【ラグビー】ついに対抗戦が開幕!強敵・筑波大を下し好発進/関東大学対抗戦①vs筑波大

後半開始早々にトライを決め喜ぶ選手たち

後半開始早々にトライを決め喜ぶ選手たち

 

ついに対抗戦の開幕を迎えた慶大。初戦の相手は、昨年対抗戦3位の強敵・筑波大だ。今季から大学選手権への進出枠が「4」に削減されるため、勝敗がその後の運命を大きく左右する一戦となった。試合は同点のまま迎えた後半、SH中鉢のトライで勝ち越し流れを引き寄せると、その後はCTB今成のトライなどで着実に加点し、見事28-20で慶大が勝利。開幕戦を白星で飾り、今後の戦いに弾みをつけた。           

 

関東大学対抗戦 vs 筑波大

2016/09/18(日)15:00K.O.@熊谷ラグビー場Bグラウンド

 

得点

慶大

 

筑波大

前半

後半

 

前半

後半

1

2

T

1

1

1

1

G

1

1

2

1

PG

2

0

0

0

DG

0

0

13

15

小計

13

7

28

合計

20

 

 得点者(慶大のみ)

T=今成2、中鉢

G=古田2

P=古田2、堀越

 

ポジション

 先発メンバー

 交代選手

1.PR

細田隼都(商3・慶應)

 

2.HO

松岡大介(環4・小倉)

 

3.PR

角田匠輝(法4・慶應)

 

4.LO

辻雄康(文2・慶應)

 

5.LO

佐藤大樹(総3・桐蔭学園)

 

6.FL

松村凜太郎(商3・慶應)

 

7.FL

豊田祥平(総4・ 國學院久我山)

 

8.No.8

鈴木達哉(環4・茗渓学園)

 

9.SH

中鉢敦(経4・慶應)

 →後半20分 江嵜真悟(商2・小倉)

10.SO

古田京(医2・慶應)

 

11.WTB

小原錫満(総2・東海大仰星)

 →後半0分 木口俊亮(経4・仙台第三)

12.CTB

堀越貴晴(総3・茗渓学園)

 

13.CTB

今成哲(経3・城北)

 

14.WTB

高野慎也(商3・慶應)

 →後半33分 青井郁也(商3・慶應)→後半37分 高野慎也

15.FB

金澤徹(商3・慶應)

 

 

 

筑波大のディフェンスを突破するPR角田

筑波大のディフェンスを突破するPR角田

前半は筑波大のキックオフで開始した。試合が動いたのは5分。慶大はマイボールラインアウトからボールを確保しFW陣でゲインを重ねると、その後ボールはSO古田に渡る。古田からパスを受けたCTB今成が筑波大ディフェンスに生じたわずかなギャップを突いて抜け出し、そのままトライを決めた。対抗戦初出場の今成が活躍を見せ、幸先良く7点を先制した。続く8分、FB金澤がオブストラクションの反則を得ると、ここで慶大はPGを選択する。これを古田がしっかりと決め、3点を追加。序盤から筑波大を10-0と突き放した。しかし13分、慶大はブレイクダウンでペナルティを取られ、筑波大にPGを決められてしまう。さらにその5分後、相手FBにディフェンスを突破され、簡単にトライを許してしまう。立て続けに失点を喫し、試合はたちまち同点に。勝ち越しを狙う慶大だが、ラインアウトでミスが頻発し、なかなかボールを確保することが出来ない。主導権を筑波大に握られ、防戦一方の展開が続く。粘りのディフェンスで凌いでいたものの、31分にはPGを決められてしまい、ついに逆転を許す。追う立場となった慶大は、終了間際に古田がこの日2本目のPGを見事に決め、試合を振り出しに戻した。両者一歩も譲らず、13-13の同点でハーフタイムを迎えた。

FLとして出場した松村

FLとして出場した松村

 

 後半は慶大のキックオフで開始。序盤は互いに落ち着いた立ち上がりを見せた。5分、ここで慶大は試合の流れを一変させるプレーを見せる。筑波大ボールのスクラムで慶大FW陣が驚異的なパワーで押し勝ちターンオーバーを決めると、拾い上げたボールをNo8鈴木からSH中鉢とつなぎ、勝ち越しのトライを挙げた。FW陣の総力でトライを奪い、勢いを付けた慶大。徐々に相手陣内に攻め込むシーンが増えていく。すると19分、前半は課題としていたラインアウトからチャンスを作ると、「裏のスペースが空いている」と判断したCTB堀越が絶妙なキックパスを蹴り込み、これに反応した今成が快足を飛ばして自身2つ目のトライを挙げた。CTBコンビの連携が冴え、25-13と筑波大を一気に突き放した。さらに28分、堀越が長い距離のPGを決め、試合は15点差に。セーフティリードをつけ、試合の行方をほぼ決した。35分にラインアウトモールからトライを奪われ、7点を失った慶大だが、最後は危なげなく逃げ切り28-20で見事勝利。難敵・筑波大を下し、対抗戦の初戦を白星で飾った。

 

今試合2トライを決めたCTB今成

今試合2トライを決めたCTB今成

大切な一戦をものにすることが出来た。勝利の要因として、被2トライに抑えたディフェンス面の踏ん張りが挙げられる。特筆すべきは後半。ファーストタックルの成功率が高く、簡単にディフェンスラインを破らせなかった。その結果、後半はわずか7失点で凌ぎ、安定した試合運びを可能にした。また、序盤こそ苦戦したラインアウトだが、後半には得点の起点になるなど、徐々に改善を見せた。これから試合を重ねるごとに連携が深まっていくことを期待したい。そして目立ったのが、対抗戦初出場選手の活躍だ。中でもCTBの今成は2トライを挙げるなど、チームの勝利に直結する働きぶりを見せた。同じく初出場の堀越も、SOの古田と共にゲームを組み立て、後半には試合の行方を決定づけるPGを見事に成功させた。まだ対抗戦は開幕したばかり。次戦以降ではどの選手が活躍を見せてくれるのだろうか。今後の戦いにも目が離せない。

 

【ケイスポ的MOM】自慢の腕力でビッグプレーを演出 PR細田

 

力強いプレーで試合に貢献した

力強いプレーで試合に貢献した

後半5分、直前のプレーでボールを落としてしまった細田。なんとかして「責任を取る」という思いに燃えていた。その気持ちが現れたのか、スクラムで対面PRを圧倒し押し込むと、ターンオーバーでSH中鉢のトライにつなげた。このプレーには金沢HCも「フロントローがすごく力を発揮してくれた」と称賛。それだけに価値のあるスクラムだった。フィールドプレーでもボールキャリーにタックルと、チームに欠かせない働きを見せた。力と運動量を兼ね備える万能PRの活躍に今後も注目だ。

 (記事・小沢光市)

 

 

HC・選手コメント

 

金沢篤HC

 

(試合を振り返って)今日は特にフォワードの中でも前3が頑張ってくれて、スクラムのターンオーバーからトライを取ったりだとか、フロントローがすごく力を発揮してくれた試合だったと思います。(試合前にはどのような言葉をかけたか)雨も降っていましたし初戦は緊張感があるので、様々なミスが起こることは予想できました。なので、ミスが起こったらそれ以外のところで頑張るということ、例えばパスミスをしたらタックルで挽回するというような、それ以外のところでしっかりポジティブに変換していくようにという話をしました。(今日のゲームプランは)試合はほぼ自分の思い描いていたような内容でした。セットプレーでプレッシャーをかけながらディフェンスをしっかりタイトにやっていくということだったので、実際ディフェンスはすごくよかったと思います。ラインアウトでは相手のプレッシャーを受けていたのでそこは次に向けて修正していきたいと思います。(次戦に向けて)大学選手権に向けてまずは一勝できたということで、まだまだ先は長いので次の試合に向けて良い準備をしていきたいと思います。

 

No8鈴木達哉主将(環4)

 

(今日の初戦に向けてどんな準備をしてきましたか)普段僕たちは順目な展開をしていくんですけど、筑波大は広いスペースにどんどんアタックを仕掛けていくので、それに対する自分たちの普段練習していないアタックに対するディフェンスを今日のために練習してきました。(今日の試合を振り返って)前半FWがラインアウトをすごく苦戦してしまって、いいリズムができなかったんですけど、後半修正してDFもセットプレーもしっかり準備のできた試合ができたかなと思います。(主将として見たチームの完成度は)まず勝ったということはすごく良かったんですけど、やっぱり自分たちの強みとしていたDFの部分で、良かったところはあったものの、失点をそこそこ許してしまったところと、慶大は身長190cmが2人いてラインアウト有利な状況であったにもかかわらず、前半獲得率が低かったところはもっと次に生かせると思います。(今後に向けて一言)今日は勝ちながらも反省する要素があったので、これを日吉の練習で克服して、次の試合に活かしたいです。

 

LO豊田祥平副将(総4)

 

(試合を振り返って)対抗戦初戦ということで結果勝ちにつながったのは良かったんですけど、やはりセットプレー、特にラインアウトの部分で自分たちの思うようにいかなかったことは反省点です。(セットプレーは前半と後半でどのような修正をしたか)スクラムは継続して自分たちのスクラムをやるようにしました。ラインアウトは最初スローテンポでやっていたので、そこは修正して早いテンポでやっていこうとしたのですが、相手にテンポを取られてしまったので思うようにいかなかったです。(次に向けてはどのように練習していくか)今回準備の段階でラインアウトでは相手と競るという点にフォーカスしすぎてしまったので、まずは自分たちのラインアウトをしっかりやるということで次の試合まで準備していきたいと思います。(次戦に向けて意気込みをお願いします)運動量とディフェンスの部分がぼくらのフォーカスポイントでありかつ強みでもあるので、今回の試合で出た課題を修正して自分たちの強みで相手を圧倒していきたいと思います。

 

PR細田隼都(商3)

 

(試合を振り返って)絶対負けられない初戦ということでみんなも気合が入っていて、試合の最初から良いペースで自分たちのラグビーができたと思うのでよかったです。(スクラムからターンオーバーをして得点につなげたシーンがありました)その前のプレーで僕がノックオンをしてしまって、責任を取る形でそこはしっかり押していこうという気持ちをもって臨みました。あとはフォワードではあの試合で初めてチームでまとまって組むことができたスクラムだと思うので、そこはよかったと思います。(中央でスクラムを選択したシーンがあったがどのような意図で選択したか)普段やっていることを試合で出すということで、いつも通りに組んでいきました。(次戦に向けての意気込みをお願いします)このまま対抗戦全勝でいきたいと思うので、次の試合も必ず勝ちたいと思います。

 

CTB堀越貴晴(総3)

 

(今日の試合を振り返って)BKでは何回か相手に数的有利な展開を作らせてしまったのですが、そこで粘ってディフェンス出来たことと、点差を意識しながらゲームを進めるということで、要所で僕と古田がPGを3点ずつ刻めたことが良かったと思います。PGの役割分担は)距離で分担しています。長いときは僕で、短いときは古田です。基本的には10番の古田が蹴ります。(ご自身のプレーを振り返ると)春から課題にしていたタックルの部分で、今日の試合では夏合宿の成果が少し出たと思います。また、ゲーム中に声をかけるなど10番の古田を12番の僕が支えるという形も出来て、そこは良かったです。(後半は今成選手のトライをアシストするキックパスも見られた)視野を広く、ということで裏のスペースが空いていることが分かったので、良いキックが蹴れたと思います。(今後に向けて)初戦勝てたので、次もいい勢いで行けるようにしっかり準備していきたいです。

 

CTB今成哲(経3)

 

(今日の試合を振り返って)前半まず10点取れて流れに乗れるかなと思ったのですけれども、そこから筑波大からの良いタックルをもらってちょっと厳しくなりました。しかし後半もう一回立ち直して流れを作って勝つことができたのでよかったです。(対抗戦での初スタメン出場だったが意気込みは)Jr選手権はまだ出たことがなくて初めての対抗戦ですごく気合が入っていて、しかも慶應にとって大事な試合だったのでそこで結果を出せてうれしかったです。(2トライについて)あまりそこは意識せず、勝つということだけを意識していたのですけれども、やっぱり結果的に2トライできてチームに貢献できてうれしいです。(今日の試合に向けて意識したことは)慶應はディフェンスでの早いセットと早いアップデート、コンタクトスピードの速さ、圧倒的な運動量を掲げてやってきたのでそこを意識したのですけれども、ファーストプレイで筑波のセンターに差し込まれてしまってうまいセットができなかったので、そこは次の試合の課題です。(次戦に向けて)次の相手は成蹊大で筑波大よりは格下と言われているのですけれども、しっかり気を引き締めて圧倒して勝っていきたいと思います。

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