【ソッカー男子】第14節 チームが一丸となり掴んだ後期初勝利 順大戦

後期リーグ戦開幕後良いゲーム内容を展開しながらも未だ勝ち星が無い慶大。第13節終了時点で順位が1つ下の7位順大との一戦に臨んだ。試合は序盤こそ慶大ペースだったが、順大の細かいパス回しに翻弄され攻め込まれる。しかしDF陣の体を張った守備を中心になんとかスコアレスで前半を折り返す。後半はスピードのある選手を投入し、チャンスを増やすと82分、佐藤海徳(政1・桐光学園高)の裏への浮き球のボールを池田豊史貴(総3・浅野高)がダイレクトで決め先制。この1点を守りきった慶大が後期リーグ戦初勝利となった。

近藤はこの日もキレのある動きを見せる

近藤はこの日もキレのある動きを見せる

 

第90回関東大学サッカーリーグ戦 第14節

2016/9/17(土) 14:00KO @白井運動公園陸上競技場

慶應義塾大学 1- 0 順天堂大学

 

【得点者(アシスト者)】

〔慶〕 82分 池田 豊史貴(佐藤 海徳)

◇慶大出場選手

GK上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)

DF佐藤海徳(政1・桐光学園高)

DF望月大知(環4・静岡学園高)

DF豊川功治(総4・ジェフ千葉U-18)

DF井上大(総4・國學院久我山高)

MF落合祥也(商1・横浜FCユース)

MF宮地元貴(総4・東京ヴェルディユース)

MF近藤貫太(総1・愛媛FC) →70分 山本哲平(政4・國學院久我山高)

MF松木駿之介(総2・青森山田高)→45分 手塚朋克(環3・静岡学園高)

FW→ 76分 渡辺夏彦(総3・國學院久我山高)→58分 田中健太(法3・横浜F・マリノスユース)

FW池田豊史貴(総3・浅野高)

 

前節は流経大相手に引き分け、初勝利を逃した慶大はほぼ同じ布陣。2トップは後期リーグ開幕戦と同じ渡辺夏彦(総3・國學院久我山高)と池田が先発となった。

 試合は慶大が前線からのプレスと丁寧なパス回しでペースを握る。開始2分、宮地元貴(総4・東京ヴェルディユース)が中盤でボールを奪うと前線の池田へ。池田が後ろに流し松木駿之介(総2・青森山田高)が力強くPA内に侵入するがシュートは打てない。17分には右サイド佐藤から渡辺にパス。渡辺がワンタッチで近藤貫太(総1・愛媛FC)に送るとそのままシュート。これは相手にGKに阻まれる。20分にも落合祥也(商1・横浜FCユース)のパスを渡辺がスルーしその先で待つ近藤がミドルシュート。これも相手キーパーのセービングにあった。さらにその直後カウンターから近藤がゴール前にクロスを上げ、相手DFのクリアミスを松木がGKと競り合い、ボールはゴール内にこぼれるがこれはファールの判定。

序盤は攻め込む慶大だったがセカンドボールを拾われ、主導権は順大に移っていく。34分、カウンターを受け、ゴール正面からシュートを打たれるが豊川功治(総4・ジェフ千葉U-18)が体を張ってブロック。43分にもロングボールを弾かれ、ピンチを迎えるがここは井上大(総4・國學院久我山高)が体を投げ出してなんとか凌いだ。前半終了間際にもPAのすぐ外でFKを与えるなど押し込まれた慶大だったがなんとか耐えて前半を折り返す。

体を張ったプレーでDFラインを統率した豊川

体を張ったプレーでDFラインを統率した豊川

 

後半開始から松木に代えて体調不良から復帰したスピードが持ち味の手塚朋克(環3・静岡学園高)を投入。47分、その手塚が前線からの積極的な守備でCKを獲得。近藤が蹴ったボールに宮地が頭で合わせるが相手DFがライン上でクリア。さらに53分、宮地が手塚の裏のスペースにパス。手塚が相手をかわし、中央のフリーで待つ渡辺にパスを出すが渡辺のシュートはジャストミートせずにゴール左へと外れた。

手塚が素早いドリブル突破でチャンスを演出

手塚が素早いドリブル突破でチャンスを演出

58分に渡辺に代えて田中を投入。スピードを活かした攻撃を仕掛けたいところだが、この直後に右サイドからの突破を許してしまう。PA内でシュートを打たれ、GK上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)がはじいたこぼれ球を詰められるが望月大知(環4・静岡学園高)がライン上でなんとかクリアした。その後も順大に細かくパスを繋がれ、右サイドからミドルシュートを打たれるが上田がまたもファインセーブをみせ、得点を許さない。

上田が何度も良いセービングを見せた

上田が何度も良いセービングを見せた

70分に近藤に代えて山本哲平(政4・國學院久我山高)を投入。77分、池田が相手DFの裏に抜け出し、手塚にラストパス。GKと一対一になったが手塚のシュートは僅かに外れた。そして82分、押し込まれていた慶大が貴重な先制点を奪う。佐藤の浮き球のパスに池田がDFラインの裏に抜け出し、これをダイレクトでシュート。ボールは相手GKの頭上を越えゴールに吸い込まれた。後期リーグ開幕戦から先発出場を続ける池田のリーグ戦初ゴールとなった。波に乗る慶大は右サイドを手塚が突破し、逆サイドでフリーの田中へ。田中がトラップから相手をかわし、シュートを放つがこれは左に外れた。その後終盤は相手にボールを支配されるが、チーム全員の守備でチャンスを作らせずに試合終了。慶大が後期リーグ戦初勝利となった。

劇的ゴールを決めた池田が終盤ボールをキープ

劇的ゴールを決めた池田が終盤ボールをキープ

 

後期リーグ戦が開幕して2試合、良い内容で試合を展開しながらも勝利をあげることができなかった慶大だったが、「今日は最高のゲーム。チームが一丸となって戦えたのは今シーズン初めて」(須田監督)と3戦目にして大きな意味のある初勝利となった。前期は先発出場が無かった池田が素晴らしいゴールを決め、勝利に導いたこともチームにとって刺激になっただろう。次節はカシマスタジアムでの専修大戦。後期開幕3連戦の最後を勝利で飾った慶大がこのまま波に乗りたいところだ。

 

(記事 吉田遼平)

 

試合後コメント

 

須田芳正監督

(今日の試合を振り返って)今日はもう最高のゲーム。チームが一丸となって戦えたのは今シーズン初めて。後半の途中までは勝ち点1をなんとか取ろうというようなゲーム内容ではあった。かなり相手に攻撃されて、厳しい時間帯をなんとかみんなで集中して失点をしないで、最後にチャンスが来てピンチがあればチャンスがあるのだと、まさにその言葉通り最後の1本のチャンスを池田がしっかりと決めてくれた。こういうゲームをやりたい。内容も大事だけれど、チームが一丸となって勝利にベクトルを向ける。そういうゲームが今日はできたので、やっと慶應の1番のストロングポイントというか伝統的なチームが1つになるということが体現できてすごくいいゲームだったと思います。(攻撃時はパスを丁寧につなぎながら仕掛けようとしたが)ボールを奪った後のパス回しがあまり良くなかった。守備の時間が多かったのでエネルギーを奪われて、奪った後の精度があまり良くなかった。ただその中で今日は3連戦の最後ということで、これは後半勝負だと考えていたので前半は0でいって後半は速い選手を入れて、そこから最後勝負しようとした。それはゲームプラン通りにいったかな。ただ攻撃の時の質の部分。もう少し安定したパス回しから裏を狙うということを練習していかないと点は取れないと思います。(相手がボールを持った時に前線から厳しく行く場面と遅らせる場面があったが)時間帯によって前から行くときはみんなで厳しくいく。相手はボールポゼッションのチームだったので、ボールの取りどころをしっかりとみんなで共有していこうと。その辺は功治(豊川)がピッチの中での監督だということを言っているので、今日はうまくコントロールしてくれたと思います。(前節から先発出場の佐藤選手について)彼の良いところというのはバランサーなので、右サイドでバランスをとって攻撃というよりは守備の面でボールを奪って前の選手につなげてくれるそのようなプレーを期待しているので、その部分はうまくやってくれているんじゃないかと思う。1年生がいきなり試合に出ると練習で出せる能力が半分ぐらいになると思うけど、彼の場合は6割、7割はできていると思う。手塚が体調不良で試合に出場できない時に、彼はここ2試合彼の良さである安定したプレーが出ているので続けて欲しい。(今日ゴールを決めた池田選手について)出来すぎじゃないかな。彼にはそのようなポテンシャルがあったからそれがどんどんどんどん開花されている。ここ1、2戦はとにかく前でターゲット役として相手のセンターバックに仕事をさせるな。ヘディングで返されないでくれとその部分をやってそれにプラスしてゴールだよとゴール前に行かなければ点は取れないよと話してきてまさに1番おいしい相手の裏のスペースによく走り込んだね。(次節専修大戦に向けて)まずはしっかりとコンディションを整える。相手はまた攻撃的なチームなのでしっかりと分析もして、我々の課題、修正点も出ているのでしっかりと準備して戦いたいと思います。

 

宮地元貴主将(総4・東京ヴェルディユース)

(今日の試合を振り返って)今日は本当にチーム全員で勝ち取った勝利だと思いますし、前半は苦しいゲームになった中で後半は頭からしっかりと自分たちのサッカーができて、代わった選手もただ代わるだけでなくて、さらにチームを良い方向に持っていってくれて、個人の頑張りがチームの結果につながったすごくいいゲームだったと思います。(後期初勝利となったが)毎試合勝利を目指す中で、内容は良かったのですが、結果が出ないという試合が続いてきて、今日は前の試合に比べると内容はそこまで良くなかったのですが、苦しい試合を勝ち切れて、3連戦を勝って締めくくることができたという事はすごく大きいと思います。(サイドの裏に積極的にパスを出していたが)順大の裏がウィークポイントだという事はみんなで言っていて、途中から手塚だったり健太(田中)だったり速い選手が交代で入ってきたので、簡単に蹴って、相手が後ろ向きになれば自分たちのペースになると思っていたので狙いました。(次節に向けて)目の前の試合しか考えずに、1戦必勝の精神で戦っていきたいと思います。今日は4年生がチームを引っ張っていたと思うし、4年生がしっかりしてるチームが強いと思うのでチームを引っ張っていけるように頑張りたいと思います。

 

井上大副将(総4・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)試合前からチームとして勝ち点3を絶対に取ることを目標に試合に臨んだので、まずはその目標を達成できて嬉しく思っています(後期が始まってから失点が多かったがそれも考慮に入れた試合運びになったか)前節の流経大との試合から守備の部分は修正しようっていう話はしていて、(その試合で)セットプレーで1失点はしてしまったんですけどそれ以外の部分で危ないシーンを作らせないことだったり最後の最後で体を張ることだったりそういう部分を練習中から意識してみんなで2日間練習してきました。(久々に無失点で終えたが手応えは)相手の11番だったり17番だったりすごくテクニックのある選手がいたので苦しい時間帯はすごく多かったと思います。ただその中でも(豊川)功治や(望月)大知を中心にしっかり声を掛けてラインをずるずる下げずに守り切れたというのはすごく手応えをつかんだし、前向きに捉えていいのかなと思っています。(何か課題は)前半の途中だったり後半の途中にラインがずるずる下がってしまうことだったりボランチが前に釣り出されていちばん危ないゾーンを空けてしまうことがまだまだあったので、そういうところは90分を通して安定した試合運びをするためにも修正しないといけないのかなと思っています。(次の試合への意気込み)前期の最初に1回勝った後に負けてしまって連勝できなかったので、上に食らいついていくという意味でも下を離すという意味でも次の試合絶対に勝ち点3を取りたいと思うので、そのためにまた1週間しっかり練習していきたいと思います。

 

佐藤海徳(政1・桐光学園高)

(今日の試合を振り返って)まず勝ち切れたことはすごくいいことだと思います。それに自分がアシストという結果で貢献できたことは、公式戦2試合目という中で自信につながると思いますし、これからもそういう結果を残し続けていきたいと思います。(見事なアシストだったが、あのパスは自信があったか)いや、正直あそこをピンポイントで狙ったというわけではなくて、相手がラインが高く足が止まるということが分かっていたので、まあちょっと裏に蹴ろうかなという感じでした。(ようやく無失点で試合を終えられたが、今日の守備の良かった点は)相手の攻撃陣がドリブルやシュートが多いのでそこを警戒しようということで、前に上がったりするより、あまりリスクを冒さずにまず失点を0にしようとした姿勢が上手くいったのかなと思います。(スタメン2戦目という中で目に見える結果を残せて手応えを感じたのでは)そうですね。前回の試合でも結果を残したいと思っていて、今日はそれが形になってよかったんですけど、これからもこれを常にできるようにしないといけないと思います。これで一喜一憂して次の試合ではできないっていうのが一番ダメなので、練習からやっていきます。(これからスタメンに定着していくために必要なことは)やっぱり安定感というのが一番大事だと思っています。守備では自分の裏のスペースを簡単に使わせないことや、あえて高い位置を取ることで相手のサイドハーフの位置を下げさせて、自分たちはなるべく自陣のゴールから遠い位置でボールを動かすとか。あとは球際だったりでもアピールして、スタメンで出続けられるように頑張ります。(次節に向けて)まず試合に出ること。一番大事なのはチームが勝つことなので、そのために僕は失点を0に抑えることと、アシストだったり得点だったりの結果でチームに貢献したいです。

 

上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)

(1-0で完封勝利を収めた感想は)法大戦以来という感じで本当に久しぶりですが、やはり0失点で勝つことは大事で、うちは得失点差もあまり良くありません。こういう試合を増やしていけたら順位も上がっていくと思うので、今日は良いゲームだったなと思います。(押し込まれていたなかで、上田選手のスーパーセーブもありましたが)DFが寄せていてくれたので、ワンタッチでのシュートでしたが、そんなに思いっきりフリーで打たれたという状態ではなかったです。コースはそれなりに良いところに飛んできていたかもしれないですが、無理な体勢だったりもしたので。自分ひとりのプレーというよりは皆で守ったセーブかなというイメージですね。(1勝1敗1引分けで終えた3連戦について)初戦から内容面では結構上手くやれていたと思うのですが、やはり大事なところが抜けていました。試合と試合の間の時間が少ない中でも、皆で話し合って変えられたのは良かったです。試合を通して失点もどんどん減っているので、これに満足しないで、今日相手にやられてしまったことなどを反省しながら、続けていければ良いなと思います。3連戦は価値あるものでした。(次節専大戦に向けて)専大も攻撃の強いチームなので、もう一度自分たちに出来ることを準備してやっていきたいと思います。

 

豊川功治(総4・ジェフ千葉U-18

試合を終えた今の気持ち)後期勝ててなくて、前期も失点が多かったので無失点に抑えることをチームの課題としてやってきて、勝利もできて、さらに無失点で勝てたのはよかったという気持ちです。(今日のチームのプレーを振り返って)苦しい時間が長かったんですけど、チーム一体となって、守れましたし、チャレンジアンドカバーも徹底できていたと思います。無失点に抑えれば、前線が取ってくれるという思いがあったので、その通りになり良かったと思います。(どんなことを意識してピッチに立っていたか)後期入ってから、ラインコントロールを含めた試合のコントロールを監督からも求められていたので、自分が声を出して全体を統率するところを意識してやっていました。(次の試合に向けて)次の相手の専修には前期は勝てたんですけど、4年間振り返っても、専修はなかなか勝てない相手なので、しっかり勝って2連勝して波に乗れるようにいい準備をして臨みたいです。

 

池田豊史貴(総3・浅野高)

(初ゴールを決めたときの気持ちとゴールシーンを振り返って)そのときの気持ちは嬉しくて頭が真っ白になって、チームメイトと叫んだっていうことしか覚えていないです。あのシーンは点を取るしかないという状況で(佐藤)海徳がサイドで持ったときに中で呼び込んで、いいクロスが入ってきたので触れば何か起こると思って足を伸ばしました。すごいいい感じのループになって入りました。自分でもびっくりしています(前半から佐藤選手が持ったときに裏のスペースを狙っていた印象だが)相手のラインが止まって、裏のスペースがチャンスということはわかっていたので、そこを抜け出そうということは意識していました。前半は自分が前に出すぎて、オフサイドになるシーンが多かったんですけど、ゴールシーンは上手くライン見て飛び出せたので、前半からやっていたことが実を結んだという感じです。(ファーストディフェンダーやポストプレーなど多くの役割があるが自身がもっとゴール前で絡むシーンを増やすためにどんな工夫が必要か)今はボールをキープして味方に渡すシーンが多いので、そのあとに自分がどれだけゴール前に走れるかとか仕掛けられるかっていうのが点を取れるかどうかに左右してくると思います。もっとゴールに向かっていくプレーを増やしたいです。(そろそろ点が欲しかった頃だと思うが、後期の充実感について)すごい今は母や周りの人から点を取るしかないと言われていて、期待してくれている中でこうやって結果が出て、チームとしても勝てたので嬉しい気持ちでいっぱいです。でも、優勝を目指しているので勝ち点3を取るしかないのでもっとチームを勝利に導けるようにしたいです。

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