【ソッカー男子】第13節 慶大の後期開幕戦は劇的逆転で好発進 桐蔭大戦

黄がダメ押し点。応援席に駆け寄る

黄がダメ押し点。応援席に駆け寄る

前期リーグ戦は5位というまずまずの成績で折り返した慶大。開幕戦の対戦相手の順大が天皇杯に出場、台風の影響による試合の延期もあり、やっと慶大は開幕戦を迎えた。相手は桐蔭大。前期リーグ戦は11位と低迷している相手だけにしっかりと勝って勢いをつけたい試合であった。しかし、開始直後から試合は完全に桐蔭大ペース。中央突破を許す場面が何度も見られ、ボールを奪えない。42分に桐蔭大11番鈴木が頭で落としたボールを10番石川に決められ、先制を許す。さらに44分には7番山根に強烈なミドルシュートを決められ、2点ビハインドで前半を折り返す。後半開始後は慶大が試合を完全に支配する。53分に山本哲平(政3・國學院久我山高)のパスを田中健太(法2・横浜F・マリノスユース)が蹴りこみ反撃の狼煙を上げると62分にコーナーキックから松木駿之介(総1・青森山田高)が得意のヘッドで合わせて同点に。そして87分にキャプテン久保飛翔(環4・済美高)が相手GKに競り勝つゴールでついに逆転。ロスタイムにも途中出場の70分黄将健(総4・近畿大学附属高)がダメ押しのゴールを決め、劇的な形で慶大の勝利となった。

 

第89回関東大学サッカーリーグ戦 第13

 

2015/9/13(日)11:30KO@味の素フィールド西が丘

 

慶應義塾大学4-2桐蔭横浜大学

 

【得点者(アシスト者)】

〔慶〕 53分 田中 健太 (山本 哲平)

    62分 松木 駿之介 (山田 融)

    87分 久保 飛翔 (山田 融)

    90+2 黄 将健

 

〔桐〕 42分 石川 大地 (鈴木 国友)

    44分 山根 視来 (鈴木 国友)

 

 ◇慶大出場選手

GK宮原隆志(経4・武蔵高)

DF溝渕雄志(環3・流通経済大学付属柏高)

DF久保飛翔(環4・済美高)

DF望月大知(環3・静岡学園高)

DF井上大(総3・國學院久我山高)

MF山田融(総4・横浜F.マリノスユース)

MF宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)

MF渡辺夏彦(総2・國學院久我山高)→75分手塚朋克(環2・静岡学園高)

MF松木駿之介(総1・青森山田高) →86分小谷春日(環1・藤枝東高)

FW山本哲平(政3・國學院久我山高)→70分黄将健(総4・近畿大学附属高)

FW田中健太(法2・横浜F・マリノスユース)

 

関東リーグ優勝に向けて絶対に開幕戦は勝ちたい慶大。前期リーグ戦とは少し違う布陣で試合に臨んだ。アルビレックス新潟で出場を重ねるエース端山豪(総・4東京ヴェルディユース)を欠くリーグ戦となる。そして前期リーグ戦はセンターバックを守っていた宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)はボランチでの起用となった。また、前期開幕戦で負傷した田中健太(法2・横浜F・マリノスユース)もリーグ戦復帰を果たした。

 

ボランチでの出場となった宮地

ボランチでの出場となった宮地

試合は桐蔭大ボールでキックオフ。その桐蔭大が序盤から積極的に攻める。11分桐蔭大7番山根が中央突破からシュート。これはGK宮原隆志(経4・武蔵高)がキャッチした。 15分左サイドでボールをキープされ、最後は7番山根がシュート。これはサイドネットに外れる。23分にはセカンドボールを拾われ、桐蔭大10番石川がミドルシュート。ゴール上へ。その後もセカンドボールを相手に拾われる場面、中央突破を簡単に許してしまうシーンが多くみられ、慶大はなかなか攻めきれない。31分にはボランチ起用の宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)が左サイドで力強いドリブルを見せるがゴールには結びつかない。38分に井上大(総3・國學院久我山高)のオーバラップがクロスを上げるが中の選手には合わない。その後のコーナーキックでは松木駿之介(総1・青森山田高)がニアサイドでヘディングで合わせるもゴール上。慶大が徐々にペースをつかみつつあったが、42分に失点を許してしまう。11番鈴木がヘッドで落とし、それを10番石川がDFをかわしてゴール天井に決められてしまう。その後も攻め込まれ44分には11番山根に豪快なミドルシュートを完璧なコースに決められ追加点を許してしまう。

逆転弾に歓喜する荒鷲たち

逆転弾に歓喜する荒鷲たち

苦しい試合展開となったが前半とは打って変わって、後半開始後は慶大が試合を支配する。後半開始から高い位置でプレスをかけ、相手に自由を与えない。50分、右サイドで得たフリーキックだったが、宮地には合わない。その後53分宮地の縦パスを受けた山本哲平(政3・國學院久我山高)がラストパス。田中が左足で逆サイドに決め、1点差に迫る。勢いそのままに慶大が攻め続け、58分にはPA内で仕掛けた松木が倒され、PKかと思われたが、惜しくもシミュレーションの判定。大チャンスを逃した松木だったがその後すぐに同点弾を決める。62分山田融(総4・横浜F.マリノスユース)のコーナーキックを松木が得意のヘッドでネットを揺らし、早い段階で追いつくことに成功。70分に黄将健(総4・近畿大学附属高)、75分に手塚朋克(環2・静岡学園高)と攻撃的な選手を投入し、逆転を狙い攻め続ける。そして87分山田が蹴った高いボールに久保飛翔(環4・済美高)が相手GKに競り勝つ驚異的なゴールでついに逆転に成功。さらにロスタイムには途中出場の黄が相手DFに競り勝ち、ダメ押しのゴールを決め、試合を決定づけた。結果は4-2の快勝。後期リーグ戦開幕戦での逆転勝利で勢いの付く勝ち点3となった。

同点ゴールを挙げ、指を突き上げる松木

同点ゴールを挙げ、指を突き上げる松木

2点差からの逆転勝利、4得点という素晴らしい形で再スタートした慶大。だが、目標は関東リーグ優勝。前半のような展開が多くなれば目標を達成することは困難になる。「ピッチ内で戸惑いがあった」(久保)と特に守備面において修正するべき点が多くある。後半のような勢いのあるサッカーを見せながらも前半の修正点を改善し、安定した戦いぶりで勝ち点を積み重ねていきたい。

(記事 吉田遼平)

 

試合後コメント

 

須田芳正監督

(今日の試合を振り返って)初戦という節目のゲームであったので勝ち点3が欲しい試合でした。前半に2失点してしまったのですが、選手たちが強い気持ちを持って逆転したのでよくやったと思います。良いゲームでした。(前半はゲーム内容が悪く、後半は4得点となりましたが、何か変えたことはありますか。)前半は元気がなかったかなと思います。守備のブロックの位置が少しひくかったり、ボールに対して行けなかったりしてそれで相手のペースになって2点を取られてしまった。ハーフタイムにはまずは中を閉めようと、縦パスが結構入っていたので、チームとしてもう少し中を閉めてディフェンスしようということと、2点差だったので後半開始の10分が勝負だと思っていたので、前から前から行こうと思いました。1点取れば我々が有利になるのではないかと考えていたので、1点目を取れた時間帯が良かった。それからはもう我々のペースだったので夏場トレーニングをしていたコーナーキックで2点目を取れたのでそこの部分はハーフタイムの指示を彼らが体現できたのではないかと思います。(今後に繋がる今日の勝利でしたが)今年はチャンピオンを目指しての戦いということでこういう苦しい状況から逆転するというゲームで特に初戦というこの節目のゲームでできたのが良かったとは思うのですけどやはり、前半の反省点はしっかり修正しなければならないかなと思います。(端山豪選手がリーグ戦に出場しない試合が増えると思いますが)基本的には彼はプロですので、関東リーグには出場しないと思います。21歳という年齢はこの半年がサッカー人生の中ではかなり重要な期間になりますし、アルビレックス新潟も戦力として使いたいという意向なので基本的にはJリーグでやり、関東大学リーグには出場しないことになっています。(次節に向けて)リーグ戦なのでこれで終わりでは無いので今日の前半の守備面はしっかりと修正しなければならない。ボールになかなか行けない、ボールを奪ってもすぐロストしてしまうところは修正しなければならないし、テーマとしてずっとあげている切り替え、セカンドボール、ラインの上げ下げなどをまたしっかりと確認してから次のゲームに臨みたいと思います。

 

久保飛翔主将(環4・済美高)

(今日の試合を振り返って)前半は自分たちの作戦が全然上手くいかなくて、ピッチ内で戸惑いがあったのですが、ハーフタイムにしっかり意識統一をやったおかげで後半はスムーズに試合に入れましたし、良い時間に点が入って、逆転することができたので、今後に繋がる良いゲームができたと思います。(勝ち越しゴールとなったゴールを振り返って)無我夢中で前期は勝たなければならない引き分けの試合が多くて今日みたいな試合も絶対に勝たなければならないという意識があり、ゴールに対する執念もすごくありました。正直、よく分からないゴールでした。(今日は後期リーグ戦の開幕でしたがチーム目標と個人目標を改めて教えてください)チーム目標としては関東リーグ優勝です。個人の目標としてはマッチアップするFWは絶対に抑える、絶対に点を取らせないとことです。(次節駒澤大学戦に向けて意気込み)どこが相手でも一戦一戦ひた向きに戦うということには変わりなくて、優勝を目指す上では一戦も落とせませんし、後期は上位と下位に分かれていくと思うので、去年は上位についていけなかったので今年こそは絶対に目標を達成したいと思います。

 

井上大(総3・国学院久我山高校)

(今日の試合を振り返って)前半は相手のサッカーにのまれてしまった部分がありました。なので、後半は監督からも「前に行こう」という指示があったので、チーム全体を押し上げて、前線から守備をするようになったので、それが上手く機能したと思います。(自身はシュートを決めて果敢に攻めながらも、前半は2点を追う展開だったが)試合前に自分たちで対策もたてているのですが、それよりも相手のゆっくりパスをつないでくるサッカーに合わせてしまったことが、前半0-2になってしまった原因だったと思います。(後半から動きが良くなり、同点になった後に相手のファウルを受けて顔を覆う場面もあったが、DFとして相手の焦りは感じたか)相手の焦り、というよりも(田中)健太が1点を取って、流れが慶應に来たな、というのを感じました。相手は声が出なくなっていて、完全に慶應の流れになった、と感じる瞬間もありました。(今日は逆転勝ちだったが、次節に向けて意気込みを)今日は4点取れた、ということよりも、前半に2失点してしまったことをしっかり反省したいと思います。次の試合に向けて、また1週間準備をしていきたいと思います。

 

田中健太(法2・横浜F・マリノスユース)

(久しぶりのリーグ戦だったが試合前の気持ちは)今日の気持ちは、前期色々と悔しい思いがあったので、その気持ちをかみしめて、原動力にして戦おうと思っていました。(プレーについての自己評価は)前半はほとんど仕事させてもらえなくて、相手に自分たちFWの動きが読まれている中で、動き方を変えなければいけないし、逆に読まれている中で1つ変えることで相手より早く動くということができていなくて。後半は少し改善できたと思うし、点差もあって、やるしかないという割り切った気持だったので、DFラインも押し上げられたし、ゴールも良かったと思います。(ゴールを決めた時の気持ちは)後半のけっこう早い時間帯だったので、かなりうれしかったですし、自分のゴールで勢いに乗れたのが良かったです。(夏休みに取り組んだことは)夏休みは試合が多かったので、試合の中で運動量を多くプレーするというのを一番意識して、その中で裏への動きだったり、ゴールを決めるところだったりそういうところを意識していました。(次節に向けて)次に負けたら意味がないと思うので、連勝に繋げられる勝ちだと思っているので、しっかりと準備して勝ちたいと思います。

 

松木駿之介(総1・青森山田高)

(ケガからの復帰戦となったが感触はどうだったか)復帰してずっと調子が上がらない中で監督が使ってくれて、その期待に応えられたことがすごく嬉しいです。(試合を振り返って)前半は僕たちが裏を狙っていたんですけど、でもたぶん相手も対策していてそこがハマらずに相手のやりたいパスサッカーをやらせてしまって、相手のボランチに対していけなくてずるずる引いてしまったことでリズムが相手に移ってしまって、前半は非常にやりにくいゲームでした。その中で後半、前から圧力をかけて相手に自由にやらせない、1点を早い時間帯にとってたたみかけるっていうプラン通りにやれたので、そこはすごく良かったと思います。(それはハーフタイムに監督から指示があったのか)ハーフタイムに監督自身たぶん余裕もあって、なんか未来見えてたんじゃないかなってくらい落ち着いていて、そういうことをやろうということで、選手たちも落ち着いてやれました。(自身のゴールシーンを振り返って)今日の試合ずっと融くんのキックが近いサイド、僕のところに来てたので、あの時はすごく狙っていて、元々バックヘッドっていうのは僕のすごく得意な形なので、その得意な形で点を取れてよかったです(久々のゴールは気持ちよかったか)ずっとサッカーできなかったので、その期間天皇杯とか負けてそういったのをスタンドから見ていて、本当に試合に出て点を決めてチームを勝たせたいなっていう思いでやっていたんで、すごく嬉しかったです。(最後は足が攣ったのか)足、攣りました(笑)。体力不足です。(次の試合に向けて意気込みを)今リーグ戦で直近の国士大戦含めて2試合で3点決めているので、リーグ戦でのこの勢いを自分で止めずに満足せずに次も貪欲にゴールを狙っていきたいです。

 

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