当日は満席になるだけではなく、立ち見の観客も続出するなど大盛況に行われた第61回早慶アイスホッケー定期戦。「一戦必勝」を今季のスローガンに掲げた慶大は、強敵かつ宿敵の早大との試合に臨んだ。結果は0-8の完封負けに終わってしまったものの、ピリオド間にはフィギュア部門の鈴木美桜(法2)も登場するなど、スケート部が一体となって伝統の一戦を盛り上げた。
2015年5月9日(土)16:50F.O. @新横浜スケートセンター
慶應義塾大学0-8早稲田大学
Period | 1P | 2P | 3P | Score |
Keio | 0(12) | 0(13) | 0(11) | 0(36) |
Waseda | 1(17) | 6(21) | 1(9) | 8(47) |
鮮やかなライトアップの中で選手紹介が行われるなど、華やかに雰囲気に包まれた試合前。ただフェイスオフがなされると、それとは対照的に激しい戦いを繰り広げた。
互いに出方を伺うような展開の中、慶大は2分に金村知紀(政4)副将のパスから鈴木啓介(環4)が決定機を迎えるも、ゴールには至らず。その後は早大の組織的なオフェンスに苦しみ、劣勢を強いられてしまう。それでも、立ちはだかったのはGKの田中寛之(経2)だ。13分には絶体絶命の大ピンチを招くも、ファインセーブで得点を許さず。その直後に先制点こそ奪われたが、守護神を中心に追加点を許すことはなく、インターバルへ突入。ロースコアで切り抜け、残りのピリオドに望みをつなぐ。
選手たちが控え室に戻ると、入れ替わるようにエキシビジョンとして鈴木美桜(法2)が登場。堂々たる彼女の演技に、終始歓声は鳴り止まなかった。
第2ピリオドは、前ピリオドの終盤に互いにペナルティを受けたため、5:5の状態からスタート。しかし、慶大には開始直後から厳しい展開が待っていた。2分に強烈なスラップショットをたたき込まれると、5分、6分と立て続けにネットを揺らされ、点差は4に。「皆が硬くなりすぎていて、自分たちがやるべきプレーをやらせてもらえなかったのではなくてやらなかった」(江口)。連続失点で浮足立ってしまった慶大は、その後もパスを回される時間帯が続き、危ない場面を何度も作られてしまう。13分には滝智弥(政1)のショットで反撃を試みるも、逆に終盤には再び失点を重ね、0-7のスコアで最終ピリオドを迎えることになった。
一矢報いたい慶大。パワープレー(数的有利)から始まった第3ピリオドは、1分に高安望(経3)が、2分には金村がショットを放つも、いずれもゴールには至らず。その後に1点こそ許すが攻勢をかけ始めると、金村が奮起する。6分に細かいスティックさばきでDFをかわし、放ったショットはわずかに枠の外へ。そして終了間際には相手の背後を取り、完全にGKと一対一に。だが、狙い澄ました渾身のシュートも枠をとらえられない。この日最大のチャンスを生かすことができなかった慶大は、結局無得点という結果で敗れてしまった。
「不甲斐ない」(江口)。この一言が、この試合を端的に物語っているだろう。特に、大きくリードを広げられた第2ピリオドでは完全に後手を踏んでしまった。長年勝ちのない早大にまたも勝利を収めることはできなかったが、「リーグ戦や秋の早慶戦に向けて、これから精進していきたい」(江口)。悔しさを晴らすため、そして応援し続けてくれた観客へ恩返しをするために、ここで止まるわけにはいかない。
(記事 木下彰)
以下コメント
江口大輔主将(環4・埼玉栄高)
(今日の試合を振り返って)試合前は皆すごく緊張していた感じはあって、良い緊張ならいいですけど、硬くなりすぎていたので、自分たちがやるべきプレーをやらせてもらえなかったのではなくてやらなかったという印象です。それが第2ピリオドで連続失点してしまった原因なのかなと思います。(無得点に抑えられてしまった)点を取ろうという気持ちが前のめりになってしまったので、得点を奪うチャンス自体が生まれづらくなったしまったところはあると思います。なので、パワープレーのときも含めて「ここは決められるだろう」という場面はいつもよりすごく少なかったですし、無得点という結果に終わってしまった原因なのかなと思います。(観客の方に向けてメッセージを)僕らが失点をし続けても応援してくれたのに、無得点という形で終わってしまったことには本当に悔しいですし、不甲斐ない気持ちでいっぱいです。なのでリーグ戦や秋の早慶戦はあるので、そこに向けてこれから精進していきたいと思うので、次(の早慶戦)は絶対勝ちたいと思うので、応援をよろしくお願いします。
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