この日の相手は青学大。昨年のリーグ戦で4位に入っている強豪で、開幕戦では早大に勝利している。一方で王者相手の初戦を落とした慶大はリーグ戦初勝利を目指し、スターターを入れ替えてこのゲームに臨んだ。試合は終盤まで一進一退の攻防が続き、最後までどちらに転ぶかわからない展開となった。
2016/9/4(日)@国立代々木第二体育館 | |||||
第92回関東大学バスケットボールリーグ戦vs青学大 | |||||
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
慶大 | 21 | 20 | 17 | 16 | 74 |
青学大 | 18 | 19 | 23 | 17 | 77 |
◆慶大スターティングメンバ―◆ | |||||
PG | #4 西戸良(総4・洛南高) | ||||
SG | #5 後藤宏太(環4・藤枝明誠高) | ||||
SF | #22 トカチョフサワ(環3・國學院久我山高) | ||||
PF | #7 高橋晃史郎(政3・慶應義塾高) | ||||
C | #11 木村能生(環3・東山高) |
スターターに#7高橋、#22サワ、#11木村という3年生ビッグマン3人を並べる布陣で臨んだ慶大。だが慣れないメンバー構成に戸惑うこともなく、非常に順調な滑り出しを見せる。開始10秒でサワのアシストから高橋がジャンプシュートで得点すると、その後も高橋とサワがミドルレンジからのシュートを面白いように決めていく。するとこれに負けまいと4年生のガードコンビが魅せる。まずは#5後藤が見事なクロスオーバーから得点すると、直後の攻撃では#4西戸が速攻から確実にミドルシュートを決めた。慶大がバランスの良い攻めを見せる一方、青学大は3ポイントを中心に対抗する。同点のまま残り10秒を切ると、最後のポゼッションは西戸に託される。ここで頼れる主将が難しい3ポイントを沈め、最高の形でこのQを終えた。
第2Q、まず仕掛けたのは青学大。長距離のシュートを次々とヒットさせ、徐々にリードを広げていく。この悪い流れを断ち切ったのが、この日スタメンに入った#11木村だった。まずは残り5分40秒にオフェンスリバウンドからバスケットカウントを奪う。フリースローはミスしたものの、直後の攻撃でまたしてもバスケットカウント。この一連のビッグプレーにベンチ、観客は大いに盛り上がりを見せた。その後青学大に立て続けに3ポイントを決められるが、慶大はペイントエリアを徹底的に攻めて確実に得点を重ねる。終盤はサワや木村を中心にディフェンスリバウンドでも奮闘し、10対3というランで前半を締めくくった。
4点リードで迎えた第3Q、慶大は相手のアウトサイドシュートに手を焼くことになる。青学大#24安藤がこのQで4本もの3ポイントをヒットさせる活躍を見せ、慶大のディフェンスは対応に苦しんだ。それでもリードを維持できていたのは、オフェンスで引き続き良い流れを作り出していたからであり、その中心となったのが高橋だ。持ち前の体の強さとシュートの巧さを活かしてゴール下を完全に制圧し、得点にリバウンドに獅子奮迅の活躍。2本のバスケットカウントを含め、このQだけで12点を挙げた。また中盤の勝負所では1年生の#16高田が3ポイントをヒット。良いムードで終盤を迎える。だが残り2分を切った辺りからターンオーバーが目立ち始める。この間に逆転を許し、2点のビハインドを負って最終Qに向かうことになった。
第4Qの序盤は互いになかなか得点が入らない状況に。慶大はディフェンスが機能し始め、青学大のパス回しに対して積極的に足を動かしてノーマークの機会をほとんど作らせず、相手にタフショットを打たせる場面が何度もあった。一方で絶好調の高橋へのマークが厳しくなったことで、インサイドに良い形でボールを入れさせてもらえず、オフェンスが停滞してしまう。残り7分20秒に安藤がこの試合7本目の3ポイントを決めリードを広げに掛かるが、ここは西戸が連続得点を決めてしっかりと点差を詰める。そこからは両チーム見応えのある一進一退の攻防を繰り広げる。残り1分30秒の時点で慶大は8点のリードを許すが、後藤の3ポイントと高橋のレイアップでその差は3点に。その後再び6点差に広げられ万事休すかと思われたが、残り28秒に高田がコーナーからの3ポイントを決めるビッグショットを披露。だが直後のディフェンスを守り切れず、最後に高橋がこの試合31点目となるシュートを決めたものの、そこで試合終了。僅差での悔しい敗戦となった。
惜しくもリーグ戦初勝利を逃す結果となったが、高橋が「慶應らしいバスケットができた」と語るように試合内容は素晴らしく、戦う気持ちが前面に出ていたゲームだった。高橋の好調は心強い限りであり、前の試合に引き続き堂々たるプレーを見せた高田の存在も、チームにとって大きな収穫だろう。強敵相手に最後まで互角の戦いができたのは必ず自信に繋がるはずだ。長いリーグ戦はまだ始まったばかり。今日のようなプレーを続けて、ここから勝利を積み重ねていってもらいたい。
(記事 徳吉勇斗)
阪口HC
(昨日と今日と敗戦が続きましたが)負けてしまいましたね。気持ちを切り替えてしっかり頑張らないと。(今日は)ゴール下のシュートがあまり決まらなかったですね。(今日の試合で選手は)昨日から後藤の3ポイントがあまりよくない状態です。髙田はだいぶ伸びてきたから、助かりますね。(夏は)ケガ人が結構出てしまったけど、選手達は皆よく頑張ったと思います。(来週は)とにかく頑張ります。前半でなんとしても5・6勝はしたいです。1部に残る為に。そうすると4・5位くらいに入れるので。昨日か今日で、どっちか勝とうと思ってたんですが上手く行きませんでした。今日は惜しかったです。
木村能生選手(環3・東山高)
(試合を振り返って)勝てた試合だったと思うので悔しいです。(今シーズン初スタメンでしたが)今、鳥羽がケガしているので相手の24番が大きくてインサイドを攻めてくるということで、サワを3番にして高橋と僕で4番・5番を務めようということでした。試合当初は久々のスタメンということでとても緊張していました。(夏の練習は)ケガもあって思うように練習できなかったです。リーグ戦が近いのでみんなで声をかけあってました。慶應は人数も少ないし選手層がうすいので、チームの結束と個々人の意識を心がけて練習しました。(今シーズンの意気込みは)今日はいいパフォーマンスができましたがチームが勝たなきゃ意味がないので、チームのために何ができるかを考えていきたいです。今シーズンは最低限一部に残留して、来年自分たちの代でインカレに出られるように頑張りたいです。
高橋晃史郎選手(政3・慶應義塾高)
(試合を振り返って)相手の激しいディフェンスの中で、インサイドで自分とかサワが中心となって得点できた部分はあったんですけど、最後は粘り負けしてしまってすごく悔しかったです。(得点を多く決めていたが自身のプレーを振り返って)終盤のイージーなシュートを落としてしまって、あれを決めないといくら決めても意味がないので、そこが今後の課題かなと思います。(昨日に続き連敗となったがチームとしての課題は)結果としては2連敗という形になってしまったんですけど、チームの持ち味の慶應らしいバスケットを試合でできたと思うので、そういう意味では自信を持って下を向くことなく、これからの試合に向かえたらいいなと思います。(次戦へ向けて)2部に落ちない戦い方をしていかなくちゃいけないと思っていて、来週は絶対落とせない試合があるので、そこでしっかり今日みたいに最後でつまらないミスをしてしまうのではなくて、終始集中した試合展開で慶應らしさを出して勝利したいと思います。
高田淳貴選手(環1・徳島城東高)
(試合を振り返って)最後まで5,6点差以内の試合だったので、どうしても勝ち切りたかったです。(自身の活躍を振り返って)前日の東海大との試合に出て、結構やれるなと自信がついたので、今日は思い切ってプレーしようと試合前から思っていて、それがいい方向に出たんだと思います。(1年生として特別に意識していることは)高橋さんやサワさんから、1年生は何も怖がらずに思い切りプレーしろ、と言われているので、その通りに全力でプレーしています。(リーグ戦での個人の目標は)短い出場時間の中でも、今日みたいにしっかりと3ポイントを決めて、チームに貢献していきたいと思います。