京王電鉄杯が今年も幕を開けた。一部リーグのライバル校も多く出場するこの大会。新チームの力を試すには絶好の場だ。主将・福元をけがで欠く中、どのようなバスケットを展開するかに注目が集まった。しかし当日のハプニングによりアップ不足などの問題が生じ、慶大は大事な初戦でその力を十分に発揮することができず。一時は差を13点まで詰めたが、前半の不調が尾を引き、逆転叶わず敗北を喫した。
2015/04/12(日)@トヨタ府中スポーツセンター | ||||||
第31回 京王電鉄杯 vs青学 | ||||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | ||
慶大 | 8 | 4 | 19 | 13 | 44 | |
青学 | 19 | 16 | 15 | 17 | 67 | |
◆慶大スターティングメンバー◆ | ||||||
PG | 真木達(環4・國學院久我山高) | |||||
SG | 大元孝文(環4・洛南高) | |||||
SF | 西戸良(総3・洛南高) | |||||
PF | 黒木亮(環4・延岡学園) | |||||
C | 木村能生(環2・東山高) |
2Q、慶大は果敢に攻めるもミスを連発。苦し紛れに打った単発のシュートもなかなか決まらず、1Qに引き続き開始4分間全く得点できずにいた。巧みなディフェンスを見せる青学に冷静に対処しシュートを決めたのは、またしても西戸だった。その後盛り返すべくメンバーを変えながら戦ったものの、慶大の得点は伸び悩み、このQの得点はサワの得点を含めわずか4点。24点差となった。
3Q、大元が4年生の意地を見せつける。3ポイント2本を含む3本のシュートを決め、チームを牽引した。ゴール下の要、黒木らも追撃し、前半に開いた差を13点まで縮めることに成功。しかし青学も手を緩めることはなく要所で確実に点を入れてくる。西戸、サワ、堂本らの得点で追いつこうとするも結果的に19点差に突き放されてしまった。前半のロースコアに比べ19得点したこのQ。慶大本来の力がようやく発揮できた時間だった。
4Q、開始早々慶大は清家がゴール下を決める。ここから1点でも点差を縮めたい慶大であったが、相手に連続得点を許してしまう。サワが粘り強いリバウンドからファールを得るも、フリースローは2本とも失敗しなかなか流れを掴みきれない。ここで慶大は3Q好調の大元とスピードで翻弄する中島をコートに戻す。狙い通り大元が3ポイントを沈めると続いてサワも得点。その後は一進一退の攻防が続く。後半は青学のフィジカルの強いディフェンスに対してもパスを巧く繋ぐなど慶應らしさが随所に見られた。しかし前半に大きく開いた点差は埋められず23点差をつけられての敗戦となった。
振り返ってみると、前半の18点差に対し後半は5点差と五分五分の戦いだったと言える。敗戦の中にも「自分たちのバスケットが展開できた」と黒木が語ったように収穫も数多くあった。だが試合前のアップ不足が見られたように、バスケットだけではなく組織としての団結・成長の必要性が浮き彫りになったことも事実だ。まだまだ伸びしろだらけの新チーム。今後の成長に期待したい。
(記事:宮崎玲衣)
この日2試合目の対戦相手は専修大学。昨年は入れ替え戦に回るも、接戦を制し1部に残留。今年もリーグ戦で戦うこととなる侮れない相手だ。2015/04/12(日)@トヨタ府中スポーツセンター | ||||||
第31回 京王電鉄杯 VS専修 | ||||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | ||
慶大 | 14 | 22 | 21 | 19 | 76 | |
専修 | 21 | 19 | 24 | 17 | 81 | |
◆慶大スターティングメンバー◆ | ||||||
PG | 真木達(環4・國學院久我山高) | |||||
SG | 大元孝文(環4・洛南高) | |||||
SF | 西戸良(総3・洛南高) | |||||
PF | 黒木亮(環4・延岡学園) | |||||
C | 山崎哲(環4・秋田高) |
第1Q、開始30秒で山崎が先手を取りシュートを決めるも、専修大も負けじと点を獲得し5分経過まで同点が続いた。しかしここから慶大のシュート確率が落ち始めてしまう。対する専修大はガード陣のシュートを中心に得点を重ねていった。慶大は専修大の得点を巻き返すことができず7点差で第2Qへ。
第2Q、ベンチから投入された桑原が躍動。ドライブや3ポイントシュートなどでチームに流れを引き寄せる。専修大の3秒オーバータイムもあり、慶大がリズムをつかみだした。その後、専修大がファールを連発し好機が到来。木村のシュートや、サワのアシストが決まり僅差まで点差を縮め、堂本の得点により同点まで追いついた慶大は4点のリードを奪う。第2Qで調子を取り戻した。
インターバルをはさんだ第3Q、気を引き締め直した専修大に先に連続得点を決められてしまう。慶大は黒木がこのピリオドで8得点を獲得するなど、いいパス回しが見受けられたもののミスやファールが目立った。専修大の素早いオフェンスを止めきれなかった慶大は、得点の巻き返しが追いつかず7点の差が生じてしまう。
巻き返すしか後がない第4Q。黒木・サワ等によるインサイドでの得点を中心に点数を決める慶大。ゴール下で軽やかなパスが続くも、外角からのシュートがなかなか決まらず、点差が思うように縮まらない。勝負所でのシュートミスや、ターンオーバーが響いた慶大は専修大に5点差で敗北、初日の京王電鉄杯は青学大、専修大共に敗北に終わった。
京王電鉄杯初戦は、専修大・青学大という競合な相手に苦戦したものの、堂本やサワ、木村といった新2年生を多数起用し、来年度、再来年度に向けた選手の強化を図っているように思われた。また来週の相手である明治大・日大はどのような相手か把握していると黒木は語る。慶大バスケ部から今後も目が離せない。
(記事:大場春佳)
[PF]黒木亮(環4・延岡学園高)今日は青学と専修ということで、昨年もリーグ戦で勝ったり負けたりしていた相手で、そしてもちろん一部のトップチームであって、やはり青学は僕たちのアップ不足というのもあって前半で大差をつけられてしまって自分たちのバスケットができていなかったかなというのがあります。でもその中で、3Qではディフェンスも頑張って走れていたので、自分たちのバスケットが展開できたのかなと思います。専修に関しては、勝てる相手にも関わらず、自分たちの自滅のミスであったり、逆に相手はそのミスに対して簡単にシュートを決めていたのが一番大きかったです。(対策は)特に対策はなくて、この京王電鉄杯を通して自分たちのやりたいバスケットボールは、当たり前のことをどれだけできるかということを掲げて戦っています。逆サイドの動きであったりとか、ディフェンスのローテーションの動きとかをどれだけできるかというところでした。やはり前半がよくない原因なのかなと思います。(ゴール下やオフェンスリバウンドでの活躍について)僕自身、エンジンがかかるのが遅いので、何か一つ成功したらそこからいけるんですが、一番意識しているのはインサイド陣との関係性で、ハイローのプレーとか、ローローのプレーとか、そういった部分を相手に関わらずどれだけできるのかというのを意識しています。個人的には後半はいつも通りプレーできたんですけど、まだまだ詰められると思います。(来週の試合に向けて)一昨年日大は二部ですし、明治は六大学で対戦していて、どういう相手かというのはみんなわかっているので、自分たちのやりたいことをどれだけやれるのかというのが大事だと思います。そこをこの一週間の練習で意識して、この2試合の課題も修正しながらやっていきたいと思います。
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