【アイスホッケー】序盤の失点が響き敗戦 第62回早慶定期戦

 例年とは異なり、今年の春の早慶戦は、慶大の主幹ながらも東伏見で開催された。早慶戦という大一番で、慶大には固さが見られ第1ピリオドから大量5失点。その後慶大は立て直すも、差を縮めることができないまま敗戦。長きにわたる雪辱をこの春に果たすことはできなかった。

アイホ アリーナ

ライトアップされたアリーナ

 

第62回早慶アイスホッケー定期戦

2016年5月7日(土)16:30F.O. @DyDoドリンコアイスアリーナ

慶應義塾大学0-6早稲田大学

 

Period

1

2

3

Score

慶大

0

0

0

0(31)

早大

5

1

0

6(47)

※()内はシュート数

旗手を務めた長谷川真之介(政1)

旗手を務めた長谷川真之介(政1)

この試合に向けて「意気込みは最高潮だった」(主将・小池玲央(環4))という慶大。ダイドードリンコアリーナには多くの観衆や應援指導部が駆け付け、早慶戦独特の雰囲気が会場を包んだ。

試合開始23秒。慶大はディフェンスの一瞬の隙を突かれ失点を許してしまう。多くの観衆を背にこのまま引き下がるわけにはいかない。2分には滝智弥(政2)が鋭い出足からインターセプトから、4分にはパワープレーから瀧澤慎之督(経1)がシュートを放つも得点には至らない。早大の激しいチェックを受け、慶大は思い通りに攻撃を展開することができず、早大の素早いパス回しに後手を踏む場面が続く。8分、10分に立て続けに失点すると、0-3となり、すかさずタイムアウトをとる。その後は河合智哉(環1)の幾度もの好セーブでピンチを脱する場面が続くも、ピリオド終盤には度重なるキルプレーから2失点。0-5でインターバルに突入した。

主将としてチームを引っ張る小池

主将としてチームを引っ張る小池

スケート部フィギュア部門によるピリオド間のエキシビションには、鈴木星佳(総1)が登場した。先月大学デビュー戦を果たしたばかりの彼女だが、伝統の早慶戦という大舞台で堂々と演技を披露。普段の試合とは違った衣装とプログラムでは、はつらつとリンクを舞った。明るい曲調に合わせたステップでは場内から手拍子が起こり、ジャンプもしっかりと着氷させる。終始笑顔で演技した彼女の姿は、観客や選手の目に焼き付けられたことだろう。

1年生ながらも堂々たる演技を見せた鈴木

1年生ながらも堂々たる演技を見せた鈴木

第2ピリオド。慶大が本来のハードワークを体現して、徐々に流れを引き戻したかのように見えたが、逆に7分には早大にリバウンドを詰められ失点を許す。慶大がパックを保有する時間が増えると、相手のペナルティを誘い、二度にわたる数的優位の状況を生み出す。永田雅宗(総2)や滝のコンビネーションから得点を狙うも、これらのチャンスを得点に結びつけることができないまま第2ピリオドを終える。

滝や史習成リック(総2)中心に相手ゴールに迫る

滝や史習成リック(総2)中心に相手ゴールに迫る

なんとか差を詰めたい慶大は、第3ピリオドも体を張ったプレーを見せる。1分には在家秀虎(環2)が身を挺してシュートを止める。なかなか慶大のプレーをさせてもらえない時間が続くと、試合が荒れ始め一触即発の場面も。それでも集中力を切らさずに、最終ピリオドは両チームスコアレスで終え、慶大は0-6で敗戦となった。

 この春のシーズンでも見られた「試合の入り」での失点。それがこの大一番の結果を早々と運命づけてしまった。第1ピリオドでの大量失点が悔やまれるが、そこから踏み留まって大量失点しないのが今年の慶大の特徴だ。今シーズンの課題である「立ち上がり」を改善し、60分間慶大の武器とする「最後まで諦めない泥臭い」アイスホッケーを体現することが、秋に控えるリーグ戦やインカレでの躍進、そして冬の早慶戦での歴史的勝利の鍵となるに違いない。

(記事 合場將貴・西村夏菜)

 

以下選手コメント

 

小池玲央(環4)

 (主将として臨んだ初めての早慶戦、意気込みはどうだったか)意気込みは最高潮でした。一昨日の練習もすごく雰囲気が良くて、今シーズンで一番雰囲気が良く終われた練習かなと思っていたのですけれども、ちょっと浮足立った選手も目立ってしまいました。今年は試合の入りがずっと課題だったのですけれども、この試合でもその課題を克服できないまま春シーズンを終えてしまったのが大きな反省点であるので、改善していかないといけないです。(試合開始直後の失点から5失点してしまったことについては)そこは課題ですね。連続失点というのが例年の課題でもあるのですけれども、それが今年のチームの弱みでもあります。普段のリーグ戦ならまだちょっと違ったのかもしれないのですけれども、早慶戦のこの特別な舞台の中で、周りの応援の声もすごく大きくてお互いの声が聞こえない状況は、特に1年生はあまり経験できない舞台であるので、そういうところでいかに工夫してチームの意思を統一していくか今後の課題だと思います。(2・3ピリでは攻められていた時間は多かったものの、失点を最小限に食い止めた点については)今年のチームが去年と違うのは、一回悪い流れを切り替えて踏ん張れるというところです。去年はそのまま連続失点してしまい、大量失点で終わってしまったところがあるのですけれども、今年はそれが改善できているので、少なからず成長はできているのでそこはポジティブに捉えて、弱みである試合の入り方を夏秋通して改善し、冬の早慶戦に向けて取り組んでいきたいと思います。

 

長谷川真之介(政1)

(騎手を務められましたが)騎手は一年生の代表という事なので、その年に期待されて選ばれているという事は分かっています。選ばれて光栄でした。でも、騎手を務めただけのプレーが出来たかと言われればそうではないので悔しいです。(第一ピリオドでの連続失点について)早慶戦は今までの試合とは全然違う空気で、みんな固くなってた部分があって、1ピリ1シフト目ということで(河合)智哉も固くなっていました。最初のシフトで点を取られたこと、あの失点が1番良くなかったので、連続失点したことよりもあそこで失点したことで総崩れしてしまった原因になったと思います。あれさえなければもう少しいいゲームができて勝てた可能性もあったので、次の早慶戦ではないようにしていきたいです。(自身のプレーについて、第2ピリオドで特に気持ちが感じられたが)高校から大学に入って全く違う環境になって思うようなプレーが出来ていない中、山中さんからどのようにプレーしたら良いかについてのアドバイスをいただいて、その通りにしただけです。試合前に言われた、シュートを打って激しく当たるというゲームプランを体現した結果があのプレーに繋がったと思います。(慶應義塾高校の時に出場した早慶戦に比べて)圧倒的に観客の量が多く、声援も大きく、應援指導部も来てくれて、今までとはまた一味違うやってて楽しいと思える空気でした。もちろん緊張もしましたが、楽しい試合でした。(次の早慶戦に向けての修正点は)この前の中大戦、埼玉栄高戦(練習試合)と1ピリさえ無ければ、という試合が続いているので、秋リーグまでにそこを改善したいです。おそらく4年生の引退試合になる次の早慶戦では、何としても歴史を塗り替えて、笑顔で4年生の事を送り出せるように頑張っていきたいと思います。

 

在家秀虎(環2)

(5点を取られた第1ピリオドを振り返って)やっぱり立ち上がりは全然僕たちのペースではなかったなと思いますね。正直、僕たちの動きは出ていなかったですね。1年生は早慶戦の雰囲気に慣れていないこともあって、ゲームプランは3つほど考えていたんですけど、それすらも第1ピリオドはできていなかったので、緊張で頭が真っ白になってしまった選手が多かったのかなと思います。(2.3ピリオドはどのように立て直したか)コーチが「最初のゲームプランに戻ろう」っておっしゃって、とりあえずそこを1番重視してやりましたね。(キーパーは1年生でしたが、そことの連携は)やっぱり連続失点というのは、キーパーにとっても絶対に少しはメンタルがきてしまう部分があると思うので、ここから俺らが点取ってくる、という声はかけられたかなと思います。でもそこで実際に点をとってこれなかったのは、本当に悔しい気持ちでいっぱいです。(今回の試合で優秀選手賞をとりましたが)複雑ですね。正直、僕がもらうようなもんじゃなかったんですけど。なんですかね、僕としてはここまで引っ張ってくれた主将がもらってもいいのかなと思っていたんですけど、今回賞をいただけたことはありがたいことなので、引き続き守りでも攻めでもチームに貢献できる選手になれればいいかなと思っています。(今後に向けて)どうしても1対1の場面で抜かれてくる選手が多くて、1対1が負けてしまうと連携も崩れてきてしまうので、コーチもおっしゃっていたんですけど、夏と秋に向けての課題は、1対1の強化とシュートの精度を2.3ヶ月氷上に乗らない期間でしっかり体を作って、上げていきたいなと思っています。

 

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