開幕戦でまさかの黒星を喫してしまった王者・慶大。積年のリベンジを果たすためには残り試合に勝ち続けるしかない。第2戦は格下の獨協大を相手に、攻守ともに圧倒して大差をつけ、流れを渡さなかった。慶大らしさを存分に発揮し、打倒・法大へ向け大きく弾みをつけた。
第28回関東学生ラクロスリーグ 第2試合
2015/8/30 @大井ふ頭海浜公園第2球技場 12:20F.O.
慶大 | 経過 | 獨協大 |
6 | 1Q | 0 |
2 | 2Q | 0 |
3 | 3Q | 1 |
2 | 4Q | 0 |
13 | 合計 | 1 |
降りしきる雨の中行われた関東学生ラクロスリーグ第2試合。慶大は序盤から猛攻を仕掛け、MD野上(政3・慶應藤沢高)、AT井上(経2・慶應高)、居塚(政4・慶應高)が試合開始3分にしてシュートを決める。その後も果敢にゴールを狙い、1Qに一挙6得点を決めた。
しかし、2Q以降は攻撃のペースが落ちる。グランドのコンディションも悪い中、あと一歩のところでシュートを決めきれない。それでもMF越後(政4・慶應高)、AT仁熊(商3・慶應NY学院)が集中力を切らさずゴールネットを揺らし、我慢の時が続くチームを鼓舞した。開幕試合の課題だった守備も鉄壁の守りを見せた。獨協大AT陣に何度もゴールを狙われながら、体を張ったプレーでシュートを決めさせない。中でもG杉本(経1・慶應高)がルーキーながら相手の攻撃を防ぎ、存在感を放った。
4Qではまさかの事態が起こった。相手からのクロスチェック要求が不正だと判定され、3分間1人少ない状態で試合を行うというペナルティを受けてしまう。それでも圧倒的な点差、厳しい練習が選手たちにもたらした自信は揺らぐことはなかった。試合終了を告げるホイッスルは昨季学生王者復活ののろしでもあった。
“黄金世代”が引退し、新体制を整えて臨んだ今季。偉大な先輩たちの背中を見て成長した選手たちに、慶大ラクロスの神髄は確かに受け継がれている。守備の連携やシュートの正確性など、今後の試合に向けまだまだ伸びしろもある。そうした才能の原石を磨いていき、試合中どんな状況においても自分たちのラクロスをすることができるかが鍵を握るだろう。勝利に貪欲に、その先に誰も見たことのない景色が選手たちを待っている。
(記事:河合 美紀)
【以下・試合後選手コメント】
栗田智仁主将(環4・慶應高)
(試合を振り返って)決めるべきところは決められて流れはこちらにありましたが、もっとこだわれるシーンは多かったと思うので、日本一になるためには細かいところを修正していかなければいけないと思いました。(1Qに一挙6得点決めたが)初戦負けてしまったことで4年生が引っ張っていかなければいけないという姿勢が出たのかなと思っています。(中盤以降の攻撃面の課題は)中盤以降はチャレンジしたというか、自分たちができることの範囲を広げていけたので、あとはシュートを決めるだけです。(次戦のキーパーソンは)MFの3年生全員に期待していますし、注目してもらいたいです。彼らがもっと得点を決めてくれればラクロスの幅が広がると思います。(次戦に向けて)ボールを逃がさずに踏み切ること、最初の1分からしっかり勝負を仕掛けて、細かいところをもっともっとこだわりを持ってやっていかなければいけないと思います。
居塚大岳副将(政4・慶應高)
(試合を振り返って)前回東大に僅差で敗れて、今日の試合は非常に意味のある試合で、4年生が戻ってきて開幕戦悪かったとことをどれだけ修正できるかがポイントでした。その点では、試合の入りから相手を圧倒できて試合の流れを持ってこられました。(東大戦での敗戦から修正してきたことはありますか)チームとしてあまり変わったことはしていないのですが、負けたら引退なので、気持ちの部分で負けないことを心がけていました。(自身の得点シーンを振り返って)試合では練習でやってきたことが出ると思っていて、今日の得点シーンも練習で何回も練習してきた場面でした。(試合の課題は)層の厚さが課題であると感じていて、4Q通していいプレーができないことです。サブの選手を出している時間帯に満足の行くプレーができていないことがあります。(次戦に向けて)負けたら引退というのは変わらないので、1球1球を大切にまずはFINAL4まで駒を進めてその先も勝っていきたいです。