第2回対談はDF飯豊広奈(#70政3=慶應女子)、AT出原佳代子(#99経3=慶應女子)の3年生コンビ。実は2人ともお姉さんが慶應女子ラクロス部で活躍していました!(飯豊文香・2015卒、出原由佳子・2014卒)今回はそんな2人のお姉さんとの関係を含めお話を伺いました!
———まずは、お互いの印象を教えてください
出原:ひろなは、プレー中は誰よりも一番ボールを追いかけていて頼れる選手です。プレー外では色んな事を考えていて、それを一人で考え過ぎちゃって落ち込んでる時がありますね。それで疲れちゃってる時もあるんですけど、人のことをちゃんと気遣っていて良い人だなあと感じます。
飯豊:そうだったんだ(笑)かよこは、プレーでいえばまずアタックの要。まず自分がゴールに向かっていく姿勢があるし、それだけじゃなくて、ちゃんと周りの選手のことも考えてゲームを組み立ててくれる選手だと思います。六大戦では一試合で3点取ってることもあったし、しっかり点を取ってくれるので、勝つためには絶対に必要な選手だと思います。フィールドの外では私と反対で、すごく明るくてポジティブです。あと、周りの人をすごくよく観察しているイメージです。
———新チームになって変わった所は
出原:完成度自体は本当にまだまだです。ただ、3年生になったからというのもあると思うんですけど、自分から発信がしやすくなったし、色々疑問に思ったことも聞きやすくて、一人ひとりが自由に出来ていると思います。
飯豊:去年は4年生に引っ張られることが多かったんですけど、今年になってから自分の存在意義というものが発信出来るようになりました。
出原:ただ、去年と変わらない所は入りが悪いっていう部分なんですけど、今シーズンはボールを動かしたいという事をチームで掲げていて、それを意識している結果、一試合のパスの数は去年よりも増えていると思います。
———お二人から見る渡邉主将(#44法4=慶應女子)は
飯豊:明るくて、とにかくポジティブ。あとは雰囲気を盛り上げるのがすごく上手で、プレーでも絶対的な選手です。
出原:ぐいぐい引っ張ってくれます。しかも良い方向に。皆が疲れていたり上手くいかなかったりしてどよんとした空気が流れている時でも、盛り上げてくれます。
———六大学戦を振り返って
出原:全体的に課題が残ります。結果も内容も悔しいものでした。だけど、逆に課題がいっぱいあるからこそ、次の早慶戦とか日本一を目指すリーグに向けて、しっかり修正しなければいけない部分を自覚出来たんだと思います。
———三校合宿で得たものは
飯豊:ぼろ負けしちゃって、特に早大になんですけど。三校戦で自分たちが今本当に危ないんだ、と改めて危機感を持たされた合宿になりました。
———今回の対談はお二人ともお姉さんが慶大女子ラクロス部出身ということで組ませていただきました。お二人ともお姉さんと同じポジションですが?
飯豊:確かに(笑)
出原:全然意識したことなかったです(笑)たまに家でビデオで姉のプレーを見たりはしますけど。
———選手として意識はしていますか?
飯豊:意識しないようにしています。私は1年生に姉が4年だったので、部活が一緒だった時期があって、どうしてもフィールド内外で「文香の妹」と見られることが多かったです。だから、逆に2、3年になってからはいかに自分を打ち出していけるか、ということを頑張ってきたので、もちろん参考程度にビデオを見たりアドバイスを貰ったりはしますけど、意識はしないようにしています。
出原:そうだったんだ(笑)私も全然意識してないです。やっぱり私も部活は被っていないんですけど、イデの妹として見られているのは分かっていました。でも、多分性格的に「私は私だし」と思って、プレッシャーとかも感じずに好き勝手やってました。そしたらたまたま同じポジションで、プレーも似てるねって言われるようになった感じです。
———お姉さん同士の交流はありますか?
飯豊:めっちゃ仲良いですよ。
出原:1つ私の姉の方が先輩なんですけど、仲良くてよくご飯とか行ってます。
飯豊:イデさん、イデさんって家でもよく話してます。
出原:でも、姉妹同士でご飯とかはまだ無いよね。
飯豊:やりたいやりたいって話には出るんですけど、結局まだ実現出来てなくて。忙しいから。
出原:今日も来たがってたんですよ。笑
———ラクロスを始めたきっかけは?
出原:私は高校の時に少しやってて、それは辞めちゃったんですけど、大学に入ってまた始めました。
飯豊:私は高校からやっています。きっかけは…姉…(笑)
出原:姉…(笑)高校の時は姉がラクロス部だったから、私もやろうという気持ちで始めました。それは途中で辞めちゃったんですけど、姉の大学の試合は見に行っていました。姉が4年生の時に学生日本一を獲ったんですけど、その後の全日本の準決勝でサドンデスで負けちゃって。普段は家でもラクロスの事では全然落ち込むことは無くて、性格も元々明るい人なんですけど、その試合の後だけは「日本一になれなかった」ってものすごく落ち込んでいて、じゃあ私が日本一を目指して頑張ろうと思ったのが大きくて、大学でまたラクロスを始めようと決めました。
———オフの過ごし方は?
出原:長期オフの時は家族とか友達と旅行に行きます。あとは家でゆっくりする日もあれば、ちょっと遊んだり買い物しに行ったり。
飯豊:他の事をやる時間ってあんまりないです。私は特に疲れやすいので、寝るとか休む時間が必要で、だからラクロス中心の生活ですね。家でもプレーのビデオを見て考えることもありますし。
———学業との両立はどうですか?
飯豊:大変です。学校行って、それだけで一日が終わっちゃいます。
出原:でも、ラクロス部はテスト10日前からオフになるので、直前はいつもやってない分を死ぬ気で勉強してテストに臨みます。授業出ても寝ちゃうことが多いし、超詰込み型です(笑)
飯豊:部活行って、帰ってお昼ご飯食べてシャワー浴びて、学校行って帰って一日が終わります(笑)
———今年の早慶戦は、慶大の10連覇がかかった特別な一戦になります。そのため、今回の早慶戦前インタビューではどの対談でも10という数字にちなんだ質問を一つさせていただいていこうと思います。今の記憶を持ったまま10年前の自分に1つアドバイスが出来るなら何をしますか?
飯豊:私は助言とかはないです。別に今の人生で「あそこをこうしてれば」ってのは無くて、全部正しい選択だったと思っていて。でも1つ言いたいのは、私は中学受験で慶應に入ったんですけど、その時にすごく勉強が嫌いで塾にも行っていなくて、その時の自分に「慶應楽しいよー、慶應で正解だから素直に入っておきなよ」って言いたいです(笑)
出原:私は小学生の頃に水泳をやっていて、結構頑張ってやっていたんですけど、やっぱり辛い練習があると嫌になっちゃってさぼっちゃうこともあって。そんな自分には、ラクロスを通して辛いことを乗り越えると一気に成長出来るって事を知ったので、「もうちょっと頑張ってやってみよう」って言いたいです。
———普段から早稲田はライバルとして意識していますか?
出原:してますね。私は幼稚舎から慶應なんですけど、ずっと「早稲田を倒せ」ってのを聞き続けているせいか、自然と早稲田は倒さなくちゃいけないって気持ちになってますね(笑)やっぱり他大に比べても早稲田には勝たなくちゃいけないって意識はあります。
———最後に早慶戦の意気込みをお願いします
飯豊:意気込みという程ではないんですけど…姉の時は3連覇を狙っていて、結局その数字にこだわりすぎてプレッシャーに負けたっていうのを見てきているので、私はあんまり10って数字は気にしない方が良いかなって思います。10連覇するんじゃなくて、ただ早大に勝つことだけを考えて、一つのボールを早大よりも先に拾うということやっていけば、自ずと結果が付いてくるんじゃないかと思います。
出原:私もほとんど同じで、10連覇を意識するよりも、「このチームが今シーズン早大に勝った」結果が10連覇という形でありたいと思っています。そのためにも、勝利を目指すことも大事なんですけど、それよりも目の前の相手に絶対に負けないということを、フィールドに立ってる12人がこだわって頑張っていきたいと思います。
お忙しい中ありがとうございました!
(取材:下川 薫)