慶應スポーツ新聞会

【弓道男子】 ベスト8敗退も秋のリーグ戦につなげる戦い 全日本学生弓道選手権大会(団体戦)

名古屋の日本ガイシホールで行われた全日本学生弓道選手権大会。11月の王座決定戦にもつながる重要な試合だ。慶大男子は3回戦でリーグ戦でも対戦する桜美林大学に力負けし、ベスト8に終わってしまった。課題と悔しさを得た慶大のリベンジは秋のリーグ戦へと持ち越された。

 

第63回日本学生弓道選手権大会

 

11日()、2日(、13日(木)@日本ガイシホール 

 

 

ポジション

選手名

予選

一回戦

二回戦

競射

三回戦

大前(おおまえ)

日野浩明

(文2・慶應高)

○○

2番

加藤和樹

(商2・慶應高)

恩田悠暉(政2・慶應高)

○○

菅谷脩

(法3・韮山高)

佐久間淳

(環3・慶應高)

○○

落(おち)前(まえ)

村田賢祐

(法4・慶應高)

○×

落(おち)

稲熊渉

(総3・城北高)

○○

合計

 

15

17

15

15

対戦校

 

 

皇學館大

東海大

桜美林大

合計

 

 

11

15

18

※ 1回の試合で各選手4本の矢を放つ。トーナメントは2チームが同時に矢を放ち始める。男子団体は1チーム5人で構成され、計20本のうち的に中(あた)った本数の多いチームが勝ち進む。的中数が並んだ場合は、各自2本の計10本で競射を行って勝敗を決定する。

 

 

 

 

6月の全国選抜で3位の好成績を収めた慶大男子が全日本学生弓道選手権大会(インカレ)に挑んだ。今大会は優勝校に11月に伊勢神宮で行われる全日本学生弓道王座決定戦への参加権が与えられる非常に重要な大会だ。

立派に大前を務めた日野(左)

立派に大前を務めた日野(左)

 

予選は15中で、10位タイで突破。一回戦は東海リーグ2部の皇學館大學と激突した。大前と2番を任された2人の2年生、日野浩明(文2)と加藤和樹(商2)が緊張からか、初矢を外してしまい雲行きが怪しくなる。しかしここで簡単に崩れないのが慶大の強み。後ろの3人が確実に的中させて悪い流れを断ち切ると、前の2人もこの流れに乗って的中を重ねていく。中の佐久間淳(環3)から14連中を記録して皇学館大を圧倒した。最終的には17対11と実力差を見せつける完勝を収めて、2回戦へと駒を進めた。

 

 2回戦の相手は関東リーグ南関東ブロック1部で3連覇中の強豪、東海大。慶大は2番を恩田悠暉(政2)に交代して試合に臨んだ。慶大は東海大よりも2人分、早いペースで引き進めてプレッシャーをかけていった。1本目は4対4で互角だったが、2、3本目で慶大が1本の差をつけ、リードしたまま4本目を迎える。しかし、ここで慶大は2人が外してしまい、15対15と土壇場で東海大に追いつかれて競射にもつれてしまった。競射では1本目を全員が中てるなど勝負強さを見せて9対8と競り勝ったが、ひやひやする試合展開となった。

安定した体配で流れをつくる

安定した体配で流れをつくる

 

続く三回戦の相手は慶大と同じ東京都学生リーグ1部に所属する桜美林大学。王座出場のために「リーグ戦で越えていかなければいけない相手」(稲熊渉・総3)である。今年の桜美林大は下級生が主体の若いチーム。予選は17中で1位突破をしていたが、経験が浅いためか、緊迫した場面ではミスをすることが多く、2回戦までも危ない戦いをしながら勝ち上がってきていた。接戦に持ち込めば十分、勝機のある相手だった。

 

後ろ3人は上級生が務めた(左から佐久間、村田、稲熊)

後ろ3人は上級生が務めた(左から佐久間、村田、稲熊)

 

 確実に的中させて相手を追い込みたいこの試合だったが、慶大は自分たちの本来の実力を発揮できなかった。初矢を2人が外してしまい、いきなり桜美林大に差を付けられてしまう。リードした桜美林大はプレッシャーを感じさせずに引き続け、2本目まで全員が的中させた。この時点で4本差。1部校と対戦する上でこの差は絶望的となってしまう。結局、15対18で敗れ、慶大の戦いはベスト8で終わった。

 

 

 

 

 

 

敗因の1つはメンバーを固定できなかったことだろう。「コロコロ変えていいものかとすごく悩みました」(村田賢祐主将・法4)と語ったように、メンバー交代が多く、安定した試合運びができなかった。しかし、それは言い方を変えれば多くのメンバーにこの大舞台を経験させられたということだ。9月から始まるリーグ戦では8人が出場するため、選手層の厚さが勝利に直結する。「この試合で得た精神的な成長」(村田主将)は確実に生きてくるだろう。あとは一人一人が自分の実力を発揮できれば、おのずと結果はついてくるに違いない。「悔しい思いをしに試合に来ているのではないので、これ以上悔しい思いをしてはいけない」(稲熊)。悔しさを噛みしめた慶大がリーグ戦で逆襲を見せてくれるだろう。

今大会の落は稲熊(右)、新たな経験を積んだ

今大会の落は稲熊(右)、新たな経験を積んだ

 

 

                                                                  (記事 松下聖)

 

 

選手のコメント

 

村田賢祐(法4)

(今日までどのような練習を積んできたか)とにかく自分のペースをしっかりつくって、自分に集中することですね。相手や周りの歓声も気になるところでしたが、自分のやるべきことに徹すれば普段の練習通りの結果が出せるな、と考えていました。高い的中を出すことももちろん大切ですが、高的中は練習で積み重ねていくものです。いま僕たちがリーグ戦に向けてやらないといけないのは、緊張したどんな場面でも持てる技術をしっかり出すことなので、この点をしつこく言っていました。(桜美林大と試合は引きながらどのような印象だったか)そうですね・・・。2番のメンバーを固定できなかったです。選手を決めるときに、「コロコロ変えていいものか」とすごく悩みました。でももし今回自分たちの中で調子のいい選手を試合で使わないと、今後のリーグ戦・王座で自分が起用を迷ったときに、思い切って「行ってこい」とできないかなと・・・。そこで思い切って変えてみたのですが、今回は裏目に出てしまったなと感じています。(ただ個人戦を含めて、多くの1・2年生が大舞台を経験できたのは今後につながると思います)そうですね。こういう緊張する舞台で引くと自分の射がどうなるのか、が分かったという面ではすごく良かったと思います。ただ下級生だけでなくこれは全体に言えることですが、技術が十分あるとは決して言えないと思います。この試合で得た精神的な成長と、今後1か月で合宿を含めて技術を伸ばすことで、リーグ戦でいい具合に結果が出ればいいなと思います。(個人戦では堂々のインカレ2位でした)言い訳にするつもりはないですが、自分は就活が終わって6日目なんですよね。8月に入って1日も弓を引いていなくて、復帰してはじめて引いたのが10日ぶりだったのもありますし、慢性的な練習不足だとは感じていました。技術は短期間でグッと上がるのは難しいですが、そこは割り切って今出せる技術でどこまで的に入れられるか挑戦していた感じです。(長い遠近競射の間は何を考えていましたか)僕の場合は、遠近競射をやっていて「入賞が確定したな」と考えると抜いてしまうので・・・。それよりももっと大事なことがあるよね、と言い聞かせました。あさってからの定期戦、リーグ戦、王座・東西とつなげていく時期ですし、こんなに緊張する場面はなかなかないので、自分にできることを精いっぱい挑戦しようと考えていました。(これから残り少ない部活をどのように過ごしていきますか)とにかく朝から晩まで弓を引いていきます。そのなかでも自分たちの代が結果を残す、日本一になるのはとても大切ですが、来年以降の3年生以下がいかに自分たちで考えて部活動をやっていけるかですね。答えを教えるのではなく、その答えを導きだすヒントを少しずつ与えながら部活動をやっていければと思っています。もちろん日本一は全力で狙いに行きます。

 

 

稲熊渉(総3)

(今日の試合をふりかえって)練習でも高い的中が出ていなかったので、各自自分のやることをやろうという方針でいました。うまくはまるときもあったのですが、やはり勝負どころで桜美林に負けてしまいました。1部校という、リーグ戦で越えていかなければいけない相手を目の前にしたときに実力を発揮しきれなかったのが直接の敗因だと思います。試合の組み立て方が上手い学校はチームの団結力などもありますが、それ以上にしっかり個人がやることを決めてきていて、試合で練習と同じように出してきたのでそこがうちと違うのかなと思いました。そこが課題であり、反省材料なので次に生かせればと思います。(今までと違って今日は落に入っていたが)就活の影響で4年生がなかなか部活に来られなかったので、4年生と話して僕が落に入りました。今までどれだけ4年生に甘えていたか、4年生がいることの安心感、4年生の存在感の大きさを実感しましたし、自分にとっても新しい経験になりましたが、やはり緊張しました。これからに生かしていきたいですし、いろんな人からアドバイスをもらって成長していきたいです。(落に入ったことはプラスだったかマイナスだったか)最初はマイナスでした。僕は落を引いたことがあまりなくて、どうしたらいいのかわからなかったです。自分を中心にチームを見ていると自分にプレッシャーが跳ね返ってきました。落は落で堂々として、他の選手の個性を伸ばしてあげるようにすればいいと気づけたのは大きかったです。(インカレで得た収穫・課題は)毎回毎回乗り越えられない壁があります。悔しい思いをしに試合に来ているのではないので、これ以上悔しい思いをしてはいけないです。悔しさを感じないように自分で集中して追い込めるだけ追い込んで、夏休みの間に詰められればいいと思います。

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