慶應スポーツ新聞会

【女子ラクロス】日本一への夢潰える。FINAL4で無念の敗退・・・

試合後観客席に向かい挨拶をする善野主将
 勝負の行方は残酷だ。互いに得点を奪いあう一進一退の攻防は、まさに紙一重。どちらが勝利を手にしてもおかしくない展開だった。惜しくも敗れた慶大女子ラクロス部。昨年同様、FINAL4の舞台で姿を消した。“日本一への挑戦”2010チームの戦いが終わりを継げた。  

  

第23回関東学生リーグ・準決勝戦(FINAL4)  

 2010/11/3(水)17:10FO @大井ふ頭中央海浜公園第2球技場 

チーム 前半 後半 合計
慶應義塾大
日本体育大 10

  

ATとしてチームを引っ張り続けた高橋

ATとしてチームを引っ張り続けた高橋

「FINAL4の相手・日体大は去年敗北を喫した相手だけに、もう負けたくない」場内アナウンスに流れた意気込みから、この一戦にかける思いが感じられた。スタメンは12選手のうち7人が4年生。今季のそして4年間の集大成の戦いが幕開けした。  

 序盤にペースを握ったのは日体大。高い身体能力と技術を武器に慶大ゴールを脅かした。慶大は前5分、相手の反則によるセットプレーから鋭いパスをつなぎAT高橋(総4)が先制点を奪うも、その後は劣勢が続く。10分間で4失点。「対策をとっていた相手の“ライド”(高い位置からのプレッシャーで相手にボールを運ばせず、カウンターを仕掛ける事)」(石川HC)の網に引っかかり、「全員攻撃」は影をひそめた。 

 この状況を打開したのはAT戸花副将(経3)。中央を単独で突破しシュートを決め、流れを引き寄せた。そしてタイムアウト後の、前23分。ライド対策に修正を見せ、ついに「全員攻撃」が実を結ぶ。DF中村(経4)が前線まで運んだボールを受けたAT高橋がシュート。一度は外れるもこぼれ球を拾い、合わせパスを送る。AT戸花副将がこれに反応し、1点差。3-4に追い上げ、前半を終えた。 

2得点を挙げた谷山。来季以降の活躍にも期待がかかる

 後半は互いにゴールを奪いあう展開。開始早々、ゴール左から個人技で相手を振り切ったMD谷山(経2)が同点弾を決めるも、直後に失点を許す。しかし、慶大は前線からの「全員取備」で攻勢を強め、後10分。相手陣にまでプレスをかけたMD善野主将(経4)が相手からボールを奪ってシュートを決め同点とする。続く12分、DF佐藤(法2)のスルーパスを受けたMD谷山の2得点目となるゴールで勝ち越しに成功した。相手に得点を許しても、慶大はMD加藤(文4)のゴールで追いすがる。「勝負の10分間」に突入した時のスコアは7-7。両者譲らぬ白熱した戦いが繰り広げられた。  

  

後半の勝負どころで痛い失点を許した

  この試合でやってきた最大の見せ場。しかし「勝負の10分間で、勝ち切れなかった」(石川HC)慶大。勝負どころで先手を奪われてしまう。ここまで互角以上に拾えていた“ルーズボール争い”で後手を踏むと相手に主導権を渡し、失点。少ない時間で逆転を目指すも焦りからか、ミスを重ねてしまった。終わってみれば7-10。FINAL4での敗退が決まった。 

 チーム方針のひとつであった“全員ルーズボール”では「相手が上回ってしまったかなと思う」(石川HC)。これが勝敗を決した要因の一つなのだろうか。しかし「自分たちがやってきたことは出せたので、悪くはなかった」(木本副将)と振り返ったように、慶大の「全員攻撃、全員取備」は随所に見られた。試合内容を見てもほぼ互角。負けはしたが、慶大の良さが出た試合だったことも事実だ。勝負の厳しさを感じた一戦だった。 

得点を決め喜ぶ戸花副将 来季にこの悔しさをぶつけてほしい

得点を決め喜ぶ戸花副将 今日の敗戦の悔しさを来季にぶつけてほしい

 「主力が抜けるからより強化していかないと厳しい」(石川HC)。来年は今年スタメンに名を連ねた7人の穴を埋める必要がある。再びこの場所に戻ってくるために、さらなる高みを目指すために。「1日1日を無駄にせずに取り組む」(善野主将)ことで進化する慶大女子ラクロス部の今後に期待だ。 

 By Yutaka Okumura 

 

 

 

コメント   

 石川HC  

 (優勝を狙える力はあると話してくれていたが、FINAL4敗退という結果はどう感じるか)力はあると信じて、優勝するための努力を積んできたので。本当に残念です。(選手にどのような言葉をかけたか)「ほかのチームにはできない自分たちのラクロスを目指して1年間やってきた。それは最後の試合でも貫けたと思う。だから今までの努力に対して、負けたけれど胸を張りましょう。」そして「たくさんの応援を頂いたし、多くの人に犠牲を払ってラクロスをやってきたと思うので感謝の気持ちを表してください。」ということを話しました。(惜しいゲーム、好ゲームだったと思うが敗因を挙げるなら)1つはいつも言っている「勝負の10分間」で、勝負に勝ち切れなかったこと。残り12分で1点差。リードしていたが自分たちのスタイルを変えてはいけない場面だった。そこでルーズボールが取れなかった。もう1つは積極的にいったDFの裏返しになるが、ディシプリンを欠いたプレー。粘りのないDFになってしまったことだと思います。(最後の10分間は先に点を取った方が試合を決めるのではという展開でした)そこでシュートを決め切れなかったというのがありますね。打つ前の冷静さを欠いたというか、そこは本当に実力なんで仕方ないです。(序盤は相手の個人技に戸惑いが見られたか)最初の失点を重ねた場面は、自分たちがプレッシャーにいかないといけなかったが、相手に良い状態でシュートまで持っていかれた。ただその点は試合の途中に修正できたし、最後の10分間のところで勝負に持って行けたことを考えると悪くはなかった。もったいなかったと言えばそうかもしれないが、それが試合かなと。(やる前とやった後で相手の印象に違いはあったか)全くないですね。スカウティングを重ねて、相手の技術や身体能力が高いことは分かっていた。それに自分たちが対抗できないとは考えていなかったし、残り10分でこのような試合展開になる事は予想通り。最後に点が離れたのは、負けている状態で博打にでたから仕方がない。そこまでの得点の推移もプラン通りだった。(攻撃に関しては自陣からのパス回しの出来がそのまま得点に直結していると感じましたが)相手の1番の強みにライド(失ったボールに対して高い位置から厳しくプレッシャーをかけ、ボール運びをさせないようにすること)がある。強力なライドに対しての対策は良い準備ができていたが、選択したプレーが相手のライド網にかかってミスをしてしまうことが何度かありました。とくに前半はそれが目立って失点につながることもあったかなと。逆に後半リードした場面はDFからも上がっていくうちのオールコートオフェンスが良い形で出せたと思います。(全員攻撃、全員取備、全員ルーズボールを極めたいとおっしゃっていたが)本当にそう思っていた。ただ今日の試合を見るとまだ全員ルーズボールに関して相手が上回ってしまったかなと思うところがあります。(今年はFINAL4で終わりを迎えたが来年への展望は)今年主力に4年生が多かったので。来年に向けてはフィジカルもそうだが、特に技術の面を強化していかないと来年はもっと厳しくなると感じています。  

 善野主将  

 正直まさかここで終わるとは思わなかったので、今はちょっと何とも言えません。でも自分たちのやってきたことを最後まで貫き通そうという姿勢が全員に持てたところはよかった。ただ後3点、4点日体大に負ける部分があったのは事実ですので、そこを来年に繋げてほしいなと思います。(ベストは尽くせたか)気持ちの面では尽くせたと思うんですが、もっと出来たなかとも思います。(勝敗を分けた要因は)正直今はよくわからないです。やっぱり試合の残り10分のところで相手にグラウンドボールを取られたというところは大きかったのかなと思います。(ハーフタイム時のHCの指示は)内容的には悪くないと。戦術的な部分で(相手が)前半にプレッシャーをかけつつけてきた。その分で体力で劣る部分があるので、絶対に走り負けないようにしよう、もっと頭をフルに使ってやっていこうと指示が出てました。(後半のプレーについて)一人一人がゴールに向かうっていう姿勢を持ったことが1点リードの場面に結び付いたと思う。やっぱりその後の部分が相手よりダメだったのかなと思う部分があります。(今シーズンは満足のいくシーズンだったか)満足いくかいかないかでは優勝していないので満足はしていない。でもシーズンインの時に掲げたラクロスのスタイルをしっかり1年間貫き通したということは慶大の進化かなと思います。(後輩に伝えたいこと)1日1日を無駄にせずに取り組んでもらいたいなと思います。  

木本副将  

(今日の試合を振り返って)今まで通り自分たちのラクロスが出来た。自分たちがやってきたことは出せたので、悪くはなかったのかなとは思います。ですが日体大に負けたのでどこか私たちに足りないところがあったのかなと今は感じています。(勝敗を分けた要因は)まだちょっとわからないんですが、決めるべきところでのシュートを決めきれなかったところだとか、今まで点差を2、3点つけられたところで追い上げられなかったところ。序盤4-1にしてしまったところを最後追い上げることが出来なかった。そういうちょっとしたところに勝敗の差を分ける要因があったのかなと思います。(中盤リードした場面もあったが自分たちのラクロスは出来たか)はい。落ち着いてそれをやるだけだと思ってやっていました。(個人として全力は出し切れたか)シュートを決める役割であるアタックとしてはシュートを決めれてないところでは全然ダメだなと感じています。(今シーズンについて)私たちは去年の敗戦から「全員攻撃、全員”取備”」をコンセプトにしてやってきた。常にそれを練習中もミーティングをそれだけに集中して練習を積み重ねて自分たちのラクロスを確立できた。チームとしての意識統一はすごくできていて、それをリーグ戦で出し切れた。そういうところは今シーズンのよかったところなのかなと思います。(後輩に伝えたいこと)FINAL4に進むこともFINALに進むこともそう簡単ではないので、1日1日を大切にして今日の気持ちを忘れずにやってほしいなと思います 。

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