【テニス】収穫あるも、慶大にとって厳しい大会に……/全日本学生室内テニス選手権大会

DSC_5066予選から勝ち上がり最後の砦となった押野紗穂(環1・つくば国際大学東風高)はベスト8。第1シードとして今大会に挑んだ安形玲耶主将(環3・城南学園高)・村瀬早香(環2・京都外大西高)組は無念のベスト4。共に、4回目のダブルスでのインカレベスト4だったが、惜しくも頂点には届かず。男子はすでに全選手が敗退しており、代替わり後初の学生大会は、慶大にとって厳しい結果となった。

 

 

 

全日本学生室内テニス選手権大会 

201512/4 @大阪・江坂テニスコート

女子シングルス QF

押野紗穂

0{1-6、2-6}2

加治(園田女大)

女子ダブルス SF

安形玲耶・村瀬早香

0{2-6、6(4)-7}2

加治・渡邉(園田女大)

 

気持ちのこもったバックを放つ押野

気持ちのこもったバックを放つ押野

予選から勝ち上がってきた押野。QFの相手は、第1シードの加治であった。「相手のパフォーマンスがかなり高かった」と押野が振り返るように予選から5試合目の押野には厳しい戦いとなった。ファーストセット第1ゲーム、ファーストサーブが一本も入らずあっさりとブレークを許してしまう。続くサービスゲームもブレークを許し、0-4とされた。しかし、第5ゲームはファーストサーブで流れを作りキープするも、ファーストセットはこの1ゲームしか奪えず、1-6で落とす。

 

セカンドセット、0-2で迎えた第3ゲーム。相手の2本のダブルフォルトでこの試合初めてのブレークチャンスをつかむと、このチャンスをしっかりと生かしブレークに成功した。しかし、最後まで相手のパフォーマンスは落ちることなく、2-6でセカンドセットも落としストレート負け。「勉強になった」(押野)試合であった。

押野の今後のさらなる飛躍に期待が懸かる

押野の今後のさらなる飛躍に期待が懸かる

安形(写真・右)・村瀬組はインカレでのリベンジを誓う

安形(写真・右)・村瀬組はインカレでのリベンジを誓う

届きそうで届かなかった学生日本一を目指し、SFに臨んだ第1シードの安形・村瀬組。しかし、「結果にこだわってやってきた」(安形主将)2人だったが、なかなかエンジンがかからない。ファーストセット、第1ゲーム。簡単に2つのリターンエースを許すなど、1ポイントも奪えずブレークさせる。続くサービスゲームも簡単にブレークされ0-4。ここからの2つのサービスゲームはしっかりとキープしたが、第6、8ゲームで訪れた15-40のブレークチャンスを生かせず、2-6でファーストセットを落とす。

 

ボレーを決めた村瀬

ボレーを決めた村瀬

なんとか流れを変えたいセカンドセット。しかし、ファーストセット同様、2つのブレークを許し、0-3とされる。ここから2人が意地を見せる。第4ゲーム。粘って、粘ってラリーを続けミスを誘いブレーク。続くリターンゲームでも安形主将が本来のフォアを見せ、流れを作ると、長いデュースを末にブレークバック。ここからお互いキープを続けセカンドセットはタイブレークに突入した。タイブレーク3-4で迎えた安形主将のサーブ。ここで試合が決まった。1本目をダブルフォルト、2本目はラリーになり、安形主将のショットが大きくオーバー。最後は村瀬のリターンがアウトになり万事休す。まさかのストレート負けで、3位で大会を終えた。

セカンドセットでは本来のプレーを見せる場面もあった安形主将

セカンドセットでは本来のプレーを見せる場面もあった安形主将

日本一へ歩き始めた新たな道。今大会こそ結果が出なかったものの、まだ歩み始めたばかりだ。日本一へのチャレンジのチャンスは、個人、団体ともあと1回ずつ。個人戦は5月の関東学生テニストーナメントを経由し、8月のインカレで。団体戦は、9月の関東学生リーグで2位以上となり、10月の王座で。このチャンスまでにどれだけ「化ける」(原荘太郎コーチ)ことができるのか。今後も慶大庭球部に期待したい。

(記事:太田悠貴)

※庭球部新体制企画を今月中に掲載予定です。ご期待の上、掲載までしばらくお待ちください。

 

【試合後コーチ・選手コメント】

原荘太郎コーチ

(押野選手は完敗でしたが、今後また当たる相手だと思います)相手のプレーが素晴らしかったという事実があって、加えて押野は予選から戦ってきて、相手との試合数の差がありました。押野は予選の辻選手との試合で4時間を超える試合をしてきたんですけど、そういう条件や球足が速いコートを相手は得意としている選手であったので、必ずしも次当たったときに同じ結果になるとは思わないんですけど、今日こういう相手と試合ができて本人もいい経験になったと思うので、次やるときは同じ結果にならないようにやっていきたいです。(ダブルスは出だしにつまづいてそのまま押し切られてしまった印象を受けるが)彼女たちは第1シードというのは今回が初めての経験だったと思うんですけど、そのプレッシャーに対して逃げてしまった部分があったのかなと思います。春の関東学生やリーグ戦で早大に勝った日の2人は同じように競った場面でも今日とは違う2人がいたと思うので、初心に帰ってやっていくことが重要だと思います。(アクシデントもあったが、厳しい結果になった今大会の男子の総括を)1年生のときからシングルス6本のうちの3本を務めてきた谷本真人、髙田航輝、渡邉将司の3人が引退して、その柱がいなくなったなかで、どう日本一になるかというチャレンジの年なので、今回の結果に関わらず、今まで出ていなかった選手にもチャンスがあって、「化けられる年」だと思うので、そこに対してやっていきたいです。(女子の総括を)いいニュースであったのは、押野が1年生ながらベスト8に残ったことですね。彼女は高2の夏まで全国大会に出たことがなくて、高2のインターハイでベスト8になった選手なんですけど、インカレでベスト16、今回のインドアで8に入ったということで、これで本戦に直接出られて環境が整ってくると思うので、本当にチャンピオンを狙えるポジションになったと思います。彼女としては本当に残念だったと思うんですけど、4時間を超えるゲームをものにできたこと、今までは自分のプレーが押し通せなかったときに王座のファイナルセットのように簡単に負けてしまうことがあったんですけど、今回の辻選手の試合のときに、押野の苦手な高いロブ合戦を仕掛けてきて200本くらいのラリーが続いたんですけど、それを押野が100本来たら101本返すというような気持ちで戦ってポイントをとって勝てたことが、小さいかもしれないんですけど、壁を破った瞬間だったと思います。結果だけでなく中身の部分でも今後につながる結果だったんじゃないかなと思います。あとの結果は、そこまで良いものがあったわけではないんですけど、女子も男子同様に西本恵と池田玲という柱がいたので、今日負けた2人が柱になっていくためには、今日では課題というものをクリアしていかなくてはいけないと思うので、1年間しっかりやっていきたいなと思います。

安形玲耶主将(環3・城南学園高)

(第1シードでしたが)そのことに対するプレッシャーは特になかったんですけど、シングルスは早々に負けてダブルス1本になって、やっぱりなんとしてでも結果を出さなくてはいけないと結果にこだわってやってきたつもりだったんですけど、まだそれが足りなかったということなので、反省するところをして次に向かいたいです。(セカンドセット、第3ゲームまでに2つブレークを許してから流れが変わったが、何か理由があったか)自分たちのミスかたゲームをとられてしまっていたので、もう同じミスはしないようにというところと、戦略の面でも少し変えた部分はありました。2つブレークを返した場面では頭を使ってプレーできていたと思います。

村瀬早香(環2・京都外大西高)

(第1シードでしたが)プレッシャーというのはなかったんですけど、でも第1シードの風格や雰囲気というものがなかったのかなと思います。今までの大会と同じような雰囲気で入ってしまって、プレッシャーとは違うんですけど、自分たちが一番であるという自信を持っていけばよかったと感じています。(セカンドセット、第3ゲームまでに2つブレークを許してから流れが変わったが、何か理由があったか)取り返した場面では、もう一度自分たちの武器だとか、やるべきことができていたと思います。

押野紗穂(環1・つくば国際大学東風高)

(第1シードに完全にやられてしまいました)そうですね。今日は、相手のパフォーマンスもかなり高くて、自分がいいようにやられてしまって、ボールに入れていないのに無理やり打ってしまっていたので、自分のプレーができれば、もうちょっとやられていなかったと思います。勉強になりました。(相手の深いリターンに苦しめられたが)深いリターンをされてしまう原因は自分のサーブにあると思うので、サーブ強化をしていかなくてはと思います。(またインカレで当たる可能性はあるが、何をやっていきたいか)予選から本戦1回戦までとは違ってテンポが速い相手なんですけど、それに対応できるようにフットワークとサーブを強化して、自分から攻められるようにしていきたいです。(今後に向けて)大学の試合は空くのですが、3月とかに国際大会があるので、本戦で勝ってポイントをとって上を目指してやっていきたいと思います。

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