慶應スポーツ新聞会

【アメフト】芦名時代の終焉 慶大、最終戦を勝利で有終の美を飾る。

11月7日(日) 秋季リーグ戦最終節 慶大―国士舘大  @横浜スタジアム

芦名時代の終焉 慶大、最終戦を勝利で有終の美を飾る。

得点
慶大   国士大
14 1Q 0
7 2Q 3
7 3Q 7
7 4Q 0
35 合計 10



 前節の敗北により、クラッシュボウルの進出が消えた慶大はこのリーグ戦最終節が今季最後の試合となった。「この最終戦のメンタルの作り方は難しかった」(芦名)というように反則の罰退などでチャンスがピンチに代わるシーンなども見られたが、先発起用2試合目のQB須藤のパス、4年生たちのビッグプレー、そして1年生の活躍などユニコーンズらしい全員フットボールで国士大相手に35-10で勝利。有終の美を飾った。

 試合は慶大のキックオフ、国士大の攻撃でスタート。試合開始直後の国士大最初の攻撃シリーズでは、慶大ディフェンスに阻まれ、パントを選択。慶大は自陣23y地点から攻撃を開始する。この日の先発QBは須藤(経3)で、先発起用は前節法大戦に続いて2回目となる。持ち味の正確なパッシングで確実にボールを前に進め、1Q 3:11には自陣42y地点から、徳島のお株を奪うかのようなランで自ら58yを走りきりTD。先制する。その後のディフェンスでは、国士大にじわりじわりと攻め込まれるも慶大ディフェンスがきっちり抑え、4thdownに追い込み、国士大オフェンスはパントを蹴る。しかしなんと慶大がこれをキャッチミス。そのまま国士大がリカバーし、敵陣29y地点から攻撃を続ける。しかしさすがは慶大ディフェンス。どんなに押し込まれても決してエンドゾーンには入らせない。再び4th down、ここで国士大はFGを選択するも外れてしまい、攻守交代。慶大は自陣20y地点から攻撃を再開する。ランプレーや松井(商2)へのパスなどで1st downを数回獲得したのち、この試合の主役の一人であるRB福島(環4)が、1Q 9:18自陣36y地点から独走。64yを走りきりTD。スコアを14-0とする。その直後の国士大のオフェンスに、敵陣33yまで攻め込まれたところで1Qが終了する。

 

 2Q開始早々、国士大オフェンスは敵陣エンドゾーンへ迫るも、罰退などが響き、再び攻め入ることができない。しかし44y地点からFG(かなり遠いところからのキック)を成功させ、3点を返す。直後の慶大オフェンスは自陣27yよりスタート、QB須藤から、WR河野(環4)やTE祖父江(経4)などへロングパス、またはランプレーで敵陣へ攻め込み、2Q8:19、福島が敵陣5yからランプレーで再びTD。スコアを21-3とする。この後、攻撃権は国士大と慶大に一回ずつ移るも、互いに得点できずに2Q終了となる。

 3Qは慶大の攻撃からスタート。自陣34yから攻撃を始めるものの、このシリーズでは攻めきれず、すぐにパントで攻守交代となってしまう。その後の国士大のオフェンスシリーズでは、慶大ディフェンスのミスや反則・罰退などが響き、国士大は敵陣7y地点まで攻め込む。なんとか、4th downに追い込んだ慶大だったが、国士大はFGフォーメーションからのスペシャルプレー。不意を突かれた慶大は止めることができず、TDパス成功。国士大は3Q 7:36にこの日初めてのTDを記録し、スコアを28-10とする。この直後の慶大オフェンスでは、再び福島のランや松井へのパスで敵陣に入り込むと、敵陣34y地点、QB須藤から、前節、法大戦でもスーパーキャッチを見せた1年のWR吉田へパスが投げられ、吉田はキャッチ後、エンドゾーンまで独走。前節に続きTDで存在感を見せる。その後、国士大はキックオフリターンを敵陣33y地点まで運ぶBig Play。結局、19y地点まで運ばれて、3Qは終了する。

 4Qは、ピンチから始まる。国士大オフェンスは敵陣19yから攻撃を開始し、結局2y地点まで押しこんでくる。しかし、ゴールラインを割ることはできずに4th down。T.O.をとり、4thdownギャンブルに挑んでくる。結局、慶大ディフェンスがロスタックルを決め、チャレンジ失敗、攻守交代となる。慶大の攻撃は自陣4y地点から開始する。四年生たちも続々と登場し、まさに集大成となる攻撃シリーズであったが、反則で罰退が生じるなど、攻めきれない時間となる。そして、須藤から先ほどTDを決めたWR吉田に再びパスが通るも、国士大ディフェンスに囲まれた際にファンブル、国士大にリカバーされてしまい、攻守交代となってしまう。ここからは我慢の時間帯だった。敵陣44yから攻撃をスタートした国士大は、パスで1st downをつなぎ、慶大がインターセプトかと思いきや、その前に慶大の反則でファウルマーカー出ているなど、自分たちのミスも絡みなかなか国士大を止めることができない。国士大オフェンスは4th downギャンブルもチャレンジ成功し、敵陣ゴールライン1y手前まで攻め込む。ここで慶大はT.O.をとり、カート・ローズコーチが芦名をベンチに呼び寄せる。コーチが芦名の肩をたたき何かを指示するシーンはとても印象的であった。そしてなんと4Q残り10秒、国士大QBの投げたパスを、DBの季武(商4)がインターセプト、そのまま99y(公式記録は100y)を走りきりTDという超BIG PLAYが飛び出し、歓喜に包まれる。もう残り時間もほとんどなく、慶大のキックオフから、国士大のラストワンプレー。このプレーで芦名がロスタックルを決めて試合終了。芦名は自らのプレーで、大学アメフト生活に終止符を打った。

 

 これで4年生は引退となる。最後の季武のプレーなど、四年生のフィナーレを飾る感動的なプレーだった。しかし、今日の試合だけを総括するならば、決していい内容だったとは言えない。反則で自らチャンスをつぶしてしまったかと思えば、相手のミスに助けられるなど、ラッキーな要素もあったことは否めない。「もったいない」プレーをなくすことが、日本一を目指すチームにまず求められることである。一方、徳島の怪我により、ここ2試合先発起用となったQB 須藤はこの試合で19本中16本のパスを成功させるなど、驚異の成功率で、来年度以降の先発QB争いに向けて、アピールチャンスを確実に生かした形だ。レシーバーも、1年吉田と2年松井が獲得回数・ヤード数ともにこの試合1位、2位で結果を残し来年度以降に期待を持たせた。さて、問題はディフェンスである。全国区である、芦名・中村のディフェンスコンビは他大も恐れていた。それだけではない。DBの石原(法4)と植村(商4)もディフェンスの要であった。この4人が抜けることは、プレー面でも、精神面でも大きな穴となる。しかし一方で、LBの大橋(経3)やDB松崎(経2)など、今季の主力選手も残る。芦名が抜けた今、来季に向け大橋には中心選手となり、この穴を埋め、ディフェンス、そしてチームを引っ張っていくメンタリティをなどが求められている。

 さて、最後に芦名が築きあげてきた数々の輝かしい功績を振り返ってみる。高校時代はクリスマスボウル優勝。さらには高校生として初めてU-19に選出され、大学2年のときには主将を務めた。関西の大学アメフトのトッププレーヤーたち(関西学院大学のDL平澤など)もライバルは誰か、と聞かれれば「芦名」を挙げる、そんないわば同世代の中で最強の男であった。まさに彼が所属した4年間は芦名時代と呼んでも過言ではない。しかし、そんな彼を擁しても、去年と同じリーグ戦3位という結果に終わった。日大は芦名対策として芦名のマッチアップを急きょ変更。法大は、芦名のスタートタイミングをずらし、クイックネスを殺すトラップをいくつもしかけてきた。日本一を目指すためには、一人だけが頑張るのではなく、チーム全体の底上げが求められている、と実感した。それはまさに芦名が試合後のインタビューで何度も、挙げてきたAチームとBチームの差を埋めるという課題である。この課題をどう克服するのか。それは「本当に本人達の頑張りだと思っている」(芦名主将)「僕らよりがんばれ」(中村副将)の言葉が象徴するように、この代、そして今年のスタメン達を超える努力をすることに尽きると思う。己に打ち克ち、来季こそ必ず、日本一になってほしい。そのためにまずは来春の早慶戦連覇を期待したい。今から新チームが楽しみである。

 

By Masanosuke Kondo,

 

 

インタビュー

芦名主将

もちろん日大、法政に負けてしまってこの最終戦のメンタルの作り方は難しかったんですけども、春からやってきた「Yes、I do」の精神でやり通すということでなんとか気持ちを持ってできたかなという感じです。それでもこの試合では何点も綻びがでるなど、最初から盛り上がりきれない面があったんですけど、まあなんとか最後は4年生のビックプレーで終わらせることができてよかったです。 (試合内容は)僕個人としてなんですけど、前半は調子の悪い結果だったんですけど、後半もちょっとイライラしちゃって。最後なんとかみせることができたかなと思っています。 (今シーズンは)僕が大学2年生の頃から改革してきたこのチームがまあ3年目を迎えて集大成という形でやっていたんですけど、やっぱり最後は集大成になりきらなかったのが反省ですね。春から真面目・我慢・素直ということでやってきたんてますけど、まだまだ徹底しきれなかったかなと。そういう意味では悔いの残るシーズンではあるんですけど、まあ正直な気持ちはやっと重荷から解放されたなって思ってます(笑)(終了間際監督が肩を叩いていたのが印象的でしたが)英語で何言ってるのかわからなかったんですけど(笑)、まあとりあえず頑張れみたいなニュアンスで言っていたので、それをそのままディフェンスベンチに伝えました。(後輩たちに期待することは)まずは自分が3年間やってきたリーダーシップを伝授といったら生意気かもしれないですけど、まあ伝えて、それからは本当に本人達の頑張りだと思っているので頑張ってほしいなって思います。

樋口副将

日大、法政に負けて優勝がなくなったという試合で、とりあえず最後やれるだけやろうと思ってました。まあ僕自身は法政戦のあとにケガをして一回も練習に出ていない状態だったのでどれだけできるのかは不安でしたけど、やってやろうという気で頑張りました。(試合前には)この試合でどれだけ頑張れるかがこれからの人生にかかってくるとコーチから言われていたのでそれをみせてやろうと思っていました。(今シーズンは)ワイドレシーバーのポジションは今シーズン春が本当に苦しいシーズンだったので、よく持ち直したなっていう気持ちです。やっぱり満足はできないですけども、よくやってきたなとは思います。(来年は)ほとんどメンツが残るので本当に楽しみなチームになると思います。やってほしいと思います。

浅野副将

最後の試合で勝ったのは良かったが、内容的には良くないと思います。4年生全員出られたし、次は3年生が来年頑張ってくれると思います。(チームとして内容が良くなかったというのは)もっと出来た。でも総じてけっこう良かったんじゃないですか(笑)(個人としては)いつも通り普通にイケてました(笑)僕のせいで出られない2番手、3番手、4番手が出ることができたのが良かったです。(クラッシュボウル進出の可能性がない状況の中、心がけたことは)常に試合は勝つということ、ずっとプレーに集中して自分はタイトなのでオフェンスをまとめること。どの試合も同じで(今日も)いつものように始まっていつものように終わりました。(副将として今季を振り返って)(日大と法大に)勝てなかったから結果としては残せてないかもしれないが、後輩に伝えたいことは伝えたしその面では良かったです。(4年間の大学アメフト生活を終えて)やりきった感ありますよ。毎日内容が濃かったですし、慶應の体育会はスポーツだけでなく、色んなことが学べるのでそれが次に生きると思います。本当にいい4年間だったし、社会人になってもアメフトが仕事に変わるだけなので頑張りたいです。(後輩たちに向けて)勝つためには自分で考えて行動して結果を検証して、次に生かすことの繰り返しだと思います。それが出来るやつは一流になれるし、主体性がないやつ、百何十人もいればそういうやつがほとんどだと思います。後は常に楽しんで欲しいです。ゲーム、練習、日々を楽しんで欲しいです。特に3年生はラストの1年なので。

中村副将

勝ててよかったです。最後4年生が皆出られて、四年生が出た時にBig Playがでて、すごくいい形で終われたかな、って思うんですけど、シーズン総括してみると悔しさっていうのがこみあげてきて、最後までやりきった達成感とか安堵感はあるんですけど、悔しさがすごく大きいです。(今日の個人的な出来は)今日は良くなかったですね。プレーではあまり魅せられなかったです。(クラッシュボウルの出場がない中、どのような心境で臨んだか)日大や法政のような強豪と戦うときと同じようなメンタルで最後きっちり勝って終わろうという気持ちで臨みました。(副将として迎えた今シーズンを振り返って)結果がすべてなので、法政と日大に負けたことがすごく悔しくて。後輩には是非ブロック優勝してクラッシュボウル進出して日本一になってもらいたいなと思います。(後輩たちに向けて)僕らよりがんばれってことです。それだけです。

小河 菜千Manager・夏山 美菜Manager

(今日はどのような気持ちで臨みましたか)今日で最後の試合だということはわかっていたので、選手もスタッフもベストなパフォーマンスをして最高の舞台で引退しようという思いでした。(今シーズンは)ずっと3年間勝てなかった早慶戦にも勝利することができましたし、まあ日大、法政には負けてしまったんですけども、いままでよりも強いチームになったのかなって思うと感動しましたし、あとはチームワークをみてこのチームの一員でよかったなって思いました。 

(来年に期待することは)

今年も4年生だけでのチームではなくて、いろんな面で下級生に支えられたチームであったので、その下級生たちが作っていくチームは同じように強いチームになるんじゃないかなと期待しています。

一年間は短いようで長くて、最初に決めた覚悟や姿勢を突き通すことはとても難しいことだと思ったので、それをしっかりと決めてまた一年間頑張ってほしいと思います。

今シーズン1年間芦名主将をはじめとする選手の方々、マネジャーの方々には取材にご協力していただき大変お世話になりました。今シーズンの取材は今回の試合で最後になってしまいますが、来年度も引き続き慶應スポーツ新聞会の取材にご協力していただければと思っております。

ケイスポ アメフト班一同

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