【ラグビー】善戦するも逆転トライで黒星を喫する/関東大学Jr選手権 明大戦

フィジカルを生かした突破で大暴れしたFL高家

勢いのある縦突破で大暴れしたFL高家

 

明大八幡山グラウンドで行われた、関東大学Jr.選手権。一つ前の試合では早大相手に白星・ボーナスポイント獲得と勢いに乗る慶大。明大相手には接戦での勝利が期待された。立ち上がりは慶大の持ち味を発揮。的確なパス回しからの縦突破と、観る者を楽しませるスピード感のあるラグビーを展開する。ディフェンスでも、チームで連携して体の大きな選手を食い止め、前半はリードで折り返す。しかし迎えた後半。復調した明大を止め切れることが出来ず、開始直後からトライを奪われてしまう。一進一退の攻防を繰り返し、最後は後半80分の明大のトライで逆転負け。連勝をストップさせてしまった。

 

 

関東大学Jr.選手権 vs 明大

2015/10/25(日)13:00K.O.@明大八幡山グラウンド

 

得点

慶大

 

明大

前半

後半

 

前半

後半

PG

DG

17

14

小計

12

22

31

合計

34

 

得点者(慶大のみ)

 

T=松岡2、竹田1、小原1、澤根1

 

G=古田3

 

 

出場メンバー

ポジション

先発メンバー

交代選手

1.PR

長尾 昂(環3・茗渓学園)

→19 堀切 厚輝(環3・國學院久我山)

2.HO

松岡 大介(環3・小倉)

 

3.PR

大塚 健太(環4・國學院久我山)

→18 出口 桂(商4・明善)

4.LO

吉田 雄大(総2・秋田)

 

5.LO

太田 周造(政3・慶應)

 

6.FL

竹田 和正(法3・慶應志木)

 →19 辻 雄康(文1・慶應)

7.FL

高家 章徳(商4・慶應志木)

 

8.No8

永末 千加良(法2・慶應)

 

9.SH

中鉢 敦(経3・慶應)

 

10.SO

古田 京(医1・慶應)

 

11.WTB

小原 錫満(総1・東海大仰星)

 →23 宮本 瑛介(経1・慶應)

12.CTB

堀越 貴晴(総2・茗渓学園)

 →22 木口 俊亮(経3・仙台三)

13.CTB

古橋 純(理4・千種)

 

14.WTB

澤根 輝賢(総4・佐倉)

 

15.FB

楠本 遼(経3・慶應)

 

 

 

スクラムの安定を担ったPR大塚

スクラムの安定を担ったPR大塚

慶大のキックオフで試合が始まると、立ち上がりは慶大優勢で試合が進む。前半3分。自陣で明大のスクラムからターンオーバーに成功。そこから順目にボールをつなげ、徐々に陣地を獲得していく。最後は、CTB堀越、FB楠本からWTB小原のトライ。その後も相手陣で試合を進めていく。相手ボールのスクラム、ラインアウトにも対応し、正確なパスで素早く試合を展開する。29分には、アドバンテージ解消後、タッチキックからマイボールラインアウトを得る。ゴール手前でモール組むとそのまま押し込み、最後はHO松岡がゴールの右端にトライ。さらにSO古田が強い風にも見事なコントロールでゴールを成功させる。ここで流れに乗ると、前半32分。CTB古橋の正確なアシストからWTB澤根が大きくゲインしトライ。追加点を手にする。このまま相手をワントライに抑え前半を終えたい慶大だったが、明大も意地を見せる。徐々におされる場面が増えると、最後は相手のアタックのスピードに追い付けず、トライを許してしまう。しかし、前半は17-12と慶大の優勢で試合を終えた。

 

 

 

トライをアシストしたLO太田

トライをアシストしたLO太田

迎えた後半。前半の勢いを保ちたい慶大だが、明大も復調する。後半5分、素早いパス回しで慶大のディフェンスを破るとトライ。同点に追いつかれてしまう。その後は両者ともに風の影響からキックに乱れが生じ、思うように展開できない。試合が動いたのは13分。FL高家が大きくゲインし陣地を獲得すると、中鉢、LO太田と回してFL竹田がゴール中央にトライ。FW陣の力強い突破が発揮された。古田のコンバージョンキックも成功。後半27分には明大のスピードに圧倒され追い上げを受けるも、後半31分。古田の大きなゲインを起点として攻めると、接点で密集を作り、最後は松岡がトライを決めた。しかし試合終了間際ピンチを招く。マイボールラインアウトで慶大がボールを保持するものの、ペナルティを犯してしまう。明大のクイックスタートに対し、ディフェンスのセットが追いつかず、ビックゲインを許してしまい、まさかの逆転トライ。ここでノーサイドとなり、31-34で敗れた。

 

 

 

前半は、ディフェンスアタックともに慶大らしいラグビーが見られた。アタックにおいては、正確なパスとスピード感のある突破で着実に陣地を奪取し明大を圧倒する。ディフェンスにおいても体格の勝る明大相手に低く刺さるタックルで冷静に対応。「前半は今までの試合で一番良いディフェンスが出来た」(CTB古橋)と、我慢の時間に耐え、守りきるシーンが目立った。一方後半は、明大のスピードにディフェンスのセットが間に合わず、明大のペースで試合が進む時間が増えてしまった。逆転負けを喫したものの、互いの強みを出し合いながら終始接戦で進められた本試合。選手の獲得した経験値の大きさは計り知れない。次戦での躍動に期待だ。

 

 

【ケイスポ的MOM】攻撃のテンポを作る球出しで見せつけた存在感 

SH中鉢敦

アタックを勢いづける素早いパスを出した

アタックを勢いづける素早いパスを出した

 

 善戦が繰り広げられた中でこの男のプレーが光った。SH中鉢敦。的確な球出しと鋭い判断で順目に展開されるアタックのリズムを作り続けた。また、自らボールを手にすると、小柄な体格を生かした勢いのある縦突破で体格の大きい明大をかく乱。今季関東大学対抗戦初出場を果たすなど、頭角を現している中鉢。Aチーム定着を目指し、更なる成長を見せてくれることだろう。

 

(記事・室塚あす香)

 

 

コメント

FL高家 章徳

試合振り返って)アタックで良いゲインをすることが出来て、ディフェンスでは前半から前に出ていたので、チームとしても良い試合が出来たと思います。ただ最後の後半の10分で相手にペースを捕まれてしまいました。そこで慶大は勝負したかったのですが、相手に勢い付かせてしまい、最終的に負けてしまったので悔しい試合でした。(後半の慶大の失速の原因敵陣に入りたかったのですが、風の影響もあって自陣でプレーする時間が多くなってしまいました。そこでやはり相手の方が全体的に身体も大きいですし、体力を奪われて慶大のペースで出来なかったです。(やはり風の影響というのは大きかったか)そうですね、前半は本当にいい陣地の取り方が出来たのですが、後半は自陣に釘付けになってしまった。やはりそういう面では大きかったです。後はBKの判断として、キャリーした方が良いのか、それともキックを蹴った方が良いのかというところで判断のミスがあったのかなと思います。(慶大の速いパス回しが目立っていたが)僕はバックローなのでバックスの良い展開があったので、サポートがやりやすかったです。また、良いゲインを切ってくれたので、そのままサポートして次の攻撃が出来たので良かったと思います。

 

No.8永末 千加良

(試合を振り返って)オフェンスもディフェンスも慶大のやりたいことが出来たと思います。(ゲームプランは)明大の選手は体が大きいので、自分達の持ち味である低いタックルで相手を倒そうという、ローポジションがゲームプランでした。(自身のプレーを振り返ると)No8は初めてのポジションだったのですが、出来た部分と出来なかった部分があるので持ち帰って練習したいです。(具体的に出来なかったという部分は)No8はスクラムのコントロールなど色々な仕事があるのですが、もっと自分が上手く、球出しを早めたり、コントロールが出来ていれば円滑にゲームを進められたのではないかと思います。そこが反省点です。(ゲイン出来ている場面が多く見られたが)比較的、ボールを持った時は前に出ることが出来たかなと思います。(今後に向けて)自分の持ち味を生かして、チームの勝利に貢献していきたいと思います。

 

SH中鉢 敦

(試合を振り返って)ディフェンスする時間、我慢する時間が長かったです。一番最後のトライも詰めが甘くて、最後に取りきられてしまいました。(アタック面を振り返って)アタックはターンオーバーしたところやゲインしたところが良かったです。(SHからの展開が速かった)ラインブレイクなど大きくゲインしてくれたところが多かったので、それでテンポが上げられたのかなと思います。(中鉢選手自身のプレーについては)ボールを持ち出すことが僕の持ち味なのでそれを生かすことを目標に試合に臨みました。(この結果を踏まえて)厳しい試合になるとは思っていたのですが、勝てる試合だと思っていたので悔しいです。(ここからどのような練習をしていくか)まだ判断が甘かったところがあるので、キックやパスなどの判断を磨いていきたいと思います。

 

SO古田 京

(今日のゲームプランは)特に変わったことをするのではなく、今までやってきたことをやろうということです。ディフェンスを中心にしてきて、しっかり対応できたのは自信になりました。(ハイパントを多用したのは風が強かったからか)そうですね、ただ想定していなかったのであまり良いキックを蹴ることが出来ませんでした。だんだん後半の途中からうまく使えるようになったと思います。(アタックのテンポの意識は)ひたすら順目にアタックしようという話で、だいぶ効いていたので良かったです。明大相手にもしっかりトライを取れて、順目のアタックで通用できました。(終了間際に立て続けに失点してしまった)やはりあそこで自分がゲームをコントロールして勝つところまでもっていかないといけなかったので、しっかりビデオを見て反省したいと思います。(明大との対抗戦まであと1週間ですね)前回はベンチに入れたものの出られなかったので、もし選ばれたら出場できるようにしたいです。

 

CTB古橋 純

(試合を振り返って)前半は今までの試合で一番良いディフェンスが出来ました。相手がミスをするまで我慢してディフェンスし続けて、チャンスを伺うことができました。ただ、キックのミスが前半は多かったです。後半は、明大のリズムに乗られたりタックルのミスで簡単にトライを取られてしまうことが多かったです。(ディフェンスでの我慢が試合のテーマだったのか)明大の選手は体が大きいので、僕たちは低いタックルをし続けることをテーマにしていました。それを試合を通して継続できなかったところが反省点です。(自身を評価すると)あまり多くボールを触っていませんが、ボールを持ったらしっかりゲイン出来たのでよかったです。

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