慶應スポーツ新聞会

【弓道女子】強敵相手に白熱の競射! 大舞台で堂々の射を披露 全日本学生弓道選手権大会

全国の学生射手が一堂に会し日本一を争う全日本弓道選手権大会(インカレ)が、今年は名古屋で開催された。優勝すれば一足先に11月の王座決定戦進出が決まる同大会。慶大女子は昨季から主戦を担う3人で戦いに挑んだ。予選を9中で通過すると、いきなり初戦の2回戦で、全国選抜3位の強豪・近畿大と対戦することになる。それでも一歩も引かない戦いで競射に持ち込むと、互いに皆中で試合は一本競射に突入する大熱戦に。最後は1本に泣きベスト16どまりとなったが、強敵と互角に引き合いリーグ戦へ確かな手応えをつかんだ大会となった。

 

63回全日本学生弓道選手権大会

 

11日()、12日(、13日(木)@日本ガイシホール 

 

 ポジション

選手名

予選

2回戦

競射

大前(おおまえ)

小林由紀恵

(看4・清真学園高)

○○

陣内友莉

(総3・西武学園文理高)

○○

×

落(おち)

澁澤柊花

(理4・慶應女子高)

○○

×

合計

 

対戦校

 

 

近畿大

 

 

※ 1回の試合で各選手4本の矢を放つ。トーナメントは2チームが同時に矢を放ち始める。女子団体は1チーム3人で構成され、計12本のうち的に中(あた)った本数の多いチームが勝ち進む。的中数が並んだ場合は、各自2本の計6本で競射を行って勝敗を決定し、それでも決定しない場合は各自1本の計3本による一本競射を続ける。

 

息の揃ったメンバーで臨んだ

息の揃ったメンバーで臨んだ

 

 東京都1部リーグ戦で準優勝に輝いた昨季から一転、全関東ではベスト16、全国選抜では1回戦敗退と思うような結果を残せていない慶大女子。「個々人が強くなること」(澁澤)を目標に各自が練習を積み、優勝すれば王座決定戦進出というインカレに臨んだ。メンバーは昨年からチームを支える小林由紀恵(看4)、陣内友莉(総3)、澁澤柊花(理4)の3人だ。

チームを力強く牽引した大前・小林(左)

チームを力強く牽引した大前・小林(左)

 

 まずは確実に突破を決めたい予選。昨年のインカレでは実力を出せず、予選敗退となっている。大前・小林、中・陣内、落・澁澤とこれまで幾度となくチームを組んできた3人は、アリーナの独特の雰囲気に飲まれることなく的中を普段通りに重ねていく。澁澤の2中を好調の二人がしっかりとカバーし9中、他の強豪校が予選落ちを喫するなかで着実に決勝トーナメントへと駒を進めた。

 

 シード権を獲得し、2回戦がトーナメント初戦となった慶大。その相手は全国選抜3位・近畿大である。今季は強豪相手に萎縮してしまい、「空気に飲まれてしまってあっけなく終わる」(西田葵主将・経4)試合が多かった女子。しかし今大会では本来の持ち味である「攻め」の姿勢が戻ってきた。初矢を中てたのは小林のみといきなり苦境に立たされるが、ここで崩れず一気に8連中で逆に相手を追い詰める。落が互いに外し、結果は9中対9中と同中。一手(2本)競射へと突入する。

 

 

鋭い離れで的中を重ねる陣内(中央)

鋭い離れで的中を重ねる陣内(中央)

 

 競射は両校の力と力のぶつかり合いとなった。大前・小林が「自分がやるべきことを最後まで集中してやりきる」と抜群の安定感でチームに流れをつくると、陣内も「競射のときはやることをやろうという感じだけ」と相手に惑わされず自分の射に集中した。澁澤も2人の勢いを受け継ぎ、一気に3人とも皆中を決める。これで勝敗は決したかに思われたが、舞台は学生弓道の頂点を決めるインカレ。そう簡単に競射は終わらない。慶大よりも遅く引く不利な状況で近畿大も皆中を達成。会場が驚きの拍手に包まれるなか、勝負はさらに一本競射に進む。

 

 

 

 

 一本競射でも小林の安定感は変わらず、初矢を確実に詰める。つづく陣内は外したが、ここで落・澁澤がしっかりとカバーして2中。近畿大も初矢を外す絶体絶命のピンチで、後の2人が粘り2中となる。勝負は2回目の一本競射へ。ここまで互いに7本を引き、疲れの出てくる8本目。慶大は澁澤が抜いてしまい2中、近畿大は落が勝負矢を確実に入れ、2中対3中で勝負あり。「私さえ中れば日本一だったなという悔しさが残りました」と澁澤は悔いたが、白熱の競射に会場からは万雷の拍手が送られた。

 

惜しくも勝利を逃したが、相手の近畿大は結局今回のインカレを制したことを考えると、非常に手応えの残る一戦になったことは間違いない。日本一になった相手に最後まで食らいついた。「今回はちゃんと弓道で勝負できた、勝負しに行ってその結果の勝敗がついた」(西田主将)の言葉通り、大舞台でも各自の射に集中することで、何度も敵を追い詰めた。この経験は必ずリーグ戦に生かされるだろう。何より慶大の射は基本に忠実で安定感があり、長期戦となるリーグ戦では俄然強さを発揮する。今後は今回のメンバーに入れなかった選手も必死に成長し、選手層はさらに厚くなるだろう。苦境を乗り越え確かな手応えをつかんだ慶大が、昨年を超える快挙、すなわち初のリーグ優勝・王座獲得を果たしてくれるに違いない。

落の重圧と戦い続けた澁澤(左)

落の重圧と戦い続けた澁澤(左)

 

 

 

個人戦は入賞者なしに終わる

選手名

二次予選

河本紗羅

(文2・湘南白百合学園高)

××

陣内友莉

(総3・西武学園文理高)

×○

服部 史佳

(政4・慶應湘南藤沢高)

×○

※射詰…サドンデス形式で各選手順番に矢を放っていく試合形式。

まずは一手(2本)を引き、皆中した者のみが射詰に進む。

 

 団体戦終了後、会場では個人戦が行われた。慶大女子は7月5日に行われた個人一次予選の結果、河本(文2)、陣内、服部(政4)の3選手が出場した。個人戦は射詰形式で行われ、慶大選手はいずれも最初の一手を詰めることが出来ずに敗退。残念ながら入賞者なしに終わった。

 

(記事 砂川昌輝)

 

選手のコメント

 

西田葵主将(経4)

(全国選抜に出場されてから今大会までの取り組みは) 正直4年生で就活もあって一時期部活から離れるようなかたちになっていたのですが…。やはり全関東と選抜の反省を踏まえてより「チーム感」を出していこうと思いました。女子は5人まで登録できるのですが、その5人と介添えを含めて「チーム感」がちょっと欠けているなと前回感じていました。そこをすごく気を付けました。(今日の試合を介添えとして見ていた印象)やはりこういったアリーナの試合なので、リーグ戦とは違って3人立ちで他校も同時に引いていて、と空気に飲まれてしまってあっけなく終わるというのがこれまで多かったです。それに比べると今回はちゃんと弓道で勝負できた、勝負しに行ってその結果の勝敗がついた、という感じです。以前はただ実力が足りなかったという反省だったのですが、今回は勝負しに行って負けた、という意味で手応えもすごく大きいと思います。 (試合の合間にかけた言葉は) そうですね…あまり言葉はかけずに本人たちの空気を壊さず、という点と予選と2回戦の間隔が空いてしまったので、もう一度集中をつくれるように、という点を意識して声をかけました。(リーグ戦に向けて)今日の試合は負けてしまったものの手応えが凄くありました。もちろん私もしっかり引こうと思っていますし、もっともっと「チーム力」を強化して、さらに個々の技術も前回よりかなり伸びてきていると思ったので、その両方を強めていってどんどん強くなっていければと思います。

 

小林由紀恵(看4)

(今日の試合までの準備)正直調子の良い時期が春シーズンを通して少なかったです。ただインカレが日本一を決まる王座決定戦につながっているのもあって、何がなんでもその出場権をつかみたかったです。そこでまずは自分がしっかり中てられるために、普段の練習から的中をしっかり上げていくことを目標に練習を続けてきました。(今日は調子がとても良さそうでした)そうですね。今日は比較的、自分のなかでこれをやると決めて中てる、というのがすごくシンプルにできていたかなと思います。(近畿大との試合中に考えていたことは)昨年の全関で同じように9中で競射にもつれたのですが、今日と同じメンバーで私が同じく大前を引いていて、私が初矢を入れられずそのまま流れを作れず負けてしまいました。そこで相手に囚われずに、自分がやるべきことを最後まで集中してやりきる、ということをずっと考えて臨んでいました。(試合を振り返ってみると)今は正直悔しい、の一言以外は出てこないのですが、これまでの試合に比べると次につながるものだったと思います。リーグ戦を経て王座に行くための材料になる大会にはなったと思うので、これを私たちがどう生かしていくか次第で結果が変わってくるのかな、と思います。(最後となるリーグ戦にむけて)女子部ができてから50年間まだ王座に行けたことがないですし、1部リーグで優勝したことがないです。まずはリーグ優勝を達成することで王座にしっかり行って、王座獲得へつなげたいと思います。

 

澁澤柊花(理4)

(今日をふりかえって)練習の段階から私以外の二人が最近調子良くて、私だけ調子が悪くて、私さえ中れば日本一だったなという悔しさが残りました。(全関・選抜と結果が出なかったがインカレに向けてはどのように取り組んできたか)全関・選抜の反省として、チームではなく、個々人が強くなることを目標にしていて、それに向けて練習してきました。(予選好調だった要因は)今回はチームの勢いなどを利用するのではなく、一人一人がきちんと中てていこうということを実行できた結果かなと思います。(競射はしびれる場面が続いたが心境は)正直、早く終わってほしいという気持ちが強くて、毎回自分が引き終わった後相手が引くときは「抜いてください」と思っていました。(結果はついてこなかったが手応えはあるのでは)調子が悪い中でやれること以上のことはやったつもりですが、結局負けてしまったので日頃からのレベルを上げていかなければと思います。(秋のリーグに向けた収穫、課題は)今回のメンバーがリーグ戦でも軸になっていくと思いますが、一人一人の強さを身に着けるのが目標で、それを着実にこなしていく人数が増えていけばリーグ戦でも通用すると思います。(最後のリーグ戦の抱負は)王座にいきます。

 

陣内友莉(総3)

(今日の試合をふりかえって)全関と選抜は予選通過がぎりぎりで、自分たちの力を出し切れない戦いを春シーズン通してしてきた中で今回のインカレは自分たちの力を発揮できるようにしたいという思いがありました。それを今回の試合ではできたかなと思っています。トーナメント戦では9対9で競射になって、一手競射では6対6になってあとは我慢比べだったかなと思っています。一本競射になったときに自分が抜いてしまいましたが、大前と落が詰めてくれた分、もう1回チャンスをもらえました。最後は2対3ということで向こうのほうが一枚上手だったのかなと思います。(全関、選抜からどのように立て直したか)選抜後に選手たちで何が自分たちに足りないのか、何があれば強くなれるかを話し合いました。まだまだ個々の力が完成しきれていないという結論になったので、お互いにそれぞれのスキルを上げていくこととそれを自信に変えていくことを目標にしました。今大会は個々がしっかり準備してきたからこそ、本番で助け合えたのかなと思います。(競射はしびれる場面だったが)競射のときはやることをやろうという感じだけでした。(今大会でうまくいった要因は)ひとりひとりの力を上げていこうと取り組んだ結果かなと思います。(秋のリーグ戦に向けて収穫と課題は)春シーズンは自分たちの力を発揮しきれなかったですが、今回は少し克服できたかなと思います。ただ相手がいるスポーツなので、相手に勝つためには勝負強さの面でもうワンステップ上がる必要があるなと思いました。

 

 

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