新シーズンを見事開幕2連勝で飾った慶大。昨季とは一味違う強みを感じさせる彼らの次なる相手は、2部リーグに所属する立教大学と、1部リーグに所属する明治大学。控えメンバーを含め多くの選手が出場したこの2試合の中では、チームの新たな可能性を感じさせるような場面が多く見られた。
2015/03/21(土)@明大和泉体育館メインアリーナ | ||||||
2015年 東京六大学リーグ戦vs立大 | ||||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | ||
慶大 | 28 | 13 | 22 | 21 | 84 | |
立大 | 17 | 20 | 32 | 19 | 88 | |
◆慶大スターティングメンバー◆ | ||||||
PG | 中島一樹(総4・高崎高) | |||||
SG | 真木達(環4・國學院久我山高) | |||||
SF | 堂本阿斗ディーン(商2・慶應高) | |||||
SF | 木村能生(環2・東山高) | |||||
C | トカチョフ サワ(環2・國學院久我山高) |
前日行われた東大戦と同じスタメンで臨んだ立大戦。序盤は真木の3ポイントや、その真木のアシストでサワがバスケットカウントを奪うなどし、慶大がリード。しかし立大は、その後インサイドを中心に攻め込み慶大に食いつく。拮抗した展開が続く中、試合が動いたのは1Q残り4分。司令塔の中島が木村に2プレー連続でアシストを供給すると、堂本は3ポイントに加え、オフェンスリバウンドからゴール下も押し込み、チームにリズムを呼び込む。ディフェンスも波に乗り、残り4分間立大に得点を許さなかった慶大は二けた得点差で1Qを終える。
第2Qに入ると好調だったオフェンスがいきなり停滞してしまうことに。セレクションは悪くないものの、シュートがことごとくリングに嫌われてしまう慶大は、開始7分でわずか4得点しか上げることができなかった。オフェンスでのミスがディフェンスにも響き、結果18-6のスコアリングランを許してしまう。一時は逆転され、流れは完全に立大に。それでも最後のオフェンスで途中出場の後藤が得意の長距離砲を決め、なんとかリードは取り戻し、前半を折り返した。
第3Q序盤、木村が相手の速攻を阻止する豪快なブロックを決めるも、続くプレーでは立大がバスケットカウントを奪うという拮抗した展開に。しかし、中盤以降は立大のオフェンスがさらにその勢いを増していった。前半よりも確率の高い3ポイントや、慶大の隙をついた速攻で点差を引き離していく。ショットクロックをかなり余した段階でシュートを放つ早い展開となり、慶大はなかなか自分たちの流れをつかむことができなかった。それでも清家のインサイドでの合わせや、堂本のミドルなどでなんとか踏ん張り、7点差で最終ピリオドへ。
なんとか持ち味のディフェンスから流れをつかみ、逆転を図りたかったが、立大は中外バランスのとれたオフェンスを見せ、それを許さない。オフェンス面でも勝負所でのシュートがなかなか決まらなかった慶大は次第に追い込まれていき、試合時間1分を残して10点差に。それでも最後まであきらめず、真木、中島の連続3ポイントで4点差にまで食い下がる。慶大応援席も盛り上がりを見せたがあと1本のシュートが遠く、惜しくも今季最初の敗戦を喫してしまった。
2015/03/21(土)@明大和泉体育館メインアリーナ | ||||||
2015年 東京六大学リーグ戦vs明大 | ||||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | ||
慶大 | 21 | 21 | 21 | 26 | 89 | |
明大 | 17 | 15 | 14 | 20 | 66 | |
◆慶大スターティングメンバー◆ | ||||||
PG | 福元直人(環4・福大大濠高) | |||||
SG | 大元孝文(環4・洛南高) | |||||
SF | 西戸良(総3・洛南高) | |||||
PF | 黒木亮(環4・延岡学園) | |||||
C | 山崎哲(環4・秋田高) |
続く明治戦の先発は早稲田戦と同じスタメンで試合開始を迎えた。まずは主将、福元のドライブで慶大が先制。その後も連続して得点を重ね開始2分で6点のリードを奪う。しかしこのタイミングで明治大学はタイムアウトを請求。これで落ち着きを取り戻したのか、明治はアウトサイドのシュートを軸に慶大に追いついた。互いに譲らぬ展開が続く中このピリオドで輝きを見せたのは大元。3ポイントやスティールからの得点に加え、相手ディフェンスに詰められながらもフェイダウェイシュートを決めるなどし、このQだけで11得点。エースとしてチームをけん引した。
第2Qではフロントコートの中核を担う黒木が活躍。大元のアシストからバスケットカウントを奪うと、ボーナススローも確実に沈め、このQ9得点。相手ディフェンスに的を絞らせないオフェンスを慶大は展開した。ディフェンス面でも、西戸が好守で相手のオフェンスファウルを誘い、相手の攻撃の芽を摘む。細かいポイントで差をじりじりと広げていった慶大は、前半終了時までに10点のリードを奪った。
後半から慶大はサワを3番に据える新しい布陣で試合に臨むことに。そのサワがさっそくオフェンスリバウンドからインサイドで得点し、相手にプレッシャーをかける。点差を詰めたい明治大学はオールコートでプレスを仕掛けてきた。昨年の終盤には度々苦しめられたこのディフェンスだが、これに対し慶大は冷静に対処した。その後は「自分の役割は果たせた」と語る山崎が、オフシーズンに鍛えた強靭なフィジカルを活かしオフェンスリバウンドを獲得。これを得点に結び付けさらにリードを広げた。ピリオドの終盤には、西戸がアンクルブレイクからミドルシュートをきれいに沈め、慶大ベンチを大いに盛り上げた。
第4Qに入っても慶大の勢いは止まらない。山崎がディフェンスの裏をかくドライブを見せれば、スローインのセットプレーで大元がイージーシュートを決めるなど一方的な展開に。最後はベンチメンバーが試合を締め、先の敗戦を払しょくする、見事な快勝を見せた。
勝負所での決定力という課題もあったが、今季から取り組む新布陣の機能という収穫も感じられる2試合であった。これらの課題や収穫を着実に自分たちにプラスのものにしていけば、今季の慶大の未来は明るいだろう。明日の対戦相手は法政大学。勝てば2年連続六大学リーグ優勝という大事な試合でどのようなプレーを見せてくれるのか。慶大選手の活躍に注目したいところだ。
(記事・岩田亮)
山崎哲(環4・秋田高)
(試合を振り返って)まあ自分の役割は果たせたかな、という感じです。(スタメンでの起用について)おとといの練習の時にスタメンでいくぞと言われて、気持ち的には準備はしていたんですけど、まあなかなかなれないもので大変でした。(体つきが変わったように思えるが)去年も頑張っていたつもりなんですけど、まだ足りないということを他のスタッフ方に言われたり、自分でも思っていたので、この1月、2月で結構ゆっくりする時間があったので、ラストシーズンにむけてちゃんとしようと頑張りました。(インサイドの積極性も増したように見えるが)元々うちのチームにはインサイドでゴリゴリ攻める選手は少ないので、そういうところを僕がもっとやっていければチームとしてのプレーの幅も広がるかなと思って、意識はしていました。(自分自身でプレーに点数をつけるとしたら)明日に向けてという意味も含めて80点ですかね。まだまだターンオーバーも結構多かったですし、元々期待値がそんなに高くない中でのプレーだったので、もう少しできるよっていう、のを見せられるように、したいと思います。(山崎さんがインサイドに入ることでサワの3番起用も可能になっているが)それも先生がシーズンの始めにサワを3番に使ってチームを大型化したいとおっしゃっていたので、先生の理想に近づけていけたらなと思います。
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