【準硬式野球】反撃はねのけ雪辱果たす! 関東大会vs早大

3月18日(金)関東地区大学準硬式野球選手権大会第一回戦@早大東伏見グラウンド

好投で早大打線を苦しめる猪砂(政3)

好投で早大打線を苦しめる猪砂(政3)

今季初の公式戦、関東大会一回戦。相手となったのは、昨年の同大会で1−21の大敗を喫している早大。一年前の忘れられない悔しさを晴らすべく、熱き戦いが始まった。慶大は、初回から二塁打を3本放つ猛攻で勢いに乗り、相手のミスなども絡んで5回終了までに8−1とリードを広げた。しかし6回裏、それまで猪砂雄介(政3)の好投を前に沈黙していた早大打線が目を覚ます。次々とヒットを放ち一挙に3得点すると、そのまま2点差まで詰め寄った。この反撃に刺激を受けた慶大は、9回表で上位打線の連続ヒットにより2点を追加。リードを守り抜き、見事運命の一戦を制した。

 

12

13

早大

14

慶大:○猪砂、竹原、村石―有賀

早大:●矢坂、田中、内田、山口―齋藤、蘆野

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[7]

渡邊勁介(商3・慶應志木)

[1]

猪砂雄介(政3・立命館宇治)

[4]

井筒陽介(経2・慶應湘南藤沢)

[5]

大島一輝(総2・桐朋)

[8]

大瀬裕太(商3・桐朋)

[9]

大町怜央(政1・修道)

 

嶋内隆介(政2・慶應義塾)

 

田口勝康(商2・慶應義塾)

[3]

福田淳史(政3・埼玉県立春日部)

[2]

有賀慎一郎(商2・慶應湘南藤沢)

[6]

城下陸(文1・静岡県立韮山)

 

竹原雅貴(理2・横浜翠嵐)

 

村石就昭(経1・慶應志木)

先攻の慶大は1回表、1番の渡邊勁介(商3)が二塁打を放つと、「トーナメントで勝つためには先制が不可欠」と織戸監督が語るように、スクイズでまずは1点を先制。その後も2死から4番大島一輝(総2)、5番大瀬裕太(商3)が連続で二塁打。初回で2得点を挙げた。3回表の攻撃では、相手の守備の乱れでもらったチャンスをものにし、ここでさらに3点を追加。6−0と慶大がリードを広げた。

先制スクイズを決めた井筒(経2)

先制スクイズを決めた井筒(経2)

慶大の先発は主将・猪砂。抜群のコントロールと変化球で打者を翻弄し、早大打線はなかなか得点を挙げられない。

2打席連続タイムリーを放った大瀬(商3)

2打席連続タイムリーを放った大瀬(商3)

猛打賞となった大町(政1)

猛打賞となった大町(政1)

5回表、四球で出たランナーを連続ヒットで返すと、その後も2度の四球をもらい、得点。その裏を猪砂が抑え、5回終了のスコアは8−1。慶大の一方的な攻撃に思えた。

ピンチを迎えマウンドに集合する選手たち

ピンチを迎えマウンドに集合する選手たち

ところが6回裏、徐々に浮いてきた猪砂の球を早大打線が捉え4安打、3点を返した。ここから早大の反撃が始まり、続く投手の竹原雅貴(理2)からも二塁打2本を打つ。内野のエラーも絡んで7、8回で2点を取った。慶大も負けじと追加点を挙げるも、8回終了のスコアは10−8と2点差まで追い上げられる。

迎えた9回。何が起こるかわからない展開のなか、少しでも点差を広げたい慶大。1番、2番がヒットで出塁すると、3番井筒陽介 (経2)の痛烈な二塁打、大島の内野安打でランナーを返し2得点。点差を4点とした。その裏、本塁打を浴びながらもリードを守り、12−9で試合終了。決して簡単な戦いではなかったが、見事勝利し昨年の雪辱を果たすことができた。

この試合を通して、打線がつながるという強みを見せた一方で、守備の乱れが目立ってしまう場面も見られた。ボールやグラウンド状態などの原因もあったのかもしれないが、次戦からは守備でもバッティングに負けないくらいの魅力をアピールしてほしい。

だが、慶大の魅力は技術的な面だけではない。高校野球では緊張やプレッシャーで自分らしいプレーができなくなる選手も多いが、慶大の選手たちはとてものびのびと野球をしている印象を受けた。そのような良い精神状態のなかで、一人一人の強みを存分に生かすことができているのではないだろうか。

絶対に勝ちたい相手との初戦を制した慶大。しかし、目標は全日本大会出場だという。昨年は3回戦で早大に敗れてしまったが、同じ相手に勝った今、目標達成に向けて弾みがついたに違いない。今後の戦いに期待が高まる。

記事 鈴木優子

◆打撃成績

 

 

[7]

渡邊

右2

 

三失

遊ゴロ

四球

 

三ゴロ

 

遊安

[1]

猪砂

投犠打

 

遊ゴロ

左失

二ゴロ

 

打①

 

右安

[4]

井筒

一犠打①

 

三失

一ゴロ

 

一飛

二ゴロ

 

左2①

[5]

大島

右2

 

四球

 

遊ゴロ

死球

 

四球

二安①

[8]

大瀬

左中2①

 

中安

 

四球

四球

 

二ゴロ

見三振

[9]

大町

中飛

 

二ゴロ

 

一安

遊安

 

右安

 

 

嶋内

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

田口

 

 

 

 

 

 

 

 

二ゴロ

[3]

福田

 

三ゴロ

二失

 

右安①

投ゴロ

 

捕邪飛

 

[2]

有賀

 

右飛

見三振

 

投飛

 

死球

遊直

 

[6]

城下

 

二ゴロ

 

一ゴロ

四球

 

投失

 

 

 

竹原

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村石

 

 

 

 

 

 

 

 

二ゴロ

 

◆投手成績

 

投球回数

打者数

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

○猪砂

28

88

竹原

12/3

12

36

村石

11/3

18

 

◆監督・選手コメント

織戸晃監督

(初戦から早大と当たりました)とにかく僕たちは、初戦の早大を必ず破るという気持ちで2月から練習や春合宿をしてきたので、接戦とはなりましたが勝てて本当に良かったなと思います。(今日の試合展開は)今使っているボールが、普段リーグ戦で使っているものではなくて、ケンコーボールといって非常に良く飛ぶものなんですね。だから点差が何点あっても、セーフティーリードはないなと感じました。3点4点とリードしていても、いつひっくり返されるかわからないという展開でした。(早大はDH制を採用していましたが、慶大はしていませんでした)先発ピッチャーのバッティングが良いので、彼に打たせたいんですね。だからDH制を取らずに、先発ピッチャーを2番に置いて打線に入れました。ピッチャーでありながら、非常に大事なバッターです。(投手交代のタイミングについて)結果としては成功しました。それはあくまでも結果であって、3人の投手が精一杯投げてくれたので勝てたのだと思っています。(初回からスクイズを使っていました)トーナメントで勝つためには先制が不可欠なので、まずは1点を取りにいきました。(次戦に向けて一言)僕たちは代が変わってからずっと関東大会で優勝することを目指してやってきたので、何としてでも次の試合はもちろん勝って、次へ次へと進んでいきたいと思います。

 

猪砂雄介主将(政3)

(今日の試合を振り返って)この試合に勝つことをずっと目標としていたので、一つ勝てて嬉しいというのが率直な思いです。(初戦の相手から早大だった)抽選でピンポイントに当たってしまったんですけど、普段の練習試合の時から初戦にフォーカスを置いていて、その成果が初回からいきなり出たので、良かったと思います。(ご自身の投球を振り返って)途中まで上手くかわせていて、それが僕の投球スタイルなのでそこは良かったです。ですが、途中から球が浮いてしまって打ち込まれてしまったところが次への反省点だと思います。(低めへ制球されている変化球が印象的だった)この大会では通常のリーグ戦とは違って、飛距離の出るボールを使っているので、いつもと同じ投球スタイルではいけないと思いました。ゴロで打たせることをいつも以上に意識しました。(投手ながら2番打者を務めた)基本的には上位打線を打たせてもらうことが多いです。もともとは内野手で、去年から投手を始めたということもあって、今は投手も野手もという形でやらせてもらっています。(次の試合に向けて)僕達はこの大会を勝ち上がって、全日本大会に出場することを目標としているのですが、まずは目の前の一勝ということで、この試合の反省点を生かして頑張っていきたいです。

 

大瀬裕太(商3・桐朋)

(今日の試合を振り返って)大味な試合ではあったんですけど、初戦を勝てたということで、とりあえず安心しました。(初戦ワセダと戦ってみて)去年の関東大会では負けていたので、絶対に勝とうとは思ってました。簡単には勝てない相手だなと実感もしました。最初点差あったけど、後半は追いつかれていしまったので。(2本のタイムリーを打っていた)最初の1本目は初回で初級だったんですけど、思い切り振れて。2本目はいい球を待っていたら甘い球がきたので逃さず捉えることができました。どちらもランナーがいたので、彼らを返すという思いで打席に向かいました。(準硬の魅力とは)準硬の魅力は、試合出ているメンバーとベンチやスタンドにいるメンバーに壁がないことです。一体感がすごいです。応援席での盛り上がりも自慢です。(2回戦に向けて一言)今日の反省を生かして、絶対に次も勝ちます!

 

大町怜央(政1)

(今日の試合を振り返って)公式戦初出場だったので緊張しましたが、勝ててすごく良かったです。(猛打賞となり打撃が好調でしたね)バッティングが僕のウリなので、結果を出せて良かったです。(初戦から早大戦となりました)僕の高校の同期が早稲田にいて試合に出ていたので、お互い士気を高めあっていて、すごく気合が入っていました。(新2年生ながらスタメン)まだまだ全然なんですけど、試合に出させてもらっているので、とにかく一生懸命やろうと思っています。(次戦に向けて一言)次は守備でミスをしないようにして、バッティングはこのまま調子を上げていこうと思っています。勝ちたいと思います。

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