【バレーボール】3回戦突破も中大に力負け・・・8強入りならず 姫路獨協大戦、中大戦

 ベスト4進出を目指す慶大。前日の越谷市民総合体育館から舞台を東京武道館に移して、決勝トーナメント3回戦、4回戦を戦った。3回戦では姫路獨協大(関西学連3部3位)に勝利した慶大であったが、4回戦で中大(関東学連1部9位)にストレートで敗北。昨年に続きベスト16で大会を終えた。

12月2日(木) 全日本インカレ 3回戦、4回戦  @ 東京武道館

3回戦 姫路独協大

得点
慶大 セット 姫路獨協大
25 23
25 14
25 17
 

レシーブに入る間宮

戦前は慶大の快勝が予想された姫路獨協大戦だったが、第1セット、思わぬ苦戦を強いられた。序盤こそリードする展開で試合は進んだものの、姫路獨協大セッターの上手いトスワークで慶大は的を絞ることが出来ず、中盤で逆転を許す。さらに慶大は焦りからかミスが目立ち、一時は16-20と4点の先行を許し、番狂わせの予感すら漂った。しかしそこでチームを救ったのはエースの間宮(政2)。ミスが絡んだ連続失点をスパイクで断つと、そこから慶大は反抗をみせ、21-21と同点に追い付く。そして23-23から、再び間宮が移動攻撃で得点すると、最後は村上(法2)がようやくこの試合チーム初のブロックを決め、苦しみながらも慶大がこのセットをものにした。

4本のブロックポイントを挙げた星谷

第2セットは序盤から終始慶大リードの展開。中盤では村上のサーブで相手を乱し5連続得点を挙げるなど慶大が姫路獨協大を圧倒した。最後は再び村上がブロックで締め、勝利に王手をかけた。

迎えた第3セットもスタートから間宮、山本(環2)の連続スパイクポイントなどで慶大が主導権を握る。姫路獨協大もサウスポー選手の活躍などで追いすがるも、中盤更に連続得点を挙げた慶大が突き放し、最後は姫路獨協大のホールディングの反則で試合終了。セットカウント3-0で慶大が4回戦への進出を決めた。

 

4回戦 中大

得点
慶大 セット 中大
21 25
22 25
10 25
 

ブロックを切り裂く間宮

慶大にとっても中大にとっても上位進出を目指す上で大一番となったこの試合。第1セット、スタートこそ中大に3点を先行された慶大であったが、慶大は山本、岡田(商1)のサービスエースなどで、早い段階から同点に追いつく。そこからは中盤まではお互いがサイドアウトを繰り返す白熱した展開。その中で慶大はベンチも、サーブで狙われていた山本を早い段階でレシーブの良い川村(環2)に代えるなど、勝利へ向けいつになく積極的に動く。しかしそれでも慶大が流れをつかみきれないでいる中で、中盤、一方の中大がエース・千々木のスパイクで流れをつかむ。食らいつきたい慶大だったが、大事な場面で、コンビミス、アタックラインの踏み越しなどのミスを犯し、試合は中大ペースに。後手に回った慶大は、なんとか中大を乱したいところであったが、リベロを中心とした中大守備陣はこのセット最後までミスなく、盤石。慶大は中盤に離された点差を追いつくことが出来ず、21-25で第1セットを落とした。

中大のスパイクを止められない

第2セットは序盤から中大のサーブに守備が乱され、6連続失点を喫するなど苦しい展開。大量リードを許す展開で終盤まで展開する。しかし中大が大量の選手交代でもたついている間に慶大は星谷(理1)や村上のクイックなどで追い上げを見せる。しかし、やはり序盤に許したリードがあまりにも大きすぎた。最後もセットポイントを握られてから怒涛の4連続ポイントなどで食い下がった慶大であったが追い上げ及ばず、22-25でこのセットも落とし、いよいよ後がなくなった。

後のない第3セット、慶大はスタートこそ競り合うものの、5-7からまさかの8連続失点。ミスが噴出し、攻撃もことごとく相手に切り返される手詰まり感の中、ベンチは司令塔の小池(環4)を下げてまで2枚換えを敢行。必死に状況を打開しようとするも、悪い流れを変えることが出来ない。その後も慶大がミスを連発する中で、中大は終始安定したプレーで慶大に付け入るすきを与えず、結局このセット10-25。慶大がストレート負けを喫した。

2年連続全国ベスト16に終わった慶大。しかし強豪・中大に肉薄した第1セットは、「陸の王者」の名に恥じない、素晴らしい戦いだった。今年は40年振りの1部リーグ戦や、23年振りの早慶戦勝利など、慶大バレー部にとって歴史的な1年となった。しかし1,2年生主体の慶大はまだまだ進化の可能性がある。長い年月を経て、強豪としての新たな歴史を切り開く慶大バレー部の活躍から今後も目が離せない。

By Kenji Okamoto

 

 コメント

 宗雲監督

(今日の試合を振り返って)実力通りでしょう。1試合目もたついたのはそういう弱さがあるし、2試合目向かっていって良いプレーもでるけど、3セット取る力がないというのも、実力通りかなと。そういう話は学生にもしたので。でも最後は私の采配ミスもあるかな。(中大戦は早目の交代など、いつもより采配が積極的)後手に回るわけにいかないので。それに山本が狙われると情報も入っていたので、ピンチレシーバーを入れるのは折り込み済みでした。やはり先手取られるとチャンスがないので。20点くらいまでは競らないといけなかったのが、上手くいかなかったです。(一年を総括して)春は昨年までのエースの井本の穴を岡田、星谷で埋めるのには荷が重かったのですが、彼らが成長してくれた。あとはケガや病気などアクシデントもあった中で日々の練習のモチベーションを上げようとしていた4年生は大変だっただろうなと。下級生のモチベーションが「自分達の代」というのがなくてどうしてもバラバラでしたので。4年生は大変だっただろうと思います。

小池主将

(今日の試合を振り返って)勝ってベスト8に行きたいっていうのはみんなの気持ちとしてあったとは思いますけど、力及ばずというか、こちらが調子が悪いわけではなかったしこれが実力なのかなと思います。(勝敗を分けたポイントは)全てにおいてというか、レシーブも中央のほうが上だったし、ブロックも強かったしサイドスパイカーの決定力もやっぱりむこうのほうが上だったので…。力負けかなと全ての面において思います。(慶應の持ち味は出せましたか)そうですね。終盤崩れたりはしたんですけれど、終始自分達の力が出せなかったということはなかったと思います。(ベスト16という結果は)やはり悔しいなと。ベスト8に入って、4に挑戦したいっていうみんなの気持ちがあったので、そういう点ではもう少し勝ちたかったなあというのはあります。力が足りなかったです。(次のチームに期待することは)下級生は本当に1年間よく頑張ってくれたと思います。それでも1部では勝てないというのが結果としてあって、今のままではだめだっていうのはこの1年でわかったことだと思うので、そういう面で現状に満足せず、チームとして堂々と戦えるようなチーム作りをしてほしいなと思います。僕達には残念ながらできなかったです。

鈴木

(今日の試合を振り返って)勝つチャンスがないわけではなかったので、まあ少ないチャンスを狙っていったんですけど…。秋以降のシーズンでは1、2セット目に限っては良い試合が出来たので、その前少し慶関戦から難しい流れが続いていたので、ひとつ良いかたちを作れたので良かったとは思いますけど、やっぱりすっきりしないものはあります。(中大に対しての対策は)トーナメントが決まったのが一昨日なので、対策という程のものではないんですけれど、中大は強いサーブとパイプが特徴なのでそこにはしっかりと照準をあわせて意識レベルでは対策をしようということになっていました。(個人では全力をだせたか)自分自身としてはもっと良いときっていうのはあったんですけど、今日出せるベストは出せたんじゃないかなと思います。(勝敗をわけた要因は) 勝ってきた経験が少ないっていうことはあると思います。今シーズン1年を通じて日本で1番勝てていなかったチームのひとつだと思うので、そういう勝ちパターンの作り方とか戦い方が甘かった。経験不足だったかなと思います。(4年間を振り返って)1年のときは3部から始まってとても自分達が1部でプレー出来るなんてことは夢にも思わなくて、自分達の実力を100パーセント出して運にも恵まれて1部にも上がれて…。いろんな意味で下級生には本当に良い思いをさせてもらいました。充実した4年間だったと思います。(下級生へ伝えたいことは) とにかく勝利を重ねていってほしいなと思います。1勝することでみんなで喜びあえるのがバレーボールをやっている意味だと思うので、そういうところをもう1回確認して来年はひとつでも多く勝ってほしいなと思います。

出場選手(姫路独協大戦)

 ポジション 名前(学部学年)
 レフト   間宮 秀太(政2)
 レフト   岡田 拓己(商1)
 ライト   山本 悠登(環2)
 センター  星谷 健太朗(理1)
 センター  村上 拓也(法2)
 セッター  小池 聡司(環4)
 リベロ   中出 祥平(環2)
 途中出場  鈴木 陽太(医4)
                  小林 隆佑(文2)
                  前田 優介(環2)

出場選手(中大戦)

 ポジション 名前(学部学年)
 レフト   間宮 秀太(政2)
 レフト   岡田 拓己(商1)
 ライト   山本 悠登(環2)
 センター  星谷 健太朗(理1)
 センター  村上 拓也(法2)
 セッター  小池 聡司(環4)
 リベロ   中出 祥平(環2)
 途中出場  鈴木 陽太(医4)
         是澤 佳次郎(経3) 
         川村 昌平(環2)
         小林 隆佑(文2)
         前田 優介(環2)

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