WCとして本戦初戦に臨んだ村瀬早香(環2・京都外大西高)が、故郷で躍動した。相手は自分よりランキング上位の高校生。「意識しないようにしていたが意識してしまった」という村瀬であったが、ファーストセットを接戦でものにする。その後も落ち着いた試合運びを見せ、危なげなく勝利した。村瀬は2回戦で第1シードとの対戦となる。
島津全日本室内テニス選手権大会 女子シングルス1R
2016/2/22 @島津アリーナ京都
女子シングルス1R
村瀬早香 | 2 {6-4、6-3}0 | リュー理沙マリー(沖縄尚学高) |
故障の影響で12月初旬の全日本学生室内テニス選手権大会以来の実戦となった村瀬。「この大会にも間に合わないかもしれなかった」という、決して万全ではないコンディションで試合に臨んだ。相手は、高校生。「ランキングは上とはいえ、年下に負けるわけにはいかない」という高いモチベーションで試合に入った。しかし、最初のゲームで40-0からまさかのブレーク。「あれ?という気持ちになった」という村瀬だったが、バックのストレートが深く決まりブレークポイントを迎えると続くポイントで相手がネットにかけ、すぐさまブレークバックに成功した。続くゲームをキープし、第4ゲーム。デュースが続いた末にブレークすると、その後はお互いに5-3で村瀬のサービスゲームを迎える。40-30と、一時はセットポイントを握るも相手にブレークバックを許した。しかし、今日の村瀬はここから流れを渡さなかった。深いボールを的確に打ち分け、長いラリーに持ち込み相手のミスを誘う。そしてこのゲームをブレークし、6-4でファーストセットを奪取した。
セカンドセット、村瀬はファーストセット同様に最初のゲームでブレークを許す。しかし、第2ゲームでブレークバックをし、2-1で迎えた第4ゲーム。30-40とブレークポイントを握ると、長いラリーからドロップで相手を前につり出してのロブ。絵に描いたような完璧なポイントで会場を沸かせブレークする。第5、6ゲームはお互いにデュースまで持ち込まれるもキープで4-2。第7ゲームにミスからブレークバックを許した村瀬だったが、ファーストセット同様、直後のゲームで粘って長いラリーに持ち込み、相手のミスを誘う。ここで再びリードを奪うと、キープし6-3。ストレートで村瀬が相手を退け、ベスト16進出を決めた。
サーブからの早い攻撃を武器とする村瀬だが、今日の試合では、ラリーで主導権を握られたときの粘りが光った。そして、ラリーでのミスの差が勝敗を分けたことは間違いない。この勝利で2回戦に駒を進めた村瀬。第1シードに対して一矢を報いることはできるか。注目したい。
(記事:太田悠貴)
【選手コメント】
村瀬早香(環2・京都外大西高)
(今日の試合を振り返って)相手が高校生ということを最初を意識しないようにしていたんですけど、結局勝たなきゃと思って緊張してしまいました。試合前に相手の情報を聞いていて、「同じボールを打ち続けないように」と気を付けていたんですけど、それでスライスを混ぜたりはできました。しかし結局、後手後手になってしまった試合だったのかなと思います。(ブレークが多く落ち着かない試合だったが)サーブに自信があるので、最初にブレークされたときはドキッとしたんですけど、相手もビッグサーバーではないのでチャンスはあると思っていました。第2ゲームにブレークバックをできたのがよかったですね。(ファーストセット、セットポイントからブレークされた場面はどう切り替えたか)あんまりゲームは意識していなくて、確かに5-5になると嫌だなとは思ったので、そこのリターンで攻めようと。普段ダブルスもよくやっているので、それが生かせたかなと思います。(インカレインドア後にけがをされたと思うが、今日に向けてどのように調整してきたか)1か月半、テニスはしていなくて、復帰してからは「言い訳をせずにやり続ける」ということを意識してやっていました。部内戦でも勝敗に一喜一憂せず、継続してやり続けてきました。(けがについて教えてください)左足の軽い疲労骨折で、この大会も間に合うか微妙だったんですが、間に合ってよかったです。でも、調子のいいときに比べるとまだちょっと動きが鈍いかなと笑(次は第1シードとの試合となるが)自分のできることを全力でやるだけですね。けがをしていたからとか、第1シード相手だからとか、言い訳せず全力を出したいです。