【ラグビー】後半の失点響き、ジュニア選手権は黒星スタート/関東大学ジュニア選手権・明大戦

後半は明大の猛攻に苦戦を強いられた(CTB豊田・左、CTB木口・右)

後半は明大の猛攻に苦戦を強いられた(CTB豊田・左、CTB木口・右)

慶大日吉グラウンドで行われた明大とのジュニア選手権初戦。試合は前半、WTB吉迫のトライで幸先良く先制点を挙げるが、終了間際に7点を失い逆転を許してしまう。後半、WTB小原がトライを挙げて一時は勝ち越しに成功するも、最後は連続して3トライを奪われるなどディフェンスに精彩を欠き、26-40で敗れてしまった。後半の失点が重く響いた慶大は、ジュニア選手権黒星スタートとなった。

 

関東大学ジュニア選手権 vs 明大

2016/09/10(土)13:00K.O.@慶大日吉グラウンド

 

得点

慶大

 

明大

前半

後半

 

前半

後半

2

2

T

2

4

1

2

G

2

3

0

0

PG

0

0

0

0

DG

0

0

12

14

小計

14

26

26

合計

40

 

 得点者(慶大のみ)

T=吉迫、永末、小原、古館

G=青井3

 

ポジション

 先発メンバー

 交代選手

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渡邊悠貴(経2・慶應)

 

2.HO

中本慶太郎(経2・慶應)

 

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吉田雄大(総3・秋田)

→後半11分 榎本雄一(商4・慶應志木)

4.LO

植竹創(商2・湘南)

 

5.LO

永末千加良(法3・慶應)

 

6.FL

中村京介(文3・明和)

 

7.FL

竹田和正(法4・慶應志木)

 

8.No.8

鈴木達哉(環4・茗渓学園)

 →後半11分 古舘健介(経3・慶應)

9.SH

江嵜真悟(商2・小倉)

 

10.SO

青井郁也(商3・慶應)

 

11.WTB

小原錫満(総2・東海大仰星)

 →後半11分 柏木明(経3・慶應)

12.CTB

豊田康平(総2・國學院久我山)

 

13.CTB

木口俊亮(経4・仙台第三)

 

14.WTB

吉迫雅俊(商4・慶應志木)

 

15.FB

楠本遼(経4・慶應)

 

 

 

このあとインゴールへ飛び込むLO永末

このあとインゴールへ飛び込むLO永末

前半、先に得点のチャンスを得たのは慶大。スクラムでコラプシングの反則を得てエリアを回復すると、ラインアウトからWTB吉迫が抜け出し大きくゲイン。一気に相手陣内まで攻め込み、ゴール手前でSO青井がキックパスで裏を狙う。しかし相手ディフェンスに阻まれ、トライにはつながらない。その後は互いに一進一退の攻防も13分、マイボールスクラムから青井からCTB豊田、FB楠本と繋ぎ相手の防御を崩すと、最後は吉迫が余裕を持って右中間にトライ。「春からずっと練習してきた」(楠本)というサインプレーが見事にはまり、慶大が幸先よく先制点を挙げた。しかし22分、ラインアウトモールからトライを許してしまい、試合は7-7の振り出しに。追いつかれた慶大は27分、自陣深くからWTB小原がラインブレイクを決めチャンスを作ると、順目に展開、最後はLO永末が右隅にトライ。流れるようなパスワークが冴え、たちまち勝ち越しに成功する。このままリードを保って前半を終えたい慶大だったが、終了間際にスクラムから相手SHにトライを決められてしまう。コンバージョンも決められ、12-14と2点のビハインドを負って前半を終了した。

 

 

途中出場からトライを決めたNo.8古館

途中出場からトライを決めたNo.8古館

後半、勝ち越しを狙う慶大は序盤から勢いを見せる。1分、ラインアウトから青井がボールを持つと、豊田とのループが決まりディフェンスラインを突破。青井は後方から走り込んだ楠本にボールを繋ぎ、数的優位の状況を作る。最後は楠本からパスを受けた小原が落ち着いてトライを決めた。前半同様、BK陣のサインプレーで明大ディフェンスを翻弄し、再逆転に成功する。しかしその直、明大FWの連続攻撃に耐えきれずトライを与えてしまう。試合は19―19と再び同点に。引き離したい慶大は12分、ペナルティを得てチャンスを作ると、途中出場のNo8古館が抜け出しトライを挙げた。青井のコンバージョンも決まり、7点をリード。だが16分、明大BKのオフェンスに対応できずトライを奪われると、23分にはクイックスタートから相手FBにトライされ、26-33と一気に逆転を許してしまう。追う慶大は相手陣内でFW陣がフェイズを重ねトライを狙うが、あと一歩のところで反則を犯してしまい得点には至らなかった。すると38分、明大にダメ押しのトライを奪われ、万事休す。26-40で敗れ、ジュニア選手権は黒星スタートとなった。

 

 

突破を図るHO中本とサポートするFL中村

突破を図るHO中本とサポートするFL中村

昨年のジュニア選手権で二度敗れた明大相手に、またも敗北を喫してしまった。課題はやはり、計6トライを許したディフェンスか。「攻守の切り替えの部分で後手に回ってしまった」(鈴木主将)、「ラックサイドの早い寄りやセットの速さが課題」(豊田)と明大の素早いアタックに対処しきれず、得点を重ねられてしまった格好だ。ただ、シーズンはまだ始まったばかり。これから徐々にディフェンス面の連携が深まっていくことを期待したい。一方、アタック面では手応えを得ることが出来た。特に、BK陣のサインプレーで奪った2つのトライは見事で、夏の成果を存分に披露した。ハンドリングエラーなど細かいミスを減らしていけば、さらに得点を挙げることができるだろう。ジュニア選手権では、強敵ひしめくカテゴリー1に属する慶大。次は東海大戦を控えている。決して容易い相手ではないが、次こそ初勝利をつかんでほしい。

 

 

【ケイスポ的MOM】快足生かし攻守に渡る存在感 FB楠本

 

4年生らしい頼もしいプレーをみせた

4年生らしい頼もしいプレーをみせた

この試合FBで先発出場した楠本は、攻守に渡って好プレーを披露した。まずはオフェンス。先制トライの場面では、絶妙のタイミングでラインに参加し、吉迫のトライをアシストした。後半、小原が挙げたトライの場面でも同じようにアシストし、この試合2つのトライに絡む活躍を見せた。そしてディフェンスでは、自陣に走り込んでくる明大の大型BKに対しタックルを見舞うなど、簡単に得点を許さなかった。下級生主体のチーム構成で戦うこのジュニア選手権。慶大が今後勝ち抜くためには、この四年生の働きが不可欠になるだろう。

 

 

(記事・小沢光市)

 

選手コメント

 

No8鈴木達哉主将(環4)

 

(自身とチームを振り返って)自分はキャプテンとして試合に立っていましたが、チームの代表として相手を圧倒できなかったので反省しています。最初の方はスピードがあり前に出ることができていましたが、ペナルティや、攻守の切り替えの部分で後手に回ってしまい切り替えが遅れてしまいました。練習はしていたのですが、まだまだ徹底できていなかったところを明大につかれて、ゴール前のスクラムといった勝負どころで得点を重ねられたのが敗戦に繋がったと思います。(終盤につれて勢いが失われていったが)やはり明大の前に出てくるプレッシャーで後手に回って、こちらから前に出るところやターンオーバーのところで速攻に対応できなかったです。その結果1発で点を重ねられてしまいました。そこはどのチームも慶應とは違い、外に取り切るランナーや大型ランナーが多いチームなので、そこを次の試合に向けて修正していきたいです。NO.8での出場でした)この試合で3回目くらいなのですが、もう少しサイドアタックの部分だったり、その他のアタックの部分でさらに貢献できるところがあると思うので、これからもっと頑張っていきたいと思います。(今後の目標)もちろんAチームが大学選手権で優勝することです。ジュニアはこの試合で1敗してしまったが、ジュニアもジュニア選手権で優勝して、チームとして成長していけたらなと思います。

 

FL竹田和正(商4)

 

(今日の試合を振り返って)ディフェンスが自分は全然できていなかったので、あまり良くなかったです。(ボールキャリーに関しては)前に出ることはできたのですが、オーバーなどしっかりできていなかったので、前半はあまりゲインできてなかったです。オフェンスは悪くなかったのですがディフェンスが自分の中で良くなかったです。(ブレイクダウンに関して)全員ワンキルがうまくできていなかったのでそれは次戦への課題です。(夏合宿はどんなことを目標にしていましたか)早いディフェンスのセットとコミュニケーションでラインスピードを上げるのを意識してやってきたので、そこは今日の試合で少しできていたのかなと思います。(今後に向けて)今日ダメだったのでまた明日からしっかり練習して僕自身はJrの東海大戦で頑張って、対抗戦に絡んでいけたらなと思います。

 

CTB豊田康平(総2)

 

(今日の試合を振り返って)結果として負けてしまったのは良くなかったですが、アタックもディフェンスも良かったところは最近の練習の成果を出せたと思います。全体として精度を上げ、またバックスだと、前に行くラインスピードやパス、ディフェンスではラックサイドの速い寄りやセットの速さが課題になってくると思います。(良かったところというのは)今回のフォーカスが前に出るラインスピードを上げるということで、出れる場面ではしっかり出ることを意識しました。食い込まれて駄目になったときに出れなかったのは課題ですが、出れるところでしっかり出て、ブレイクダウンでファイトしてターンオーバーできた場面もあったのでそこは良かったです。(前半はサインプレーが決まって鮮やかに得点できた場面もあった。青井選手との連携はどうだったか)そうですね。青井さんが結構リードしてくれました。練習ではミスしながらも何回も何回も合わせていたので、こうして今回二つ三つ綺麗に抜けられたのは良かったと思います。(後半は陣地深くまで攻め込みながらもトライまで持っていけなかった。前半とは何が違ったのか)相手のディフェンスに合わせたアタックがあまりできなかったですね。前半は相手が前に出てきたところを上手く裏をかいてプレーできたんですけど、後半はそういったプレーがあまりできなくて、そこにハンドリングのミスなどが重なって駄目だったのかなと思います。(今後に向けて)来週筑波大戦があるので、また気持ちを切り替えます。メンバー入りできるかどうかはわからないですけど、できたら今日の課題をクリアしてもっと良いプレーをして、今度は勝てるように頑張っていきたいと思います。

 

WTB小原錫満(総2)

 

(試合を振り返って)自分たちのやろうとしていたところをできたところもあればできなかったところもあったので、もう一度振り返って、チームの中で意思統一をしっかり図らないといけないと感じました。(ご自身のプレーを振り返っては)判断悪かったと感じたところがある一方で、よくやれた点もあったので、悪かった部分をなくして今後アピールしていきたいと思います。(全体像を見て指示している姿が目立っていましたがそれは得意としていることか)そうですね。一番外にいて後ろから回りを見ることが多く、一番全体を見えているのは僕なので、しっかり指示してもっと味方がプレーしやすいようにするべきだと思い、試合中はそこを意識していました。Aチームに上がるに向けて個人的に課題としてることは)判断が悪いところだったり、たまにミスをしてしまうところがあるのでそこをなくしていけたらと思います。(次戦に向けて)もっとボールをいっぱいもらえるようにして、がつがつ自分の持ち味であるアタックを生かせるようにしていきたいと思います。

 

WTB吉迫雅俊(商4)

 

(今日の試合を振り返って)キックにミスが多かったので陣地を取ることができなかったところがもったいないなと思いました。あとディフェンスは結構前に出ることができるんですけど、横とのコミュニケーションをあまりとることができず、そこを相手に抜かれてしまったのがもったいなかったです。(バックスの連携について)アタックはところどころ成功している場面があってよかったんですけど、やっぱりディフェンスで横の連携がとれていないところがありました。あとキックをしてみんなで面になってディフェンスするところがバラバラになってしまいました。声をかけて面を作ることがバックスの仕事なので、そこが出来ていなかったのが残念です。(後半は少し苦戦していたようでしたが)後半はみんな走る意識はあったんですけど、暑さで走れなかったということもあるし、メンバーが変わったときのコミュニケーションがとれなかったのが課題だなと思いました。Aチーム昇格に向けて)Aチームのウイングは本当に足が速いので、僕もそこに負けないようにたくさんボールをもらってアピールしていきたいです。(次戦に向けての意気込み)ウイングとしてチームを救えるようなプレーを心がけていきたいと思います。

 

FB楠本遼(経4)

 

(今日の試合を振り返って)要所で自分たちのペースに持っていくことが出来なくて、結局そこで点差を付けられて、負けに繋がってしまったと思います。(ご自身のプレーを振り返ると)四年生という立場なので、苦しい時間にチームを引っ張るだとか、そういった姿をもっと見せたかったです。(オフェンスではトライに繋がるランプレーを見せた)春から、バックスでシェイプを作ってトライを取りきるという形はずっと練習していたので、その場面は良かったと思います。(一方ディフェンス面の対応は)ペナルティで相手はクイックスタートなどで仕掛けてきて、その部分でうちが後手に回ってしまったと思うので、次の試合では慶應からディフェンスで押していく、といった展開に持っていきたいです。(今後に向けて)これから、ジュニア選手権も対抗戦も続いていくので、100%の力で試合に臨んで、一つずつ勝っていければと思います。

 

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