【ハンドボール男子】格上相手に敗戦も見せた意地のプレー 早慶定期戦

女子戦に続いて行われた第63回男子定期戦。対戦相手の早大は今月行われた全日本学生選手権で準優勝した強豪だ。序盤から5連続失点を喫するなど、終始リードを許す試合展開に。後半GK藤岡洋(法4・慶應湘南藤沢高)のロングシュートが決まるなど一矢報いたが、最終的には22−39で敗戦。第33回以来の勝利とはならなかったものの、そのプレーは日吉に訪れた観客を沸かせていた。

 

第63回早慶男子ハンドボール定期戦

2015/11/28(土) @慶應義塾大学日吉記念館

 

 

慶大

 

早大

前半

23

15

後半

16

22

合計

39

 

 

主将としてチームをけん引した中田

主将としてチームをけん引した中田

 

 

 

序盤から力強いシュート見せ続けた木曽

序盤から力強いシュート見せ続けた木曽

 

試合開始から「分析していたことと真逆のことをしてきた」(中田主将)早大の攻めについていくことができず、わずか4分で5連続失点を許した。たまらずタイムアウトを取った慶大はその直後に木曽朋尚(経4・湘南高)のシュートで一点返す。だが全日本準優勝の早大が黙っているはずもなく、中盤の6連続得点、終盤の5連続得点など、どんどんリードを広げていく。慶大もサウスポーのエース北條皓次郎(経4・慶應高)と中田優磨主将 (総4・盛岡第一高)の2得点などで7点を取るも、「出ているだけで辛い時間もあった」(佐藤)というように辛抱の時間が多く、前半を7−23で終える。

 

 

 

 

 

 

 

攻撃の要であった北條

攻撃の要であった北條

 

後半も早大の攻撃に手こずるも、慶大も負けていない。4年生である、河内駿介(商4・東邦大東邦高)、木曽、中田主将、溝上晃弘(理4・桐蔭学園高)のシュートと途中出場した中村純(経2・慶應高)のミドルシュートが決まり応戦していく。早大は途中、反則で2人が退場となることもあったが、試合巧者ぶりを見せ、攻撃を緩めることなくリードを19点に広げる。このままズルズルといくと思われた試合だが、17分に慶大がタイムアウトを要求するとそこから流れがガラッと変わっていった。19分に溝上がゴールを決めると、21分にはGK藤岡が慶大の速攻に対しパスカットに出ていた相手GKの動きを見て、自陣ゴール付近からロングショートを放つ。ボールは綺麗な弧を描き、相手キーパーも必死に手を伸ばすも届かずゴールに吸い込まれていった。慶大応援席の前で生まれたスーパーゴールに日吉記念館に訪れた観客も大興奮の瞬間であった。このゴールを含めた5連続得点で点差を縮めていったが、その後は両者点の取り合いとなって試合終了。22−39で敗れはしたが、格上の早大相手に「少しでも食い下がれた」(中田主将)後半となった。

 

 

 

 

後半一気にギアを上げた佐藤

後半一気にギアを上げた佐藤

 

前半こそ地力の差を見せつけられた試合であったが、後半は手応えをつかめた試合となった。それでも早慶戦勝利を成し遂げることはできなかった。「勝ちたいという気持ちだけでは足りない。同じ舞台(1部リーグ)で早大とプレーしてほしい」(中田主将)。勝つには気持ちだけでは叶わない。そして1部リーグのハンドボールを体感しなければならないということを痛感させられた早慶戦でもあった。来季こそ、1部昇格と早慶戦勝利に向けての飛躍を期待したい。

(記事:森田 悠資)

 

 

 

 

 

 

 

 

中田優磨主将 (総4・盛岡第一高)

(今日の試合に向けてどんな準備をしてきましたか)主将として、まず自分がチームのみんなを引っ張って、早慶戦という自分のなかで一番の晴れ舞台で自分の背中を見せたいということで志を高めてやってきました。(今日の試合を振り返って)前半の最初は早大が僕たちが分析したこととは真逆のことをしてきて、全然通用しない部分があり焦ってしまって、かなり点差を離されてしまったのですが、このままズルズルいくかと思ったけど、チームで盛り上がって後半立て直せてそこは収穫だし、とても楽しかったです。自身のプレーを振り返って)やれることは全部やれたと思っています。後半チームの雰囲気も良くなっていきましたが)その時は最高に気持ちよかったです。早大は全国で2位という強いチームなので、そこに対して少しでも食い下がれたっていうのは収穫です。(主将としてこのチームを1年間まとめてきましたが)かなり大変でした。下級生の意見やOBの方々の意見もあり、かなりいざこざがあって色々問題もあったんですけど、最後は一つになれたってことは僕にとってすごく嬉しいことです。主将をやってきてよかったなと思っています。(この1年間このチームはどのように変化していきましたか)最初はバラバラなチームだったんですけど、早慶戦に勝ちたいという一つの目標に向けてみんなで一つになってやれたので、最終的にはまとまっていいチームになれたなと思っています。(後輩に向けて)早大相手に勝ちたいという気持ちだけでは足りないなと思っていて、同じ舞台(1部)に立って、同じ土台に立てばもっといい試合ができるし、会場を沸かせることができると思うし、そこは僕自身悔いが残っているので、後輩には1部を目指して欲しいと思います。

 

 

佐藤紘(商4・前橋高)

(今日の試合を振り返って)最初から流れが悪く、入りが悪かったなと思っています。最初は出ているだけで辛い時間もあったんですが、後半からチームとして巻き返そうということで、後半はいいゲームができたんじゃないかなと思います。(佐藤選手自身も後半一気にギアを上げたが)味方がいいボールをつないでくれた要因で、自分の力というよりも、決め切ることができたんですがキーパーがとってそれをパスでつないでくれた仲間がいてくれたからこそだと思っています。(最後の早慶戦となったが)僕は4年生なんですが初めての早慶戦出場で、去年は機会がなくすごく悔しかったので今年は絶対出たいと意気込んでいて、その中で早慶戦に出場することができてうれしかったですし、出ただけじゃなくその中で活躍できてよかったです。できればチームを勝たせたかったんですが、それができなかったことが唯一残念だなと思っています。(後輩に向けてメッセージ)今年の早慶戦では負けてしまったのですが、相手のホームですけど来年絶対に勝って、胴上げをして今年の借りを返してほしいなと思っています。

 

北條皓次郎(経4・慶應高)

 (試合を振り返って) 秋リーグも出だしがすごく調子悪く最後の試合でも同じようになるのかと思ったんですけど、後半は今まで以上に修正できた部分があったので、良かったです。(後半への切り替えは)後半30分悔いのないように全部やろうという感じでした。(自身の調子)調子は絶好調だとおもったんですけど、思った以上に早稲田が強かったなという印象です。(今日の試合への意気込み)やはり最後ですし、自分自身は1年の時からこの時期は毎年怪我をしていまして、3年連続で手術をしていたので、最初で最後の早慶戦出場だったので最後に悔いが残らないように全力でやろうという意気込みでした。(この1年を振り返って)唯一けがなくやれた年だったので、自分自身としてはとても充実していましたし、この仲間と4年間やれてよかったです。 (後輩へ伝えたいこと)けがをしないでほしいなということですね。自分自身、それですごく苦労したので、4年間悔いなくやるためにはそれが一番かなと思います。

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