連日の雨から久々の晴れ間が戻り、ホーム日吉グラウンドで行われたのはジュニア選手権第2戦。対抗戦初戦の勝利の勢いそのままに、Bチームでも試合を制したいところであった。前半は、東海大の勢いを受けながらも、相手のわずかな隙を狙い慶大も得点を重ねていく。しかし後半は、我慢の時間が続きセットプレーを筆頭に苦戦を強いられた。無得点のまま失点だけが重なり、慶大らしいラグビーを展開することができない。ジュニア選手権初白星を飾ることはできず、課題の残る一戦となった。
関東大学ジュニア選手権 vs 東海大
2016/09/25(日)13:00K.O.@慶大日吉グラウンド
得点 | ||||
慶大 |
| 東海大 | ||
前半 | 後半 |
| 前半 | 後半 |
3 | 0 | T | 4 | 3 |
2 | 0 | G | 3 | 3 |
0 | 0 | PG | 0 | 0 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
19 | 0 | 小計 | 26 | 21 |
19 | 合計 | 47 |
得点者(慶大のみ)
T=山中、江嵜、柏木
G=青井2
ポジション | 先発メンバー | 交代選手 |
1.PR | 渡邊悠貴(経2・慶應) | →後半32分 中島雅大(環2・桐蔭学園) |
2.HO | 中本慶太郎(経2・慶應) | →後半32分 中川丈豊(経2・慶應) |
3.PR | 坂田拓海(経2・慶應志木) | →後半0分 吉田雄大(総3・秋田) |
4.LO | 植竹創(商2・湘南) |
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5.LO | 永末千加良(法3・慶應) |
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6.FL | 中村京介(文3・明和) |
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7.FL | 廣川翔也(環4・東福岡) |
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8.No.8 | 山中侃(商2・慶應) | →後半19分 竹田和正(法4・慶應志木) |
9.SH | 江嵜真悟(商2・小倉) |
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10.SO | 青井郁也(商3・慶應) | →後半19分 斉藤大介(商4・慶應) |
11.WTB | 清水祐輔(環4・明和) | →後半3分 瀬川慶太(環3・otago boy’s) |
12.CTB | 柏木明(経3・慶應) | →後半25分 田中芳樹(政2・慶應) |
13.CTB | 木口俊亮(経4・仙台第三) |
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14.WTB | 吉迫雅俊(商4・慶應志木) |
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15.FB | 楠本遼(経4・慶應) |
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試合は東海大のキックオフで始まった。前半はシーソーゲームで互いに譲らない試合運びとなった。開始5分、東海大に先制トライを許すものの、前半11分、NO.8山中が一気に敵陣に入りこむと清水がさらに陣地を回復。FL廣川のパスを受けたCTB柏木が相手DFをくぐり抜けインゴールへ走りこんだ。しかしその8分後、東海大にターンオーバーをされ再び得点を許してしまう。その後しばらく蹴り合いが続くが、この状況を制したのは慶大。前半28分、慶大のプレッシャーを受けた相手はノックオン。そのボールをLO植竹が確保すると素早いペースで相手陣へ攻め入り、最後はSH江嵜が左隅へトライを決めた。試合を振り出しに戻すもつかの間、再び4分後には右隅へのモールトライを許してしまう。ブレイクダウンでのミスが目立つ中、慶大も負けじとプレッシャーをかける。前半36分、相手のペースを乱し、マイボールスクラムを得ると流れは慶大へ。スクラムから持ち出したボールがSO青井の手に渡ると、No.8山中へパス。そのまま空いたスペースから飛び込み、貴重な追加点を手にした。ゴールキックも決まり、試合は追いつき追い越せの展開。このまま同点で前半を終えたいところではあったが、前半終了間際、自陣インゴール前でのラインアウトから再びトライを決められ、19対28で前半を折り返した。
後半、立ち上がりから苦戦を強いられた慶大。自陣にくぎ付けの時間が続き、防御の一点張りに。セットプレーでも、ラインアウト、スクラムともにプレッシャーを受け相手のペースで試合が進められていく。粘り強く守り続けるも、後半18分には、ついにラインアウトからモールトライを決められ、33対19と点差も広がり東海大が頭角を現し始める。だがこのトライを機に、慶大も敵陣でのプレーが増加。アタックの時間が少ない中でチャンスが訪れたのは後半24分。Bks陣でつなぐとインゴールまで残り数メートルの地点まで持ち込んだ。しかし得点への貪欲さは東海大が勝っていたのかもしれない。慶大は、相手ディフェンスの薄い左サイドへ展開したものの、そこでターンオーバーを許してしまう。ボールを得た相手選手は、グラウンドを一気に独走。フェーズを重ね慶大の得点チャンスであったはずが、相手にトライを許すまさかの結果となってしまった。ラストワンプレーでは、FB楠本からWTB吉迫が攻め上げるもののトライにはあと一歩及ばず。ホームで行われたジュニア選手権第二戦もものにすることはできなかった。
プレッシャーを大きく受けた試合となった。セットプレーでは、ラインアウト、スクラムともに相手FWの結束に終始やられた。ラインアウトからトライを許すシーンが多く、若手が多い慶大FW陣には苦しい展開となった。先週の対抗戦対筑波大ではAチームのFW陣の活躍が目覚ましかっただけに、彼らの成長の可能性を信じたいところだ。また数少ない攻撃のチャンスでもあと一歩の場面が何度か見られた。攻め切れれば得点という場で分厚い防御を破ることができずターンオーバーを許してしまった。慶大が得た3トライをみてみると、どれも絶妙なパス出しから繋げて展開した結果であり、チームで挙げたトライの理想形ともいえる。今後は継続力を高め、15人が一丸となって攻守にわたり圧倒するパフォーマンスを見せてくれることに期待したい。ジュニア選手権、次戦は流経大との対戦となる。1カテゴリーに所属してきた慶大として、その意地をみせ熱い試合を繰り広げてほしい。
【ケイスポ的MOM】成長を自信に変え魅せた躊躇なきプレー No.8 山中
今試合多く出場した若手選手の一人だ。春はAチームでの経験も積み、今年度着実に実力をつけてきた。秋は今試合が自身初の公式戦出場。主力選手がケガから復帰したAチームでは現在上級生がNo.8のポジションを担っている。しかし積み上げた経験は裏切らない。今試合では待ち構える相手に怖気なく突っ込み前進。コンタクトの部分で力を発揮し、体重差をものともせず果敢に攻撃をみせ、ボールキャリーの選手としてその能力を発揮した。今後は体重増加を目標とし、さらにフィジカル強化に意欲をみせる山中。まだまだ伸びしろがあり、今後が楽しみな選手である。
(記事・室塚あす香)
コメント
WTB清水祐輔(環4)
(今日の試合を振り返って)セットプレー、特にスクラムとラインアウトからのモールで全部やられたのかなという感じです。(今日は怪我から復帰して初めての公式戦でしたが意気込みは)ゲームキャプテンということもあって絶対勝ちたいという気持ちでした。なおかつ自分がAチームではなくBチームの試合だったので、来週はAチームの試合に出られるようにという気持ちで臨みました。(ゲームキャプテンとしてどのようなゲームプランを描いていたか)Fwdが若い後輩たちばかりだったので、まず前半はディフェンスから耐えて同点ぐらいに持ち込んで、後半は走り勝つ慶應の時間にしようというゲームプランでした。しかし実際は逆になってしまいました。(試合中、後ろからFw陣を見ていてどうだったか)前半は特にコミュニケーションが取れていなくて、インサイドブレイクされる場面が多かったのですけれども、前半の最後の方では修正できたのかなと思います。後半地力負けしてしまってスクラムでのペナルティやラインアウトでのミスが出てしまったのかなと思います。(BKsリーダーの視点から、夏合宿を経てチーム全体がどのような点で大きく成長したか)夏というか全体を通して、ハンドリングを意識してやってきました。ショートハンズや狭い幅でのハンズパスがかなり上手くなってそこでトライを奪えるようになったのかなと思います。(今後のご自身の抱負をお聞かせください)怪我をしてしまったのですけれども、いち早く復帰して少しでも早く対抗戦に出られるように頑張ります。
NO.8山中侃(商2)
(今日の試合を振り返って)久しぶりに暑い日での試合でした。東海大はセットプレーが強く、セットプレーでだいぶやられてしまってそこからトライにつなげられることがあったので、セットプレーを強くしないといけないと感じました。スクラムやモールでの強化が必要だと思っています。(ご自身のプレーを振り返って)アタック面では結構ゲインできたのですが、モールディフェンスではあまり活躍できませんでした。(前半ではトライを挙げました)SOの青井さんがうまく(敵を)ひきつけてくれたので、そこで前が空いたのが見えてトライにつながったという感じでした。(夏合宿を経てご自身が成長した点は)上のチームでやらせてもらったので、フィジカルの面で結構強くなりました。まだ体重は全然軽いので、もっと体重を増やしてさらにフィジカルが強くなるように頑張らないといけないと思っています。(対抗戦での出場も視野に入れていますか)そうですね。Aチームの選手を超えるためにはいろいろな面でもっと成長しないといけないと思うので頑張ります。(今後の抱負は)練習ではブレイクダウンに力を入れていて、今日ブレイクダウンがあまりうまくできなかったので、そこでしっかり相手を倒すことと、あとは自分はアタックが得意なのでアタックでゲインなりトライなりして勝利に貢献したいです。