9月10日、青山学院大学相模原キャンパスにてリーグ戦第3戦が行われた。本戦の相手、日大は今季から1部でプレーするチームだが、慶大より平均して身長が高く、侮れない相手だ。リーグ戦開幕以降、慶大は初週2戦とも勝利を逃し、そろそろ白星を挙げたいところ。この試合は、その願いが届くこととなった。序盤から慶大は好発進、じりじりと日大との差を広げていく。第4Qで反撃を受けるものの、慶大は強さを見せ、大差をつけて試合は終了。リーグ戦初勝利を挙げた。最終スコアは78対52。
2016/9/10(土)@青山学院大学相模原キャンパス | |||||
第92回関東大学バスケットボールリーグ戦 日本大戦 | |||||
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
慶大 | 17 | 13 | 30 | 18 | 78 |
日本大 | 8 | 10 | 14 | 20 | 52 |
◆慶大スターティングメンバ―◆ | |||||
PG | #4 西戸良(総4・洛南高) | ||||
SG | #5 後藤宏太(環4・藤枝明誠高) | ||||
SF | #9 鳥羽陽介(環2・福大大濠高) | ||||
PF | #7 高橋晃史郎(政3・慶應義塾高) | ||||
C | #22 トカチョフサワ(環3・國學院久我山高) |
慶大ボールで始まった第1Q。開始20秒後に鳥羽からのアシストを受けたサワがシュート。また、1分後には日大のシュートチャンスを奪ったのち、西戸がシュートを沈め、良い立ち上がりを見せる。その後、日大に得点を奪われ1点差に詰め寄られるも、後半は高橋、サワ、#11木村能生(環3・東山高)の活躍で4連続シュート。また、試合後、西戸が「個々のディフェンス力は元々持っている中で、それを強い気持ちで引き出すことができた」と振り返ったように、守備も安定した慶大は、相手に得点を許さず、9点差をつけて第2Qへ向かう。
第2Qでは、鳥羽の活躍が光った。鳥羽は昨週の試合は怪我で欠場しており、復帰したばかりにも関わらず、シュート、アシスト、ディフェンスと多方面に渡り好プレーを連発し、日大の追随を許さない。鳥羽はその活躍に関して試合後、「まだそんなに動けている方ではないんですが、このまま調子を上げていきたい」と語った。一方、日大は慶大のディフェンスに阻まれて、チャンスを活かしきることができず、思うように得点を伸ばせない。終盤は、高橋、#14原匠(環2・近畿大附属高)がつないだボール、#16髙田淳貴(環1・城東高)のドリブルからのボールをサワがゴールに沈め、慶大優位の流れで前半を終えた。
第3Q、慶大の勢いはさらに加速する。開始早々から、高橋と後藤のレイアップシュート、鳥羽の速攻など華麗なプレーが炸裂。フリースローも含めると、約3分間で17得点を挙げた。その間、日大には全く得点を許さず、勝利に向けてさらに前進。後半からは、1、2年生中心のメンバーとなり、髙田、#15山﨑純(総1・土浦日大高)、#18澤近智也(環2・高知学芸高)が得点を重ね、来季以降のチームへの期待を高めるプレーを見せてくれた。結果、28点と大きく得点差を広げることのできたピリオドとなった。
最終Qは、メンバーをスタメンに戻すも、しばらく得点を奪えない時間が続く。開始5分頃には、高橋が怪我で退場を余儀なくされ、慶大には不穏な空気が流れる。しかし、その後、鳥羽の3ポイント、西戸のアシストを受けたサワのシュートなどが決まり持ち直した慶大。また、木村がナイスカットやチャンスを活かした3ポイントを決め、同じセンターとして、退場した高橋の穴を埋めた。この活躍に関して木村は「自分の今の課題はオフェンスだと思うので、そこで良いプレーができた」と振り返る。慶大は第3Qまでのリードをほぼ守りきる形で、大勝を果たした。
本戦の勝利には、大きな意味がある。慶大に比べて身長が高い上、格上の相手が多く揃う一部リーグでは、「取れる勝ちを確実に取ること」が、一部残留のためには必要不可欠だ。一勝の重みを一番感じているのは選手に違いない。この一勝を積み上げていくために…選手たちは、きっと練習や努力を重ね、さらに強くなってくれるだろう。次戦での活躍と勝利に期待したい。
(記事・清野日奈子)
阪口HC
(試合を振り返って)高橋のひざのけがが重かったらひどいね、今のところはなんとも言えないけど。まあとりあえず一勝できてほっとしています。(ゲームプラン通りに進められたか)みんなでやっていこうということはずっと話していて、今日やっと鳥羽と山崎が戻ってきたので、選手をぐるぐる回しながらできてよかったです。(ディフェンスの良さが目立ったが)自分たちのディフェンスもそうですけど、日大のオフェンスがいつもよりは悪かったという面も大きかったんじゃないかな。何か見ていて違和感がありました。(次戦に向けて)勝たないとだね。とにかく当面の目標は一部残留なので、それに向けて頑張ります。
西戸良選手(総4・洛南高)
(試合を振り返って)今日は負けられない試合ということで、ここまでの一週間技術というよりも気持ちの面を準備してきたので、そういった面を第1Qから前面に出すことができました。その気持ちを全員が最後まで切らさなかったのが勝ちにつながったし、次の試合にもつながるいい収穫があったのかなと思います。(点差が開いた中でもプレスを仕掛けていたが)先クールの2試合の反省点として、ディフェンスが緩くなって相手の思うようなオフェンスをさせてしまい、流れをつかめず自分たちのオフェンスも悪くなってしまったということがあったので、今クールは足がつってもいいからディフェンスから流れをつかみにいこうということを意識していました。(ディフェンスが好調だった要因は)先週いなかった鳥羽の復帰も大きいと思うんですけど、今日に関してはキャッチアップシュートを得意とする選手が相手にいたので、そこにプレッシャーをかけることを意識していたのがよかったと思います。あとは個々のディフェンス力は元々持っている中で、それを強い気持ちで引き出すことができたのが今日は大きかったです。(1年生の高田を中心に、下級生の活躍も目立っているが)先クールで鳥羽と山崎が出られない中で高田が抜擢されて、オフェンスも安定しているし、ディフェンスも相手エースについたりと、しっかりとその役割を果たせていると僕から見ても感じました。今後は僕たちが余裕をもった試合をして、高田や他の下級生が経験を積めるようにしていきたいです。(専修大戦にむけて)とにかく今週は2勝するというのが最大の目標なので、今日の展開がもう一度できるように、出だしからとにかく気持ちを出して、相手の得点源をしっかりと押さえて、やりたいことをやらせないようにすることを意識して臨みたいです。
木村能生選手(環3・東山高)
(試合を振り返って)まず一勝できたということはすごく大きいことだと思います。ただ、一勝だけでは一部に残留できないので、これから勝ちを積み重ねていくことがすごく大事だと思います。2勝3勝4勝と続けていければ残留が見えてくると思うので、1位を狙うどうこうではなくて、チームの力をインカレに向けてつけていくというのと、リーグ戦では残留ということを目標にしっかりやっていきたいです。(ディフェンスが好調だったが)今日は本当に良かったと思います。入りが良かったので、相手の出鼻をくじくことができました。それを毎試合できるようにしたいです。今日の相手は、途中で集中力が切れてしまって、そのままの点差でいけましたが、これからやっていく相手はそうではなくて、1点差をつけてもそこから追いかけてくる力のあるチームとこれから当たると思うので、慶應は最初頑張って、そこからはその点差を維持できるように、というのをチーム全体でやっていきたいと思います。(ディフェンスで気をつけていること、気をつけたいと思うことは)相手によるのですが、これからやっていく相手は、自分たちより身長が10センチ以上大きい相手になってくるので、そこでどれだけセンター陣3人がファウルをせずに点数を取られないようにできるかです。すごい難しいことだと思うのですが、そこを頑張ってやらないとチームの勝ちは見えてこないと思うので、そこをしっかりやっていきたいと思います。(特に後半にシュートがよく決まっていたが)今日は、相手の集中力が切れてしまったということもあって、そこをつけたのかなと思います。自分の今の課題はオフェンスだと思うので、そこで良いプレーができたというのはこれからの好材料になるかなと思います。ただ、これからの相手は、今日みたいに簡単に試合運びのできる相手ではないと思うので、そこは集中力を継続して、少しでもチームの力になれるようにしていきたいと思います。(次の試合に向けての意気込み)絶対勝ちたいです。今週2勝するのとしないのとでは全然違うと思います。明日の相手には外国人の選手がいて、そこをどれだけ抑えられるかがキーポイントになってくると思うので、そこをしっかりやって、絶対に勝ちたいと思います。
鳥羽陽介選手(環2・福大大濠高)
(今日の試合を振り返って)出だしの部分で点差を離せたことが今までの試合ではなかったので、そこが1番の勝因だったかなと思います。でもやはり最後の部分、終わり方があまり良くなかったなというのは反省点だと思います。(ディフェンスで心がけたことは)僕自身はマークマンが相手のエースだったということもあって、ボールをもらわれる前にどれだけプレッシャーをかけられるかというのと、キャッチアップシュートを打たせないというのを決めていました。そこを一試合通して貫き通せたのは良かったと思います。(怪我から復帰して)まだそんなに動けている方ではないんですが、このまま調子を上げていきたいなと思っています。(明日の試合にむけて)明日もうちよりはサイズのあるチームなので、絶対に高さの部分では不利になると思います。ガード陣もリバウンドに飛び込んだり、ゴール下に切り込んでいくことが必要になると思うので、そういった部分でも貢献していきたいなと思います。