【テニス(男子)】「王座」への道、黒星発進/関東学生テニスリーグ

法大戦への意気込みを語る井上首相

法大戦への意気込みを語る井上主将

関東学生テニスリーグが始まった。10月に行われる「王座」につながるこのリーグ戦、慶大はまず一勝を狙った。ダブルスではインカレからペアの変更があった。D1は上杉海斗(環3・清風高)・韓成民(環3・つくば国際大東風高)組へ。それまで上杉とペアを組んでいた平山浩大(環1・京都外大西高)は主将の井上智文(商4・慶應義塾高)と組み、D3で出場。インカレで見事、ダブルスチャンピオンに輝いた逸﨑凱人(環2・大阪産業大付属高)・畠山成冴(環2・湘南工科大付属高)はD2で出場した。三本あるダブルスで2-1とリードして臨んだシングルスだったが、S4の韓とS6の福田真大(商1・慶應湘南藤沢高)の二本を奪うにとどまり、4-5での敗戦を喫してしまった。

 

8/27,28 関東学生テニスリーグ 第1戦vs中大@有明テニスの森

慶大4-5中大

 

◇ダブルス

D1

上杉海斗・韓成民

2{6-1,6-2}0

松浦・大和田

D2

逸﨑凱人・畠山成冴

2{7-5,7-6(3)}0

古田・望月

D3

井上智文・平山浩大

0{4-6,5-7}2

宇佐美・正林

 

3年生ペアでD1に出場

3年生ペアでD1に出場

リーグ初戦、慶大のD1は上杉・韓組が出場した。松浦・大和田組を相手にファーストセット第1ゲームでブレークを許してしまう。しかし、続く第2ゲームではリターンで相手のミスを誘い、すぐさまブレークバック。これで試合の流れを一気に引き寄せると第4、6ゲームもブレークに成功し、6-1で1セットを先取した。セカンドセットでも第1ゲームでいきなりブレークすると、サービスゲームでは上杉、韓ともに強烈なサーブで中大ペアを押し込み、試合を優位に進める。リターンゲームでも第7ゲームで再びブレークし、6-2でセカンドセットも奪い、ストレート勝ちした。

 

畠山のボレー冴えわたった

畠山のボレーが冴えわたった

 

D2はインカレ王者となった逸﨑・畠山組。古田・望月組との対戦となった。ファーストセットは両者がキープをしあう展開に。5-4で迎えた第10ゲームではブレークチャンスをつかんだが、あと一本が入らずにキープされてしまう。それでも続く第11ゲームでは、逸﨑・畠山組の得意な好リターンからのボレーが決まるようになる。ラブゲームでキープすると、第12ゲームをブレークしてファーストセットを奪う。セカンドセットも互いに譲らぬ展開が続き、タイブレークへ。ここで畠山がボレーを次々に決めていき、見事セカンドセットもモノにした。王者として臨んだ初めての試合でしっかりとチームにポイントをもたらした。

 

 D3は主将の井上と1年生の平山のペア。対するは、宇佐美・正林組であった。ファーストセット、4-4で迎えた第9ゲームで両組通じて初のブレークを許すと、第10ゲームをキープされ、ファーストセットを奪われる。セカンドセット第4ゲーム、先にブレークしたのは井上・平山組だった。しかし、第5ゲームですぐさまブレークバックされ、流れを引き寄せられない。第8ゲームで再びブレークに成功するが、続く第9ゲームでブレークされてしまう。このゲームを取りきれなかったことが響いた。第11ゲームもブレークされてしまった井上・平山組はタイブレークに持ち込むことができず、ストレート負けを喫した。

 

◇シングルス

S1

上杉海斗

1{6-3,6(5)-7,1-6}2

正林

S2

逸﨑凱人

1{6-3,3-6,3-6}2

望月

S3

甲斐直登

1{4-6,7-5,5-7}2

大和田

S4

韓成民

2{6-3,6-2}0

古田

S5

畠山成冴

0{1-6,2-6}2

斎藤

S6

福田真大

2{6-2.6-2}0

菱田

 シングルスではS6の福田とS4の韓がストレート勝ちし、先に勝利への大手をかけるも上位で一本も奪うことができず、逆転負けを喫した。S3で出場した甲斐直登(環1・日出高)はフォアの得意な大和田に対し、徹底的にバックを狙ってミスを誘おうとした。ファーストセットを4-6で奪われたが、セカンドセットは7-5。ファイナルセットまでもつれたが、最後は大和田の前に屈した。

セカンドセットの試合運びが悔やまれる逸﨑

セカンドセットの試合運びが悔やまれる逸﨑

S2で出場した逸﨑の相手は、インカレで準優勝した望月。ファーストセットを6-3で奪い、セカンドセットも第1,3ゲームでブレークし3-0でリードしていた逸﨑。しかし、ここから望月のコースを突いた攻めに崩され始める。まさかの6ゲーム連取を許し、セカンドセットを奪われると望月を調子づけてしまう。ファイナルセットになってもなかなかペースを握れず、まず第1ゲームでブレークされてしまう。第3ゲームでは0-40からデュースに持ち込むも、最後はダブルフォルトでキープすることができない。第4ゲームでは力強いフォアでポイントを重ねてブレークし、流れを引き寄せかけるも3-5で迎えた第9でブレークされ、敗れてしまった。この時点で4-4。チームの勝利はS1の上杉に委ねられることとなった。

 

 

法大戦での爆発に期待

法大戦での爆発に期待

ファーストセットは両者によるキープ合戦。第8ゲームで上杉がようやくブレークに成功し、続く第9ゲームをキープしてまず1セットを先取した。しかし、セカンドセットに入ってもキープが続く展開に。そして第8ゲームで中大の正林に先にブレークを奪われてしまう。第9ゲームですぐさまブレークバックしたが、このあたりから疲れが見え始めた上杉に足が痙攣するアクシデント。治療が行われた。試合は6-6でタイブレークへ。ここで上杉が最後の力を振り絞り5-3リードまで進める。足の状態を考えても何が何でもセカンドセットで試合を決めたかった。しかし、そこから4ポイントを連取されてしまい、フルセットにもつれ込んだ。ファイナルセットになると正林によるワンサイドゲームとなり、1-6で奪われゲームセット。3時間弱のロングゲームを戦った両者に拍手が送られた。

 

「王座」に向けた戦いは黒星発進となった。ダブルスでリードし、先に王手を掛けた中での逆転負けに一本の大きさと流れの重要性を痛感する一戦となった。しかし、次の法大戦はすぐそこに迫っている。井上主将が「やるしかない」と話すようにもう一つも落とせない戦いが続く。この試合で得られた課題を克服し、良い流れにつなげることができるか。第2戦法大戦、勝利を期待したい。

 

(取材・記事 森本凜太郎)

 

◆試合後コメント

 

坂井利彰監督

(初戦を振り返って)男子はやはり若いチームなので、試合の流れを上手くつかめなかったというのが負けた要因かなと。テニスの場合、流れというのは行ったりきたりするし、そこをつかむのが大事だと思います。ダブルスでリードして、シングルスの序盤は良くて大手を掛けたのは先だったんだけど逆転負けをしてしまったというのは、上杉にも負担をかけてしまったし、その流れをつかむ準備をしていきたいと思っています。女子は逆に流れをつかんだと思います。ただやはり課題はあります。男女ともにですが、しっかり課題をとらえてやっていきたいと思います。(上杉選手の足の状態に関して)けがではないです。汗をかいて痙攣になったと思うので、次の試合に影響はそんなにないと思うので、しっかりと回復して準備してもらいたいです。(インカレとはダブルスのペアを変えてきたが)インカレから少し変更がありました。戦い方として、単複両方出ると負担もかかるしオーダーとしての戦略もあるので、今はこれがベストだと思ってやっています。(次に向けて)シンプルに残り全勝するだけだと思います。そういう気持ちを持って、やりたいです。

 

井上智文主将(経4・慶應義塾高)

(初戦を振り返って)欲しいところで取れなかった、リードしている場面で一本取れずに流れが変わってしまった試合が積み重なってしまったと思います。シングルスの下位で試合を決めきることができずに上位の三人にプレッシャーをかけてしまった結果こういう形になってしまったと思うので、その一本をどう取るか。これがあとの4戦で大事になると思います。(自身は平山選手と組んで、ダブルスに出場したが)リードしている場面があったんですけど、さっきも言ったようにそこで取りきれなかったところが結果的にチームに悪い流れをもたらしてしまった部分があると思います。でも、もうそこは切り替えてやっていくしかないと思います。(一年生とのペアだったが意識したことは)思い切りやってほしいと思っていました。一年生の爆発力に期待して、それを本人にも他の一年生にも伝えるようにしています。(法大戦に向けて)やるしかないという一言だと思っているので、もう一度全員でエネルギーを蓄えて頑張っていきたいと思っています。

タイトルとURLをコピーしました