未だに勝ちがない苦しい状況で迎えた東洋大戦。立ち上がり、相手の迫力ある攻撃を凌ぎきると、下村悠介(経4)が先制点を奪う。しかしその直後に失点を許し試合は振り出しに。第2ピリオドも東洋大に食らいつくが、キルプレーからの失点が響く。結局、この差を埋めることができないままの敗戦。勝利こそ掴めなかったものの、今後の戦いに繋がる試合内容だった。
平成28年度関東大学アイスホッケーリーグ戦 DivisionⅠ GroupA
2016年11月12日(土)17:00F.O. @DyDoドリンコアイスアリーナ
慶應義塾大学2-3東洋大学
Period | 1P | 2P | 3P | Score |
慶大 | 1(4) | 1(8) | 0(10) | 0(22) |
東洋大 | 1(15) | 2(19) | 0(9) | 3(43) |
※()内はシュート数
第1ピリオド。「立ち上がり5分はシンプルなプレーをする」という小池玲央主将(環4)の言葉を体現する。3分にはDF瀧澤慎之督(経1)の反則でキルプレーに。それでもGK河合智哉(環1)のファインセーブやFW永田雅宗(総2)の身を挺したシュートブロックを筆頭に、チーム全員が集中したディフェンスを見せ、2分間の数的不利な状況を耐えきる。11分には自陣ゴール前での反則により、東洋大にペナルティーショットを与えてしまうが、河合がナイスセーブ。ピンチの後にはチャンスあり。14分、左サイドを駆け上がったFW下村悠介(経4)のシュートがゴールネットを揺らす。慶大は待望の先制点を手にする。しかしそのわずか30秒後、東洋大にゴール前を崩され失点、慶大は同点に追いつかれる。それでもここから慶大のホッケーを崩すことなく、このピリオドを1-1の同点のまま終える。
第2ピリオドは苦しい状況に。慶大の度重なる反則によりキルプレーの時間が続くも、河合を中心とする体を張った守りで東洋大の得点を許さない。8分には慶大がパワープレーのチャンスを得て、FW史習成リック(総2)が遠い距離からシュートを放つも得点につなげることができない。13分、キルプレーで失点する。しかし17分、慶大はパワープレーのチャンスを活かす。左サイドでFW十文字開紀(商1)のパスを受けたFW滝智弥(政2)がゴール前へ持ち込む。相手ディフェンスを完全に崩すと最後は走り込んできた永田が合わせ、同点に追いつく。この勢いに乗りたい慶大だったが、19分にはまたもやキルプレーから失点。2-3と1点のビハインドで第2ピリオドを終えた。
第3ピリオド、なんとか同点に追いつきたい慶大。しかし「スタミナ切れ」(小池)もあってか、思うように相手陣内へパックを運ぶことができない。10分、パワープレーで数的優位な状況に。アタッキングゾーンでパスを回し最後はDF在家秀虎(環2)がシュートを放つもこれはキーパー正面。この後もパワープレーは続いたが、決定機をなかなか作れず、点差を縮めることのできないまま1点差での敗戦となってしまった。
直近の3試合では大量失点を喫しての敗戦だった。そこから2週間のインターバルを挟んで迎えたこの試合。確かに敗戦はしたものの光が見えた試合だった。課題としていた立ち上がりで相手の猛攻を凌ぎきった後、先制点を奪う理想の展開。失点後も一気に崩れることなく慶大のホッケーを徹底した結果、最後まで東洋大に食らいつくことができた。ただリーグ戦は残り3試合。この順位のままではDivisionⅠ-Bとの入れ替え戦へ回ることになってしまう。昨季の入替戦、残り2分で逆転し間一髪DivisionⅠ-Aへの残留を決めたことは記憶に新しい。リーグ戦で残留を決めるためにはもう後がない状況だ。この試合を法大戦につなげることができるか。そこに慶大の真価が問われている。
(記事 合場將貴)
小池玲央主将
(今の率直な気持ちをお聞かせください)内容のいい試合ができたのはいいのですけれども、後がない状況になってしまいました。早大戦から2週間空いた中で、みんなでミーティングをするなど、学生だけでどれだけやるべきこと、できることがあるかと考えて実行したのがこの試合内容に繋がりました。この試合は決して無駄ではなく、次に繋がるいい試合だったと思います。全力は尽くせたかなと思います。(この2週間ミーティングをしたというが、東洋大線はどのようなことにフォーカスしたか)今年のチームスローガンはフォーカスなのですけれども、僕たちが格上に勝つためには目先の勝利のために前のめりになってしまってはいろいろなところに隙ができて結局逆転されています。まずチームで試合に勝つために何ができるか考え、それをセットに落とし込む、それをさらに個人に落とし込むというTRSというシートを書いています。自分たちのやるべきことをしっかり明記して普段やることを決めるということを実行してきました。今日の試合では自分たちのやるべきことをしっかりするということにフォーカスしました。(具体的には)ますはじめにチームでやるべきこととしては、立ち上がりは絶対にAゾーンで終わる。立ち上がり5分はシンプルなプレーをする、ピリオドの終い5分もシンプルなプレーをして失点せずに次のピリオドにつなげるというのを3回繰り返すことです。そして失点時にベンチを盛り上げるために声を出すことですね。あとは審判に文句を言わないことです。審判を味方につけることは重要だと今日もわかりました。(第1ピリオド、相手の攻撃を凌いだ後、先制点を奪うことができた)今までの試合を振り返ると、いい試合は全部先制点を取っているので立ち上がりは非常に重要だなと思い知らされた試合でした。(その後の失点は痛かった)失点はしても、それ以降は失点を食い止められたというのは大きな成長かなと思います。(第2ピリオドは数的不利の状態が続いた)我慢の一言でした。難しいのですけれども、やり遂げられたのは、自分たちのやるべきところに立ち返って、勝ちたい勝ちたいではなくていま何かできることはないかと目の前のプレーに集中できたのがその結果に繋がったのかなと思います。(第3ピリオドは点差を縮めることができず)反則も重なっていたので、スタミナが切れてしまいました。そこはすぐに身に付けられるものではないですけれども、出来る限りのことをして法大線に臨みたいなと思います。(試合終了後チームでどのような話をしたか)ここで落ち込んでいても仕方がない。入れ替え戦に進まないためにできることはある。残りの3連戦勝てばいい。試合内容は良かった。次に切り替えようという話をしました。(チームは負けが込んでいるが、チームの雰囲気は)スポーツには勝ち癖が重要だと思うのですけれども、それを今年のチームは全然付けられなくて今の状態になっています。雰囲気といえば勝ち癖がないのはマイナス要素だと思うのですけれども、次につなげようというポジティブな気持ちをみんな意思疎通して持っているので、今は次に向かってポジティブな気持ちを維持できていると思います。(次の法大戦に向けて)後がない状態なのですが、失うものは何もないので、できることを全部やって法大戦は絶対に勝ちます。