ついにフィギュアスケートのシーズンも開幕。ダイドードリンコアイスアリーナにて東京選手権大会が開催された。慶大からはシニア男子に小曽根孝浩(環4)、シニア女子に鈴木美桜(法3)、庄司理紗(総2)、鈴木星佳(総1)が出場。9月24日にショートプログラム、25日にフリースケーティングが行われた。それぞれが課題を見つける結果となったが、東日本選手権への出場権を見事獲得した。
2016東京選手権大会
9月24日〜25日 @ダイドードリンコアイスアリーナ
クラス | 選手名 | ショート | フリー | 総合 | 順位 |
シニア男子 | 小曽根孝浩(環4) | 51.72点 | 81.43点 | 133.15点 | 6位 |
シニア女子 | 鈴木美桜(法3) | 45.71点 | 71.24点 | 116.95点 | 7位 |
庄司理紗(総2) | 36.67点 | 66.48点 | 103.15点 | 14位 | |
鈴木星佳(総1) | 38.59点 | 72.02点 | 110.61点 | 9位 |
シニア男子には小曽根が出場。ショートでは今年挑戦し続けている、3回転フリップの転倒があったものの、「今までで一番良い形だった」と振り返る。その後のコンビネーションジャンプと2回転アクセルは鮮やかに着氷させた。魅せ場のステップでは会場から手拍子が沸く。大きなミスなく、4位という好位置につけた。
フリーでは、冒頭の3回転サルコウを成功させ、このまま勢いづくと思われたが、ジャンプの転倒が続いてしまう。終盤のスピンも上手く入れられず、得点を伸ばすことができなかった。最終順位は12人中6位。だが、持ち前の緩急をつけたスケーティングでは観客を魅了した。課題として挙がったスタミナ面の克服と、練習では上手くいっていたという3回転-3回転のコンビネーションジャンプに期待だ。
シニア女子は世界で活躍する選手も出場するレベルの高い戦いとなった。庄司はけがで思うように練習ができなかったようだが、「どうしても東日本に出たい」という強い気持ちを持って試合に臨んだ。ショートでは、3回転ジャンプを跳ばなくてはいけないため、冒頭で3回転ループに挑む。ジャンプには不安が見られたが、滑らかなスケーティングでカバーした。
13位で迎えたフリーの曲は「The Mission」。確実に東日本選手権に進むため、3回転ジャンプを構成に入れて出場した。冒頭の3回転トウループを成功させると、笑顔を見せる。美しいスパイラルやスピンでは見る者を惹き付けた。順位はショートから一つ落とすが、東日本選手権への出場を決める。まずはけがを直して、実力を思う存分発揮できるようになってほしい。
鈴木星佳はラプンツェルを思わせるピンクの衣装でショートに登場した。冒頭の3回転サルコウ-2回転トウループのコンビネーションジャンプはきれいに成功。終盤の3回転トウループは両足での着氷となってしまったが、「のびのびと楽しんで滑れた」と振り返る。
フリーの「Charlie Chaplin」では、コミカルな音楽に合わせ、チャップリンの世界観を表現した。ステップアウトなどジャンプでは細かいミスが続き、悔しさをにじませる。しかし、「最後までスピードは保てた」という言葉通り、勢いに乗った滑りでしっかりとアピールした。
続いて、鈴木美桜のショートプログラムは「The Impossible Dream」。冒頭の3回転トウループ-2回転トウループでは安定した着氷を見せた。次のサルコウジャンプは回転が抜けてしまうが、後半の2回転アクセルでは立て直す。ジャンプだけではなく、リンクを大きく使った滑りや楽しそうに演技する鈴木の姿は観客の心をつかんだだろう。23人中4位でショートを終えた。
ところが、フリーは思わぬ展開となった。練習ではジャンプの調子がとても良かったというが、ジャンプに精彩を欠き、冒頭からミスが続いてしまう。自身では「調子が良すぎて失敗してしまった」と振り返った。後半のジャンプは成功させ、スピンでも確実にレベル4を獲得するが、ミスが響き、得点は伸びず。最終順位は7位となった。
慶大から今大会にエントリーした選手全員が東日本選手権への出場を決めたが、課題をそれぞれ残す結果となった。それらを修正し、念願の全日本選手権出場に向かって突き進んでいってくれることに期待したい。
(記事 西村夏菜 写真 伊藤史織)
◇以下、選手コメント
小曽根孝浩(環4)
(前回の試合ではもっと自分を追い込んだ練習をしなければいけないと話していたが、そういった練習はできたか)そのときよりは全然良い練習ができていたかなと思います。フリーはコースが定まっていて、練習からパンクが続いていたりしていました。全部締めれたという意味ではやりきったかなとは思うんですが、転倒やスタミナ面がフリーに関しては良くなかったのでそこを改善していきたいなと強く感じました。(ショートプログラムを振り返って)ショートはフリップのミスはあったんですが、フリップは今までで一番良い形だったと思います。3回転-3回転も6分間練習では良い感じだったので挑戦していきたいです。そういった練習をしていきたいなと思います。(今後に向けて)次は東インカレで、大学の試合なんですが、キャプテンとしても4年生としても、今回の反省を活かしてフリーの良い演技ができるようにしたいです。できればノーミスで。少なくとも1ミスくらいで抑えて、終わらせたいと思います。
庄司理紗(総2)
(前回の大会から期間が空いたがどのような練習をしてきたか)公式戦が始まるということですごく張り切って練習していたんですが、9月のはじめに大学の合宿があって、合宿中に捻挫をしてしまってそこから全く滑れない日がずっと続きました。試合の10日ぐらい前の日にやっと滑れるかなというところから、ジャンプも全然できないままこの試合になってしまって。準備不足とかのレベルではなかったんですが、その中でどうしても東日本に出たいと思って予選通過するために構成も変えてなんとかやってきました。(ショートプログラムを振り返って)ショートプログラムは特に大変で、シニアの課題でトリプルを跳ばなくてはいけなくて、練習すらも足が痛くてできなかったので、ほぼぶっつけ本番みたいな感じでした。痛み止めを飲んでやったら痛みは無かったので、あとは自分を信じて今までやってきたことをやったら思ったよりは体が上手く反応してくれたので、まとまったかなと思います。(フリースケーティングを振り返って)フリーはショートと違ってあまり課題がないのでダブルでやろうって決めていたんですが、やはり東日本にいくボーダーラインが際どいっていうこともあって6分間の直前練習の後に構成を変えてトリプルを入れたりとかしたので、少し構成の面で動揺はしたんですが、自分なりにまとめられたとは思います。(今後に向けて)腫れもまだあるのでまずは足の痛みを無くして、そこを治してから東インカレと東日本に向けて難しいジャンプを成功させられるようにまとめていきたいです。
鈴木星佳(総1)
(前回の大会から期間が空いたがどのような練習をしてきたか)一つ一つのジャンプを大切に、意識することをちゃんと決めて練習してきました。(夏に練習をアメリカで行っていたが、アメリカでの練習はどうだったか)練習環境も全然違っていて、氷に乗る機会がすごく多かったので新鮮な気持ちでたくさん練習できて充実していました。(ショートプログラムを振り返って)ショートはジャンプのミスはあったんですが、自分のできることを思いっきりのびのびと楽しんで滑れました。課題はたくさんありますが、次につながる演技だったと思います。(フリースケーティングを振り返って)ジャンプのミスが多くて悔しいです。ちょっと逃げてしまったところもあるんですが、最後までスピードは保てたと思うので、あとはもっとジャンプの成功率を上げられるようにしたいという課題が見えた良い試合でした。(今後に向けて)シーズンに入って、練習できる期間があまり長くないのでもっと一回一回の曲かけの練習を大事にして、本番では楽しんで思いっきり滑れるように練習を積み重ねていきたいと思います。
鈴木美桜(法3)
(前回の大会から期間が空いたがどのような練習をしてきたか)4月に新横浜のリンクがお休みになってからリンクを転々としていたんですが、8月に使えるようになってから3週間はすごく充実した練習が出来ました。(夏にアメリカで練習を行っていたが、アメリカでの練習はどうだったか)本当に練習環境は日本とは比べ物にならないほどすごく良くて、朝からずっとリンクにいて練習ができて、しかも1つのリンクの中に3面リンクがあるのでそこで人も少ない中、すごく集中して練習をすることができました。(ショートプログラムを振り返って)ショートは6月の春関の時に1回滑ってたんですが、その時に自分の演技ができないまま終わってしまってそれ以来のショートだったのですごく緊張はしていました。ショートは自分ができることを一つ一つやろうっていう気持ちで臨みました。(フリースケーティングを振り返って)ジャンプの調子が悪かったわけではなくて、逆に朝の練習で本当に1回も失敗しないほど調子が良くて、逆にそれで今回の試合前は緊張もしなくて、調子が良すぎて失敗してしまいました。調子が良い時でも一つ一つやろうっていうのを心がけて次につなげたいなって思いました。(今後に向けて)次は10月中旬にある、インカレにつながる東インカレで、そこではフリーだけなんですが、まだ少し時間があるので今日失敗してしまったことをちゃんと見直して、次の東インカレ・ウィンタートロフィー・東日本につなげていきたいなと思います。