慶應スポーツ新聞会

【器械体操】華麗な演技で勝負!2選手が本戦へ/全日本体操競技選手権大会

演技を終え清々しい表情の4選手

4月1日〜3日にかけて行われた全日本体操競技選手権大会。慶大からは個人総合に1人、種目別トライアルに3人の選手が出場した。個人総合、種目別トライアルを合わせた出場者の中から、各種目上位24名が種目別選手権に進む今大会。トライアルに出場した杉野広尭(環2)、田中瑞基(政2)がその切符を手にすることができた。

 

・個人総合

河久保絢(総4)

個人総合に出場した河久保(総4)

個人総合に出場した河久保(総4)

順位

跳馬

段違い

平均台

ゆか

合計

 40

12.00

12.20

12.70

13.05

49.95

惜しくも決勝進出は逃してしまったが、技にとらわれず自分らしい演技ができたと振り返る河久保。得意のゆかでは、これまであまり出なかったほどのベストな演技ができたという。女子リーダーとして迎える今年度、チームを引っ張る堂々とした演技に期待したい。

 

・種目別トライアル

村山聡史(薬4)

演技に思いを乗せる村山(薬4)

演技に思いを乗せる村山(薬4)

 

<平行棒>

順位

D

E

合計

103

5.80

6.00

11.80

今大会に合わせて難しい技をたくさん入れた演技。焦りから実力が出し切れず、悔しさをにじませた。5月の団体戦では、自身の魅力を存分に発揮できる演技でチームを勝利に導いてほしい。

 

杉野広尭(環2)

落ち着いた演技を見せた杉野(環2)

落ち着いた演技を見せた杉野(環2)

<あん馬>

順位

D

E

合計

23

6.00

8.40

14.40

<ゆか>

ゆか杉野選手

順位

D

E

合計

82

6.10

7.85

13.95

 

杉野は慶大で唯一2種目に出場。全体を通して、落ち着いて旋回を回すことができたのが高得点の要因となった。あん馬では同種目にエントリーしていた兄弟のことも意識していたそうだが、緊張感を力に変え見事23位に滑り込んだ。好成績を収めた自信を胸に、この先の大会でも活躍を見せてくれることだろう。

 

田中瑞基(政2)

圧巻の演技を見せ笑顔の田中(政2)

圧巻の演技を見せ笑顔の田中(政2)

平行棒田中選手

<平行棒>

順位

D

E

合計

18

6.10

8.75

14.85

終始安定感のある演技で観客を魅了した田中。本人も演技後にガッツポーズを見せる納得の出来。着地の際にしっかりと止まることができたのが高得点に繋がった。2年生ながらに貫禄を感じさせるその演技で、慶大体操部の存在感をどんどんアピールしていってほしい。

 

今回させていただいた取材は、慶應スポーツとして初の器械体操部取材であった。

そこで、器械体操部について詳しく知るべく、石田駿主将(法4)と首藤聡史先生にお話を伺った。

器械体操部には、体操とトランポリン、2つの競技がある。練習内容はそれぞれ別で、月ごとに各競技の上級生が話し合って決めているそうだ。練習場所は、日吉にある蝮谷体育館。器械体操部専用エリアが設けられており、実際の試合と変わらない環境で練習することができる。

では、1年間の大会スケジュールはどうなっているのだろうか。今回行われた4月の全日本選手権は個人での出場だが、ここからはチームとして出場する大会が始まる。5月には東日本インカレ、8月には全日本インカレが控えており、8月の全日本インカレはレベルの高い選手が一番の目標としている大会だそうだ。11月には霜月杯という大会があり、高校や大学から体操を始めた選手はこちらの大会を目標としている。

器械体操は、技の難しさを表すDスコアと、綺麗さを表すEスコアの2つによって採点される。首藤先生は指導の中で、特にEスコアに関して非常に細かいところまで指導されているそうだ。試合の結果を見てみると、確かに他チームに比べEスコアで高得点を出している選手が多いように感じる。

昨年度は「進歩の年」。競技が2つあり、男女が混在して所属している器械体操部には、それぞれの競技や選手のレベルごとに目標が複数存在したそうだ。どの目標もかなり高く設定していたため、その中で達成できたものもあればできなかったものもあったが、目標達成へ向けて大きく成長することができた年であった、と石田主将は振り返る。

今年度の目標は、男女共に1部に昇格すること。女子は昨年、部員不足が原因となり2部に降格。しかし今年は、期待の新入生によって戦力が補強され、1部を狙える勢いが十分にあるという。男子は高いレベルの選手の実力が拮抗しており、切磋琢磨しながらレベルアップできる環境にあるそうだ。今年は男女共に期待が懸かる年。目標達成に向かって順調に進んでいってほしい。

今回の取材を通して一番印象的だったのは、器械体操部の暖かさだ。この日は試合内容の取材を含め私一人で6人にインタビューを行ったため、インタビュー中にお待たせしてしまう時間が長かった。それでも快くインタビューに応じてくださった器械体操部の方々に心から感謝すると共に、必ずまた器械体操部の取材に来よう、と強く思った。

 

記事 鈴木優子

 

<試合後コメント>

河久保絢選手(総4)

(昨日の試合を振り返って)今年4年生で最後の代々木ということで、結果を出したいなと思っていたのですが、何よりもこの舞台で演技できるのが最後だな、とも思っていたので、思いっきりというか自分らしく演技しようと決めて、結果としては結構ミスも出てしまって、決勝も逃してしまったのですが終わった瞬間の達成感がすごくて、やろうとしていたことはできたと思います。もちろん結果は悔しいですが、それ以上にやっぱりこれまでやってきてよかったと思いますし、今シーズンに向けての課題も見つかったので、いい試合になったかなと思います。(ご自身の演技で良かった点ともう少しできたなという点は)4種目のうち平均台と床を得意種目にしていて、昨日は床の演技が自分的にもこれまであまり出なかったくらいのベストな演技ができたので、自分なりによかったな、と思っています。技に追われないで、観客を意識して笑顔というか自分の感情も出しながら演技できたのも良かったと思っています。だめだったところは、一つ一つポイントを絞って練習をしてはいたのですが、練習の時に意識できていたポイントがやはり緊張で体の反応と精神的なバランスが足りなくて、そこが少し上手くかみ合わなかったのが、跳馬とかで出てしまったのでそれが少し残念だったかな、と思います。(練習時に何を意識していたか)自分は緊張してしまうと、たとえば平均台なら足が少し震えてしまうということがこれまでの経験を通してあったので、練習のときから試合の雰囲気や、自分が上から応援されているというのを具体的にイメージしてプレッシャーをかけて、そういう中でもきちんと通してやり切るというふうな練習をするように心がけていました。(今月末に行われる次戦の団体戦に向けて一言)今回は個人総合での出場でしたが、これからは大学の試合でチーム戦が増えていくので、私は4年生で最上級生ですし、女子リーダーを務めさせていただいているので、自分の演技に責任を持ってやるというのはもちろんですが、新入生であったりほかの同期の演技が最大限に発揮できるように普段の練習から声掛けであったり、チームとしてどういう流れで試合をしていくのかということを考えつつ練習して、その成果を試合で出せたらいいかな、というふうに思っています。

 

村山聡史選手(薬4)

(今日の試合を振り返って)4年生として、通過するかどうかは関係なしにちゃんとした演技ができればいいなと思っていたのですが、納得のいく演技はできませんでした。(ご自身の演技の流れは)大きい試合だったので、難しい技をたくさん入れようというコンセプトでやりました。最初に小さな波があって、それで最後まで行ければ良かったのですが、少し焦ってしまって、いつも通りやればいけるというところで失敗してしまいました。(この試合にはどのような気持ちで)去年も出たのですが、失敗してしまったので、その悔しさを今年晴らせればなというのと、4年生としていい演技をしようという気持ちで臨みました。(練習で意識したことは)本番でうまくいかないことが多いので、練習からその場面を想定して緊張感を持ってやるということを意識していました。(次の試合に向けて)5月の試合では今日ほど難しい演技はやらないのですが、今度は団体戦になるので、チームの一員としてみんなを引っ張っていけるような演技ができればなと思います。

 

田中瑞基選手(政2)

(今日の試合を振り返って)練習でできることは全てやってきたので自信はあったのですが、不安要素もいくつかあったので緊張していました。応援が力になりほぼベストな演技ができて、たぶん通過できたので、本当に良かったなというのと、まだ少し信じられない気持ちもありますね。(この試合にはどのような気持ちで)種目別の全日本選手権には去年や一昨年からずっと出たくても出られなかったので、やっと出られることになって、初めてのトライアルだったですが、ちゃんとやればもしかしたら出られると思っていたのですごく緊張していました。(ご自身の演技の流れは)最初の棒下ハーフという大技でちょっとだけ倒立が決まらなくてまあまあの出来になってしまったのですが、そこから立て直してしっかりと着地まで止められました。着地が止まれていなかったら通過していなかったので、そこまで意識することができたのは普段の練習の成果が出せたなと思います。(練習で意識したことは)最初の棒下ハーフが一番の不安要素で、失敗するとしたらそこだったので、そこに重点を置いて練習していました。(次の試合に向けて)ギリギリで全日本選手権に通過できたと思うので、難しい技をもう少し入れて難度点を上げたいというのと、ちゃんと通し練習をして、恥をかかないような演技をしたいと思っています。

 

杉野広尭選手(環2)

(今日の試合を振り返って)だいぶ緊張しました。僕は3人兄弟なのですが、兄と弟も同じ種目にエントリーしていて、初めて兄弟3人揃っての試合だったので、兄弟のことも意識していました。(今日のご自身の出来は)練習の成果がそのまま出たという感じで、良い方でした。(特に良かった点は)全体的に落ち着いて旋回を回せていましたし、体重も手に乗っていたのでそこが良かったです。(練習で意識した点は)試技順が4番で、アップをしてから時間が空いてしまうことがわかっていたので、練習でもアップから少し時間を置いて通しに入るということを意識していました。(次の試合に向けて)次からは団体戦になるので、チームの得点に貢献できるようにこれからも人一倍頑張っていきたいと思います。

 

首藤聡史先生

(今日の試合をご覧になって選手の印象は)今日のために毎日の練習を見ていたのですが、やはり同じような演技が練習でも案外出ていたので、それは試合でそのまま出たという感じです。私が採点をしながら試技会をやっても、大体今日と同じくらいの点数になっていたので、成功すれば手ごたえというかきちんと結果は出るなと感じました。(特によかったな、と感じられた点は)個人的に言うと、田中瑞基(政2)選手の平行棒、杉野広尭(環2)選手のあん馬は失敗が多く出る種目なのですが、彼らはしっかり通し切って高得点をたたき出していたと思います。今日は高校生も1人出ていて、彼も次戦の種目別の決勝に残りましたので、チームとしてはかなり上がってきているのではないのかな、と感じています。(指導される中で選手に意識させた点は)本当に小さなことなのですが、体操には難度点とEスコア(綺麗さ)というのがあって、Eスコアに関しては選手たちに何回も何回も口酸っぱくというか、耳にタコができるくらい着地の1歩だったり手のずらしだったりということをしっかりと常に心がけるように言っています。(今のチームの強みはどこにあると思うか)女子は去年人数が少なくて1部から降格してしまったのですが、強力な新入生が4人入部してくれたので、また1部を狙えるくらいの勢いはあります。男子は強化班が12人くらいいるのですが、力が均衡しているのでお互いに切磋琢磨してレベルアップできていると思います。今年は男女ともにすごく期待ができます。(次の大会へ向けての気持ちは)雰囲気的にも今はすごくいいので、怪我だけはないように基本的なしっかりとした動きやきれいさを追求して、失敗のない演技をしてもらいたいです。

 

石田駿主将(法4)

(昨年度の器械体操部の結果は)競技が器械体操とトランポリンとあって、男子・女子というのもあって、レベルが上の選手の目標もあれば、レベルが下の選手の目標もあるといういろいろな目標がある中でかなり難しいかな、という目標をすべての競技で掲げて、達成できたものもあれば達成できなかったものの方が多かったのですが、確実に1歩前に進んだ年になったかなと思います。それが2016年につながったかなと思うので、今年はかなり期待できる年になると思います。去年は進歩の年だったと思います。(今年度の目標は)一番大きな目標は、今2部リーグなので、男女アベックで1部に昇格することです。(普段の練習メニューはどうやって決めているのか)基本的には各競技間に上級生が1人ずつくらいはいるので、彼らを中心に各競技で話し合ってもらって練習メニューを月ごとに決めていく、という形ですね。(今年はオリンピックに出場される選手もいるが、部の雰囲気は)棟朝銀河(環3)のリオ五輪が去年の世界選手権で決まったのですが、まさか決まるとは思っていなくて、OBさんとかも沸きに沸いて応援団を結成して行こうというふうになっていて、部員が8月でシーズン真っただ中ということで応援にはいけないのですが、こちらからエールを送るという形で、みんなで応援していこうかなと思っています。(部としての大会のスケジュールは)基本的には4月に全日本選手権があり、これは個人出場となるのですがチームとしては5月ごろに東日本のインカレがあって、8月に全日本インカレがあります。一番大きな試合は全日本インカレになります。レベルが上の選手が目標としている大会は8月の全日本インカレであって、高校や大学から始めた選手に向けた大きな大会は11月に霜月杯というのがあって、そちらもチームとして目標としている大会です。大まかな流れとしては5月、8月、11月の大きな試合3つです。(体操は他の競技と違い個人競技ということで特殊だが、魅力はどんなところか)みんな何かしらの理由で体操が好きだからやっているのですが、それは新しい技ができた時の喜びであったりとか、試合でいい結果が残せた時の喜びであったりとか、そういうところが体操の魅力かなと思います。体操部としての魅力は個人競技ながらも団体戦というものがあって、それに僕は重きをおいてみんなで目標を1つ1つ乗り越えて日本一の体操部を目指していこうとするところだと思います。

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