早慶戦企画第12弾は3年生対談。今回は田中健太(法3・横浜F・マリノスユース)、 片岡立綺(総3・桐蔭学園高)、中井建太(総3・青森山田高)、渡辺夏彦(総3・國學院久我山高)、池田豊史貴(総3・浅野高校) 、駒野誠一(経3・慶應義塾高)、手塚朋克(環3・静岡学園高)のたくさんの3年生に参加していただいた。仲の良い3年生にソッカー部でのこと、定期戦への思いを聞いた。
――まず、他己紹介から始めたいと思います。
田中:俺らの学年は他とは少し違って独特で、あまり熱い人がいないんですけど、その中で手塚は一番熱い人です。一つを追いかけるという面で執着心が強いかなと思います。そういう一面もありながら、かまちょというか人懐っこいんですよ。どの学年ともフレンドリーで、ベタベタしてくる。そういうスキンシップの取り方が好きなプレイヤーですね。
片岡:健太は俺らの代のスーパースターで、一番サッカーが上手いと思うんだけど真面目さがトップチームの中で一番ない。だから、この中で「和を乱す存在」っていうのが田中健太。いい意味でも悪い意味でも。でも、こいつほど誰にでも平等に接するやつはいないから人間性がすごく高くて、色んなやつに支持されてる。その反面、ふざけすぎて信頼を失うこともあるという感じです。サッカーはめちゃくちゃ上手いです。
田中:なんでこんなにえぐられなきゃいけないの(笑)
――ふざけすぎてやらかしたエピソードとかはありますか
田中:俺は意外とギリギリのラインを攻めるのが上手いのかなって自分では思いますね。粗相行く手前みたいな感じで(笑)。運も良いです!
片岡:確かに粗相にはならないよね。
――他己紹介に戻って…
中井:こいつ(片岡)、ご飯は豆腐しか食べてないです。学校で立綺(片岡)を見かけても、豆腐と白ご飯しか食ってないですよ。でも、一番頭が良くて常に冷静に判断してて、ミーティングの時とかも意表を突いてくるようなところを持っているので、勉強になっています。あと、最近車買ったらしいんで……
渡辺:ほんで、ほんで???なに?車買って、え?
中井:………。
渡辺:はい、次(笑)!
片岡:え、それだけ?俺だいぶヤバいやつじゃん(笑)。豆腐と米しか食ってないとか。さすがにヤバいでしょ、そんなやつではないよ!!
(一同爆笑)
池田:中井は俺らの学年で一番バカなんだけど、逆にそのバカさで和ませるので、ムードメーカーです。
中井:俺はバカを否定しないんですよ!!
池田:そんな感じです。
田中:え、バカしか言ってないじゃん(笑)
渡辺:こいつ(池田)は、見た目からわかるようにジャンボって言われています。でも、こんなにデカいのに付き合っている彼女よりも乙女という。以上です。
田中:顔赤すぎ!
池田:今日日焼けしたから。
手塚:(渡辺は)こうやって髪型も好青年風だと思うんだけど、見た目とは全く違って色々と闇を抱えているという。
片岡:色々と問題が生じているんですけど、僕らの運転手として活躍してくれています。
田中:何万キロ運んだ(笑)??
手塚:いつも車の中で僕らを休ませてくれる大切な存在です。
――ユース出身が田中選手、それ以外はみんな高校サッカー出身ですが、違いはありますか
田中:やっぱり考え方が全然違うでしょ。
渡辺:まぁ、確かにそうだね。
田中:でも、ユースの目からしたら桐蔭(学園)と(國學院)久我山はちょっとこっちに近いのかなと思いますね。この中で「ザ・高校サッカー」っていったら、青森山田とか静学(静岡学園)はそうだと思いますけど。
片岡:それは、規則の面でしょ?
手塚:寮生活か通っているかの違いじゃない?私生活で縛られてるかそうじゃないかが結構大きい違い。
田中:そこだね!手塚は静学時代にはキャプテンで威厳があって、彼が縛っていた側なんですけど、当時は一例として恋愛を禁止にしたらしくて、そのくらいの組織を作りたいということで、「ヒトラー」って呼ばれていたみたいです(笑)。
渡辺:まぁ、確かに冷静に見たら桐蔭と久我山はユースっぽいよね。青森山田と静学は高校サッカーっぽい。
田中:中井(青森山田高出身)は「ザ・高校サッカー」です。ほんとに、プレースタイルが。
片岡:とりあえず気持ちが第一って感じでしょ?そういうのが前面に出てるもんな、普段から。
(池田(浅野高出身)を叩きながら)
渡辺:ここはどうする?ここは?
田中:そこは進学校なのでいいです(笑)。
池田:俺からしたら、ユースとか高校サッカーとかそういうのじゃなくて、全国で有名だったかどうか。以上。俺の学校は県大会に出るのがギリギリくらいだったから。
田中:お前、ハンドボールやってたんだっけ?
池田:違うわ(笑)俺からしたら、すごすぎて区別がつかない。雑魚と強いやつみたいな。
田中:ここにいるジャンボは本当にすごいと思う。一般入試で入ってきて勉強もできるし。
渡辺:彼はC2から始まったし、デカいだけだし。それが今となってはトップチームで試合に出ているっていうのは鑑だよね。
手塚:かつ、スタッフだしね。
田中:ジャンボ以外の俺らはサッカーで入ってきた人たちだから、そういう努力をしてきた人なんてすけど、最近傲慢って言われていて、めっちゃ悩んでいました。
――ユース、高校サッカー間でライバル心とかはない
渡辺:あー、それはあんまりないかな。でも、たなけんは全く思ってないだろうけど、高校サッカーの熱い感じがいいなぁって思ってる人はちょっといる。こいつは全く思ってない。
片岡:俺は、マリノス落ちて桐蔭行ったから、ちょっと悔しい気持ちがある。
渡辺:そもそも、ユースの方が上っていうのがあって俺もユースは目指してなかった。
手塚:俺らは私生活からきっちりやっていたから、ユースには負けてらんないよねって話していました。才能より、時間を費やしてきたっていうのがあるので。
田中:でも、ユースとして言わせてほしいのが、マリノスユースって結構厳しいんですよ。眉毛とかもいじっちゃダメだし、髪の毛も立たせてはダメだし。規則的には高校サッカーほどではないだろうけど、結構重んじていた部分はありました。練習中、シャツもしまわなきゃいけないんです。
池田:それ、浅野も一緒!
田中:夏彦とかは高校サッカーに出て、その試合もテレビで見ていましたし、何万人の前でサッカーできてすごい羨ましく思っていました。ユースは日本一を決める試合でも、入って数千人。高校サッカーは歴史とか注目度がすごいから、いいなぁって思いはありました。
――ユーロとかコパ・アメリカは見ていますか
渡辺:みんな見ています!
田中:(合宿所のテレビに)WOWOWがついたんですよ、須田さんの意図で。なので見てます。
――では、優勝国予想をしましょう
田中:俺先言う。フランス!理由はメンバー見ても強いし、開催国だし、劇的な勝ち方をしていて勢いがあるなと思うので。
片岡:フランスは誰もが予想するでしょ。
中井:それずるくない?
田中:だから先に言ったんだよ。
手塚:ベルギー!に優勝してほしい。
池田:俺もベルギー。FIFAランク2位だったっけ?めっちゃ強くね?
片岡:俺はイングランドかな。中学の時にイギリス行ったことがあって、その時にマンチェスターユナイテッドのアカデミーの人とやったんだけど、そこにアンダー代表の人たちが結構いたので。まぁ、今回は出てないですけど。だから、イングランドは常に好きです。
中井:俺はコパ派です。
池田:絶対アルゼンチンでしょ。
中井:いや、アルゼンチンじゃない。あのね、ハメスがいるとこ。コロンビア!
渡辺:ブラジルはどう??
中井:ブラジルは負けた。
渡辺:あ、知ってるんだ(笑)
田中:コロンビアどんな感じなの?誰いるの?
中井:ハメス(ロドリゲス)!
手塚:ハメス以外誰出てんの?
中井:ハメス!
(一同爆笑)
中井:選手は知らない!でも、激しいのが好きなんですよ俺。
渡辺:ハメスしか知らないじゃん(笑)
中井:いや、ハメスすーごい守備するんだってちなみに!ハメスしか知らないけど、俺はコパ派です。
池田:俺もコパ派。アルゼンチン。攻撃がまじで強いから。
渡辺:俺は、ユーロ見てるけど、やっぱりスペインに勝ってほしいかなっていうのがある。
田中:スペインの試合見た(笑)?
渡辺:見たよ、チェコとの。
田中:ちょこっと?
渡辺:チェコ!!!駒野は??
駒野:絶対イタリアです。あると思うよ!
――宮地主将が熱くて井上副将がクールなイメージがありますが、みなさんはどう思いますか。
渡辺 :いのまささん(井上副将)も熱いよ。
田中 :隠れた熱さがある。
一同 :熱いよね。あの代はみんな。
中井 :熱すぎてみんなこーいっちゃってるから…
田中:あっ、ディスった?ディスった?(笑)
中井 :まあみんな揃うと強いよね。
池田 :まあ今年の最初とか色々な部門とかを作りすぎて上手くいかなかったりしたよね。
片岡 :自分がやってやろうって気持ちが強いね。
池田 :そう。 みんなが目立ちたがり屋。言い方悪いけど(笑)
田中:でもそうじゃない?
渡辺 :俺らにないところがめっちゃあるよね。
駒野 :俺らが欲しいと思う所を持ってる。
田中:逆にあげたいところもあるけどね。
一同 :どういうところ?(笑)
田中 :こういうところ。(笑)
片岡:お前(田中)とか上の代のタイプだと思うんだけど
田中:そう?
一同 :そんなことないんじゃない。
片岡 :だって自分が思ったこと結構バンバン言うもん。
池田 :反論しまくるんだよね。
片岡 :俺らの代にいるからちょうどいいって感じだね。
田中:まあ確かに。良いアクセントになってる。…あれっ質問なんだっけ?(笑)
池田:上の代をどう思うか。
中井:去年とか特に練習の厳しとかはすごいものがあったのでそこは見習わないいけないと思います。
渡辺 :何だろうな〜。
駒野 :4年生は他のメンバーの誕生日を祝ったりするんだよね。
渡辺 :俺らはそれを見てこうはなりたくないよね。って。
駒野 :ライバル視してるよね。
渡辺 :俺らはそんなことやりたくないこともないけどこうはしないみたいな。
田中:同じことしてもね。ライバル関係にあるかもしれない。逆なタイプなだけあって負けないぞみたいな。
渡辺 :逆に2年生とかはちょっと4年生に近いかもね。
田中:2個上は俺らに近かったね。
駒野 :増くん(増田湧介元主将)の代とかはすごく派手だったね。
渡辺 :1年ごとに変わっていく感じ。
駒野 :あの代は堅実だったじゃん。あの代は。で4年、3年でしょ。
田中:良い感じになってんじゃん。俺らは堅実なの?(笑)
駒野:堅実じゃない?堅実というか熱量不足なの。(笑)
(一同爆笑)
中井:熱量みんな出さないよね。持ってる。一応持ってるけど。
――入学前と今の自分を比べてみてどうですか
田中:俺は練習会とかも一回も行ってないし、先輩もあんまり知ってる人いなくて、何も知らないままソッカー部に飛び込んだので、ちょっとイメージとは違ったなって感じです。今は逆にそれに染まってきて…染まっては無いか。(笑)でもやっと慣れてきて1年生の時はなんだこの組織。無駄なことが多すぎるよって思ったんですけど、今はそれにも慣れて、逆にそれを長所にしなきゃという考えになっているので。
駒野:変わったなーたなけん。
(一同爆笑)
田中:まあ思い描いていた組織ではなかったです。
片岡 :逆に思い描いていた組織ってどんなん?
田中:もっとさっぱりした組織だと思ってた。慶應はさチームワークとか、団結とかをすごく大事にするけど、俺はもっとさっぱりしていると思ってた。こってりだった。(笑)それが今では嫌いじゃないです。最初は抵抗がありましたけど。今は黄色い血が30パーセントぐらいはドンドン流れてます。
一同:全然入ってないじゃん。(笑)
田中:ジャンボ(池田)は?
池田:俺は…ここにいる人がまず超有名人なの。俺からしたら。こんなやつらと一緒にサッカーするなんて思ってもいなかった。やりたいと思って慶應に入ったけど。こんなに簡単にできると思っていなかったから。
渡辺:簡単だったの?(笑)
池田:いやポンポンって流れできちゃったじゃん。最初は本当に戸惑いがあって、何を話せばいいのか分からないくらい住んでる世界が違うと思ってたんだけど、今は普通にただの人間だったということに気がついて。まあ俺が思い描いていた自分に少しはなることができたけど、こんなにポンポンといけるとは思っていませんでした。
手塚:俺は単純にサイドバックとしてずっと生きていくと思っていたので、今サイドハーフとして試合に出れているのは不思議だなと思います。だからサイドハーフに挑戦させてもらって良かったとは思っています。
片岡:俺は各代に先輩がいて、色々な話を聞いていて、全員口を揃えて言うのは「桐蔭とは全く違う」。でも同じサッカーをやるからそんなに違うことは無いだろうと思って入ったら本当に全然違って何が違うかってやっぱり第一にサッカーなんだけど気持ちで部分が全面におしだされていて、全員で戦うっていうのが関東のなかでも1番強い組織だと思うので、それに慣れていくのがやっぱり大変で、だからトップチームに上がるのが3年まで延びたというのがあって、1、2年の間はちょっと後悔があるかなって感じです。
中井:自分は山田から慶應に入ったのが自分が初なので、色々な人たちに迷惑をかけられないし、サッカーの面でも勉強面でもしっかりやらないと迷惑かかるし、なおかつ自分も高校サッカーで悔しい思いをしてきたからその思いを大学サッカーでぶつけたいと思っていて、自分は気持ちの部分しか無いのでそこは忘れずにずっとやっていこうと入学から決めていて、これからもブラさずにやっていきます。
渡辺:僕は最初1年目入学式の次の次ぐらいで怪我してスタートがほぼ1年遅れたりとか思うようにいかないことがすごくあって、それもひっくるめてすごく良い経験ができているのかなと思います。
――早慶定期戦の印象と意気込みを1人ずつお願いします!
手塚:去年初めて出させてもらって、やっぱりあそこのピッチに立つと色々感じるものが多くて、プレッシャーとかワンプレーでの責任だとかはあまり経験したことがなかったので、そう思うと2年目となる今年はもっと余裕を持ってプレーしなければいけないし、チームを勝たせるためにどうしなきゃいけないとかを冷静に考えることができると思うので、そういうのを意識しつつピッチでプレーできたらいいなと思っています。
田中: 僕は1年の時も2年の時もピッチ外で仕事をやっていたんですけど、今まで何試合もしてきた中でも1番独特な雰囲気という印象があって、人数もそうだし、早慶でやる伝統の一戦ということもあっピッチの上で感じるものはピッチの外とは違うものだと思っているので、とにかく試合に出て、それを味わってもう一回早稲田を倒したいと思います。
片岡:印象としては、高3の時に初めて早慶戦を観て、大学サッカーってこんなに人が入るんだって率直に思って、単純にここでプレーしたいなと思ってここに来たので、その気持ちをずっと持って入部の時からやってきて初めて今年チャンスがあるっていう状況で、この前駒大戦にはスタメンで出させてもらったんですけど、自分としては何もできなかったという悔しい思いがあるので、定期戦に出れるチャンスがあれば得点も取りたいし、活躍したいなと思っています。
中井:出たいです。けど出れなくても仕事の面とか応援の面でもしっかり早稲田に勝って両方で勝てるように…
田中:それ本当に思ってるの?(笑)
中井:いやいやいやいや。
駒野:それ俺のコメントじゃないの?(笑)
中井:いやいやサッカーでも出たいよ。けど両方頑張る。
渡辺:本当に仕事面で勝ちたいと思ってる?(笑)
中井:いやいやいや。しっかりやってるよ。
駒野:やってるね。めちゃくちゃやってる。
中井:サンキュー。
一同:サンキューはやばいでしょ。(笑)
中井:ジャンボ、ハイ。
池田:もちろん出たいし。高校サッカーとか今までのサッカー人生で関東リーグも俺の中では応援がすごくいる方だけど、早慶戦というのは1万人以上の人の前でサッカーができる人生で1回しかない機会だと思うから出てみんなの前でプレーしたいなと思いも、そこで活躍したいなという思いがあります。
渡辺:去年初めて定期戦に出て、その前までは先輩とかが早稲田には絶対負けたくないということを言っていて、それがそんなに理解できなくて、普通にただの相手みたいな。敵として負けたくないけど、そんなに早稲田に特別に負けたくないみたいな気持ちは心の中に無かったです。でも去年定期戦で負けて、隣で彼らが校歌を歌って階段を上っていって優勝杯をあげて、それを下から眺めている時にここには絶対に負けたくないって初めて思って、それからずっと早稲田に負けたくないと思ってきました。その思いをやっと定期戦の場で返せる時が来たので、どんな形でも勝ちたいと思います。
駒野:ピッチ上のマネージメントはこいつらに任せてるから、俺は勝ちたい気持ちはもちろんあるけど、それよりもみんなが出たいと思う「箱」を作り上げたいと思うし、結果的にそれが5年ぶりの勝利に繋がれば1番いいから、みんなが憧れるピッチだと思うからさらにその憧れを強くさせるような環境を寝る間も惜しんで作ります。
中井:うぇーい!!
一同:(中井は)今日も不発です。
皆さん取材協力ありがとうございました!!
(取材 森本凜太郎・吉田遼平)