初戦を勝利し、臨んだ第2戦・専大戦。台風接近の影響でダブルスとシングルスで別日となったが、ダブルス2勝で折り返すとシングルスではS5江代純菜(環3・九州文化学園高)とS4西田奈生(環2・済美高)の2連勝で慶大の勝利が確定。その後も安形玲耶主将(環4・城南学園高)、押野紗穂(環2・つくば国際大学東風高)が相手を圧倒。村瀬早香(環3・京都外大西高)もエース対決を制し7-0で慶大が2連勝を果たした。
関東大学テニスリーグ 第2戦
2016/8/30(ダブルス) @有明テニスの森公園
9/1(シングルス) @筑波大学テニスコート
VS専修大
| 慶大 |
| 専大 |
D1 | 安形玲耶・押野紗穂 | 2{6-2、3-6、6-4}1 | 清水・坂本 |
D2 | 江代純菜・村瀬早香 | 0{2-6、0-6}2 | 鈴木・宮内 |
S1 | 村瀬早香 | 2{4-6、6-2、6-3}1 | 清水 |
S2 | 押野紗穂 | 2{6-0、6-1}0 | 坂本 |
S3 | 安形玲耶 | 2{6-0、6-4}0 | 鈴木 |
S4 | 西田奈生 | 2{3-6、7-6(1)、6-0}1 | 宮本 |
S5 | 江代純菜 | 2{6-3、6-4}0 | 高橋 |
合計 | 7 | ― | 0 |
初戦の亜大戦からダブルスのオーダーを大きく変更してきた慶大。ダブルスの中心選手である安形玲耶主将(環4・城南学園高)と村瀬早香(環3・京都外大西高)がそれぞれ、押野紗穂(環2・つくば国際大学東風高)と江代純菜(環3・九州文化学園高)と組んだ。なお、安形・押野の組み合わせは公式戦では初となった。
D2の江代・村瀬組は、ファーストセット1-1の第3ゲーム。ロブを得意とする江代が粘り強くロブを上げチャンスを作り、村瀬がボレーで決めるという理想の形を多く作りブレークに成功する。第5ゲームでも長くデュースが続いたあと、村瀬のリターンエースでブレークポイントをつかむと江代のロブが相手のミスを誘い2ブレークアップとする。すると、1つブレークバックを許したものの6-4でファーストセットを奪った。セカンドセットでも流れを相手に渡さず、2-2から4ゲーム連取。ゲーム自体は競ったものが多かったが、勝負強さを見せた2人が6-4、6-2でストレート勝ちを収めた。
D1は最初のゲーム、30-30から1時間以上の雨天中断明けの2ポイントを連取し早速ブレークする。3-1の第5ゲームでもブレークし、そのまま6-2でファーストセットをものにした。しかし、セカンドセットは第4ゲームでブレークを許し、第5ゲームでは0-30を生かせないという嫌な展開。ここで再び、雨天で1時間以上の中断となった。3-5の第9ゲーム。2度つかんだブレークポイントをものにできず、試合はファイナルセットへ。すると今度はコートが1面になることにより10分程度中断となる。ファイナルセットでは相手のセンター中心のサーブに対応できず苦戦を強いられる。しかし、先にブレークを許し3-4で迎えた第8ゲーム。お互いに1度ずつゲームポイントをしのいだ2回目のデュースから押野のリターンが前衛をはじき慶大のアドバンテージとなる。次のポイントを相手のミスでものにし、ブレークバックに成功。続く、第9ゲームを安形のサーブが冴えラブゲームでキープし、流れを引き寄せる。第10ゲームでは2度のマッチポイントしのがれたが、押野のラリーで3度目のマッチポイントをつかむと、最後は安形のラリーから押野がボレーを決め、13時に始まり、3度の中断もあり6時間を要したこの一戦に終止符を打った。
2日目のシングルス、初戦からは向井マリア(環1・城南学園高)に代えて、「シングルスは昨季のリベンジ」となる安形主将を起用した。S5の江代の試合、お互いにサービスゲームで隙を見せずキープで3-3。第7ゲームの江代のサービスゲーム、30-30から相手のショットがネットインとなるアンラッキーでブレークポイントとなる。ここを江代が相手が前に出てきたところをバックのストレートのパッシングでしのぐと、次のゲームで江代の粘りのテニスがチャンスを生む。2ポイント続けてサーブから前に入られ左右に揺さぶられるが粘ってミスを誘い、0-30。相手のフォアのアングルがアウトになり0-40。30-40となったあと、江代のロブのラリーから相手のバックがネットにかかりブレークに成功し、そのまま6-3でファーストセットをものにした。セカンドセット、2ブレークアップの4-1から「『自分がしっかりしないと』と焦ってしまった」江代。連続でブレークを許し4-4に。しかし、続くゲームで長いラリーを粘りでことごとくものにし、ブレーク。このまま江代が6-3、6-4でストレート勝ちを収めた。
S4西田はファーストセット、3-1とリードした場面からサービスゲームでエラーを重ね、まさかの5ゲーム連取を許し、3-6で落としてしまう。セカンドセットでも2-5とされ追い込まれた西田。しかし、第8ゲームをサーブでポイントを重ね簡単にキープし流れを作ると、ブレークしなければ負けが決まる第9ゲーム。30-0から相手のミスなどで30-40とすると、西田がバックのストレートを深く決め相手のショットがアウトとなりブレークに成功する。続くゲームで40-30からデュースに持ち込まれフォアでチャンスを作るもドライブボレーをネットにかけ、マッチポイントを握られる。しかし、デュースから今度はフォアからのドライブボレーを決め、アドバンテージからサーブポイントでキープ。第11、12ゲームをお互いがブレークし、タイブレークに。タイブレークではコースに決まりだしたファーストサーブを中心に1-1から6連続ポイント。このセットを7-6で取ると1-1に持ち込んだ西田が完全に流れをつかみ6-0でファイナルセットも奪い勝利した。
S3安形、S2押野の試合は、両者共にダブルフォルトで1ゲーム、ブレークを許したものの、力の差をまじまじと見せつける圧倒的な試合であった。S1村瀬の試合は、4-5からブレークされファーストセットを落とすと、セカンドセットも先にブレークを許す苦しい展開となる。しかし、ここから村瀬が長いラリーをものにできる場面が増えてくる。0-2の第3ゲームをブレークすると、続く第4ゲームでここまでの最長のラリーを相手が思い切って前に出てきたところをフォアで足元にしずめボレーがネット。このポイントをものにした村瀬は試合の流れをつかみ、サービスゲームでもサーブでポイントをする場面が増えてくる。するとセカンドセットは6ゲーム連取で6-2でフルセットへ。ファイナルセット、1-1の第3ゲームでリターンで前に入りブレークに成功する。続くゲームをデュースからなんとかキープすると第5ゲームでもブレーク。確実なリードを奪った村瀬が6-3でファイナルセットをものにし、勝利を決めた。
専大戦を狙い通りの7-0で勝利した慶大。次戦の相手は、昨季最終戦で全勝での完全優勝を阻まれた因縁の筑波大だ。今季の筑波大もS1、D1のエースポジションには力のある選手が控えている。下位でしっかりとり、慶大の勝利を確定させて村瀬に回したいところだ。しかし、あくまで〝通過点〟。宿敵・早大まであと2戦。どんどんコンディションをあげていきたい。
【選手コメント】
安形玲耶主将(環4・城南学園高)
(昨季の専大戦、シングルスで負けて悔しい思いをされたと思うが、どのような気持ちで臨んだか)もちろん去年負けて悔しかったことを思い出して、自分にとってはシングルスはリベンジだと思って臨みました。今年は主将になって、チームを背中で引っ張っていくことが自分の役目であると思っているので、気持ちの部分でも変わったかなと思います。(ダブルスではペアが初戦と変わったが)春先から誰と組んでも勝てるように工夫して、練習でもいろいろな組み合わせに挑戦してきたので、どんなオーダーで発表されても勝つという強い気持ちを持ってやっています。(筑波大戦に向けて)筑波大戦が山だという人もいるとは思うんですけど、あくまで自分たちは7ー0をつけて、最終戦の早大戦にピークを持っていきたいので、自分たちがやってきたことを信じて目の前の相手にぶつかるだけです。
江代純菜(環3・九州文化学園高)
(単複両方に出場されたが)ダブルスは初出場ということで緊張もあったんですけど、今年は上級生として単複関わらず絶対にチームに勝利をもたらしたいと考えていたので、やるしかないという気持ちで臨みました。(江代選手が前衛となったときに心がけていることがあれば)とにかく二人でコミュニケーションをとって、高いボールは村瀬に頼んでしまうんですけど、前で動いてプレッシャーをかける、できることをやるだけですね。(シングルス、セカンドセットでは2ブレークアップから追い付かれたあと、すぐにまたリードできたが)隣のコートで西田が押されていて、「自分がしっかりしないと」と焦ってしまった部分があって、もう1回自分の武器を意識してプレーできたことがよかったと思います。(次は筑波大戦ですが)相手がどこであれ自分たちがやってきたことにプライドを持って、自分は2本とってくるだけだと思っています。