慶應スポーツ新聞会

【フィギュアスケート】課題あり収穫あり、シーズン最後の公式戦 国民体育大会②

 

昨年の国体から1年ぶりの披露となった奥山のSP

昨年の国体から1年ぶりの披露となった奥山のSP

 

1月29日~31日、群馬県総合スポーツセンターアイスアリーナにて、第70回国民体育大会冬季大会フィギュアスケート成年の部の競技が行われた。普段の試合とは一味異なり、各都道府県がチームとなって順位を競い合うこの大会。だがそれだけでなく、選手の中には国体を最後に長い競技生活に終止符を打つ者もいるため、毎年大きな注目が集まっている。30日、慶大からは成年女子ショートプログラムに奥山未季子(環3)が茨城県代表として出場し、成年男子フリースケーティングには29日のショートプログラムに続き小曽根孝浩(環2)が神奈川県代表として出場した。  

 

成年女子 ショートプログラム

・奥山未季子(環3・茨城県) 27.46点 29位

ウィンタートロフィーで初優勝を飾って国体出場権を獲得し、臨んだ小曽根

ウィンタートロフィーで初優勝を飾って国体出場権を獲得し、臨んだ小曽根

 

 

成年男子 フリースケーティング

・小曽根孝浩(環2・神奈川県) 81.85点 17位 総合 128.99点 16位

 

 

 

 

 

 

優雅な演技で会場を包み込んだ

優雅な演技で会場を包み込んだ

12月に行われた国体予選で見事出場権をつかみ取り、3年連続でこの大舞台に立った奥山。7級を所持するトップスケーターたちも出場する中で上位24名しかフリースケーティングに進出できないという厳しいものであるが、昨年に続く2年連続の進出を目指したいところだ。胸に手を当て、やや緊張の面持ちで『ニュー・シネマ・パラダイス』の演技がスタート。冒頭に高得点を狙って挑戦した3回転サルコウは着地が乱れたが、次のダブルアクセルでは着氷。その後しっとりとしたメロディに乗せ、柔軟な身体を生かしたスピンで拍手を誘った。後半はガラリと重厚な曲調へ。2回転ループからのコンビネーションに挑んだ後、ストレートラインステップでは手足を大きく使いながらその壮大な音楽のイメージを体現した。結果は29位。2年連続のフリースケーティング進出はかなわなかったものの、持ち前のやわらかな笑顔でリンクを後にした。

「レベルの高い試合なので、勉強になる」。上位選手からの刺激を受け、吸収しようとするあくなき向上心。インカレが終わった後にスケート部フィギュア部門での引き継ぎが行われ、次の主将を務めることが決まった奥山が、来季このパワーを部全体に伝導していってくれることに期待したい。

 

 

この1年を通して、しっかりと自分のものにしていった『Luv Letter』

この1年を通して、しっかりと自分のものにしていった『Luv Letter』

29日のショートプログラムで15位発進した小曽根がフリースケーティングに臨む。曲は、ビートに合わせキレのあるステップで会場を熱くさせたショートプログラム『Rise』とは対照的な、静かで哀愁漂う『Luv Letter』。その切ないピアノの音色に乗せて振りを始めたとたん、観る者をすっと引き込んでくような力は、小曽根ならではのものである。序盤は3回転サルコウの転倒をはじめとして不安定なジャンプもあったが、美しいスピンを披露して後半に入ると、3回転トーループ、ダブルアクセル、3回転サルコウと次々に着氷していった。だが「コンビネーションをつけられない状態で結局最後ぐだぐだしてしまった」と本人は反省し、結果はインカレの点数より低い81.85点で総合16位。「周りの選手には全然かなわないことを実感した」。そう国体を振り返る小曽根の表情は、決して明るいものではなかった。

今季最後の試合を終えた小曽根。4月からは3年生となり、大学生活も折り返しとなる。来季は「ジャンプをあまりミスしない確実な選手になりたい」と本人が語るように、今以上に安定感を得ることができるようになれば、全日本選手権出場のような大きな目標にもぐっと近づくはずだ。誰よりも魅せる“KEIO”未来のエースは、まだまだ進化の可能性を秘めている。

 

この日、慶大に所属する全選手の今季公式戦が終了。だが2月12日には、7級の小曽根、鈴木美桜(法1)以外の部員たちが出場する、旧採点のバレンタインカップが高田馬場シチズンプラザにて行われる。今季の主将として、一年間引っ張り続けた柳澤薫(総4)が現役最後の演技を披露するこの試合も、きっと見応えあるものとなるに違いない。春になり、また新しい仲間とともに一年を迎えるその前に―。2014年度慶大スケート部フィギュア部門の姿を、最後まで楽しみにしたい。

(文:窪山裕美子、写真:住田孝介)  

 

奥山未季子(環3)

ラストシーズン、充実した競技生活を送ってほしい

ラストシーズン、充実した競技生活を送ってほしい

(久しぶりのSPとなりましたが)インカレが1月の始めにあって、それからは就活と並行しながらと練習時間があまり取れませんでしたが、せっかく茨城代表として出させてもらったからには全力を出そうと思って、自分なりに頑張りました。(冒頭の3回転サルコウに関して)ここ2、3日調子が良かったのですが失敗してしまって、跳びたかったなって悔しい気持ちもありますし、3回転を入れないと高得点が取れないので無理やり跳んだ感じもするので、もっと練習するべきでした。(肩にテーピングをしていますが)昨年2回脱臼してしまって、もう一回やったら手術をしないといけないので、肩がボロボロですができる限りやりたいので見苦しい形ではありますが毎日テーピングをしています。7級の選手とともに戦ったことについて)自分が出る試合の中でもレベルの高い試合なので、勉強になります。(今季の主要な大会が終わりましたが、これまでを振り返って)1年生のときより成長できてなくて、1試合ずつもっと確実に成長したかったのですが、練習時間にも波があってなかなか成長できませんでした。しかし、応援してくださる方がいらっしゃるからには成長していかないといけないです。(バレンタインカップに向けて)私が主将としての初めての試合なので、みんながしっかりといい雰囲気で試合ができる環境を作った上で、自分も周りも楽しめる試合にしていきたいです。

 

小曽根孝浩(環2)

来季、また新しい色の小曽根が見られることに期待したい

来季、また新しい色の小曽根が見られることに期待したい

(今季最後の演技を振り返って)今シーズンいろいろと大変な環境の中でやってきて、その中での実力は出せたのではないかと思います。いい演技ではなかったんですけど、インカレのときもそうだったように実力そのままが出て、周りの選手には全然かなわないことを実感しました。これからの練習のこととかをしっかり考えていかなければならないな、と改めて思いました。(後半の3回転トーループを着氷した後からは、持ち直していったようにも見えましたが)トーループとかはすごく自信があったので、普通にやろうと臨んでいました。だけど、少し危なっかしくてコンビネーションをつけられなかった部分では立ち直せなかった感じがありました。アクセルは何とかこらえてサルコウも跳べたんですけど、コンビネーションをつけられない状態で結局最後ぐだぐだしてしまったかなと思います。良かったのか悪かったのかという感じですが、自分の中では持ち直せたのかなとも思います。(同じ神奈川県代表の松村成選手とは滑走順が前後でしたが)自分が前で良かったな、とは思いました(笑)。順位がぎりぎりで責任があるなと思っていていましたが、とりあえず成君にバトンを託したいなと思っていたので、最後まであきらめない演技ができて良かったです。(松村選手の)引退の演技を見ることができる順番で良かったと思います。(国体の雰囲気は)最後に出たのが高校3年生のときで、去年出られなくて、2年ぶりの出場でした。毎年雰囲気が違うなと思いましたし、楽しかったです。(FSは来季も同じプログラムですか)来シーズンも同じかもしれないですけど、ちょっとまだ考えているところです。ショートは変えます。自分の気持ちにけじめがついたらフリーも変えようと思います。(現時点で、新しいSPはどのようなものにしたいと考えていますか)自分の色がだんだんわかってきたので、アップテンポな曲を使えたらいいなと思います。(今季を振り返って)シーズンに初めてちゃんと調子をもっていけたと思います。それは夏にすごく頑張って練習してきたからでした。だけど、大学もあったりして練習時間が減ってしまって、後悔はしていませんがもうちょっと練習できていればと思います。最後のほうは課題などに追われて練習ができなかったり、慣れない時間帯の中での練習だったりして大変でした。そのあたりが東日本が終わったあたりから落ちてしまった理由かなと思います。スケーティングも以前のほうが良かったですし、下手になったなと今回実感しました。(それでも、昨季と比べよりスケールの大きな演技に進化したようにも見えますが)大きくなっていればいいんですけど。確実に滑っている感覚としては良くはなく、もっと上手くなれるかもしれないので、練習について考えなければいけないなといろいろな選手の演技を見て感じました。(来季に向けて)ちゃんとスケートをできるのは来シーズンが最後になるかもしれないので、集大成になるような演技ができるようにしたいですね。ジャンプをあまりミスしない確実な選手になりたいです。難しいジャンプも跳べるようになりたいですし、もう1ランク2ランク上の選手になりたいです。

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