【フィギュアスケート】鈴木美桜が優勝、2年連続で国体出場を決める! 第21回ウィンタートロフィー

表彰を受ける鈴木美桜と鈴木星佳

表彰を受ける鈴木美桜と鈴木星佳

 

10月30日に新横浜スケートセンターで、第21回ウィンタートロフィーが開催された。国体の神奈川県代表選手を決める今大会。鈴木美桜(法3)が選手権女子を制し、見事2年連続で国体出場を決めた。

練習の成果が出た橋本

練習の成果が出たという橋本

 

 

 

 

午前中に行われたジュニアB男子には慶大から橋本將太(政2)が出場。東インカレではジャンプが決まらず、不本意な結果となってしまったが、今回の演技は「今まで一番良かった演技」となった。冒頭のダブルアクセルを成功させると、勢いに乗って次々とジャンプを決めていく。目標を持って練習に臨む姿勢と走り込みなどの努力が着実に結果に結びついているようだ。60点には少し届かず、惜しくも表彰台を逃してしまったが、インカレではさらに完成されたプログラムを見せてくれるだろう。

 

美しいイーグルを見せる小曽根主将

美しいイーグルを見せる小曽根主将

 

選手権男子には主将・小曽根孝浩(環4)が出場。直前の靴の故障というトラブルに見舞われながらも、「ベストなコンディション」で今大会を迎えた。冒頭のトリプルサルコウやスピンなどの要所をしっかりと決め、得点を積み重ねていく。しかし、前半のダブルフリップ、ダブルルッツでの踏切りや、終盤のコンビネーションジャンプでの着氷の乱れなどで痛い減点。技術点で上位の選手と10点以上の差が付いてしまい、3位で念願の国体出場は叶わなかった。悔しさをにじませながらも「今できることはやれた」と振り返る小曽根。「次は気持ちを切り替えて頑張ります」と、次週に控える東日本選手権に意欲をのぞかせた。

 

 

自分の力を信じて堂々と演技する鈴木星佳

選手権女子のトップで登場した鈴木星佳(総1)。「全然調子が上がらなくて」当日の朝まで悩んだという。それでも、前半では3つのジャンプを決め、さらにレイバックスピンではレベル4の評価を獲得。不調など少しも感じさせない、堂々とした演技を見せる。後半では、ジャンプの回転不足やコンビネーションスピンでのまさかのミスで減点があったものの、最後のステップでしっかりと演技をまとめた。その結果、前回よりも大きく得点を伸ばし3位に入賞。「調子に左右されずに思いっきり自分の力を信じてやる」という気持ちが、良い結果につながった。一流の選手に調子は関係ない。今大会で一皮むけた鈴木の演技に、今後も期待だ。

ジャンプが次々決まり、笑顔がこぼれた

ジャンプが次々決まり、笑顔がこぼれた

2年連続で国体出場を目指す鈴木美桜は4番目に登場。冒頭のトリプルサルコウをはじめ、高さのあるジャンプを次々と成功させていく。後半に入っても疲れを見せることはない。片手を挙げたダブルフリップとダブルルッツを完璧に着氷し、長い手足を存分に生かした伸びやかなスパイラルで観客を魅了。場内から拍手が起こる。最後までほぼノーミスで演技を終え、笑顔でガッツポーズを見せた。「東京ブロックのときは全然降りられなかった」ジャンプ。それからどんどん調子を上げていき、今大会でそれがやっと出せた嬉しさから突き上げた拳だった。全ての要素で加点を取り、結果は文句なしの1位。見事、国体出場権を獲得した。次の東日本選手権に向けては、「コンディションを整えることに集中したい」と語る。今回の演技の感動を、もう一度届けてほしい。

 

演技後、ガッツポーズを見せた鈴木美桜

演技後、ガッツポーズを見せた鈴木美桜

慶大から出場した選手全員が、しっかりと自分の力を出し切った今大会。残りのシーズンを戦うに向け、自信につながったことだろう。小曽根、鈴木美桜、鈴木星佳が次に出場予定の東日本選手権は、目前に迫っている。短い調整期間ではあるが、最高のコンディションで迎えられるよう体調を整えてほしい。

 

 

(記事 下川薫 写真 反保真優)

 

 

 

【以下、試合後インタビュー】

橋本將太(政2)

(東インカレから特に意識して練習したことは)この前の試合はジャンプが回せなかったことが多かったので、今回は回して、マイナスされてもいいからしっかり点数を取っていこうという気持ちで頑張りました。(演技を振り返って)この前はとても良くなかったのですが、今回は逆に今までで一番良かった演技でした。それはこの前の試合から二週間空いていたのですが、その間に集中して目標を持ってちゃんとジャンプを回すというのと、体力が足りなかったので、ちょっと時間があったら軽く走ったりだったり、そういうのが実を結んだのかなと思います。(4位という結果について)本当は今回、アクセルが2本入ったので、2位くらいいけるかなと思ったのですが、2本目のダブルアクセルが全く点数が入っていなくて。なんでかまだわからないのですが、そこをしっかり直せば、60点は出るようになるので、2位とかまたさらに上を目指していけるかなと思います。(インカレへの意気込み)今日以上の演技というのはもちろんなのですが、インカレは今日に比べて30秒時間が増えるので、増えても保つ体力をつけるのと、トリプルを今日降りられなかったのでそれをしっかり跳べるように頑張りたいと思います。

 

小曽根孝浩(環4)

(最終滑走でしたがどのような気持ちでリンクに入ったか) 余計なことは考えず、自分のベストを尽くそうと思って立ち位置に向かいました。(演技を振り返って)自分の中では、今できることはやれたと思います。最後まで諦めずに滑ることができたので良かったと思います。(前回の大会から重点的に練習してきたところは)コンビネーションとスピンの練習を1番していて、昨日の練習では完璧だったのですが、一昨日の靴の故障などがあったりと自分の中ではイレギュラーな状態でした。ベストなコンディションで持ってきた中での今日の演技だったので悔しいですが、これが自分の実力かなと思います。次は気持ちを切り替えて頑張ります。

 

鈴木星佳(総1)

(東インカレから特に意識して練習したことは)ジャンプを一から修正しようと思ってやってきたのですが、全然調子が上がらなくて。結局一週間前から調子を上げることができずに、今日を迎えてしまいました。(演技を振り返って)今日は全然できない中で、もう割り切ってやろうと。今朝までは全然そんなことが思えなくて、本当にどうしようかと思ったのですが、とりあえず跳んでみようと自分を信じて跳んだら、結果良かったので、練習をしていれば調子が悪かったとしても自分の力はあるんだなと思いました。(3位という結果について)久しぶりの表彰台だったので、とても嬉しかったです。こんな良いと思っていなかったのでびっくりしました。(東日本選手権への意気込み)今日と同じように調子に左右されずに思いっきり自分の力を信じてやることと、今日は最後スピンでもったいないミスをしてしまって、スピンは絶対取れるところなのでそういうところがしっかりカバーできるように、細かいところまで修正していきたいと思います。

鈴木美桜(法3)

(演技を振り返って)6分間練習のときには「いくぞ」という気持ちの方が大きくて、ジャンプが上がりすぎてしまったり上手く自分のペースがつかめなかったりしたんですが、今日は4番滑走だったので、待ち時間を使って自分をちゃんと落ち着けることだけに集中していました。演技のときも「落ち着いて、落ち着いて」ということに気を付けていて、それが演技に繋がってよかったかな、と思います。(最後は渾身のガッツポーズを見せていた)アメリカに行って自分の練習への気持ちの持ち方というのが変わったな、と最近思うようになってきて、練習でもコンスタントにジャンプをきちんと決められるようになってきたところでした。それが東京ブロックのときは全然降りられなかったんですけど、それからどんどん調子が上がってきたので、それがやっと今回出せたというのでガッツポーズしてしまいました。あとは、好不調の波がなくなってきたというのもあります。(東日本選手権に向けて)今から中4日で金曜日にショートがあるので、技術的には今日出せたものを維持するというよりは、しっかりと体を休めてコンディションを整えることに集中したいです。あとは、今日できたので次も絶対できると自信を持ってショートとフリーに臨んでいきたいと思います。

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