【弓道女子】実力を出し切れず… ベスト16に留まる 全関東学生弓道選手権大会

春シーズンの重要な試合である第45回全関東学生弓道選手権大会が、6月20日と21日に日本武道館で開催された。本大会は関東の大学が集まり、例年白熱したトーナメントが展開される。各大学による迫力のある応援も魅力の一つだ。昨年東京都1部リーグで2位と躍進した慶大女子は上位進出を狙ったが、惜しくも決勝トーナメント2回戦敗退でベスト16。この悔しさは今月28日の全国大学弓道選抜大会で晴らしてくれるだろう。

 

第45回全関東学生弓道選手権大会

 

6月20日(土)、21日(日)@日本武道館 

 

 

 ポジション 選手名 予選 予選競射 1回戦 2回戦
大前(おおまえ)

小林由紀恵

(看4・清真学園高)

○○

陣内友莉

(総3・西武学園文理高)

○○
落(おち)

澁澤柊花

(理4・慶應女子高)

○○
合計  
対戦校       茨城大 明大
     
※ 1回の試合で各選手4本の矢を放つ。トーナメントは2チームが同時に矢を放ち始める。女子団体は1チーム3人で構成され、計12本のうち的に中(あた)った本数の多いチームが勝ち進む。的中数が並んだ場合は、各自2本の計6本で競射を行って勝敗を決定する。

 

円陣を組み、気持ちをひとつにする。

円陣を組み、気持ちをひとつにする。

 

昨年は1部リーグで3勝1敗の好成績を収めた慶大女子。桜美林大との優勝決定戦では惜しくも敗れたものの、昇格1年目で2位と十分誇れる成績を残した。さらなる躍進が期待される今季。最初の重要な大会である全関東学生弓道選手権大会に臨んだ。団体戦に出場した3人は昨年、同大会で3回戦敗退という悔しさを味わったときと同じメンバーだ。

 

2年連続で落を務めた澁澤

2年連続で落を務めた澁澤

 

最初に行われた予選。上位24校に絞られるのだが、ここで慶大はいきなり危機を迎えてしまう。澁澤柊花(理4・慶應女子高)が4本全てを的中させる皆中を出して順調な滑り出しを見せるも、残り2人が緊張からか、1中にとどまってしまう。計6中で予選突破を決めることができず、計13校で残り1枠を争う競射にもつれてしまう。しかし、ここで崩れないのが慶大の強さだ。ミスが許されない場面で誰も外すことなく、六射皆中を達成。他校を寄せ付けず、最後の1校として決勝トーナメント進出を決めた。

 

1回戦で皆中を出した陣内(写真左)

1回戦で皆中を出した陣内(写真左)

 

 

これで波に乗りたい慶大は1回戦で茨城大と対戦。乙矢(2本目)までは4対4と互角の戦だったが、後半に見事な集中力を見せて茨城大を突き放す。最終的に9対6で茨城大を下した。この立では陣内友莉(総3・西武学園文理高)が皆中を達成してチームを引っ張った。

 

 

 

 

 

 

続く2回戦は2部リーグの明治大学。両校とも初矢(1本目)は1本ずつしか中てられなかったが、それ以降から明暗が分かれる。立ち直りを見せて2本目、3本目を3人すべてが的中させた明治大に対して、慶大は3人とも1本ずつ外してしまう。中盤の成績が響き、最終的には6対9で敗退。3人とも実力を発揮しきれないまま2回戦となってしまった。

 

残念な結果となってしまったが悲観しすぎることはない。追い込まれた予選競射で見せた3人の射は素晴らしいものだった。鈴木清久監督が「安定感を強化していってくれれば」と言うように、持っている実力を発揮できればおのずと結果はついてくるだろう。今季は始まったばかり、挽回のチャンスはまだたくさん残されているのだ。まずは今週末の全国選抜で輝きを取り戻したいところだ。

 

昨年は東西学生弓道選抜対抗試合にも選出された大前・小林

昨年は東西学生弓道選抜対抗試合にも選出された大前・小林

 

 

個人戦は入賞者なしに終わる

選手名 射詰(尺二)

河本紗羅

(文2・湘南白百合学園高)

○×

陣内友莉

(総3・西武学園文理高)

○○×
※射詰…サドンデス形式で各選手順番に矢を放っていく試合形式。

3本目までは尺二(36cm)の的、4本目以降は八寸(24cm)の的を使用する。

 

 団体戦終了後、会場では個人戦が行われた。慶大女子は6月14日に行われた個人予選の結果、河本(文2)、陣内の2選手が出場した。個人戦は射詰形式で行われ、慶大選手はいずれも序盤で的を外してしまい敗退。残念ながら入賞者なしに終わった。

 

 

監督のコメント

鈴木清久監督

(今大会をふりかえって)残念な結果でしたけれども、部員は一生懸命頑張ってくれましたし、男女ともに確実に上達はしてくれているなと思います。これをきっかけに来週の選抜と8月の全日本、そしてリーグ戦につなげていくのが我々の使命だと思っています。(男子は明治大学と壮絶な戦い、競射になったときはどのような声かけを選手にしていたか)「もう我慢比べだね」ということでした。やはり明治の方が大会慣れしていて、引くスピードが早かった。どうしても後からになってしまったので、我々は体配でまだ報いるところがあったと思っています。(スピードが遅かったのは作戦ではなかったということか)作戦というよりも、そういう選択をせざるをえなかったということです。彼らのほうが早いのは元々わかっていたので、逆に我々はゆっくり自分たちのペースでやっていたが、やはりプレッシャーはかかってしまうので。修正すべきところは修正し、貫くところは貫いていくということです。(収穫と課題は)収穫は、男女ともに(選手として)かなりの人数が揃ってきたところです。男子にかんしては1年生から4年生まで、今日出ていたメンバー以外にも練習に付き合ってくれていた2年生、3年生が相当発奮してくれていますのでそれが成果だと思います。反省点は先ほどの体配ですね。どうしても今のやり方だと遅くなってしまって、一本競射の場合にプレッシャーがかかってしまうので、それをどのように組み立てるかというところだと思います。(選抜にむけて)やることは変わらないので、選抜に向けて修正は必要ないと思っています。あとはいかに貫き通していけるかというところです。女子の場合は、自信は今大会でそれなりに持ってくれていると思うので、安定感を強化していってくれればと思います。

                                                                                                                                                         (記事 松下聖)

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