シングルス、ダブルスともに、決勝に残ったのが慶大と早大の選手たちのみだった関東学生テニストーナメント大会(春関)。それから一週間後、両校が再び激突した。5月14日、15日に慶大日吉キャンパスにある蝮谷テニスコートで早慶対抗庭球試合が行われた。「優勝」への強い意気込みを持って臨んだ慶大だったが、勝利できたのはシングルスの一本のみと苦戦。トータル1-8で敗れ、秋での雪辱を誓った。
第182回早慶対抗庭球試合 2016/05/14,15 @慶大蝮谷テニスコート
| 慶大 | スコア | 早大 |
D1 | 上杉海斗・平山浩大 | 0{3-6,3-6,2-6}3 | 小堀・坂井 |
D2 | 逸﨑凱人・畠山成冴 | 2{6-4,4-6,4-6,6-3,8-10}3 | 松崎・河野 |
D3 | 甲斐直登・福田真大 | 1{1-6,1-6,6-4,5-7}3 | 齋藤・高村 |
S1 | 上杉海斗 | 2{7-5,0-6,6-3,0-6,0-6}3 | 小林 |
S2 | 逸﨑凱人 | 3{2-6,7-6(5),3-6,6-4,6-2}2 | 松崎 |
S3 | 韓成民 | 1{5-7,1-6,6-3,1-6}3 | 島袋 |
S4 | 甲斐直登 | 0{6(3)-7,6(6)-7,1-6}3 | 坂井 |
S5 | 畠山成冴 | 2{2-6,6-3,3-6,6-4,1-6}3 | 三好 |
S6 | 福田真大 | 0{1-6,3-6,2-6}3 | 巽 |
合計 | 1 | ― | 8 |
早慶戦優勝に向け、大きなカギを握る初日のダブルス。D1の上杉海斗(環3・清風高)・平山浩大(環1・京都外大西高)組は関東王者の小堀・坂井組との対戦となった。第1セットの第1ゲームをいきなりブレークされると、後を追う展開に。第7ゲームでもブレークを許し、このセットを落としてしまう。この後もなかなか調子の上がらない上杉・平山組は小堀・坂井組に畳み掛けられる。1セットも奪えないまま、0-3で敗れた。
D2の逸﨑凱人(環2・大阪産業大付属高)・畠山成冴(環2・湘南工科大付属高)組は春関で敗れた松崎・河野組との対戦。第1セットを6-4で奪った逸﨑・畠山組だったが、松崎・河野組の力強い戦いに苦戦を強いられる。2-2となり、試合はスーパータイブレークなしのファイナルセットへ。互いに譲らず8-9で迎えた第18ゲーム、ラブゲームでブレークを許し、試合終了。大熱戦となったが、勝利を手にすることはできなかった。
初日を0-3で折り返し、あとがなくなった慶大は2日目のシングルスに臨んだ。S6の福田は終始ペースを握れずにストレート負けを喫した。
S5の畠山は前日に続き白熱したゲームを展開。ミスが目立ち、第1セットを落としたが、第2セットは積極的に前へ出てボレーを決めていき、6-3で奪う。続く第3セットはなかなかゲームをキープすることができずに奪われてしまった。第4セットは粘りを見せてモノにしたが、二日連続でファイナルセットにもつれる試合展開からか、疲労の色を隠せなかった。1ゲームもキープできずに1-6で敗れた。
S4の甲斐はタイブレークまでもつれた第1、2セットをどちらも落としてしまったことが悔やまれた。足をつってしまった第3セットで流れを引き戻すことはできず、ストレート負けを喫した。
S3の韓成民(総3・つくば国際大学東風高)は接戦の第1セットをタイブレークに持ち込みたかったが、5-6で迎えた第12ゲームでブレークを許してしまう。第2セットも1-6で落とした韓だったが、第3セットは強烈なショットでペースをつかむと第2ゲームでブレークに成功。その後もキープを重ね、第3セットを奪ってみせた。だが、第4セットは再びペースを握られ、1-6。韓も敗れてしまった。
一矢報いたい慶大、二人の春関シングルスファイナリストに期待が懸かった。S2は逸﨑。早大の松崎との試合で一進一退の熱戦を披露した。第1セットを落としたものの、第2セットではしぶとく戦いタイブレークの末、セットを奪う。ミスの少ない両者は互いにキープし合う展開に。だが、セットカウント1-2で迎えた、第4セット第10ゲームでブレークし2-2に追いつくと、逸﨑は止まらなかった。疲れが見え始めた松崎を尻目に、力強いショットで攻め込んで6-2と圧倒。慶大に初のポイントをもたらした。
残るはS1の上杉は早大のスーパールーキー小林と対戦。絶対エースの戦いにみなが注目した。だが、セットカウント2-1で迎えた第4セット、上杉にアクシデント。足を痛め、思うように動くことができない。限界の状態で戦い続けたものの、第4、5セットを0-6で奪われた上杉も慶大にポイントをもたらすことはできなかった。だが、会場からは最後まで戦い切った上杉と見事関東王者を破った小林に大きな拍手が送られた。
今年こそ優勝をつかみたかった慶大だったが、早大の前に屈してしまった。だが、視線はすでにインカレで勝つこと、リーグ、王座で勝つことに向けられている。夏以降、レベルアップした彼らの活躍に期待したい。
(記事 森本凜太郎)
◇試合後コメント
甲斐直登(環1・日出高)・福田真大(商1・慶應湘南藤沢高)
(昨日のダブルス振り返って)(福田)1-6,1-6で取られてなかなか思うようにいきませんでした。初めての早慶戦ということもあって、少し緊張もありましたが、一年生ペアとして思い切りやることが僕たちの役割なので、その役割をもっと果たしたかったです。ただ、第4セットは自分たちらしいプレーができていたと思います。(シングルスに関しては)(福田)1-6,3-6,2-6でストレート負けして、今までとは違うなと感じました。もっと自分のプレーを出していかないといけないと思いました。(甲斐)正直、めちゃくちゃ悔しいです。結局第3セットは完全に足をつってしまって、相手に流れを持っていかれてしまいました。自分の力不足を痛いほど思い知らされて、本当に、本当に悔しかったので、秋は絶対に勝ちたいです。やるべきことは見えているし、ここで終わりじゃないので、この負けを糧にして勝ちにいきたいです。(自分の持ち味は)(福田)自分はボレーとかタッチ系が得意なので、しっかり打って前に入って仕留めるという形が理想です。(甲斐)フットワークが得意です。相手よりも動いて、重いボールを打ち続けてチャンスがあれば中へ入っていくことが武器です。
坂井利彰監督
(初日のダブルスでは男女通して全敗となってしまいましたが)そうですね、この団体戦の性質上どんなにシングルスに良い選手がいても、ダブルスの流れというものがあるので、1つも取れなかったことによって、先手を取られてしまいました。例えば押野は本来ならシングルス上位で出る選手なんですけど、下位で起用しなくてはいけなくなった。男子だとシングルス下位で新1年生が出るしかなかったんですけど、相手に流れがある中で甲斐、福田にバトンを渡すことになってしまったということですね。関東学生テニストーナメントでもシングルスではよかった部分もあったんですけど、ダブルスは結果が出なくてそれを引きずってしまった部分はあったんじゃないかと思います。そこを立て直していけば、シングルスの内容を見ても、男子だとファイナルまでもつれた試合もあったし、まぁ結果ほど悲観しなくていいのかと思います。(秋にリベンジするために重要なポイントは)やっぱりダブルスですよね。今回改めてダブルスでリードしていくことの重要性を感じましたね。もう1回ダブルスに取り組んでいくことと、今回見つかった課題がいくつかあるので、なんとなくではなく明確にして取り組みたいと思います。