慶大バスケ部初の試みとして、力を入れて準備してきたホームゲーム「Unite」が日吉記念館で開催された。慶應義塾とそれを取り巻く人々との絆をコンセプトに据えたこのゲームは、部員の願い通りたくさんの来場者に恵まれ、慶大応援席はこの試合の為に制作されたオリジナルTシャツを身につけた観客で満員となっていた。
2015/10/17(土) @慶應義塾大学日吉キャンパス記念館 | |||||
第91回関東大学バスケットボールリーグ戦 13日目 vs白鴎大 | |||||
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
慶大 | 14 | 14 | 17 | 17 | 62 |
白鴎大 | 17 | 19 | 10 | 17 | 63 |
◆スターティングメンバー | |||||
PG | #13 西戸良(総3・洛南高) | ||||
SG | #21 鳥羽陽介(環1・福大大濠高) | ||||
SF | #5 大元孝文(環4・洛南高) | ||||
PF | #4 福元直人(環4・福大大濠高) | ||||
C | #7 黒木亮(環4・延岡学園高) | ||||
◆主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)◆ | |||||
#5 大元孝文 18得点 #22 トカチョフ サワ(環2・國學院久我山高) 13得点、12リバウンド |
1Q、熱いエールを送る観客の期待に応えるかのように、開始4秒で鳥羽がフリースローを獲得。まずは1点を得る。しかしスリーのチェックが甘くなってしまった慶大は白鴎大に8連続得点を許してしまう。出だしから追いかける形になったが、大元が1対1から得点すると、ドライブから西戸が、サワのアシストを受けて黒木がそれぞれシュートを決め、少しずつ点差を縮めていく。白鴎大も手を緩めず確実に得点してくるが、黒木、西戸、サワによる5連続得点で点差を3点に抑えた。
2Q、開始早々サワがフリースローを獲得。続いて大元がフローターを決めた。粘り強いディフェンスで白鴎大に迫る慶大。鳥羽、高橋(政2・慶應義塾高)も得点し同点に追いついた。ここまで慶大のフリースローの精度は低く、この時点で入ったのは12本中5本であった。その隙をついて白鴎大は点を重ねていく。再び点差が8点になったところで慶大はたまらずタイムアウト。残り1分で黒木が得点、さらに鳥羽がこの試合慶大で初めてフリースローを2本とも沈めたが8点ビハインドで前半を終えた。
3Q、最初に得点したのは白鴎大。開始2分で大元がフリースローを3本獲得し、2点を得る。さらに福元のアシストからサワが決めると、大元が3Pを含む連続得点で勢いをつける。しかし白鴎大もだまってはいなかった。残り6分から3分間で8連続得点をし、慶大はタイムアウトを要求。ここで立て直しに成功した慶大は福元、サワ、大元が得点し、1点差に縮め最終Qへ。
4Q、息が詰まるような怒濤のシーソーゲームが展開された。サワ、大元が決めれば白鴎大もそれに対抗するように得点する。慶大は24秒を守りきるなど、ディフェンスでも粘りを見せていた。高橋やサワ、黒木らが得点したが、残り1分20秒で慶大56-61白鴎大と5点ビハインドの状態。ここで主将福元が気迫を見せ3Pを沈めた。さらに福元のアシストから黒木がバスケットカウントを獲得。ボーナススローも沈め、残り34秒の時点で逆転に成功し慶大が1点リード。続くプレーで白鴎大がパスミスを犯し、慶大ボールでスタート。このとき見ていた誰もが慶大の勝利を確信した。しかし、西戸が放ったシュートは惜しくもはずれ、白鴎大がこのリバウンドをキープ。そして残り0.4秒、西戸がディフェンスファールをとられ、相手にフリースローを与えてしまう。3本のうち2本を決められ、惜しくも1点差での敗北となってしまった。
プレーしている選手も、ベンチも、慶大の応援席も、最後は相手のフリースローが外れるように祈る事しか出来なかった。しかし負けた原因は最後のファールだけでは決してない。この試合慶大は与えられた18本のフリースローのうち10本しか決める事ができなかったのである。1つのシュート、1つのリバウンド、1つのチェック、それら全てが最後の1点差に響くということを痛感した試合だった。彼らは毎日毎日シュートの練習をしている。残り少ないリーグ戦で練習の成果をいかんなく無く発揮して欲しい。
(記事:宮﨑玲衣)