4年生たち。入部時からその才能を高く評価された選手もいれば、遅咲きの仕事人もいる。今回は12月14日(日)に行われる試合まで、カウントダウン形式で7人の選手に登場して頂いた。第5弾は“慶大支える静かな闘志”高橋純選手(経4)。今季慶應スポーツが撮影した、高橋選手の“DEFEATの軌跡”とともにお楽しみ頂きたい。

 

「全日本選手権で慶應ラクロスがどれだけ強いのか証明したい」

 

―印象に残っている試合はありますか。

関東FINALと全大選手権決勝です。どちらも決勝の舞台だからというよりは相手がとても強いチームだったからです。早稲田には尊敬するプレーヤーがたくさんいましたし早慶戦では引き分けていましたが、相手を認めた上で、自分達のチームの方が上だという自信を持って試合に臨み、結果勝ちきることが出来たのでとても印象に残っています。全大選手権決勝の相手の関西学院もとても強いチームだと思いました。一人一人の個人能力が高く全員が自分がなんとかするという責任感を持ってプレーしていると感じました。自分がとても強いと思う相手に勝利するたびに、試合前の不安が「やっぱり俺たちは強いんだ」という大きな自信に変わっていくので印象深いです。

 

―ここまで試合を終えてチームとしての反省点はありますか。

まだまだ80分間を通して集中できていないと思います。流れが悪くなる時はいつも自分達のミスからです。技術的なミスは多少仕方がないので、チームとしてやろうとしていることを統一できていないような意識の面でのミスが起こることをなくさければこの先絶対に勝てないと感じています。

 

―現在のチーム状態はいかがですか。

基本的にはいいと思います。ただケガを抱えてプレーしている選手が多いという点は不安です。

 

―全日本選手権に向けてどんな練習をしていますか。

特にいつもと変わりません。チームとしてやるべきことを確認しつつ、個人能力が伸びるような練習をしています。

 

―社会人チームを攻めるカギは何だと思いますか。

学生の強みである戦術や、運動量やスカウティングはもちろん重要ですが、勝つために最も鍵となるのは個人の部分だと思います。全員が1対1の勝負に勝つこと。個人で勝てなければ社会人といい試合はできても勝つことはできないと思います。残り1週間、その後の1週間、まだまだ1人1人がうまくなることが重要だと思います。

 

―ここまでご自身のプレーを振り返っていかがですか。

シュートを決めきる部分、自ら1on1で崩してアシストする部分ができていないことに危機感を抱いています。ただ、プレーのバリエーションを増やすために練習しているプレーが自然と試合で体現できているので調子は悪くはないと感じています。

―個人として何か目標を持って臨んだシーズンでしたか。

シーズン当初から目標としていることは、「自らDFを崩してアシストすること」です。今シーズンにMDからATに転向したのですが、1on1が抜けなかったり、ロング相手だと視野がなくなってしまいアシストもできない、パスを出してもパスカットをされたりと自分の6年間やってきたプレーを改めるシーズンとなりました。残りわずかな時間ですが、自分自身のスキルアップを突き詰めます。

 

―全日本選手権に賭ける思いは。

高校の3年間憧れ、大学の4年間イメージしてきた舞台です。そんな舞台で、16年ぶりの日本一を目の前にしているからこそ、今年のスローガンの「目の前の相手をDEFEATすること」にこだわり抜きたいと思います。

 

試合では決して集中力を切らさない

試合では決して集中力を切らさない

 

―ラクロス部の4年間で1番楽しかったことは何ですか。

先日の関東決勝で優勝したことです。関東優勝というタイトルをかけ、早慶戦で引き分け、昨シーズンはリーグ戦で敗退した強敵である早稲田と試合できることそれ自体がとても楽しかったです。そして関東制覇という結果が素直に嬉しかったです。

 

―ラクロス部の4年間で1番辛かったことは何ですか。

去年のリーグ戦で明治に負けてシーズンが終わったことです。

 

―ラクロス部の4年生の中で、どなたかメッセージを伝えたい方はいらっしゃいますか。

AT脇阪選手(経4)に感謝の言葉を伝えたいです。彼のチームへの貢献に対してももちろん感謝していますが、個人的に要求されるプレーをすることに必死になり練習するおかげで常に視点を高く持ち成長できています。

 

苦楽を共にしてきた高橋と脇阪(左より)

苦楽を共にしてきた高橋と脇阪(左より)

―ラクロス部の後輩たちにどんなことを伝えたいですか。

めちゃくちゃな4年生にここまでついてきてくれて本当にありがとう。残り2週間、勝負はこれからです。頼りにしてます。みんなで日本一獲ろう。

 

―応援してくださる方にメッセージをお願いします。

いつも応援してくださり誠にありがとうございます。残り2試合必ず勝利しますので変わらぬご声援を宜しくお願いします。

 

―全日本選手権に向けた意気込みを教えてください。

なぜ今年慶應が学生日本一になれたかと言うと、例えば「チームとして統率されている」、「パス回しが速い」、「グラボの寄りがいい」などともしかしたら言えるかもしれません。しかしこれらは特徴のほんの一部にすぎず、個人的に今年の1番の強みは、「苦しい流れの時やどうしようもなく強い相手でも、1人1人が個で打ち勝ち、それを集結してチームの力にできること」だと思っています。この強みを最大限に発揮し、「全日本選手権で慶應ラクロスがどれだけ強いのか証明したい」そんな気持ちでワクワクしています。

 

 

~高橋純 “DEFEATの軌跡”~

並々ならぬ闘志を燃やしている(法大戦)

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この日は2得点を決めた(早大戦)

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好調ぶりを見せつけた(北海学園大戦)

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身体能力の高さが武器だ(関西学院大戦)

身体能力の高さが武器だ(関西学院大戦)

 

 

【選手プロフィール】

高橋純(たかはし・まこと)

慶應義塾高を経て現在経済学部4年。ポジションはAT。背番号は39。168cm、65kg。卓越したラクロスのセンスを持ち、試合ではその能力を遺憾なく発揮している。

 

(企画・取材 河合美紀)

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